思うこと
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2004年06月10日(木) 失われた10年?

近頃、バブル崩壊以降の日本の無為無策が批判されているが、
国家存亡の危機が迫ってきているときの日本の決断の遅さは実は前科あり。ただ、極めて遅い代わりに、決まった後の思い切りの良さは評価すべきだけどね。

モンゴル襲来の時と、黒船の時。
 モンゴル襲来(第一次襲来=「文永の役」)の前は、無血降伏を勧めるモンゴルの使者を切り捨てたりと、強硬な態度をとったにもかかわらず、戦争の準備はロクにしていない。モンゴル占領下の高麗の「三別抄」というゲリラ要するに「抗蒙古パルチザン隊」が、「共同戦線で抵抗しましょう」と日本に使者を送ってきたにもかかわらず相手にしてないし、そもそも敵の情報を仕入れようともしていないし、シーレーン防衛(船舶上陸妨害用の、博多湾沿岸部の石塁)は第一次襲来の後になって構築が開始されるし・・・。

 黒船の時は、出島のオランダ商館から世界情勢に関する最新情報を購入していた(=和蘭風説書)のはまあ進歩しているけど、でも、最初にロシア船が来てから開国までには50年以上、「このままズルズルと鎖国を続けていたらマズイ」と気づいた(=アヘン戦争での清の屈辱的敗戦)のが1840年のはずなのに、それから実際の国策転換(開国)まで、14年あまりもある。

 どうも、日本が大きな決断をするためには、「これ以上モラトリアムで逃げ切ることはできない」と気づくまで、「失われた10年」のような犠牲が必要なような気がする・・・。


2004年06月08日(火) 400年後のテレビ時代劇

 幼い頃は大して面白いとは思わず、ましてや感動や共感などしなかったに、最近になって面白い、というか大いに共感するようになったものに「水戸黄門」がある。
この文章を読んでくれている人(若者が多いと思われる)の大多数からは、
 1 「時代劇なんてジジ臭い」
 2 「あんなの究極のマンネリだろ」
 3 「本当の水戸黄門=水戸光圀は、時代劇で描かれている全国旅行なんてしていなくて、あれは全くの創作なんだぜ」
って声が聞こえてきそうであるが、まあ、社会人になって勤め人になればそのありがたさが身に染みて分かるだろう。そこで俺は上記3つの批判に対して、下記3つの反論を用意した。

 1、現代の実話ではないため、今生きている人や組織とは直接利害関係が発生しないため、自由に話を創作できる。また、現代において、実在の人物で、誰からも憎まれない水戸黄門のような勧善懲悪型のヒーローは存在しない。
 2、いつの世の中でも、世の中というものは非情なものであって、善人や正直者がいつも得をするとは限らない。しかし水戸黄門では必ず最後は善人や正直者が救われる設定になっているため、安心して(=ストレスを感じずに)話を楽しめる。
 3、実話であろうがなかろうが、もう300年も前の話なんだから、そんな堅いこと言うなよ。

 1について補足すると、もし現代の世にあって、現代の実話を題材にしようとしたら、それは娯楽番組というよりニュースになるか、ニュースほどの新鮮な題材ではないのだったら「ドキュメンタリー」になってしまい、娯楽として楽しめるものではなくなる。また、それ以前に、関係者から、名誉毀損問題などでトラブルが必ず起こることだろう。また、ニュースや新聞で悪事を働いている政治家や悪徳企業の社長の顔などは完全に覚えているため、いくら本人と似た俳優を使っても、顔や声、仕草などから本人ではないという事実に、大半の視聴者が気づいてしまう。そういうわけで、現代を舞台にする限り、全く架空の政治家や企業を使った「ドラマ」にしない限り、訴えることができないのである。
 それならば、次の例ように架空の人名や企業名にしてみたら、受けるだろうか。
 「健筋建設(株)」が、与党議員「阿久野猥郎」に政治資金を渡すことを見返りに、公共事業の受注という見返りをいただいているという悪事を、正義の国会議員「比呂まさよし」が見抜き、阿久野議員主催の極秘の政治資金獲得パーティーにこっそりと忍び込み、会場のテーブルの下に隠れて、阿久野議員が健筋建設社長から袖の下を受け取る現場を写メールで劇撮、マスコミに大公開。両者の悪だくみは白日のもとにさらされたのであった・・・。

 うーん・・・。架空といえども、あまりに生々しくて、せっかく余暇を楽しんでいるのに、現実世界に引き戻されるようで、ストレス解消にならないかもしれない・・・。しかも、水戸黄門と違って、判断は裁判所や国会の証人喚問とかで出されるため、判決が下りるまでに何ヶ月、いや何年もかかる上に、比呂本人が判決を下すわけでもなく、全く関係ない「裁判官」が判決を下すわけだからな・・・。

 ちなみに先日の「水戸黄門」は、こういう番組であった。
大抵の視聴者はこのように置き換えて観ているだろう。
「徳島県に本社を置く徳島建設の洲本(=淡路島)出張所で財務係を担当している根羽禅忍は、本社の総務部長から極秘に、二重帳簿をつけて浮いた金を俺によこせと命令されていた。根羽の人事権を持つのは総務部長。根羽にも生活がある。根羽本人としては次の人事異動では本社手当の付く本社に行きたい。だから総務部長には逆らえない。悪いこととは分かっていながらも、本社から予算として送られてくる資金を二重帳簿をつけ、工事費用やバイトの給料をピンハネして、総務部長に送る毎日〜。」

う、グッとくる内容である。
今日は遅くなったのでここまで。(続く)


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