Deckard's Movie Diary
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2003年08月26日(火)  ファム・ファタール 28日後...

『ミッション・トゥ・マーズ』に続くブラインアン・デ・パルマの新作『ファム・ファタール』です。いやぁ、懐かしい!というか、やっちゃったよ!(苦笑)というか、ここのところ控えめだったデ・パルマ節が鬱陶しいくらい炸裂しています!話しの展開にほとんど影響ないケレン味たっぷりの映像、思わせぶりな“間”の連続、ダラダラと垂れ流される音楽の妙な緊張感・・・等等。ここまで炸裂しているのは『ボディ・ダブル』以来でしょうか?で、結局、だから何?って言われると・・・何もない(爆)でも、腐ってもデ・パルマ!嫌いじゃないんだよなぁ・・・ストーリーが良いとか悪いとかじゃなくて、何て言うのかなぁ・・・「オイラはこういうのが作りたいんだよ〜!」というダダを捏ねてるオッサンみたいな・・・(笑)とにかく前作の『ミッション・トゥ・マーズ』よりは個人的には断然OK!(アタリマエ〜)。どちらにしろ、完成度はアレですが・・・ボソ だけんどもしかし!水野晴郎氏・・・「ラストは私の『シベ超1、2、3』にそっくりなのが気になる・・・」ですと・・・へ〜!そもそも『シベ超』にオリジナリティがあるんですかぁ?何せ『シベ超』は全て未見ですので・・・。

こちらは『ザ・ビーチ』に続くダニー・ボイルの新作『28日後』。はっきり言って今更ナンですのぉ?のm(~q~;)m ゾンビー…モノです。ロメロの不朽の名作ゾンビ三部作が既にありますので、スタートラインからして、かなり旗色悪いんですが、それでも前半はいい感じで見せてくれます。ロメロのゾンビがちょっと安手のホラーに見えちゃう分(実際、安いですし・・・ボソ)、こちらの描き方はかなりリアル。今風の怖がらせ方も心得ていて興味をそそられますが・・・後半(>_<)アチャ!あまりの展開に(・_・)ヾ(^o^;) オイオイとなってしまいました。そういう展開になっちゃったら、映画自体がゲテモノになっちまいますよ(苦笑)。真摯な態度なら(そういう映画もありました)、受け入れられるストーリーも、これは単なる欲望じゃないですかぁ(笑)。挙句の果てに“着飾る”んですと(笑)。ボイルくん、どーなのよ!底が浅くないかい?救いの手が美しく登場するだけに、モッタイない!で、例によって木村奈保子!「緻密な構築のもとに作られた世界観に圧倒される。ハリウッド映画のパターンを破る展開。パニック・ホラーの傑作。」ですと!コヤツ、ロメロの3部作を紹介はしていても本編は観てませんわな(苦笑)。


2003年08月25日(月)  パイレーツ・オブ・カリビアン

今から遡ること20年近く前、場所はマンハッタン、JAL後用達・エセックス・ハウスの一室。1年ぶりに会ったばかりのコーディネーターのジョージが日課のように言った。「Dinnerハ、ナニガタベタイデスカァ?」オイラも日課のように「美味しいとこ!」で、ジョージが答える「リョウガToo Much!ジャナイトコネ。OK!Monday Nightネ(←アメリカ人の言う日本語英語です。意味はもちろん“問題ない”)」。2時間後、店の前でジョージは得意そうに言った。「ココハ、イマイチバン Attractive ナRestaurantネ!」。とても洗練されたスタイルのイタリアンで「おお、なんかエエ感じやないかい!」と思いながら、フト、店名を見たら!な、なんと!『CHAYA』と書いてあるではないかぁ!お、お〜い!!Σ( ̄□ ̄;)こりゃ、あの逗子にある『ラ・マーレ・ド・チャヤ』のNY支店じゃねーのかぁ!ジョージさんよぉ!というワケで、日本と変わらない慇懃な態度でサーヴされちゃったまま、メインのパスタを見てビックらこいた!パスタの量の少ないこと!って言ったら、前菜と見間違うほどだったわさ(苦笑)。あのカルホーンが食べたら一口だろうに!って、あ!カルホーンなんて知らないだろうなぁ・・・ボソ。アンドレ・ザ・ジャイアントが食べたら一口だろうに!って、アンドレも知らないのかなぁ・・・ボソ。じゃ、ブルーノ・サンマルチノが・・・って、コイツは持ち上げる方だしぃ・・・とにかく!ガタイの良いアメリカ人が食べたら一口で終わりそうな量で、こりゃ、幾らなんでもやり過ぎだろ!って、見回したら店は超満員!そんなんでいいのかぁ?水で割ったらアメリカン!はともかく、量が無くてもアメリカン!なんて、なんだかなぁ〜だぜ!そりゃ、どんなに美味しい料理だって大量にテーブルに置かれたらゲンナリだわさ!ところが、アメリカ人というのは量が多いコトが一番の御馳走だと思っているところがあって、「あ〜もったいない!」とか「もう喰えねぇ〜」とか、毎度の食事が飽食の時間!つーくらいだからね。ところが、ここまで少ないとコレはコレで犯罪でしょ!それでもイイのかアメリカ〜ン!結局は、多からず少なからず。人間万事腹八分目が心地良く生きる道なのねん・・・というワケで『踊る2』に続いて大ヒットしているらしいこの夏の封切り映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』。こりゃ、本編に勝るとも劣らないプロローグの長さだわ(自爆))

噂に違わず平日昼間の渋谷では9割がた席が埋まってました。直前を歩いていた女性カップルの一人は「アタシ、3回目よ。それもここ2週間でね。デップがかっこいいのよ〜♪」だってよ〜(苦笑)・・・2時間半以上後。とにかくこの手のハリウッド映画にはもうウンザリ!どーでもいい!そこら辺に転がしておいて下さい〜って、感じです。多くの皆様が指摘している通り、とにかく長い!おそらくブラッカイマー家のディナーは大量のパスタがドーンとテーブルを飾るのでしょう。それも一口目は目ん玉飛び出るくらい美味いんだけど、その後は食べても食べても減らなくて、麺はドンドン伸びちゃうし・・・もうパスタの山に埋もれてしまいます。で、全身がトマトソース塗れになって、タキシードの胸までパスタに埋まってるのに!靴紐もちろん!棒タイまでもがパスタになってるのにぃ〜!「どうです、美味いでしょう♪ナンと言っても今が旬の素材を使ってますからぁ!お〜い!もっと持って来い!ちょっと茹で過ぎですな。今日のシェフはこれからですから、大目に見てください。わっはっは!」って、アンタの頭が茹で過ぎだ!っちゅーねん。結論!『パイレーツ・オブ・カリビアン』はアメリカのドライブ・インで食べる、茹で過ぎの上にメチャメチャ量の多い“スパゲッチィ・アメリカン”の味わいだわさ。

「YummyナFoodsハショウショウネ!」って、『CHAYA』で気取っていたジョージ!映画を観終わった後、あの時の君コトを思い出しちゃったぜ(苦笑)。今は何してるんかいのぉ?元気ぃ?え、ナンだって?「ダイジョーブ!My Friend♪ Monday Nightネ!」


2003年08月21日(木)  英雄(ヒーロー)

予告編から容易に想像出来る映像は言うまでもなく、美術、小道具、群集シーン、登場人物の立ち振る舞い、そしてストーリー&ストーリーテリングの全てが華麗で優雅で惚れ惚れするほど美しい!この映画ほど、何の臆面も無く堂々と「後世に残る傑作です!」と言える作品も珍しいのではないでしょうか?言うなれば無駄な脂肪が一切付いてない、真に美しい女性の肉体(芸術的な意味です。)を眺めているような印象です。ちょっと眠気眼で上映を迎えたのですが、滴が舞い落ちるドニー・イェンとジェット・リーの殺陣を観ただけで眠気はブッ飛びました。緊張感溢れる間合いから生み出される優美で鋭角なアクションもまた、あくまで美しくスマートに完結します。黒澤の影響は見え隠れしますが、十分に消化されているので全く違和感無く『英雄』の世界に溶け込んでいます。『グリーン・ディステニー』に似ているという音楽も、『グリーン・ディステニー』より映画として魅力的な分、素敵に感じましたし、SE(サウンド・エフェクト)の素晴らしさも特筆すべきモノです。あまりに広告的!とも言える計算されたヴィジュアルの連続は、例えば“汗”の一滴をも流さないアクションに代表されるように、観る人によっては「なんじゃこりゃ!」という印象を残すと思いますが、映像芸術の一つの到達点と言っても過言ではないでしょう。古くは篠田正浩の『心中天網島』に観られた究極の様式美とも言える、観客の前に広がる圧倒的な映像世界。そして、美しすぎる映像に抱かれたストーリーはギリシャ神話を思わせ、骨太でまさにナタの切れ味!個人的には非常に洗練された超自然世界の寓話を観たような気分です。結果的に不満足であったとしても観るべき映画である!と言えるでしょう。もちろん、映画館で御覧下さい!ちょっと褒めすぎ?だって、好きなんだも〜ん!不満が残るとすればドニー・イェンが最初にしか出て来ないところかなぁ・・・・ボソ。

※ カメラマンにクレジットされているのはクリストファー・ドイルですが、この映画の映像のセンスはまさにチョン・イーモウ!この二人はどういう風に交わっていったのか非常に興味がありますが、映画同様“藪の中”かもしれません。唯一わかるコトは“マギー・チャン”を一番美しく撮れるカメラマンはドイル!ってコトですね。(おちょう〜しさんとのヤリトリから推測しています)


2003年08月15日(金)  氷海の伝説

いつまで経っても誰ぁ〜れも観に行かないし、何処からも感想は聞こえて来ないし、仕方がないので自らを叱咤激励して鉄砲玉になってきました(笑)。10分の休憩を挟んで3時間2分の人身御供。場所は、特別な人々にとっては聖地とも崇め奉られ、一般的な映画ファンにとっては鬼門のようでもある岩波ホール(笑)。2001年カンヌ映画祭カメラ・ドール(新人監督賞)受賞、2002年カナダ・アカデミー賞6部門受賞。イヌイットによるイヌイット語を用いて製作された世界初の長編劇映画『氷海の伝説』です。で、内容は簡単に言ってしまうと、シェイクスピアのイヌイット版ですね。イヌイットによるシェイクスピア劇とでも言うんでしょうか。もっと素朴な話しなんかなぁ・・・と、勝手に思っていたら、かなり下世話な内容でした。まぁ、人が集まれば様々な感情が産まれ、その感情が軋轢を生みトラブルを巻き起こす。それは少数民族であろうと関係ないワケです。シェイクスピア劇自体が人間の根本に根ざした非常に分かりやすいドラマですから、逆に複雑になり過ぎた現代では物足りない物語でも、昔ながらの生活を営んでいるイヌイットならば説得あるストーリーになるワケです。話は4世代に跨る一大叙事詩な上に、朴とつな語り口なのでちょっと分かり辛いです。それぞれのルックスも当初は把握仕切れませんでしたし(>_<)アチャ!エンディングでのサービス・カットはちょっといただけませんねぇ。

久々の岩波ホールだったんですが、いきなり見ちゃいました。独断推定67歳のオバァサンが独断推定51歳のオジサンを一括してました。オバァサンの座ってる前を何も言わずに通ったら、半径3mには十分聞こえる声で「アンタねぇ!人の前を横切るんなら“すみません”の一言くらい言いなさいよぉ!(怒)」ひょえ〜!怖ぇ〜!ま、何も言わないオジサンが悪いですけどね(苦笑)。というワケで終戦記念日の出来事でした。


2003年08月14日(木)  名もなきアフリカの地で フリーダ

雨のお盆休み・・・映画館は混んでそうですが、今後忙しくなりそうなので思い切って突入しました。シネ・スイッチ銀座内でハシゴです。まぁ、シネ・スイッチのレディス・デイである“魔の金曜日”よりは絶対空いてるでしょうからね。というワケで『名もなきアフリカの地で』と「フリーダ」です。

まずはアカデミー賞外国映画賞を獲得した『名もなきアフリカの地で』。う〜ん・・・・普通の大河ドラマでしたねぇ。予告編を観た時から「そんなに面白いのかなぁ・・・」という印象だったんですが、その危惧が当たってしまいました。もちろん悪い映画ではありませんが、それほどの映画とも思えません。家族全員を万遍なく描いた事によって大きな物語にはなったのですが、結局は何を言いたかったのか(家族が成長していく話なんでしょうけど・・・)、焦点がボケてしまったようです。家族全員を描くにしても、もう少し大胆な描写というか、演出が欲しかったのかもしれません。オイラの胸にはあまり響きませんでした(自爆)。おそらく観客の多くは少女レギーナと料理人オウアの交流をもっと観ていたかったんじゃないでしょうか?それにしても、男は仕方なく前に進む時も、積極的に前に進む時も悲壮感が漂っていますが、女性は賛成するにしろ反対するにしろ生命力がありますねぇ・・・。

東急の戦略が上手かったせいなのか、世の中ちょっとしたプチ・フリーダ・ブームのようです(笑)。前作『タイタス』で強烈な作家性を感じさせてくれたジュリー・テイモア監督の最新作ですから期待して観に行ったんですが・・・、ちょっと肩透かし?というか、フリーダの人生を追う場面とテイモアお得意のヴィジュアル・スキャンダルなイメージが上手くマッチしていない印象でした。ギュギュっと実が詰まった感じありません。個人的にはテイモアに小賢しさなんて求めていませんので、もっとフリーダの生き様にテイモア流の光線を当てて欲しかったです。最大の欠点は、何度も手術を繰り返したというフリーダの“身体的な痛み”がほとんど感じられなかったコトかもしれません。というワケで、意外とまともな映画だったんでちょっとガックリ。多分、オイラが期待し過ぎなんでしょう(苦笑)。また、アカデミー作曲賞は理解出来るとしても、メイクアップ賞ってのは、いまいちわかりませんでした。繋がった眉毛の事なんですかねぇ?『ショコラ』でお堅いレノ伯爵を演じたアルフレッド・モリーナの増量ぶりは見事でしたが・・・って、まさか!あの増量がぁ?


2003年08月13日(水)  ナイン・ソウルズ セクレタリー

しっかし!どうしてこんなに人気があるんでしょうか?『青い春』に続いてヒットしているみたいです。水曜、男も1000円だとしても、お盆休み中だとしても初回からほぼ満席でした。映画は豊田利晃最新作『ナイン・ソウルズ』。脱走した9人の男の行く末の話ですが、どうにも陳腐です。手垢がついたような行く末ばかりでうんざりします。別に新しい話しを求めているワケじゃなくて、そりゃ今更観たことも聞いたこともないようなストーリーなんて、そうそう簡単にないでしょうしねぇ(苦笑)。だから、そうじゃなくて!同じような話しだとしても、もっと描き方があるだろ!ってコトなんですよ。くだらない笑いとシリアスな場面を結びつければ、それで良い!と思ってるワケじゃないだろうけど、あまりに底が浅くて情けなくなります。この映画を観て、そんな風に思ってしまうオイラが古いんですかねぇ・・・。劇場にはけっこう笑いがこぼれてましたけど、羊とヤろうとしたり、女装したりするシーンがそんなに笑えるんですかぁ?松田龍平も相変わらずへったくそだし・・・無駄に豪華なキャストもショッパイなぁ〜!Σ( ̄□ ̄;)

予告編を観た時「またかよ!」と『ピアニスト』『キリング・ミー・ソフトリー』『ロマンスX』の悪夢(苦笑)を思い出したんですが、友人のカマ松姐クンさんから「けっこう良ござんすよ」という報告を受けたんで、まさか『永遠のマリア・カラス』のようなひっかけじゃないよなぁ?と、一抹の不安を胸に観てきたんですが・・・いっやぁ!こりゃ、良かったですねぇ!実に真っ当な内容でしたわ(笑)。その背景もキチンと描いてますし(実際、多いんですよ。このパターン)、初めての時の小指の絡みなんて日活っぽくて良かったですねぇ(笑)。大事に考えて作ってる雰囲気が十分感じられます。そういう場面をきっちりと真摯な態度で作っているので主演二人が生身の人間として存在感タップリです!ジェームス・スペイダー扮する弁護士が自分の性癖を中々受け入れられないのもリアルですし、マギー・ギレンホール扮する秘書がアッサリ受け入れるのも可笑しいです。この手の男女関係の場合、能動的な方が主導権を握ってると思いきや、意外と逆だったりします。まぁ、世の中そんなモンでしょう。個人的にはハンストの場面をもっと大袈裟にしてもらった方が色んな意味でメジャーになって良かったような気がします。全体的な進行がモタモタしているのが残念ですが、中々面白い映画でした。


2003年08月08日(金)  永遠のマリア・カラス ハルク

『永遠のマリア・カラス』・・・いきなりのロック・ミュージックで始まったオープニングから寒かったんですけど(某所でカマ松さんが危惧していましたが)、この映画ってファニー・アルダン以外は寒いんじゃないですかぁ?自伝的映画かと思っていたら・・・虚々実々が入り混じった創作で、74年の日本公演(実際に相当酷かったらしい・・・)を最後にメディアから姿を消したマリア・カラスが「カルメン」の映画で復帰するというフィクションでした。御歳80歳のゼッフィレリの演出はヌルくてアッチへフラフラ、コッチヘフラフラ(苦笑)。カラスを描きたいのならもっと彼女に迫るべきです。自分の分身であるジェレミー・アイアンズ扮するプロモーターの身辺なんかどーでもイイです。逆に“彼が居たからの彼女!”を描くのなら二人の恋人以上(だと思われる)の関係をもっと掘り下げるべきでしょう。どちらにせよ(カラスの“もういちど声をください切望”も “恋人以上の二人?”も“恋をしたい願望”も)全てが中途半端な映画でした。それでもアルダンの演技とシャネルのファッションを観るだけでも十分楽しめます。あまり期待しないで行けば良いんじゃないでしょうか。それにしても、この色味が浅く古い印象の映像は狙いなんでしょうか?

久しぶりに連続観賞の2本目は入りがガ〜ラガラの『ハルク』です。まずは、ダニー・エルフマン御得意のサウンドに導かれた怪しいオープニングが(いつものパターンですが・・・)けっこうツボです(苦笑)。あ!最初に言っときますが、映画の完成度は低いですよ。だけんども!個人的にはけっこう好きです。やたらと重々しく話しも長く、不必要な編集テクニックも鬱陶しいですが、けっこう笑っちゃいました。放り投げたタンクが画面の後方で落ちるトコとか、戦闘機に必死にしがみついてるハルクとか・・・。個人的にハルクの大きさが好きなんです。大魔神並みの大きさって云うんですかぁ?想像出来うるパワーというか、言い方変えると自分がなれそうな(なりたいんかい!)大きさと言うか・・・とにかく身近に感じられるんですよ。あんなにジャンプが出来るとは思いませんけど(ノミじゃないんだから)、面白いからイイです。しっかし!アカデミー賞受賞監督が、こんなん作っててエエんかなぁ(笑)。最後に、ジェニファー・コネリー!良い女になったなぁ・・・ボソ。


2003年08月05日(火)  ライフ・オブ・デビッド・ゲイル

良くも悪くも作風が安定しているアラン・パーカーの最新作『ライフ・オブ・デビッド・ゲイル』。とは言っても『ケロッグ博士』『エビータ』『アンジェラの灰』と未見なので、オイラにとっては『ザ・コミットメンツ』以来になります。ストーリーは悪くないですし、内容も芸達者が揃って見応えはあるんですが、上手く出来すぎていて味気ない印象です。事件解決の糸口になるきっかけもどうなんでしょ?個人的にはイマイチ説得力が感じられません。だから、登場人物の皆さんばかりがサクサクと先に進んじゃって、観ているオイラは置いてけぼりを喰ったような気持ちになってしまいました。途中途中で挿入される短いカットの積み重ねも効果的だとは思えません。というか、あのカットが邪魔しているような気もしました。まぁ、あまり書くとネタバレになってしまいそうなので、この辺で止めときます。しかし、アラン・パーカー・・・こんなに卒の無い人でしたっけ?


2003年08月01日(金)  パンチ・ドランク・ラブ

この映画は紛れも無くポール・トーマス・アンダーソン(PTA)の傑作(デビュー作『ハード・エイト』は未見)です。個人的には『ブギ−・ナイツ』『マグノリア』と続いた作品に(感心する部分はあっても)さしたる好感触はなかったのですが、今回はヤられました。これは凄いです!この密度の濃さは尋常ではありません。まさに「目が眩むほど、パンチのきいたラブ・ストーリー」という看板に偽りはなく、始まりから終わりまで非常に高いテンションで満たされています。ほんの些細な音にさえ凝りに凝ったサウンド。突然の事故や不思議な出来事、全編を覆う夢見るような空間はどことなく甘く、バリーとリナの恋愛劇を盛り上げるだけでなく、観客にまで甘美な夢を見せてくれます。小生は観終わった後、一風変わった青年(けっこう危ない奴)の人生のワンシーンを堪能させられた気分になりました。言い方を変えると、ちょっと危ない奴の脳みそが自分の中に入って来たような感覚です。というワケで個人的には、この映画は観る者にとって“ドランク”ではなくて“ドラッグ”のような映画だと思っています。ナンテたって、クラクラしちゃいますからねぇ・・・え、どういう意味か?って・・・それは貴方の感じ方次第ぃ〜♪


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