Deckard's Movie Diary index|past|will
金券ショップでやたらと値崩れしていた『福耳』ですが、意外と良かったですねぇ(笑)。一言で言えば“男性風味の大林モノ”という趣でしょうか。話しはベタですが、コメディ風味が嫌味なく塗されているので楽しんで観てられます。ただ、ストーリーテリングが拙くてモタモタしていて、この辺りは『ロボコン』でもそうだったのですが、ハッキリ言って“演出”がヘタクソなんです。監督は瀧川治水。TV畑出身で今回が初メガホンだったらしいので仕方がないのかもしれませんが、もっと質の高い映画になる可能性があっただけに、なんだかもったいない気がしてしまいます。昔はプログラム・ピクチャー専門の“職人”と呼ばれる監督が多く居たんですけどねぇ・・・。先日、親分が言ってましたが、それもこれも映画界が人材を発掘せず、育ててもこなかった結果なんでしょう。TV、CM、クリップ、インディーズ系映画と、似て非なる業界から次から次へと単館系の映画監督が輩出されますが、ある人は自分の作りたかった数本でサッサとキャリアを終え、またある人は自分のフィールドの作風に強引にハめるコト(それが個性だと思ってるから始末に悪い)ばかりに終始し、またある人は個人的な想いばかりをチマチマチマチマチマ・・・(苦笑)。そんなんで観客を楽しませる映画の演出が上手くなるはずもないですし、そんな気もないのでしょう。また逆に、チビっとエンター系の匂いがすると、大した実力もないのに妙に奉られちゃって、本人も「コレでいいのだぁ〜♪」とその気になっちゃっうし・・・。別に単館系の映画が悪いとか嫌いとか言ってるワケではなく、どうしても今回のような映画を観てしまうと、その人材不足を嘆いてしまいたくなるってモンです。寂しい話しですよねぇ・・・もう単館系の“自分探しの映画監督”は腐るほど居るじゃないですかぁ!エンターテインメントのスペシャリストが出てこないですかねぇ〜。金子修介!ダメだよ、あんな映画作ってちゃ(爆)あ、なんだか違う方向へ話が行っちゃったなぁ・・・(>_<)アチャ!話しを元に戻します。毎度、脚本でばかり注目されている宮藤官九郎ですが、今回は役者としてイイ味出してます。田中邦衛も想像していたより薄味でしたし、ナンと言ってもオカマ役の宝田明が恐ろしいくらいにハマってました(笑)。司葉子のマドンナは悪くはありませんが、ここはやはり星由里子に登場していただきたかったですねぇ(笑)。それにしても8割が年配層とは言え、平日昼間で70%の入りって凄くないですかぁ?しかし、今月は邦画を観てるなぁ(だから何?)
黒沢清・・・『CURE』は好きだったんですけどねぇ・・・それ以降の『ニンゲン合格』『大いなる幻影』『カリスマ』『降霊』『回路』と相性があんまし良くなかったので、前作の『アカルイミライ』はスルーにしてケジメを付けたんですが(なんのケジメだよ)、今回はナンんたって『ドッペルゲンガー』ですし(だから何?)、なんとなく予告編で気になったので性懲りも無く観て来ました(笑)。う〜ん、ワカラン!途中までイイ感じで進むんですけどねぇ・・・やっぱり良くわかんない方向へ行っちゃうんです。結局は何が言いたいのか?オイラにはサッパリ!です♪〜( ̄ε ̄;)っつーか、“ドッペルゲンガー”ってタイトルもどうなんかなぁ・・・ちっとも死の臭いなんてしませんし・・・まぁ、“ドッペルゲンガー”を見たから死ぬって決まってるワケじゃないですが、チラシに思いっきり書いてますから「分身、見たら死ぬ。」ってね。この映画では自分の奥底にある心情の具現者としての登場なんですけど、それも途中から何処かへ逝っちゃうんですよ。二つは一緒くたになったってコトなんでしょうけどね。で、ストーリーは加速度的に迷走しちゃうし・・・二人の役所が魅力的だっただけになぁ・・・黒沢お得意のホラー系とワケワカラン系がドッキングした珍妙な映画でした。というワケで、椎名林檎の♪ドッペルゲンガーでも聴こう!っと。
さてさて『トゥーム・レイダー2』です。まぁ、どーでもイイ映画です。アタクシもロハで無かったら地上波オンエアまで待ちます(笑)。前作よりは観られましたが、相変わらず面白くありません(欠伸を何回したかワカリマセン!じゃ、観るなよ(自爆))。今回も興行収入はイイんでしょうねぇ〜(苦笑)。それにしても、こんな映画作ってて面白いのかなぁ・・・。そりゃ、ララ・クロフトはアンジェリーナ・ジョリーのはまり役だとは思いますが、こういうストーリーっていい加減お腹一杯ッスよ。相変わらずツッコミ所満載のデタラメだし(爆)。まぁ、ツッコミ入れる為に観に行ってるようなモンだから、許す(自爆)。
“ジェームズ・ナクトウェイ”という戦場カメラマンの知識はほとんどありません。驚いたのはその立ち振る舞いで、物静かで、理知的で、決して熱くなるようなコトが無い、どちらかというと大学教授のような雰囲気です。そしてそれは戦場でも変わるコトが無く、ゆっくりと冷静に被写体に迫っていきます。母親が息子の死を悲しむ場面、あまりに無遠慮(そう見えた)にシャッターを切るので「こんなん近くでパシャパシャやられたらタマランなぁ!」と思ったのですが、どうもそういう匂いを相手に感じさせてないようでした。「言葉が通じなくても心をオープンにすれば相手は受け入れてくれる」と彼は簡単に言うのですが、それは持って生まれた彼の特技なんでしょう。心の内に湧き上がる全ての感情は一切表に出さず、全ての気持ちはシャッターを押すその瞬間にだけ込める!と言い切る、その強靭な精神が彼の独特のスタイルを生んでいるようです。望遠レンズは使わず、どこまでも対象に近づいていくナクトウェイ。自分の写真で人を動かす事が出来る!と言う、彼を楽天家という人も居るらしいですが、深い絶望を間近で見つめて来たからこそ、その先に“希望”を見出しているのではないでしょうか。人間、生きていく為には“希望”は必需品です!映画としては監督の手腕が拙く、塊として凝縮されていないので全体にバラバラな印象は否めません。最高の素材なのになぁ・・・ボソ。ただ、彼のカメラの前後にCCDをつけて撮った映像がけっこう出てくるので、シャッターを切る瞬間が非常に良くわかります。ここは連射だろう!と思っても1枚1枚撮っていたりと・・・興味深い見方も出来ました。それにしても!ナクトウェイが撮った写真の数々は実に説得力がありますねぇ!
クリスティーナ・リッチとジェシカ・ラング・・・二人が演じる、観る者に瞬きさえも許さない凄まじいシーンに圧倒され、特に感情移入していたワケではないのに目頭が熱くなってしまいました(苦笑)。『私は「うつ依存症」の女』は商業映画というより、信じられないほど完成度の高い教材用映画のようです。つまりこの映画は従来の“映画”という枠で判断すると物足りないのですが、リッチ演じる主人公の「うつ」の状況が実にリアル(実際には知りませんので、全て想像の範疇です!Σ( ̄□ ̄;))に描かれているので、観客はその激しいアップダウンに振り回され、いつのまにか映画の中に没頭してしまいます。観る人によっては「ぎゃぁ!ぎゃぁ!うるさい映画だなぁ・・・」と思う方もいるでしょう。実際、小生も何度かそう思いました。ただ、そういった環境や関係も含めてこの作品には観るべきモノがあります。感情の発露の行方は複雑で、自分にさえわからない・・・そんな人間の危うさが良く出ていました。ともすると大袈裟なだけでキワモノ臭が漂う内容なのですが、クリスティーナ・リッチの存在感が全てをシャット・アウト!人様(特に男性)には積極的には薦めませんが、観ても損はない映画でしょう。ウィノナ・ライダーの妹役をやってたクリスがねぇ・・・ボソ(最近、また観ちゃったもんで・・・『恋する人魚たち』あの時は9歳だったんですねぇ・・・遠い目(笑))
NHKで有名になった高専のロボット・コンテストが舞台の『ロボコン』です。う〜ん・・・一言で言えば、なんてヌルい映画なんでしょうか(笑)。監督は『この窓は君のもの』『まぶだち』と単館系で活躍する古厩智之。どうもこの人・・・苦手です。前作の『まぶだち』も世間の評価は高かったんですが、オレはダメでした。アッサリ、友人を自殺させたりする展開が嫌なんです。で、今回は初のメジャー作品という事で観に行ったんですが・・・極私的な思い込みばかりをチマチマ描いている作家にはやはり、この手の娯楽作品は荷が重かったようです。そりゃ、わかりますよ。“余韻”とか“間”を大事にしたいのはね。でもね、ブレーキかかりまくりでサッパリ盛り上がりません。アラ編集(ザっと繋いだ編集)を観るような感じでした。ある意味、素人臭い(苦笑)。確かに主演の長澤まさみを始め小栗旬、伊藤淳史、塚本高史とCASTは魅力的ですが、それだけじゃねぇ(爆)。ストーリーも説得力が無いんだよなぁ・・・だってね、な〜んもやる気が無く、ほとんど保健室に入り浸りの女子高専生がちょっと負けただけで「悔しい!」とか言って、やる気出しちゃうとか・・・ソレはないだろ(笑)。そんな性格だったら保健室に入り浸ってない!っちゅーの(爆)。底の浅い脚本を、何かありそうな(実際には何もない!)“間”でコーティングしたつまんない映画でした。もっと幾らでも面白くなりそうなのになぁ・・・・。安っぽいライティングも興ざめ。しかし、長澤まさみ!足が長く、肩幅広くいかり肩、お尻が小さく今風の体型ですね(だからナニ?)。
例えば「どうして何度も間違えるかなぁ・・・」と呆れ返るほど方向音痴の人がいるように、人間には得意不得意がありますが、オイラの場合は人の名前を覚えるのが苦手なんです(>_<)アチャ!日本人の名前でさえ危ういんですから、これが外国人ともなるとナイナイ脳みそがてんてこ舞いでやんす。で、てんてこ舞いになったからどうにかなるのか?と言うと、どうにもなりません(自爆)。例えば推理小説などは途中で何度も最初のページに戻っては登場人物の名前を確認ばかりしています(苦笑)だから4巻もあるような大作だとなかなか前に進まないコトになってしまいます(すみませんm(_ _)m>あひるさん)。でもね、本の場合は確認出来るだけイイんですよ!これが、映画だとねぇ・・・「えっと誰のコト話してるんだっけか?このモモンガって誰?」みたいな状況に遭遇しちゃうんですよ。それでもストーリーが進むにつれて「はは〜ん・・・っつーコトはさっき話していたのはこいつのコトかぁ・・・」と、なんとなく辻褄があって、後で皆と話す時に「アレはさぁ、やっぱモモンガが怪しかったよねぇ!」などといけしゃあしゃあと話しているワケです。(´―`)┌ ヤレヤレ…。だから複雑に入り組んだ・・・というか、二転三転するような映画は苦手なんですねぇ(自爆)。こんなアホアホマン(漏らしてはいません!って、わかるかなぁ・・・)なオイラでも作りが上手かったり、話が面白いと迷う事がないんですけどねぇ・・・あ、『閉ざされた森』ですね。マクティアナンはもう観なくても良さそうですね。まぁ、ワナを張り巡らしているウチに自分までグルグル巻きぃ〜みたいな(笑)。それにしてもサミュエル・・・いい加減飽きたなぁ・・・ボソ。
何故か観に行っちゃうんですよね・・・(´―`)┌ ヤレヤレ…え〜『ワイルド・スピードX2』でやんす(爆)。で、特に書くことはないです。皆さん想像している通りの映画です。主演はハリウッドのマッチことポール・ウォーカー。相変わらず主演のクルマは日本車です。カー・アクション好きなら普通に楽しめますよ〜ん♪ ロッキー・青木の娘でモデルのデヴォン・青木、アップで見ると変な顔ですね。
ぴあランキングで低得点ながら押し出されて1位(だって2位が本年度ワーストの呼び声高い『ドラゴン・ヘッド』ですから・・・)になってしまった映画『レボリューション6』です。内容は“ぴあ”で1位ですからベタです。設定や脚本は悪くないのですが、人物描写が甘いのでイマイチ食い足りません。まぁ、その辺りもまさに“ぴあ”1位(笑)。“ジャーマン・スタイリッシュ・ムービー”・・・ドイツ製で、ドイツ語を喋っていて、耳あたりの良い音楽がBGMで、若者が主人公。まさにその手の映画。悪くないけどスルーでも全く問題なし!トム・ティクバの『ラン・ローラ・ラン』を越えるのはそう簡単じゃないですよ。あ、主人公の彼、どこかで見た顔だと思ったら『ドリヴン』の敵役ドライバーだったのねん。
『月の砂漠』は、前作『ユリイカ』で2000年のカンヌ映画祭で「国際批評家連盟賞」「エキュメニック賞」W受賞の快挙を35歳で達成した青山真治監督の新作です。『ユリイカ』は完成度はともかく、事件をキチンと見つめようとした意欲は十分感じられました。が、今回はちょっといただけません。家族がテーマのようですが、相変わらずの寡黙な演出がいい加減鼻につきます。結局は、衝撃的な事件だったら、その手の演出も優しい観客の勝手な思い込みで「うんうん!わかる!わかる!」となるんでしょうけど、今作のように描き尽くされてきたテーマでは、そうは問屋が卸さない!って感じでしょうか。登場人物はどいつもこいつも生気がなく、生まれてこのかた曇り空の下でしか息をしたコトがないような連中ばかり。長々と胡散臭いストーリーを描いた挙句に「一緒に住みたいのなら、私達家族じゃない!」って、そりゃないだろ(苦笑)どうも青山真治という人は評価され過ぎているような気がします。退屈で凡庸な映画でした。青山真治はもういいや・・・ボソ。
北野たけし2度目のベネチア映画祭受賞作品『座頭市』。しかも今回は監督賞!海外で評価される最近の日本映画のほとんどが面白くないので、今回も期待していませんでした。とくに北野作品は前作『Dolls』の印象も最悪でしたし(笑)。結論から言うと、監督賞はどうなん?って印象は否めませんが、映画としては十分楽しめました。欠点はたけし演じる座頭市のキャラがちょっと弱いところでしょうか・・・勝新太郎の座頭市がやたらとアクが強かったので、それに比べて北野版はサラッとしていて今風です。そういう意味では、北野監督らしいぶっきらぼうな演出(それしか出来ない?)なんでしょうが、雨のシーンでのエピソード等はもっと饒舌に描いて欲しかった部分ではあります。二人連れの話も長過ぎますしねぇ・・・他にも口に出したらキリがありません。浅野ではなく仲代だったらどうだったんだろ(反則!)とか『用心棒』くらいセリフが面白けりゃなぁ・・とか(笑)、まぁ、色々ありますが、決闘シーン(詳しくは書けませんが)は最初の出会いまで遡る上手い演出でしたよ。久石譲からムーンライダースの鈴木慶一に替わった音楽も良い方向におさまっていました。音楽の使い方というか、持って行き方にしっかり気を遣っていて、ちょっとびっくり。観終わって「けっこう面白かったなぁ・・・久しぶりだ、こういう映画・・・」と思い、ふと気がついちゃったんですよ・・・この手の娯楽作品を映画館で観たのは久しぶりだった!というコトはですよ、それは取りも直さず、ナンとも情けない今の邦画界のていたらくを露見した作品とも言えるワケです。だって、別に新しいコトはな〜んにもないですよ。ごくごく定番の(ちゃんばら)娯楽映画です。そういう映画をほとんど観るコトが出来ない現状はどうなん?で、その作品を作ったのが映画界出身監督ではないところがさらに嘆かわしい!ったらありゃしない!(´―`)┌ ヤレヤレ…で、皆さん御心配のタップダンス・シーンですが、まぁ、上手くハマッてたんじゃないでしょうか、二度目は要りませんが・・・。また、例によってベタなギャグやコントがありますので、その辺りが鬱陶しいと思う方は困ってしまうでしょう(苦笑)。オチに関しては賛否両論でしょうが、アッシは良しとします(笑)いいんです!今回は擁護派です!
大沢在昌の原作『天使の牙』です。監督はこれがデビューになる、『踊る大走査線/THE MOVIE』などのタイトルバック映像で名を知らしめた西村了。撮影はMISIA等のPVで有名な川津太郎。この二人が組んでいるので映像は邦画としては十二分に耐えうるモノになっているんですが・・・脚本がどーしようもない!未だにこんなクソつまらない映画を作ってるんですねぇ。どーして、こうもいい加減なコトが堂々と出来るのでしょうか?ストーリーも、キャラクターも、演じる役者も全てダメ!ダメなところを指摘するのが空しくなるくらいです。頭部手術したのに全く傷跡が無いとか、1年であそこまで毛が伸びるんかい?とか、末梢的なツッコミ所は大目に見たとしても、サスペンスなのに緊迫感がゼロ!地の果てまでも続きそうな御都合主義!だらだらと出鱈目ばかり見せられる観客の身にもなれ!っちゅーねん。他作品ではそれなりに魅せるコトが出来る何人かの役者も恐ろしいほど魅力がないし、新人の佐田真由美も見るべきところは何もなし!製作段階で5〜6人の監督が出たり入ったりした今作品は明らかに制作者側の大失態!こんな中途半端な映画を劇場公開するコトは恥ずべき行為以外の何物でもない!と松竹&WBは自覚すべき!な〜にが「心を抱いて」(映画キャッチ)だよ!頭抱えろよ(苦笑)
なんじゃ、この映画はぁ!途中でバカバカしくなってきました(笑)。人によっては「面白い!」と仰る方もいらしゃるでしょうが、個人的にはかなり鬱陶しかったです。とても頭の良い人間(異常に小賢しい!とも言う)が、失敗しないように全てにエクスキューズしながら世の中渡っているような映画とでも言うのでしょうか(わかんねぇ〜)。とにかく下心バレバレなので、めちゃめちゃ嫌らしいコト山の如しでした。
デッカード
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