君が

君が今この状態になっている事は
とても自然な事なのです

悲しくても
いつかそれが良かったと思うのです

人間はみな幸せに



休日

静かな休日

静かな

とても静かな休日

今は誰も僕を見ず

静かな休日を過ごす

静かで

とてもとても静かで

眠れぬ夜も過ぎていく

僕は僕を見る

静かな休日



忘れられぬ人

横顔・・・ハスキーボイス・・・
笑い声・・・白いTシャツ・・・

忘れていた熱い想いも
目覚めが来てから
また2度寝入りする



慣れ

人間は自然に慣れてくる
痛みにも苦しみにも
優しさにも幸せにも

1番恐ろしいのは無感になる事だ

夢を捨てて
この現状に満足する

そして飽きてしまえば
それはまだ良かった事なのさ

慣れが無感になってしまったら
そこで全てが終わってしまう

慣れとはなんと恐ろしいものなのか



約束

僕は今
君との約束を破っている。

適当な言い訳を用意して。

僕はそういう人なんだ。
本当は気が付いていたんだろ?

それなのに僕は今、
こんなところでぼんやりと君の事を考えている。

電話なんか何の意味もない。
言葉なんかなんの気持ちも伝えられない。

だけど僕は悲しい。
自分のした事の罪悪感と付き合っている。

僕はそういう人なんだ。





思い出せる時

たまにとても自分を好きになる時がある

たまにとても好きな自分になれる時がある

たまにとても自分を嫌いになる

たまにとても嫌いな自分になる時がある

苛立つ要素とは一体
僕の体の
どこからやってくるんだろう

楽しみなのは
少しだけ黙る自分が居る時
僕が僕だと主張する時

優しさを思い出せる時



まなざし

君に会えるのが嬉しかったからきっと、
いつもより
出かけるのに少し
時間がかかってしまったんだ。

遠いような近いような
中途半端な距離に居る君の存在が、
心地良くもあればもどかしくもあって
それが最近のわたしの気分を支配している。

君の声が届く距離、
君の姿が見える距離、

君の居る空間に触れる時

呼吸をする事も
景色を眺める事も
まるで違う世界を体感しているような気分。

君が少しづつ繰り出す言葉を、
意味すら理解も出来ないほどに
ただ淡々と自分の体に刻み付けていたんだ。

言葉を交わせなくても、
その瞳がわたしを見つめてくれなくても、
この想いの一瞬を
燃やせるだけの君の力が届く事が
わたしにはとても怖いくらいだった。


君の尊敬するアノヒトが、
何度も振り返って君に声をかける度、

まるで愛しい人に想いを馳せるような
真摯なその君のまなざしが

わたしの気持ちを
いっそうに震えさせてた。







夢の中でも(僕の世界)

歌声は…消えてしまった

夢の中でも とても残酷で

夢なのに夢さえ見せてくれない

白く消えてしまう…

そこにはいつも世界があって

その中で蒼く光っている

些細な事を悲しく思ってしまう

好きな歌が少しづつ忘れられていく事や

考えなくてはならない事を

考えられなくなる事や…

僕はいつも

本当は1人じゃない

だけどとても孤独で

冷たい風が吹いている

愛は何処にでもあったはずなのに

なのに何故

歌声は消えてしまったのか

もう 僕は 必要ないんだろうか







ゲーム


片隅に寄せられて

君との恋はまるでゲームのようになってしまった

騒がしくて

だけど大切でしょう?

ずっとこのまま なんて

少し無理な話だったけれど

傷付く事には人一倍敏感だから

良く似た君と

足跡を消していた

「さよなら」って言われるのが

私は怖くて

君はだけど黙っていた

風が吹き抜けていった







君を想う夜は

君を想う夜は

とても幸せだった

何も知らないけれど

人込みですれ違えば

揺れる髪を眺めてた

だけどそれが

僕の全てで

君に救いを求めても

空回りするだけ

長い夜を

君を想い眠る夜は

微かな気持ちが届くかな

言葉だけじゃ足りなくて

だけど言いたかった

これからも頑張って

君に巻き起こる人生の中で

僕の一部が

大切なモノでありますように

君を想う夜は

雨の音も

風の音も

君の中に溶けていく




牢屋

私は私の中に牢屋を造って
その中に自分を閉じ込めてしまった

だから私は分裂して
何をしても楽しくなくなって
感動する事も喜ぶ事も忘れてしまった

早くそこから出してあげなければ
このままでは見失ってしまうから

いつも本当は
自分を傷つけているのは自分だって
みんな気が付いているのに
外へばかり気持ちがいっちゃってるんだ

早く自分を取り戻したい
自分で自分をあざ笑うなんて
それでは余りにも情けなくて
私が可愛そうだ





僕の世界

僕は 僕の世界観の中で自由に歌う
社会はいつも次の交錯の中で
微妙に僕に触れる
僕の歌声はすずめのさえずりみたいに
小さくて すぐ消えてしまう
どんなに考えても
どんなに素敵な詞でも…
こうして誰もが 毎日を過ごしているのだろうか
何にでもなれるって信じていた頃…

「本当は私も凄くない」なんて
乾いた言葉に 僕はまたうんざりしてる
僕は真実を手に入れたい

僕は今 この世界で余りにも小さすぎる
小さく黒い粒になっている
黒く汚くなっている
僕は君が思っているほど純粋なものではないよ
だから真っ直ぐな君を汚してみたいと思う
もっと汚れてしまえばいいと思う

僕の世界観の中で君は自由に歌っている
愛さえ知らない僕に
この先何が出来るって言うんだろう
こんな世の中になってしまって
間違っていると思っても
この怒りを何処にぶつければいいんだろう
そう見える自分がおかしいのだろうか
誰がこんな風にしてしまったのだろう

それでも

僕は 僕の世界観の中で自由に歌う
それは
小さくて すぐに消えてしまう




迷路


僕は いつも 何か 求めている

そして どこかで 終わるのを 待っている

すべての物質がやがて朽ち果てるように

巡り廻る迷路の中へ堕ちていく


僕は 綺麗な 偽善者を 演じる事で

世の中を 渡り 歩いている

もう一度 繰り返すのだろうか

僕の心は何度も幾度も分裂する

そして僕は それを破壊する


僕は いつも 考えるふりばかりしている

そして いつも 知った風に笑う

迷路の出口で待っている

存在しないかも知れないその場所へ

僕は いつも 向かっている







大人

わたしはあの人をいつも大人だと言った

判っている事をわたしは素直に判っていると言った

話し方の上手なわたしの周りで

少しずつ崩れていくのは 形のあったものか

気味の悪い物音にわたしはいつも慄く

振り向けばいつもあの人が居ると信じてる

限りなく近づくわたしの欲望に

あの人は上手なあしらいをするのだろうか

わたしはあの人をいつも大人だと言った

20歳の夜に起こった奇跡を

もしかしたらあの人はずっと 引きずって居るのかも知れない

わたしのあふれる気持ちの果てを

あの人は上手なあしらいで制止するのか

何かの間違いだったかも知れない

わたしはあの人をいつも大人だと言った







16歳

紅の夕日の午後

鏡の中の何を見つめているというのか

深夜の秘め事

鏡の中の誰を見つめているというのか

僕は16歳 僕に会ってみたい

こつこつと時の歩く音も聞こえてくる

17歳の夏 ガラスの中

出来ればどんな人か知りたい

欠落感に足掻く時

失望を持て余す瞬間

思い描いた未知の世界に眩暈すら感じる・・・

鳴り響く音

振り返る怖さを僕はもう知っている

こつこつと時の歩く速さを

僕はまだ知らない





人生を生きていく上であってはならない筈の生活苦

何故こんなにも苦痛だというのだ
日々生き方を繰り返す上で 僕の社会は学校でしかない
毎朝の規則正しい生活を行う事で僕は神に守られている
少しでも僕が機嫌を損ねでもすれば
神はそんな僕に罰を与えるのだ
「わたしの与えた人生がそんなにも厭だというのか?」
確かに僕は神を求めていたはずだが
神は裁きの神でしかなかった
幸せの言語を何のためらいもなく憎むのだ・・・
好きな食べ物だからといって3食それを食べ続けろとでもいうような
理不尽さしか僕に残らない
時に気分に支配されることはそんなにも過ちであったのか
僕の弱さに神は両手を合わせて喜ぶのだろう
僕の苦痛はすべて神のせいだとでも僕は言うのか?
世の中で激しく繰り返される生の幸運と不運を
何もせず待っている訳じゃないでしょう
ではこの息苦しさはなんだというのだ
誰もが必ず通らなければならない一本道なのだろうか
この場所にいつまでいなければいけないのだろうか
この場所にいつまでいられるのだろうか
いつ抜け出せるのか 抜け出せれば楽になるのか
今の僕はやはり不正を行っているのか
無理をして何かを偽っているのかも知れない
神が笑っている事ばかり気になる




灰色

僕の文学がはじまる
詩人の言葉を僕は忘れる
「僕の人生は灰色だ」

きらびやかな重低音が 鼓膜を破り
色褪せた服に醒めた心を再び熱くさせようとした
悪足掻きの彼が両手を広げる
よく来たな!
大きな歓声に誰もが意思を失い
突然本当の自分を思い出した女が呟く
「わたしの人生は灰色だ」

薄汚れた手は恐ろしく冷たくて
自分を抱き走り回る子供は
「母はどこへ消えたの?」
父の寝言で目を覚まし
母の元へ駆け寄る
冷たい両手を差し出して・・・
「僕の人生は灰色だ」

神はまだ僕を救ってくれない
見えない糸で引きずられるように
ずるずると僕は他力本願をする
僕はまだ詩人の言葉を思い出せない
「僕の人生は・・・」






食べ物

大切なのは他人を思いやる気持ちで
本当は自分はどうなってもいい筈だった
けれどそれはいつの時代か
白けた奇麗事になってゆき
人々は相談の仮面で
悲劇のヒロインに成り下がっていった
たくさんたくさん考えたのに
何も知ってはいなかった
生まれた時に神が植え付けた脳という実に
僕の肉体も支配されているだけだった
・・・自由はどこにもない・・・
そのうち腐って神の大好きな食べ物になる
だから哲学は進歩しない
動かされてるのは体のほうで
行動に移さなければ意味が無いなんて
馬鹿達に振り回されてきた
それは神に賄賂を贈った下衆達で
もう魂さえ消えかけてるのを僕は見たんだ
考えているふりをして
僕は何も考えていなかった
大切なのは他人を思いやる気持ちだったのに








波があなたを連れ去ってからもう何年経つんだろう

僕も戻ってこない

いつまでも戻ってこない

寝ているときも起きているときも

同じくらいに・・・悲しみを・・・

不誠実な僕の心を

温かい海へ沈めるのはあなただけだ

何度も僕を突き放して

遠い あなたは きっと 永遠に

そうして僕の真実はまた汚れていくのだ





最後の願い

神様 最後の願いよ

もう二度とあなたの前には現れない

何度もここへどうして来たのか

不安で仕方なかった

闇が支配し始めるのを

よく 眺めていたものだ

小さな本質を守るのがわたしのすべてだ

本当の意味なんて判らない

神様 最後の願いよ





ぼんやりと


ぼんやりとあなたをみていたら
涙が出てきました
はるか彼方の地平線で
いつの日か幾度も抱き合ったけれど

そっとあなたの声が届いて
立っていられなくなりました
遠い月の夜に
あなたの記憶を花飾りで包んだけれど

何処かふとあなたの視線が舞って
桜のように散っていきました

ただゆっくりと ゆっくりと





彷徨う

僕は切なさで壊れそうだ
淋しさに潰されそう
本当は大した事じゃないのかな?
大人になったら綺麗な思い出になるわ
あの人は一言二言そんな言葉を吐き出し
僕をもっと深いところへ押しやる
気持ちもいつしか消え去って
僕は必死で立ち直ろうとしている





水道

水道の蛇口を捻ったら

キュウという鈍い音がした

それは あの国の

人間の叫び声のようで

僕は怖くなって俯いた

僕の周りにたくさんの水・・・

水面に映った僕はにっこりと微笑んでいた




異次元

独り暗闇の部屋に
僕は
異次元の入り口を見つけた
向こうに行くべきだと僕はとっさに悟る
そっと手を差し伸べている
誰かの影が見えていた
無言で立ち上がりそこへ歩み寄れば
ただずっと蒼い草原が続く
僕の真横で溜息をついた彼が
赤い実を食べて倒れていた
僕は確かにここは異次元だと言ったが?
口をついた彼の言葉に僕は立ち竦む
「ここはどこなんだ」
見渡せば瓦礫に埋もれた小さな花が見える
崩れた街並みが僕を脅かす
気が付くとまた僕は青い草原にいる
しかし空は赤く
記憶が映像のようにジグソーパズル仕立てで並んでいる
僕は後悔した
この場所に来た事に
彼に手を伸ばす・・・
ああ、彼は何処に?




コンサート


どこからか素敵な音楽が聞こえてくるよ
コンサート会場はいつも大騒ぎでわたしの心をかき乱す
・・・大好きな音が聞こえてくるよ
彼はわたしに笑いかける

もう今では明日さえ見えている毎日
溜息は残された今日にかかり厭な感じを残してくるんだ
きっと明日はきっと明日はって
一体何に期待していると言うのだ?
愛しい彼よ もう笑いかけるのはやめてもいい
気持ちばかり浮遊しているのだ
彼よ 手を握り
わたしもその場所へ連れて行って欲しい






記憶

青く晴れ渡っている空に
吹く風にぬくもりを感じたら
あの頃の懐かしかった夏の頃を思い出す
風が止んだら桜の木の下で
懐かしかった春の日を思い出す
それは遠い過去の現実で
過ぎ去り日は戻らないんだってもう一度
実感させるんだ
白い雲がひとつ
頭上高くに浮かぶのが見えれば
肌寒い秋の夜を思い出す
大勢の笑い声も何処か聞こえていた
ひとときひとときの
一部分の様子が断片のように
明確に思い出される
あの頃のたくさんの人々
この場所で今は一人
静かに時は流れていく
もう二度と戻れないでしょう
青く高く晴れ渡っている空の下では
一人では寂しすぎるんだとあの人は泣くんだ
青い空の下では遠く深く蒼い湖の記憶を
思い出させるんだ





乾き

ああ・・・それは本当に突然起こるものだ

会いたい 君に会いたい

とくとくと渇きを潤す君の音に

欲情する






水死体

遠い 遠い夢のような現実よりも
すぐ傍の避ける事の出来ない現状の方が良いと
いつか思ってしまうんじゃないかって ずっと怖かったんだ
そうしてると ふと 思い出すのは水死体だ
波打ち際に打ち上げられた どこか遠い使者のように
ふと顔を上げ 一言 言うのはその言葉では?

「お前は間違っている」

だんだん現状の素晴らしさが胸に迫るんだ
その分だけ しかしまた つまらぬ世界が浮かび上がるのだ
すると大人になったと思うんだ
大人って言う死体にまた
近づいてるんだって泣くんだ

僕は人間だ
人間は悲しい生き物だろう
下らぬ事に腹を立て 喜び 泣き
最後には神に祈るんだ

こんなところでのさばってないで
君の思う通りに生きなさいって誰かが言うけど
思い通りに生きられるならきっとみんなそうしてる
自分を犠牲にして 人の為に生きている人もいるけど
変な同情を起さぬように
自分は本当は何で生きてるか迷ってるんだ
そうして遠い夢のような現実を捨てていくんだ

だけどいくら遠くても儚くても
それは現実
やろうと思えば出来る事

ああ だけど何故だろう

僕には今日もまた水死体が囁く

「お前は間違っている」




想わせぶり

貴方 今日はずいぶんと想わせぶりなんだね

いつもの優しさは相変わらず同じだけど

何か今日はいつもと違うんだね

貴方 そんなそぶりは逆に残酷だよ

わたしが勘違いをする前に

はやく はやく いつもの貴方に戻って

貴方が誘ってくるなんて

100年に一度の奇跡か・・・?

貴方 今日はずいぶんと想わせぶりなんだね

差し伸べた手さえ今日は温かいもの

ああでもそうか

このままでもいいのかも

後でわたしが途方に暮れても

想い出は勝手に残るものね






あの娘


あの子が居ない空間に慣れている自分に驚いてしまう。
慣れたらおしまいだと思っていたのに。
いつまでも新鮮な気持ちを持っていたいけれど・・・?

実際は慣れていることに慣れて生きている。
あの子が今この場所へやってきたなら
空気が変わってしまうんじゃないかって
恐れている僕がいる。

まるでTVドラマの撮影を見ている様に
みんなが遠くに見える。
どこかのもう一人の自分が
自分達を見ている様だ。

誰かが見ている。

もう一人の僕が僕を見ている。
少しづつこの不思議な感覚にも慣れていくんだ。
振り向いたら恐ろしい僕が僕を見ている。
振り返った僕が恐ろしく僕を見ている。

あの子がやってきたら
笑い出してしまいそうで怖いんだ とても。

だけど気持ちは慣れていく。




深海浮遊

しんとした湖で

目を覚ました事もあった

あまりに静か過ぎて耳が痛くなる

もう戻れないって何回も呟いてた

そんな頃にも戻れないと嘆く


いつからかふわふわと

漂う波に揺られて

初めて湖に居ない事を知った

だけど泣いたり喚いたりしなかった

きっともっと哀しくなる

だからただ

ゆっくり沈んでいく感覚を

何度も思い出していた


あの日を忘れられない






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