Deckard's Movie Diary index|past|will
『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ/東京SOS』は昨年の『ゴジラ×メカゴジラ』のストーリーが続いており2本で完結ということらしいです。昨年作はあまりにトホホな内容だったんですが、今回は話の展開が上手くストーリー自体は悪くないです。しかし、この作品のツボが何処にあるのか全く分かりません。子供とモスラの関係をもう少しじっくり描いて(子供が例のアイテムにもっと興味を持つシーンを入れるとか)、メカゴジラの内面にもっと踏み込めば(伏線を張るとか)面白くなったと思うのですが・・・。さらに、全体的に演出があまりにのんべんだらりとしているので全く盛り上がりません。赤面するようなあざとい演技、例えば窓外に居るモスラなんて誰だって窓を開けた瞬間に気付くだろうに、わざわざ探す演技をさせるとこなんて、もう情けなくなります。(笑)もう少し真面目に作りましょうよ〜!そりゃ、ハム太郎と併映ってのはオカシイと思いますよ!でも、そこまでレベル下げなくたって・・・(´―`)┌ ヤレヤレ…
う〜ん、こんなの作ってるとソダバーグは再び暗いトンネルに入っちゃうんじゃないかなぁ・・・とマジで心配してしまいます。ハリウッドの内幕モノですが、手垢のついたストーリー展開にウンザリ!結局は何がやりたっかったのかサッパリです。作り手が勝手に喜んでいるマスターベーション映画!朝まで舐めてれば!って奴です。ソダバーグは今一度キチンとした映画に戻った方が宜しいんじゃないでしょうか!『エリン・ブロコビッチ』『トラフィック』がまぐれだったワケじゃないでしょうに!『オーシャンズ・イレブン』『ソラリス』そして今作・・・不安だなぁ(笑)
みうらじゅんの原作コミックの映画化『アイデン&ティティ』。こりゃ、かなり微妙な映画でした(苦笑)。個人的にはこの手の素材に甘い自分なんで、簡単にダメ!とは言えないんです♪〜( ̄ε ̄;)。まぁ、全然ダメか?と問われればそうでもないんですけど、やっぱダメかなぁ・・・(歯切れ悪ぅ〜(苦笑))。確かに“いかすバンド天国”が起こした第二次バンド・ブームの連中とは世代がズれているんで、ちょっと入り込めない部分もありましたが、それよりも何よりも細かい部分の美術(携帯を使っている人が居たりするのもいい加減ですし、セットの安っぽさもかなり閉口しました)や人物の背景(麻生久美子が絵の勉強をしている雰囲気が全くない)等、曖昧な部分が多くて参りました。この麻生久美子の描き方もちょっと意味不明です。事情通によりますと“ミューズ”というより“菩薩”である!というコトで、なるほど!それなら合点が行くわ!って、行くかい〜(笑)。確かにそう考えると腑にも落ちますが、それならそういう演出をして欲しいです。彼女が住んでる場所もなぁ・・・あんなんでイイのぉ?さらには予告編にも登場していた謎の男の描き方もなぁ・・・結局は田口トモロヲの演出が弱いんです。宮藤官九郎の脚本でどうにか形になってる!というような作品でした。だいたい最後の語りも長過ぎ!ロックを語ってどーすんだ!っつーの。それにしてもヌルい!もっと面白くなるのになぁ・・・ボソ
韓国では210万人が泣いた?とかいう『MUSA/武士』。悪くはないんですけどねぇ・・・そんなに良くもないです(苦笑)。出だしは好調でその後の期待が高まるんですが、お姫様が登場してからというもの、巧みだった化粧がどんどん剥がれていく感じです。別にチャン・ツィイーが悪い!とか言ってるんじゃないですよ(苦笑)。物語というか設定というか、いまいち凝縮しておらず散漫な印象が拭えません。観賞中、何度も欠伸をしてしまいました(>_<)アチャ!数多居る登場人物の描き方もサラ〜っとなぞるだけでかなりおざなりです。誰一人として思い入れ出来る魅力的な人物は居ません。それぞれの関係も良く分かりませんし・・・。言い換えると30分×5話で完結のTVドラマを一度に観た感じでしょうか。オンエアでCMが入るとけっこう楽しめるかもしれませんが・・・。
全編手持ちカメラ、あげくに70%が被写体の後ろから撮っているので鬱陶しいことこの上なし!また、被写体の全身が写っているカットは数点しかなく、ほとんどがバストアップ以上のサイズで観ていて息苦しくなります。当然、気持ち悪くなる方もいらっしゃったようで、上映中に立ち去った人が2名ほどいました。その撮影方法に固執している理由は、おそらく主人公の心情の表現だったり、ラスト近辺に観られるシーンの伏線だと思われるのですが、どうなんでしょう・・・個人的にはやり過ぎだと感じました。重い話を淡々と描写した演出には確かなモノを感じますが、どうせならもっと堂々と描いて欲しかったです。ここまで手持ちカメラにこだわらなくても描けたと思うのですが・・・。この手の映画は苦手です!
『ジョゼと虎と魚たち』です。犬童一心監督の前作『金髪の草原』が自分の苦手としている雰囲気の作品だった為、あまり期待していなかったところへ、ほとんど映画の趣味が合わない古い友人から「本年度ベスト!」なんて聞かされたモノだから、余計にテンション低めで観に行ったのですが・・・これは良い映画でした(苦笑!っつーか、文章なげぇ〜!)。自分の中でも本年度ベストかもしれません。脚本の渡辺あやという人は岩井俊二のウェブサイトから登場した主婦脚本家だそうですが、初の作品で素晴らしい才気を発揮したものです。同情と愛情のはき違いになってしまいそうな設定ですが、ごく普通の切ない恋愛映画になっているところがとても良かったです。妻夫木演じる“恒夫”は田舎のボンボン風で、その日をそれなりに楽しんで生きているどこにでもいる大学生。池脇演じる“ジョゼ”は図太いオバハンの雰囲気を感じさせながら、ガラスの繊細さを併せ持つ。この二人のキャラクターがとても魅力的で、ナンだか応援したくなってしまいました(苦笑)
『1980』。ケラリーノ・サンドロヴィッチとか言うケッタイな名前の監督さんなんですが、彼は今や演劇界をリードする存在らしいです。まぁ、早い話が元“有頂天”のケラのコトなんですけどね。というワケで第1回監督作品がコレ!全体的にテンポがゆるゆるで、ところどころすっげぇ拙くて学生映画と見間違えるようなお粗末なシーンもありますが、単純にケラケラ笑えます。1980年の年末が舞台なんですが、小道具やセット、抜けに見えるポスター等、当時を知る人間には嬉しいコネタが満載。登場人物はそれぞれ味があり、ストーリーも飽きさせません(テンポはゆるゆるで、お粗末なシーンはしょーもないですが(笑))。ただ、観終わって「だから、何?」という感じもしないでもありません。アナログからデジタルへ、そしてやがて来る世紀末。過渡期を向かえる人々の落ち着かない心情・・・それなりに上手いセリフもあるので、もっと凝縮されていたら秀作になったような気もします(お粗末なシーンは除いてね(しつこい!))。予告編でも聞かれた及川光博の♪セルロイドの夜〜♪って、自作自演なんですねぇ。いい歌じゃん(苦笑)
『マイ・レフトフット』のジム・シェリダン監督最新作だそうです。アイルランドから夢を求めてアメリカに移住してきた、とある家族の再生の物語。アメリカを代表する二つのアイテムも効果的に配してありますし悪くはないのですが・・・、ちょっと難しい所がある作品です。この家族に大きな影を落としている部分の描写が個人的には大げさ過ぎて、ちょっと感情移入し辛いんですよ。人によっては問題ないんでしょうが・・・(⌒o⌒;A。また、とある人物と出会うまでの思わせぶりな描き方もワザとらしく感じてしまいました。まぁ、そんなワケで全編を通して簡単に入り込めない空気が漂ってるなぁ・・・と感じていたら、この作品はジム・シェリダンの半自伝的な話らしく、彼の二人の娘も脚本に名を連ねており、そういう意味で思い入れが半端ではなかったのかもしれません。しかし!子役の姉妹(実際にも姉妹)がやたら可愛い上に芝居が上手いから、やられちゃいますよ(って、なんだそれ!)
『美しい夏キリシマ』は黒木和雄監督の“戦争レクイエム3部作”の2本目にあたります。1本目は原爆投下前日の長崎を舞台にした『TOMORROW/明日』で、来夏公開の3本目『父と暮せば』は原爆投下後の広島が舞台だそうです。今作は終戦直前、連合軍の九州上陸目標になっていたと思われる宮崎・霧島近辺を舞台に、例によって戦争の波に揉まれる庶民の日常を描いています。いつもながらの真摯な目線で物事を捉えようとする黒木の演出は登場人物(子供から老人まで)の全てに細やかな配慮がなされ、その丁寧な仕事ぶりは賞賛に値します。何よりも驚かされるのは参加した役者の誰もがすんなりとこの物語に溶けこんでいるコトです。言い方を変えれば全ての登場人物が存在感に溢れています。原田芳雄や左時枝、宮下順子、石田えり、香川照之等の芸達者陣は言うまでも無く、ともすればクドくなりがちな寺島進も軽やかですし、中島ひろ子や小田エリカもしっかりと魅せてくれます。決して上手いとは言えない牧瀬里穂まで魅力的な印象を残します。これは明らかに黒木和雄の演出力によるもので、以前次郎長親分も書いていた「役者を演出出来る監督がいない」と言われる邦画界にあって数少ない力量のある監督の一人だと言えます。この作品でデビューした柄本祐も父親同様の妙な雰囲気を醸し出しており十分合格点でした。田村正毅が捉えた映像も素晴らしく、美しい日本の田舎の原風景を感じることが出来ます。観て損は無い作品ですが、さりとて、お薦め作品か!と言われると・・・・・やはり、観て損は無い作品です。としか言いようがありません(地味ですし、岩波ですし・・・ボソ)。しかし!橋を封鎖するような映画だけでなく、プロフェショナルが精魂込めてしっかりと作り上げた日本映画もたまにはいいもんです。因みに宮崎・霧島は黒木本人の故郷であり、自身の戦争体験が反映されているそうです。
全くと言って内容を把握しておらず、ほとんどチラシ写真の印象しかなかったのですが、観てきちゃいました。始まって暫くこの映画の方向性が全く見えて来ず、心理的な恐怖もあり「一体、何処に向かってるんだぁ?」と思っていたら、はは〜ん・・・納得!つまり、元は同じジャガイモでも調理の仕方に寄って幾千もの味わいがあるように、この作品もまた調理の仕方が上手い!手垢のついたモノでも描き方によっちゃあ、まだまだイケル!って奴です。で、スタッフを見たら、監督はこれがデビュー作になる『トラフィック』でアカデミー脚本&脚色賞を受賞したスティーブン・ギャガン。制作に『恋におちたシェイクスピア』でアカデミー作品賞を受賞したエドワード・ズウィック(またかよ)という顔ぶれ。道理でねぇ・・・。ヒロインは隣の映画館でコリン・ファレルに言い寄られていたフィーヴィー・ケイツの妹みたいなケイティ・ホルムズ(笑)。余談ですが、エンブリー役のチャーリー・ハナムってけっこうイケメンじゃないんですか?
予告編を初めて観た時に「お、これは・・・」と思わせてくれる作品はそうは多くありません。今作はまさにそういう1本でした。その画面から並々ならぬ緊張感を発していたトム・クルーズ最新作『ラスト・サムライ』。監督はエドワード・ズウィック。デンゼル・ワシントンに初のオスカーをもたらした『グローリー』は極上の陶酔感に溢れた傑作でしたが、最近作の『戦火の勇気』『マーシャル・ロー』ではちょっと失速気味でした。今作は『グローリー』に近い雰囲気が感じられたので期待していたのですが、その思いは裏切られるコトはありませんでした。この作品は紛れも無く必見に値する映画です。“最後の武士”は全てが美しく、滅びゆく姿はまさに凛と咲いた花が散り行く潔い印象を観ている者に与えてくれます。このストーリーを「美化し過ぎ!」というコメントが東海岸の方からちらほら聞こえてきますが、それはこの映画の本質を全く理解していません。美しいから成り立つストーリーであり、何より驚かされたのはハリウッドの制作者達が武士道というモノをここまで理解していたのか!という事実です。もちろん、トム・クルーズ扮するオールグレン大尉の背景が脚本に厚みを加えているのは言うまでもありません。サムライ達の一挙手一投足にほとんど非の打ち所がありませんし、演じる渡辺謙、真田、こゆき、子役等への演出も的確です。特に渡辺謙は物語が進むに連れて、その存在感を存分に知らしめます。邦画だけに出演していたらこういう状況があったのかどうか・・・。また合戦シーンも凄まじいテンションと迫力に溢れ、素晴らしいモノに仕上がっています。欠点が無いわけではありません。が、そんなコトは気になりませんし、十分許せる範囲です。ハリウッド映画なのに、観終わった後、自分が日本人に生まれたコトを誇りに思えてしまう稀有な作品。嬉しくもあり、はがゆくもあり・・・ボソ(全編に渡ってちょいと褒め過ぎかも・・・(苦笑))
前作『ドライブ』がトホホだったSABUの新作『幸福の鐘』は2003年ベルリン映画祭最優秀アジア映画賞受賞だそうです。今までは疾走感で映画を作ってきたSABUですが、今回は徒歩です(笑)。もちろん、それは『弾丸ランナー』とは対をなした狙いであるのは間違いなく、そしてその狙いは成功していた!と小生は判断しました(妙な言い方だわさ(苦笑))。途中、何度も睡魔に襲われましたが・・・(苦笑)。この映画には北野武監督に通じるモノがあります。つまり、素人だったからTRY出来た作品であり、ある意味、愚直で古臭い作風とも言えます。その素人臭さは、良く言えばイラン映画などの味わいに似ているかもしれません。で、それが苦手な方もいらっしゃるでしょう。いずれにせよSABU監督の個性が良く出ている映画で、細かいすれ違いやとぼけた味わい、不器用なりに少しでも深く“幸せ”を描こうとしている優しさに好印象を持ちました。ラストの寺島進がいいんですよ。優しいカタルシスの発散とでも言いましょうか・・・。っつーか、このラストが無かったら全然ダメだったかもぉ・・・・ボソ。
『river』は前作『マンホール』が評判良かったらしい北海道で活躍する劇作家・鈴井貴之の新作です。始まって30分は良かったんですが、途中から話がどんどん複雑になっていき、最後には破綻してしまいます。破綻はちょっと言い過ぎですね。破綻というよりは「そりゃ、幾らなんでも強引過ぎるだろ!」という決着の付け方です。ただ、一見上手く着地しているように見えるのは、この監督の力量とも言えるかも知れません。物語の展開の仕方、ところどころに入る幹とは関係ないシーン、ラストの謎の残し方等、惹かれる部分もありますが、ここまで話しを広げてしまうと何が言いたいのかわからなくなってしまいます。このストーリーだったら2時間は越えないと描き切れないでしょう。まぁ、その前にストーリーが動き出すきっかけの話がお粗末過ぎますが・・・ボソ。
『エヴァとステファンとすてきな仲間』はデビュー作『ショー・ミー・ラブ』で、回りと馴染めない少女の真情を真っ直ぐな演出で捉え、清清しい印象を残したルーカス・ムーディソンの2作目です。『ショー・ミー・ラブ』が好きな雰囲気だったんで、観に行ったんですが、コレは拾いモノでした。かなり好みです。っつーか、最高評価です。何が良いって、この監督の人間を見つめる眼差しが優しくて、途中からジワジワきてたんですが、最後にボロッっと泣いてしまいました(⌒o⌒;A 舞台は1975年フラワー・ムーヴメント全盛期。理想郷を求めた若者達(って、言っても歳くってます)がひとつの方向として見出していたコミューン。まぁ、簡単に言ってしまえばひとつ屋根の下での共同生活。そこへ、夫に愛想を尽かし転がり込んで来た母親と娘(エヴァ)と息子(ステファン)。どうしようもなくダメで、グズで、いい加減で、自分勝手のくせに甘えん坊。大人も子供も一緒になって滑稽なほど人間臭い!登場人物それぞれへの演出は的確で脚本も素晴らしいです。特に70年代の話だから良いってワケじゃないですよ。欠点は多少散漫になったところでしょうか・・・まぁ、これだけの人物を登場させて、それぞれのキャラをキチンと描いて、そりゃまとめるのは至難の業ですわ!アルトマンならいざ知らず(笑)、その辺りはまだまだ2作目ですからね。大目に見ます。これがイギリス映画だとシンミリ終わって、フランス映画だとマッタリ終わって、イタリア映画だともっとノー天気になるんでしょうが、スウェーデン映画はウェット風味の大らかって印象です(わかんねぇ〜!)。それにしてもこの邦題はナンとかして欲しいなぁ・・・原題の『TOGETHER』でいいじゃないの!あ、ひとつだけ言っときますが、ボカシも多いですぜい!さすが、スウェーデン映画!(って、一体いつの時代の話だよ!スンマソン(自爆))
12月の映画の日は2本です。まずはガーデンシネマで『飛ぶ教室』。ドイツの国民的作家エーリエ・ケストナーの歴史に残る名作の映画化らしいです。このケストナーという人はビリー・ワイルダーと一緒に仕事をしたコトもあるそうです。で、この映画ですが・・・まぁ、悪くないんですが、そんなに良くもないです(苦笑)。前半戦はちょっとダルくて「コレって大丈夫かなぁ?」という思いが沸々と・・・中盤からそれなりに面白くなってくるのですが、中々トップギアに入らない!で、ラストへ!おお!やっと来たかぁ!と思っていると・・・またまたドカ〜ンとは盛り上がらない(爆)。まぁ、そんな感じです。それでもつまらない映画ではないですし、そこそこ面白いです。べク先生は何故にそんなに怒るかなぁ・・・とか、ありますが、トレーシー・ハイドの妹みたいなモナも可愛いですし、マーク・レスターのお兄さんみたいなヨナタンもイケテマス。ウリーはメッチャ可愛いですしね(笑)。って、そんなコトばかりかよ!まぁ、暇な人はどうぞ!小学生との親子連れが多かったですねぇ・・・・。
デッカード
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