広い背中に拠り掛かり 頼もしい腕に頬杖ついて 指と指とを絡めながら 毛の生えた脛を 足の爪の先でくすぐる
思うさま息を吸い込んで スッカラカンの私の中を あなたですっかり満たしてしまおう
汗や涙や涎や血や尿や髄液や すべてのあなたが入り混じり すき焼きの終わりみたいにどろりとして 甘ったるいんだか塩辛いんだか わからないまま愚図愚図している
あなた あなた ねえ、あなた
そっと頭上を仰ぎ見る 太陽が一番高く昇る角度で 世界を明るく照らしてくれる 穴が開いた白い顔
カラッポになったあなたの首に 私は表札を掛けた
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