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2003年04月07日(月) |
アダラートの舌下投与は禁止! |
アダラートの舌下投与が禁止された!
H14.10アダラートの舌下投与が、添付文書により禁止された。
アダラートといえば、研修医の頃から御用達の薬で、 「なにっ血圧が高い」 「アダラート半錠舌下しといて」ってなもんである。緊急降圧剤の代名詞であった。 では、なぜ舌下投与が禁止されたかというと、
1.まず、舌下投与してもアダラート(製品名ニフェジピン)は実は、口腔粘膜から吸収されるわけではなかった。液が消化管まで落ちていって吸収されるので、経口投与とそんなに効果は変わらない。
2.10mgカプセル投与によって、血圧が下がりすぎて重篤な事故が起こる可能性がある。
では、どうすればいいかについて、ひとつの提案が載っていたので紹介する。
10mgカプセルに細い針(25G)を刺し、最初の4滴を30ml程度の蒸留水に溶かして舌下すると、約3ml程度の投薬となり、過降圧になることはない、というものだ。
また緊急時はそれほど頻度としては多くなく、日常診療では、ゆっくり降圧する方がのぞましいことから、わざと、短時間作用性の降圧剤(ペルジピンやカプトリル)を用いるとか、カプセルよりも血圧変動の少ないアダラートL(10mg)の使用が推奨されている。
ちなみに自分は、よほどのことがない限り、アダラートL(10mg)を使用している。
いろいろ細かいことが決められているが、自分みたいな古い人間には、肌に染みついた薬の使用法なので、なかなかぴんと来ないのが現状である。でもこんな事をひとつずつ頭の中で変えてゆかないと、いつまでもEBMから取り残された馬鹿医者になってしまうんだろうね。新しく始まる、ゆとりのある、きちんとした臨床研修に期待しています。
参考文献 日経メディカル2002.12 p28-29.
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