Deckard's Movie Diary
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2002年05月31日(金)  サウンド・オブ・サイレンス

 相変わらず似たような映画ばかり出ている?マイケル・ダグラス主演『サウンド・オブ・サイレンス』。普通の映画。別に詰まらないワケじゃないけど、面白くも無い。いや、やっぱり面白くない!だいたい10年も医者を騙し続けている女の子が、マイケルが診察すると、ペラペラペラ〜っとか、全編お手軽な1本!それにしても、この邦題ってば(笑)


2002年05月30日(木)  暗い日曜日

 評論家陣の評価がやたらと高い『暗い日曜日』。満員。95%女性。平均年齢45歳以上(笑)映画は「自殺の聖歌」と呼ばれた“暗い日曜日”という歌に纏わる話しなんですが、別にどうってコトなかったなぁ・・・・。もちろん、それなりに楽しめます。ああ、良く出来た話だなぁ・・・と、思ってお仕舞い。ただ、それだけ。実話の脚色物です。


2002年05月29日(水)  マッリの種 アリ

 クローズアップショットの連続で、やたらハァハァ言ってる思惑ありげな予告編に惹かれて観に行って来ました。踊らないインド映画『マッリの種』。なんでもカイロ映画祭(色んな映画祭があるのね)で審査員長だったジョン・マルコヴィッチが感激して世界に紹介したらしいです。で、「ジョン・マルコヴィッチ・プレゼンツ」という帯がかかってるワケですな。ヒロイン、マッリはテロリストとして育てられ、優秀な故に自爆テロの任務を命ぜられる。決行日までの彼女の心模様が過去のフラッシュバックと共に描かれ、そしてやがてその日が・・・。話の展開はとてもベタですが、自然光と自然雨を使った映像は素晴らしく、特にクローズアップショットの美しさは筆舌につくし難く、心に突き刺さるようです。予算600万円。撮影日数3週間。オール・ロケ、スタッフ&キャストは全てアマチュア。監督はサントーシュ・シヴァン。荒削りでも、無骨でも、ぶっきら棒でも、何故か好感の持てる人。みたいな映画でした。

 超低予算の映画の次は、一体いくらかかってるか見当もつかないハリウッド大作、マイケル・マン監督作『アリ』。言わずと知れたモハメド・アリの半生を描いた作品。1ラウンドから好調な滑り出しなんですが、その後、すぐにベタ足になっちゃうんですよ。アリの回りの出来事ばかり描いていて、アリ本人の凄さがイマイチ伝わって来ません。どうもマイケル・マンは大作にしようとし過ぎてるきらいがありますねぇ。とにかくダラダラ長いッス。だけんどもしかし!ボクシング・シーンのカメラ・ワークも素晴らしく、特にラスト・ファイトになるキンシャサの映像はお見事!ウィル・スミスは悪くは無いけどカリスマな佇まいがありませんでしたなぁ。これは監督の責任もあるでしょうけれど。でも、ジョン・ボイトは良かったなぁ・・・ボソ


2002年05月27日(月)  穴

 大好きなソーラ・バーチ主演の『穴』。巷の評判は「予告編見たら『ジーパーズ・クリーパーズ』かと思っちゃったわ」だそうです。って、それは評判じゃないだろ!実を言うと、噂はあんまり聞こえて来てません。観てる人が少ないんでしょう。ストーリーは一言で云えば「醜女の色狂い」って奴ですか。(>_<)アチャ!身も蓋もない言い方でした。好きな男を穴に3日間連れ込んで自分のモノにしようとする話です。で、それなりに興味深い展開で話は進むんですが、どうも中途半端です。狂気の青春物なのか密室サスペンス物なのか、はっきりしろ!って、感じでしょうか。結局ソーラ・バーチ扮する主人公リズの性格がハッキリしないんですよね。アッチにふらふら、コッチにふらふら。♪それが青春〜って云ってしまえばそれまでなんですが、だったらリズの内面にもっとスポットを当てるべきでしょう。惜しいッス!それにしてもソーラ・バーチは上手いねぇ。途中からリーガン(エクソシスト)がウロついているのかと思っちゃいましたが・・・(⌒o⌒;A


2002年05月23日(木)  パニック・ルーム スパイダー

 ジョディは『ハンニバル』ではなくこちらを選んだそうで・・・デヴィッド・フィンチャー監督作『パニック・ルーム』。参っちゃったなぁ!途中から隣の人や前の席の人に「ねぇねぇ、コレっておかしくない?」って、ズーっと話しかけたくて仕方ありませんでした。だって、あまりにオバカさんなんだもん!誰が?って、もちろんジョディでんがな。っつーか、サスペンススリラーの一番ダメなパターンでした。自分からワザとドツボに嵌っていくって奴ね。ジョディはキレイでした。相変わらずのフィンチャー映像のカットバックもね!ただ、それだけ〜♪

おっとぉ!書き忘れ♪
この『パニック・ルーム』、先日観た『スパイダーマン』。両作品ともオープンニグタイトルが素晴らしかったです。

 何だか自分までオバカになってしまった錯覚(錯覚じゃないのか?)に陥ったまま今度は『スパイダー』です。結局、さらにオバカ度が増してしまったような錯覚が!!!って、錯覚じゃないのか!って、どーでもイイんでんすけど、ツマラン映画です。出来の悪い2時間ドラマ。途中から犯人が判るからダメ!とかじゃなくて、途中から別のドラマを見せられてるような気分になっちゃうんですよ。要は演出が下手!ってコトなんですけどね。映画の芯、人間で言えば背骨が無い!って感じになちゃってます。ところでモニカ・ポッターってサンダーバードの人形のようなマスクでんなぁ(笑)


2002年05月21日(火)  ユトリロ展 アトランティスのこころ

 友人に誘われ、東郷青児美術館で開かれている「ユトリロ展」に行ってきました。ユトリロと言えば、モンマルトルばかりやたらと描いていた「白色」が有名な印象派の画家というくらいしか知識がありませんでした。まぁ、実際にそのような絵が多かったのですが、展覧物が充実していた事もあるのですが、想像していたよりも色んな表情があって、中々興味深かったです。で、ユトリロの絵が終った後に、な、なんと!ルノワールの「縫い物をする若い女性」とモネの「プールヴィールの崖上の散歩」が展覧してあったんですよ。この2点はこの美術館が所蔵している、あの53億円絵画!ゴッホの「ひまわり」が海外美術館に出張中の為、代わりにシカゴ美術館から貸し出しされているモノらしいのですが、これがもう!ため息が出るほど素晴らしい!!「縫い物をする若い女性」を印象的に包む青色の美しさはどこまでも深く、また「プールヴィールの崖上の散歩」に溢れる優しい光は、遠い日を思い出させてくれます。うーん、やはりたまには本物を観るべきかも・・・・(>_<)アチャ!

 いいモノを観た後ですから、心温まる映画なんぞ!あのスティーヴン・キング原作、あのスコット・ヒックス監督作、あのアンソニー・ホプキンス主演『アトランティスのこころ』。まさに「あの!」だらけの映画ですが、全く持って地味ぃ〜な映画でした。登場人物やシークエンスは皆、他のキング作品でお目にかかったようなモノばかりで、新味がありません。だいたい何が奇跡だったんだっけ?既に忘却の彼方・・・・。どちらにせよ小生の心に眠るアトランティスは目覚めませんでした。っつーか、最初からないのかも♪


2002年05月16日(木)  スパイダーマン ローラー・ボール トゥーランドット

 全米で大ヒットしているサム・ライミ監督作『スパイダーマン』。いやぁ、面白かった!絵に描いたような青春ヒーロー物で、なんともまぁ、微笑ましく楽しい仕上がり。ナンテたって女の子は、かっこ良くて、優しくて、その上力持ち(イマドキ使わねーよ)の男の子に弱いから、男はみ〜んな、そういう奴になりたいと思ってるワケさ。普段はさえない男の子が、ある日突然・・・・さぁ、始まり始まり!ってな具合。でもって、サム・ライミだからさ、ゼメキスみたいにヌケが良くないんだけど、バートンほどマニアックでもないんだなぁ、これが!ちょうどいい悩み具合なんだよね。そこが何だか日本のヒーロー物みたいで良かったなぁ。おそらく『死霊のいけにえ』以来の傑作じゃないの(爆) ただ、キルステン・ダンストはチョー苦手なので、もっと普通に可愛い娘が良かった。そう!マイケル・J・フォックスにとってのエリザベス・シューみたいな。因みに音楽はダニー・エルフマン。お薦め。ちなみに「ダークマン」は未見。

 『ダイ・ハード』『レッド・オクトーバーを追え!』のジョン・マクティアナン監督作『ローラーボール』。はっきり言いますが、最悪です。映画の中だけは異常に盛り上がっていますが、劇場の観客はほとんどドッチラケモード突入!始まって10分で帰りたくなりました。まぁ、確かに不安はありましたよ。だって題材がローラーボールだし・・・だけんどもしかし!いくらなんでも酷すぎるだろ!全く中途半端な映画だなぁ!どうせなら、最初からガンガンの殺し合いローラーボール・ゲームが観たかったぜ!サウンド・エフェクトだけの予告編が良かったから、ちょっと期待してたのに・・・・マクティアナンって仕事ないのかなぁ・・・。まぁ、脚本を読む力は無さそうですね。

 今週で終わってしまう『トゥーランドット』。何故か義務感半分で観てきました(苦笑)ワタクシは自慢ではありませんが、オペラもクラシックも知りません(今まで何やってたんだぁー!)。だから「トゥーランドット」が女性の名前だったと言うのも知りません。もちろん、どのような内容のオペラなのかも知りません。紫禁城でズービン・メータ(かろうじて知っています。(´―`)┌ ヤレヤレ…)が「トゥーランドット」をやりたがっていたというのも知りません。で、今までに上演された「トゥーランドット」がとんでもないシロモノだった!なんてのも、もちろん声を大にして知りません!!!!そんな、な〜んにも知らないオイラが観た印象ですが、うーん・・・普通?まずチャン・イーモウを舞台演出に使命したコトによって何処が良かったのか全く分かりません。だって中国で中国風にやるってのは了解済みなワケですからねぇ。それ以外のどの部分なんでしょうか。まさか精神論ってワケじゃないだろうし。イーモウとイタリア人照明技師とのやり取りを見ている限り、イーモウはあんまりやる気ないんじゃないですかねぇ。だってイタリア人の彼と面と向かって話してないもの!アレは明らかに、腰が引けてますよ。だから、イタリア人技師は適当に誤魔化しちゃうし、イーモウとしては、まぁ、オレは云うコトは言ったからね!って態度でしょ。撮影監督出身の人が照明チェックを土壇場までしていない!ってのはどう考えても可笑しいでしょ(笑)それなりに面白いところもありましたが、ドキュメンタリーとしては・・・・!Σ( ̄□ ̄;)でしょ。異業種コミュニケーションを甘く見てもらっては困ります。


2002年05月15日(水)  およう

 天才バレエダンサーの呼び声高い熊川哲也が竹久夢二を演じる『およう』を観てきました。監督は『極道の妻シリーズ』の関本郁夫。ストーリーは竹久夢二と責め絵師・伊藤晴雨(竹中直人)に愛されたモデル・およう(新人・渋谷亜希)を中心に描かれた人間模様です。すべてが中途半端な映画でした。「およう」とい題がついているのに、おようが主人公に感じられないし、熊川クンはヘタだし、竹中クンは相変わらずのパターンだし・・・、どうせならもっと色濃く三角関係を出して、題名も原作通りの団鬼六作「外道の群れ」のが良かったのに。何でこんな綺麗ゴトの映画にしちゃったのかなぁ・・・・。余談ですが・・・熊川クンの演技って、吾郎ちゃんとイメージが被りました。


2002年05月14日(火)  突入せよ!「あさま山荘」事件 ザ・ウォール

 1972年2月に起きた連合赤軍による「あさま山荘事件」。当時高校2年生だった小生にとっては、兄貴の世代が起こした事件であるにも関わらず、他人事のような印象、自分とは全くかけ離れた世界の出来事であり、あまりに遠くへ行ってしまった学生運動の終焉を告げる出来事でもありました。佐々淳行氏の「連合赤軍 あさま山荘事件」を原作にした『突入せよ!「あさま山荘」事件』は監督・原田 眞人、主演・役所耕司の『金融腐食列島・呪縛』コンビの再タッグです。このスタッフが発表された時点である程度の完成度は約束されていたのですが、いやぁ、面白かったわ。まさに娯楽大作。骨の太さでは『KT』には負けますが、骨の質ではこちらの勝利ですねぇ。132分タップリ楽しめます。特に何かが心に残る映画ではありませんが、セクショナリズムと面子の中で慌てず騒がず(時に焦るが(笑))事に対処していく様はまさに真面目な日本人の典型的ヒーロー図で、血の通った人物像としてリアルに感じられました。突入シーンの混乱ぶりも、当時TVを見ていた時にドン、パチという心細い音しか聞こえず「おいおい!どうなってるんだぁ?」とブラウン管に向かって発していた言葉に対する映像のようで、何だか妙な気分でした。個人的には「そんな奴らいるのかよ!」とツッコミを入れてた『金融腐食列島・呪縛』よりも好きです。それにしても、こんな風に描かれて長野県警はOKなんですかねぇ?また、佐々夫人役の天海祐希はミスキャストかなぁ・・・ちょっと派手過ぎる感じです。もっと内面が強いタイプのが良かったかも。最後に一言、この映画に対して「山荘に立て籠もった赤軍派の事が全く描かれてない」という意見がありますが。全く必要ありません。土台それは無理な話(個人レベルの話ならいざ知らず、今回はマスですからね。)です。方や「現実社会で仕事に命をかけてる集団」であり、方や「理想社会を追求している思想集団」なワケですから、同じ土俵には乗らないでしょ。サッカー試合の解説で、野球のセオリーを引き合いに出されてもねぇ・・・。
 
 観終わった後、徐にトイレに行ったのですが、そこでスーツ姿の60代男性二人の会話を小耳に挟んだのですが・・・

男性A「良かったなぁ・・・」
男性B「ああ、よく出来てたなぁ・・・」
男性A「あの通りだったなぁ・・・」
男性B「ああ、あの通りだった・・・」

連れションの終った二人は酒を止められているAさんの要望で2Fのマクドナルドへ消えていきました。貴方達は一体誰ですか?ひょっとして・・・。


 この日はもう1本。レイトショーで、ロジャー・ウォーターズの来日を記念して再公開されているピンク・フロイドの映画『ザ・ウォール』です。1982年作品。監督はアラン・パーカー。当時に観ていますが、あんまり憶えてなかったし、どういうワケか「観たい〜」とか云ってる物好きな友人がいたので、付き合ってきました。始まって10分くらいで「ああ、そうそう!こういう映画だった。この後、あんなシーンやこんなシーンが・・・・」なんて考えていたら、スーっと心地よい睡眠に誘われてしまい、40分ほど寝てから再見(⌒▽⌒;)アハハ!まぁね、別にね、今更ね。要するにビデオ・クリップですよ。ただ、この映画って脚本・ロジャー・ウォーターズなのに、完成した映画に対してケチョンケチョンに貶したんじゃなかったけ?違ったっけ?でも、ピン・フロはやっぱり音楽だけでいいや(笑)


2002年05月13日(月)  翼をください 鬼が来た!

 カナダ・トロントで起きた衝撃の事件、完全映画化。3人の少女たちが辿り着いた愛の結末・・・の触れ込みで、大いに期待を持たせた『翼をください』。うーん、あまりにベタな展開で言葉も無い・・・って感じでしょうか。安での少女漫画のストーリーを延々と見せられてもねぇ。3人の少女の誰にも思い入れ出来ませんでした。だいたい原作にある「17歳の少女がタクシー運転手をバットで殺害し、彼の生殖器を切除した」という実際の事件は何処に行っちゃったの?ところでお姉さま方、ミーシャ・バートンの歩き方はアレでいいんでしょうか(笑)

 2000年カンヌ・グランプリの中国映画『鬼が来た』。製作、監督、脚本のチアン・ウエンは主演でもあるので一人四役です。これはスゴイ映画です。参りました。たくさんの人に観て欲しい映画ですが、誰にでもお薦め出来る映画ではありません。通訳を通した現実レベルのディス・コミュニケーションから、話せばワカル!では済まない戦争の真実までを、それぞれの立場、平民、軍人、中国人、日本人、日本軍、中国軍から情け容赦なく描いた映画と云えるでしょう。全編を通して、思い込み、思い違い、誤解、曲解、目論見等が交差する人間模様が生む結果は・・・?気になったのは、映画の持っている雰囲気というか、ニュアンスというか、そういう空気を強引に変えてしまう演出はどうなんでしょうか?何だか疑問が残ります。ちょっと驚いたのは日本軍の描き方で、自由な海軍、規律の陸軍までもキッチリ捉えていることでした。


2002年05月08日(水)  KT

 阪本順治監督、荒井晴彦脚本、日韓合作「KT」。撮影は、渇いたザラっとしたトーンで美しく、美術は映画を70年代に見せることに細かな神経を使っており、共に優れた仕事をしています。そういう意味では、まさに映画らしい映画で、抑制の効いた硬派な演出も好感が持てます。しかし!主役の二人(自衛官・佐藤浩市 KCIA・キム・ガブス)の心模様がイマイチ伝わって来ません。佐藤側はかろうじて理解出来ますが、キム・ガブス演じるところのKCIAの背景がわかりません。何故に彼は焦っているのか?何をそんなに恐れているのか?金持ちとそうでない人の差がKCIA内部ではどういうコトなのか?ただ、組織が「恐ろしい!!!」ってだけではなぁ・・・・。おそらく小生の認識不足なんでしょうけど、納得出来ませんでした。佐藤浩市と彼女の関係もちょっと強引だったかなぁ・・・。骨太のいい映画なんですけどねぇ。
あ、そうそう!この映画の音楽は布袋なんですけど、けっこう好きです。邦楽らしい旋律、ちょっとマイナーな泣かせが入っていて、懐かしい緊張感がありました。

もうひとつオマケに忘れてました。
劇中、映画館でかかっている映画の1本が日活ロマンポルノの傑作、田中登監督の「女郎責め地獄」なんですよねぇ・・・・確か写っていたのは中川梨恵じゃないかなぁ・・・・ボソ


2002年05月06日(月)  クレヨンしんちゃん/嵐を呼ぶあっぱれ!戦国大合戦

 昨年の『クレヨンしんちゃん/嵐を呼ぶもーれつ!オトナ帝国の逆襲』が素晴らしい出来だったコトから、期待と不安が入り混じった新作『クレヨンしんちゃん/嵐を呼ぶあっぱれ!戦国大合戦』。既に巷には好意的な評判が溢れていて、今回も「大人の鑑賞に堪えうる傑作!」というコトだったのですが・・・・。確かに面白い!合戦シーンの演出なんて、まさに教科書に載せたいくらいの素晴らしさだし、脚本の細部に至るまで、実に良く作り込んでいます。ただ、大人が作った大人の為のアニメになっているような気がしないでもない・・・。というのも「禁じ手」が使われているんですよ。友人のろぶさんも仰っていたのですが、個人的には好きではありません。友人と観に行った息子(12歳)が言ってました。「子供は感動が苦手だからさぁ。別に死ななくてもねぇ!」。


★ネタバレ★

まぁ、個人的には又兵衛が「あ、なんじゃこりゃ?」とか言って、廉姫からいただいた簪かなんかに弾が当たって助かっていた!ってコトでも良かったろうに・・・。又兵衛がしんのすけが来た事によって助かったのなら、しんのすけによって、廉姫と出来ちゃった!ってコトでも良かったのだから・・・・。その辺りに作者の「死なせよう。」という意図が感じられてしまうのが、チビっとヤだったなぁ。しっかし、大人と子供の観客が混在するアニメが溢れている日本という国は本当に不思議な国です。ただ、一番観て欲しい観客はどの辺りでしょうか?10代後半から20代前半でしょうか。おそらく、その辺りの人達は観てないんでしょうねぇ(笑)


2002年05月02日(木)  ハッシュ バーバー アザーズ ピーピー兄弟

 本日はお日柄も良く、GW中唯一堂々と映画三昧出来る日♪

 まずは渋谷でキネマ旬報第2位、橋口亮輔監督作『ハッシュ』。前2作と同じように今作もまたゲイさんが主人公ですが、だんだん女性の関与度数が大きくなってきています。次作からは一般の人を描きたいと言っているように、今回はまさに今までの集大成とも言える作品で、その名に恥じない傑作として仕上がりました。特に10年前橋口監督の長編第1作『二十歳の微熱』で女優デビューした片岡礼子が素晴らしく、これからの活躍を期待させますし、高橋和也、田辺誠一とのアンサンブルも見事の一言。内容は『二十歳の微熱』『渚のシンドバッド』と成長してきたゲイのカップルと女性の3人組の熟成した姿がそこにあります。惜しむらくは、少し世界が広がりすぎたきらいがあるところでしょうか・・・。この映画を観てしまうと監督賞は橋口に上げるべきだったんじゃないかと・・・。どう考えても『GO』の行定より上でしょう。

 お次は日比谷シャンテでコーエン兄弟の新作『バーバー』。うーん、これはどうなんだろう・・・。狙っている事はわかります。風采のあがらないただの床屋のちょっとした出来心が、次から次へと悲劇を招いていく様を、例によってシニカルな目で描いています。映像も、脚本も、ビリー・ボブも素晴らしい。だけんどもしかし!鼻につくというか、それさえも計算に入れているような、何かヤな感じ。別に悪くはないけどさ!お暇ならどうぞ。

 さぁ3本目だ!銀座で『アザーズ』。アレハンドロ・アメナーバル監督の『オープン・ユア・アイズ』に惚れ込んだトム・クルーズが製作、ニコール・キッドマンが主演したゴシック・ホラー。観始めてからズーっと「なんだかぁ・・」と頭の中でボヤいてたのですが、物語が進むにつれ、「何かオカシイなぁ・・・」と。で、「な〜るほど!やっぱりこの監督らしい仕上がりだわさ!」というコトでした。けっこう好き。

 で、ランランと階段を下りていたら肩を叩かれました。え?マジっすか!1週間前『トンネル』でバッタリ会った(変な言い方)ヤマトさんが居るではあ〜りませんか♪また会っちゃったよ。で。お互い挨拶もそこそこにヤマトさんは『陽だまりのグラウンド』へ。アッシは一旦会社に戻って書類の整理しながら日本×ホンジュラス戦を観戦。俊輔のコーナーキックからの直接ゴールを観て、ヨッシャー!前半終わり間近に3点目を獲られて、ダッサー!トルシエ自慢のフラット3がズタボロ状態。前半に3点は獲られすぎだろ!勝っても喜べないぞぉ!後ろ髪を引かれつつ再び渋谷へ。

 本日のラストを飾るのは『ピーピー兄弟』。本作品の脚本は98年のサンダンス/NHK国際映像作家賞受賞。まぁ、そうは言っても例の「GO」騒ぎの「GO!」も同じだからなぁ・・・。脚本・監督はサンダンス・インスティテュート出身の藤田芳康。売れない漫才コンビがストリップ劇場で過激な下ネタを連発したところ観客に大ウケ。それを見ていたTVディレクターに誘われTV出演。放送禁止用語を連発するのだが、その禁止用語全てにピー!が。ところがコレがまた視聴者に大ウケ。彼らは一躍時代の寵児に。面白うてやがて悲しき・・・。けっこうイイんやけどねぇ。ちょっとウェットになりすぎてる感じなんやな。キレが悪いっつーか、もっとスカっと笑い飛ばして欲しいですわ。主役の二人(剣太郎セガール・ぜんじろう)がヘタ過ぎるのも、かなり足を引っぱってるしぃ。それに比べて若手女優のみれいゆが良かったでんなぁ。映像、音楽、編集等、スタッフは全て広告制作の関係者なのでレベルは高いですわ。

 久しぶりの4本ですけど、意外と疲れなかったわ。皆それなりに面白かった!っつーことやろか!


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