Deckard's Movie Diary
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2007年12月31日(月)  アイ・アム・レジェンド AVP2 マリア

『地球最後の男』と『アイ・アム・レジェンド』
<完璧なネタバレ!>

牛込柳町の忘年会で映画仲間の二人がこの作品の話をしていた時に『オメガマン』とか『地球最後の男』とかいう言葉が聞こえてきて・・・「あれ?」って思ったんですよ。

このハナシをする前にまずはオイラの性格です。オイラは『インベージョン』を観ながら「コレって『SF/ボディ・スナッチャー』じゃん!」って気がついたくらいの呆け者です(ダメじゃん!)。そう言えば、牛込柳町では『28週目』の話題も出たのですが、それもなんのことやら分かりませんでした(ダメダメじゃん!)。「フェルメールって誰?」と美大出身が疑われるような発言もしたりして、もうダメダメダメじゃん!男です。他にも記憶に新しいところでは某映画サイトで話題になった『ブレインデッド』です!当時『ロード・オブ・ザ・リング』でメジャー監督の仲間入りを果たしたピーター・ジャクソンですが、過去にスプラッター・ホラー・コメディ(こんな呼び方でいいのだろうか?)の傑作『ブレインデッド』をモノにしており、映画ファンの間では「あの『ブレインデッド』のピージャクがなぁ・・・今や押しも押されぬ大監督だぜ!」みたいな会話があちこちから聞こえて来たものでした。『ブレインデッド』を知らなかったオイラは人に隠れてTSUTAYAに飛び込みビデオを借りてきてコッソリと観たのですが・・・観てるじゃ〜〜〜ん!すっかり忘れてました(/・_・\)アチャ-・・その後、ピージャクの傑作『ブレインデッド』は次郎長親分の“エセ評論家に『ブレインデッド』を投げつけろ!”キャンペーンで一躍有名になったので市民権を獲得したのでご覧になっている方も多いと思います(ホントかよ!)

というワケで、何を言いたいのか?と言うと、観ていたんです!オイラはヴィンセント・プライス主演の『地球最後の男』を(横目でチラチラですが)観ていたんですねぇ(因みに原作は未読です)。2年位前でしょうか、仕事の打ち合わせに行ったプロダクションの人に、オイラが映画ファンと知ってか「でか政さん、この映画知っていますか?」と言われて見せられたのがコノ映画でした。TVに映し出された白黒の画面にはプライスがマメマメしく働いていました。何故、今回ピンと来なかったのか?親分も言ってますが、オイラが観た『地球最後の男』ではヴァンパイアでしたよ。最後の男役のプライスはドアにニンニクをぶらさげていました。っつーか、ヴァンパイアとゾンビって似て非なるモノでしょ!そりゃ、両者ともUNDEADですけど、ヴァンパイアは無駄に暴力的ではありませんし、なんてたってインタビューもこなしますし、なによりお洒落です!逆にゾンビに知的なイメージは皆無です。

さて、以上を踏まえて『地球最後の男』と『アイ・アム・レジェンド』の違いですが、“LEGEND”の扱いが全く違っています。ぶっちゃけると、ヴィンセント・プライスはヴァンパイアから、ウィル・スミスは人間から、ってコトなんですよ。奥深いのは明らかに『地球最後の男』の方です。“最後の男”の最後は切なく、ピテカントロプスと化した人類(木星に行ったワケじゃないんですけどね)の哀しみがそこにはありました。当然、血清となるモノの扱いもあまりに空しいです。ただ、『アイ・アム・レジェンド』は安直なストーリー展開になっているとは言え、ニューヨークの終末観の描き方は秀逸ですし、娯楽映画としては十分楽しめる作品でした。ゾンビでありながら、多少なりとも知性を感じさせるシークエンスは原作の賜物かもしれません。

因みに『地球最後の男』には二種類のヴァンパイアが登場するのですが、下等なヴァンパイア(ヴァンパイアに上等、下等があるのは“インタビュー・ウイズ・ヴァンパイ”の原作本に書かれていたので知っていました(笑))の動きはピッツバーグの伝説の男に多大な影響を与えたそうです。




意外と良く出来ていた『AVP』の第2弾でしたが、コレはダメですね。中途半端ですよ!予告編で♪good morning PASCO のような映像が流れて、一つの街が戦場になる!みたいな感じだったんですが・・・。まぁ、確かにそうなんですけど、オイラが思い描いていたのはたくさんの蟻が這い回っている場所で人間同士が喧嘩している図だったんです。つまり、人間?そんな虫けらカンケーねぇ!っつー感じで“AVP”をやって欲しかったんです。女子供、身障者とかの社会的弱者を片っ端からぶっ殺して欲しかったんですが、けっこうマトモなんで期待ハズレもいいところでした。最初はちょっと良かったんですけどねぇ・・・モンスター映画なんだから、とことんやろうよ!しかし、画面が暗くて何がなんだかワカラン!




『マリア』真摯な姿勢の作りは好感が持てますが、ちょっと退屈でした。なんだか、道徳の時間に映画を見せられているような気分になっていましました。そういう意味でも決して悪い作品ではありません!ただ、地味すぎ!っつーか、純愛映画と見ればいいのかな。


2007年12月29日(土)  再会の街で

予告編から気になっていた作品です。主演のアダム・サンドラーが昔のボブ・ディランに見えちゃって(関係ねーよ!)。映画はほぼ予想の範囲でしたが、この映画で微妙なのは、彼の不幸の原因が“911”になっているとこです。その結果“911”の悲惨度は上がりましたが“911”じゃなくても良かったような気もします。何故なら、保険と補償だけで食べていける状況ってのは、かなり恵まれていると思いますよ。同じような状況で生活に困っている人なんてたくさん居るでしょうに!生活に困っていたら、生きるコトに追われて悩んでなんかいられないですよ。自殺するか貧乏暇無しで働くしかないですよ。そういう意味ではある意味贅沢病でしょ。まぁ、家族を全て失って“恵まれている”もナイですから、いちゃもんに近いですな(苦笑)。

それはさておき、いまいち釈然としない作品でした。主演のサンドラーの熱演でどうにかカバーしていますが、あんな女性患者なんて、あまりにご都合主義的過ぎるし、大体、サンドラーとチードルの友情の在り方がほとんど描かれていませんから(別に回想シーンを入れろなんて事は言ってませんよ)、ピンと来ません。チードルの奥さんが言うように、成功してもがんじがらめのチードルはサンドラーの自由に憧れているから気になって仕方ないんでしょうけど、それも分かるんですが、どうもチグハグでまとまりに欠けるような印象が残りました。結局は“異性”でもいいんですけど、あんな女でいいんですか?なんだかなぁ・・・。テーマソングは音楽ファンも映画ファンもくすぐる♪REIGN OVER ME(邦題は“愛の支配”)!The Whoの名曲ですが、パールジャムのカバーだったんですね。

それにしてもリブ・タイラーの最初の登場シーンですが、驚きました!何処のオバハン?って思っちゃいましたよ!老けましたねぇ・・・・・・・・( ̄。 ̄ )ボソ…


2007年12月28日(金)  その名にちなんで

普通に良かったですね。ただ、それだけなんですけどね。う〜ん、何て言うのかなぁ・・・いまいちノれないと言うか、「で?」っつー感覚が残ってしまいました。模範解答のような印象しか残りませんでした。もちろん、模範解答なんですから正解なんですけど、だったらドキュメンタリーの方が説得力があるような気がしますね。もっと映画的な深みが欲しかったような気がしました。


2007年12月19日(水)  椿三十郎

観てきました。オイラはオリジナルが好きな輩です。まず、主演の織田裕二ですが、これはまぁ、最初から分かっていたことですから、責める気はありません。三船も決して上手い役者ではありませんが、どんな役をやってもその存在感は卓越していました。つまり、元々持っている彼の個性が秀でていた為に、何を演じさせても三船以外の何者でもなく、下手な演技なんぞ足元にも及ばない魅力を放っていたわけです。織田裕二は元々下手糞な上に、今回はモノマネ以外の何モノでもなく、ある意味、器用貧乏な日本人丸出しです。まぁ、分かっていたことですから、特に指摘することはありませんが・・・。

問題は室戸半兵衛を演じた豊川悦史です!友人が言っていたのですが、とにかく最初の登場シーンでずっこけた!と。確かに、最初の登場シーンでのトヨエツはあまりに軽いです。その後はなんとか持ち直すので、一番大事な登場シーンでの演出はもうちょっと考えて欲しかったです。トヨエツの甲高い声がこそばゆいというか、あまりに軽くて「なんじゃこりゃ!」となってしまいました。っつーか、だいたい椿三十郎を演じる織田より年齢が上ってのが問題でしょ!もちろん、実年齢なんかよりどう見えるか?なんですが、やはりトヨエツは織田より枯れて見えます。これでは、椿に騙される室戸がアホにしか見えません。抜身のギラギラ感は室戸が醸し出さないとダメでしょ!最後の決闘シーンで椿は室戸に若い頃の自分を重ねているワケですから、その室戸が明らかに椿より年上に見えてしまっては話が成立しません。

本作は脚本が良いですから間違いなく面白く、最近の時代劇としては良く出来ていますが、オリジナルの完成度には及びません。しかし、ちょいと見方を変えれば、下手糞な演技だろうと脚本さえ良ければ観るに十分値すると言うことです。というワケで、映画を作る人々はもう少し脚本を練って欲しいですね。

ラストの立ち回りですが・・・別のコトをやりたいのなら、オリジナルを越える意気込みで作って欲しかったです。何故にこういう立ち回りになったのか?その伏線を張っていればもっと際立ったのではないでしょうか。オリジナル脚本にあった、流れ出る血が作る模様とかの表現も観たかったですね。

さて、今回のリメイクですが・・・良かった点はカラーだったのでツバキの色が良く分かったというところでしょうか。後は大島ミチルのスコアと佐々木蔵之介かな。また一番の心配事は今回のリメイクに味を占めた邦画界が傑作旧作から脚本だけを拝借してリメイクばかりするようになることです。まぁ、そこまでバカじゃないと思いますが・・・。


2007年12月06日(木)  ある愛の風景

まず、個人的な話になりますが、オイラは捕虜となったミカエルのような行動は取りません。ただ、理解出来ないワケではありませんので、以降は客観的な立場から鑑賞することになりました。当然、映画に入り込むことはなかったですね。作意が見え透いていますが、エンディングの作り方は上手かったんじゃないでしょうか。


2007年12月01日(土)  ブレードランナー/ファイナルカット

なんて美しい映画なんでしょうか!“DLP”という技術は本当に素晴らしい!そこには、ダグラス・トランブルの作り出したスピナーのフレアやシド・ミードのデザイン、メビウスの衣装が四半世紀の時を経ても全く色褪せることなく存在していました。

ラッド・カンパニーのロゴが静かに終わり(このロゴも何故かピッタリです!)、太古の昔から響いてくるようなドドド〜ンという響きに続いてラジオのチューニングするような音が・・・その瞬間から2019年のロサンゼルスに引き釣り込まれ、奈落へ誘うようなヴァンゲリスの音が聴こえて来て・・・まるでドラッグのように観客をリドリーヴィルの住人にしていまいます。そして、酸性雨の中を歩き続けて2時間・・・バッティは呟く

オリオン座近くで燃える宇宙船、
タンホイザーゲートのオーロラ
そういう思い出もやがて消える
時がくれば
涙のように
雨のように
その時が来た・・・

そして、オイラも呟く

伊勢丹近くのうらぶれた新宿東映
階段教室のような映画館
そんな思い出がふと頭に浮かぶ
時を経ても
シャボンのように
雲のように
その時は今・・・d( ̄  ̄) ヾ(-_-;) オイオイ…

とにかく!毎年上映して欲しいっす!レイトショーで構わないから!おねげぇしますだ!
<参考サイト>
http://eiga.com/buzz/show/9475
http://eiga.com/special/show/1308_2
http://eiga.com/special/show/1308_0
http://eiga.com/special/show/1308_1
http://eiga.com/special/show/1308_3
http://eiga.com/special/show/1308_4


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