Deckard's Movie Diary
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2007年07月25日(水)  ダイハード4.0 キサラギ

マクティアナンじゃないんですね(苦笑)。今までで一番好きかも(笑)っつーか『トゥルー・ライズ』より好きです(って、どういう意味だよ)。意外だったのは親子の情がいい塩梅で描かれていて好感触でした。で、この娘がマクレーンにそっくりの性格っていうのもいいじゃないですか!成り行きは見えても「命の恩人を殴るワケにはいかない!」ってのが、今までに無い人間味を感じさせてくれて嬉しかったりもしました(苦笑)。アクションはほとんとコメディですが、それはそれでいいんじゃないのかな・・・。あまりのスーパーマンぶりについつい笑っちゃうんですけど、それは決してマイナスじゃないんですよ。それって、結局は「まぁ、いいか、そういう映画だもんな(苦笑)」って感じですから、ある意味“お約束”なんですよ。こうなったら、次回作(あるのかよ!)は父娘で頑張って欲しいですね(笑)。



はっきり言って舞台劇です。というワケで、最初は舞台風のオーバー演技がウザかったのですが、脚本が良く出来ているので気にならなくなりました。ああ、なるほど!おお、そうか!もう一回捻るだろ!ひょっとして?みたいな感じで段々と全貌が見えて来て、最後はほとんどオチが分かりますが、それでも十分面白いです。最後の落としどころにした相手にも好感が持てますし、それぞれのキャラのアイドルとの関わり方にも、マイナーアイドル特有の寒々しさがあり納得させられます(苦笑)。ただねぇ、演出が中途半端なので画的な魅力に欠けますし、いまいち貧相な印象が残ります。どうせ舞台劇なんだから、もっと遊んでも良かったと思いますよ。アングルとかもそうですし、特にライティングはお粗末でした。もっと蜷川みたいにしちゃえば良かったのに!それでも、この映画は好感触です!脚本さえ良ければ邦画だってまだまだバカに出来ないですよ。でも、悲しいかな脚本が読めるプロデューサーが少ないんですねぇ・・・。まぁ、『世界の中心で愛をナンタラ』とか『海猿』があんなにヒットしちゃうんだから、観客のレベルも知れたモンなのかな・・・\(^-^\) (/^-^)/ソレハコッチニオイトイテ…というワケで、出来ればもっと多くの映画館で上映して欲しかったです。大手がキチンと作ればマリオンで上映出来るだろうに!だって『舞妓Haaaan!!!』が出来るんだからさ!もったいないよなぁ・・・( ̄o ̄;)ボソッ


2007年07月14日(土)  アヒルと鴨のコインロッカー ゾディアック 傷だらけの男たち

巷の評判がけっこう良いので観てきました。う〜ん、どうなんでしょうか?オイラは普通よりはちょっとだけイイかなぁ・・・って程度でした。まずは前半がダル過ぎです。主人公以外のキャラがいわく有りげな雰囲気を醸し出しているので、後半に何かがあるんだろうなぁ・・・と、思いながら観ていたのですが、とにかく退屈でした。案の定、後半は俄然魅力的な展開を見せるだけに残念です。例えば、絡まった糸を、積極的に解きたくなる様に見せるのが演出の力だと思うのですが、この映画にはそれが足りません!だから、本来ならばゾワゾワって来るシーンも「まぁ、そういうことになるね。」と淡々と流れてしまいました。つまるところ、ボブ・ディランに関してだけ饒舌過ぎるんですよ。ぶっきら棒な前半部の中で、やたらと登場するディランに纏わる話がバランスを悪くしてるし、結局はこの事が作品の足を引っ張ったような気がします。だから、後半は観ながら先を急いでしまいました。「うんうん、それで、それで!」じゃなくて「サッサと次へ行けよ!」みたいな感じです。まぁ、後半の展開にしたって、サッサと警察に届けろよ(普通はナンバーを見てるでしょ)とかツッコミを入れたくなる部分もありますが、それは\(^-^\) (/^-^)/ソレハコッチニオイトイテ、視点は面白いですし、原作は読んでみたくなりました。ぶっちゃけ!この作品に関しては演出が下手過ぎ!ってコトなんでしょう。それとも・・・ボブ・ディランを知らない世代にはこのくらい饒舌じゃないとウケないんですかね?今回はちょっと辛口過ぎかな?だって、ボブ・ディラン=神の声って、こそばゆいですよ。そんなんだったら、ミック・ジャガーだって、デビッド・ボウイだって神の声でしょ!別にディランが嫌いなワケじゃないですが、あんまり神格化されてもなぁ・・・みたいな。まぁ、仕方無いか、オイラが歳を取り過ぎなんですね(苦笑)。



デビッド・フィンチャー新作『ゾディアック』。相変わらずツカミは上手いですねぇ!いきなりスリードッグナイトの♪EASY TO BE HARD 、ドノバンの♪HURDY GURDY MAN、サンタナの♪SOUL SACRIFICEと三連発で流れて来た時には「この映画、大好き!」とメチャクチャ好感触で始まったのですが・・・結局は長さを感じてしまいました。まぁ、元々長いのですが、やっぱり良い映画ってのは長さを感じさせないというか、気にならないというか、ズっと観ていたいというか・・・、今回はちょっと( ̄― ̄; ヒヤリ。

劇場型連続殺人事件に魅了されていくポール・エイブリー記者、デイブ・トースキー刑事、ロバート・グレイスミス風刺漫画家の3人への受け渡しが上手く行ってないような気がします。別々の印象というほどでは無いのですが、3話完結のような感じでしょうか。1本の映画の完成度という点ではイマイチでした。決して詰まらなくはないですが、長いです(笑)。

とあるコトに興味を惹かれた時・・・身近な誰かがその事について自分よりも詳しく、そして心血を注いでいたりすると応援しているだけで満足出来たりするのですが、その誰かが何もしなくなると「えぇ〜止めちゃったのぉ?なんでぇ?」みたいにグズグズ言い出して、挙句の果てには自分が追求し始める・・・人間の性ですねぇ。一時期は熱中症のように魅入られるのに、ある時、嘘のように全く気にならなくなる・・・。例えば次のような経験は子供を持つ親ならば誰でも経験があると思うのですが(ねーよ!)、酒を飲んだ帰りに場末の路上で「お子さんにどうですか?レアなキャラですよ、旦那!」なんて言葉に煽られ、その気になって手に入れ、家長の威厳タップリにポケモンに夢中の子供に「ほら、レアキャラだぞ!」なんて見せると「ふ〜ん・・・偽者だね」と冷静に対処され、その反応があまりに冷たいので、カミさんに聞くと既にポケモンは過去の人になっていたりするのと同じです(苦笑)\(-_\)(/_-)/ ソレハコッチニオイトイテ…結局、ミイラ取りがミイラに取り付かれてしまうわけですが、誰がやったか?じゃなくて、その事件そのものに取り付かれてしまうってことなんですね。つまり、事件が現場で起きているのは当たり前ですが、何年も前に終わっている事件でも生き続けているワケです。もちろん、仮死状態(休火山)だった事件を生き返らせるのは人間ですが、何年経っていてもそのような事件は人を魅了し続けます。何故なら、人間の底知れない深い部分を刺激しているからで、そこには少なからず自分と重なる部分があったりするのでしょう。

ただ、この映画が『殺人の追憶』を見終わった時のような不気味さが残らないのは、饒舌過ぎたからでしょうけど、それは監督の狙いの違いでしょう。人間が不気味なのか、事件が不気味なのか?個人的にはその辺りに物足りなさを憶えました( ̄。 ̄ )ボソ。スタイリッシュより泥臭い方に軍配かなぁ・・・(何様だよ!)。結局のところ人間は分からない・・・だからこそ魅了されるのでしょう。言い方を変えれば、人間というのは様々な意味でバケモノなんですね。長い映画でしたが見応えのある1本でした!



『インファナル・アフェア』は突然変異的な傑作であり、アンドリュー・ラウ&アラン・マックの二人が毎回傑作を作るとは思えないので(ファンの方、ゴメンナサイm(_ _)m)、新作『傷だらけの男たち』を観に行く予定は無かったのですが、デカプリオがまたリメイクすると聞いてチェックしてきました(行くなよ!)。というワケで足を運んだのですが・・・やっぱりなぁ、行かなきゃ良かった(苦笑)。今更使い古されたネタを下敷きにするのは構いませんが、登場人物達があまりにステレオタイプだし、脚本にもな〜んの捻りもありません。はっきり言って稚拙です。松本清張原作の2時間ドラマの方が面白い作品が多いような気もしますしね(ホントかよ!)。早い段階で犯人が分かってしまうのがサスペンスで、最後に犯人が分かるのがミステリーと言われていますが、そういう意味ではサスペンス系の作品なのですが、全くと言っていいほどサスペンス感がありません(っつーか、サスペンス感って何?)。つまり、サスペンスでもミステリーでも構いませんが緊張感は皆無で、ひたすらウェット系の毒ガスが漂っています。幾らナンでももう少し魅力的に作れたような気がするんですが・・・。相変わらず人物関係も分かり辛く、それでも魅力的な内容なら必死に追いかけるのですが、どうでも良くなってしまいました。デカプリオのリメイクですが、考えてみるとこういうウエットな復讐系(何年にも渡って恨む!みたいな・・・)の話ってハリウッドではあんまり無いですねぇ。


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