Deckard's Movie Diary index|past|will
今や、冬季オリンピックの花形?になりそうな勢いの女子カーリング!前回のソルトレイク五輪の時に日本代表となったシムソンズ・チーム(今回のトリノにもシムソンズのメンバーだった小野寺歩と林弓枝が出場)の実話が下敷きになっている、その名も『シムソンズ』を観て来ました。水曜1000円の日だとしてもレイトで立ち見が出る盛況ぶり(まぁ、試写室を無理やり映画館にした渋谷シネ・ラセット[ 定員50名 ]だからな)!映画は、特別に美味しいワケじゃないけど、安心出来る昔ながらの定食屋の味でした。キャラクターもストーリーも目新しいモノは全く無く、青春映画はこうあるべき!というセオリーに則って、清々しいシンプルな作品に仕上がっています。ツボを押さえた手馴れた演出は、塩梅も良く、手際も見事です。“北海道”“女子高生”“スポーツ物”“ジュディマリ”と個人的にも好みの具が満載で、とても楽しいひとときでした(苦笑)。敢えて難を言えば、TVドラマ出身の監督なので映画的なスケール感に乏しいのと、TVドラマ演出家の陥りやすいパターン、つまり、対象への迫り方が希薄なんで、軽すぎるところでしょうか。まぁ、変にストーリーを捏ね繰り回したり、妙な間の取り方されてテンポが悪くなったりするんだったら、こういう仕上がりのよっぽどマシですけどね。創作意欲を十分に感じられ、それなりに美味しかったんだけど、麺が伸びていた『スウィングガールズ』、具が大き過ぎた『リンダリンダリンダ』。比較すると、『シムソンズ』は素麺の味わいでしょうか。たまには、こういう正統派の青春映画もツルツルっとね!
不安定に揺れる湖面・・・ファーストカットから不気味な印象を漂わせながら始まる『タブロイド』は、キセルみたいな映画でした。トップシーンから、コトが起こり、物語が動き出すまでは素晴らしい緊張感に満ち溢れ、傑作を予感させるのに十分です。ところが、時間が経つにつれ最初に受けた衝撃は徐々に打ち消され、忘却の彼方へ。それにしても、ここまで見事に失速する映画も珍しいんじゃないでしょうか。話が落ち着き、新たな展開がゆっくりと始まる・・・これから面白くなるんだろうなぁ・・・と、誰でも期待するところでしょう。それなのに!ああ、それなのに!本来でしたら、レクター&クラリスに勝るとも劣らない展開が待っているはずなのに、いつまで経っても小学生並みの凡庸なヤリトリが続くし、どうでもいいハンパなストーリーは挿入されるし、期待してしまった分、物凄く損した気分です(笑)。この中盤の脚本のお粗末さには呆れてしまいました。終盤、再び活気を取り戻すんですが、時すでに遅し!っつーか、どうして中盤が、あんなにも体たらくなのか不思議としか言いようがありません。初めと終わりの部分は金を払って観る価値は十分ありますが、真ん中部分は金をいただきたいくらいです。皮肉タップリのオチが効いているだけに惜しまれる作品でした。
デッカード
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