Dailymovie
DiaryINDEX|past|will
2004年02月03日(火) |
スコルピオンの恋まじない |
スコルピオンの恋まじない The Curse of the Jade Scorpion 2001年アメリカ ウディ・アレン監督
ウディ・アレンが独自の味付けでリメークした 「アパートの鍵貸します」という印象を受けました。 この映画↑がお好きな方にはお勧めしたい作品です。
1940年。 ニューヨークの保険会社のベテラン調査員 C.W.ブリッグス(W.アレン)は、 長年の経験と勘を重んじる彼のやり方を 「古くさい」と切り捨てる、 入社間もない切れ者の重役“フィッツ”こと ベティ・アン=フィッツジェラルド(ヘレン・ハント)と 犬猿の仲です。 それでも、仕事をうまく運ぶために 歩み寄りを試みようとはするのですが、 実は社長(ダン・エークロイド)の愛人という 裏の顔を持つフィッツにとって、 風采の上がらないブリッグスなど、 鼻で嗤うだけの存在でしかありません。
ある日、ブリッグス、フィッツも含む会社の面々は、 同僚ジョージ(ウォレス・ショーン)の誕生日を祝うため、 とあるクラブに集まっていました。 そこでは、インチキくさい魔術師ヴォルタンによる ショーが催され、催眠術の被験者として、 あろうことかブリッグスとフィッツが選ばれました。 2人はそれぞれ 「コンスタンティノープル」「マダカズカル」という呪文で 催眠状態に誘われるという術をかけられ、 「愛し合う恋人同士」に仕立て上げられてしまうのですが、 催眠状態から醒めると、そのことを全く覚えていません。
謎の宝石窃盗事件が2件続発したのは、その後でした。 いずれもブリッグスがセキュリティーを担当した屋敷でのことで、 もともと合理化のために 保険の調査を外注しようとしていたフィッツが ブリッグスの面目をつぶすかのように探偵を雇ったこともあり、 ブリッグスは躍起になって犯人を探そうとしますが、 状況証拠から、彼自身が容疑者として浮上してしまいます。 ブリッグスを嫌いながらも、その結論に違和感を覚えたフィッツは、 何とか彼を助けようとしますが、 その後さらに別の窃盗事件が発生し……。
ネタバレ防止のため、かなりボカして書いたつもりですが、 勘のいい方には、すぐカラクリが判るような文になりました。 でも、いいのです。重要なのは「そこ」ではありません。 私が「アパート…」を連想したのも、「そこ」がポイントではないし。 粋なセリフ、70近いのにあの役をやってサマになるアレン、 いつもながらの音楽使い、 そして、いつものアレン映画では余り味わえない、 「一体どういうオチを持ってくる気だ」というソワソワ感、 なかなか贅沢な映画だと思います。 ぜひともお試しくださいませ。
2004年02月01日(日) |
映画よろず屋週報 Vol69 |
*****映画よろず屋週報 Vol69 2004.2.1*********************
2月1日は、1953年のこの日、 NHKの本放送が開始されたことに由来する 「テレビ記念日」だそうです。
そこで、映画の中に登場した「テレビ」を 幾つかピックアップしたいと思います。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
山の焚火 Alpine Fire(Hohenfeuer) フレディ・M・ミュラー監督 1985年スイス スイスの山小屋で暮らす一家の物語。 カタログを見ながら、里に降りて買うものの相談などをしますが、 その中に、ガスで動くテレビというのが登場しました。 想像がつきませんが、一体どんなものでしょう?
オテサーネク 妄想の子供 Otesanek 2000年チェコ ヤン・シュヴァンクマイエル監督 チェコの民話がもとになったホラーコメディー。 作中出てくる食べ物が、どれもこれもマズそうなのですが、 特に、映画の中心人物である少女アルジュビェトカの父親が チョコレートを食べながら、 テレビでそのチョコレートのCMを見ているシーンは 「嘔吐もの」です。
エレベーター Asansor/The Elevator 1999年トルコ ムスタファ・アルトゥノクラル監督 超人気番組のキャスターが、エレベーターに閉じ込められ、 謎の美女に意地悪されているうちに、 彼女に特別な感情を抱くようになる……お話。 何が言いたいのかよくわからないのですが、 筋自体は決して難しいものではありません。
華氏451 Fahrenheit 451 1966年イギリス・フランス フランソワ・トリュフォー監督 世の読書好きには悪夢のような、 それでいて罪作りに美しい一品です。 昨年11月DVDがリリースされ、一層見やすくなりました。 人が物を考えないように管理された近未来、 “ファイアマン”の職業は、火を消すことではなく、 人々に妙な知恵をつける諸悪の根源「書物」に 火をつけることです。 (そうなったら、“ファイアマン”を何と日本語訳すればいいの?) その職業に誇りを持っていた男、モンターグは、 一人の女性との出会いによって変わっていくのですが…… モンターグの妻が大型スクリーンを眺めるさまに (一応、テレビのようです) 何とも虚無的なものを感じさせられました。 ちなみに、モンターグの妻リンダと、 彼に示唆を与える娘クラリスの両方を まだうら若きジュリー・クリスティが演じていました。
レインマン Rain Man 1988年アメリカ バリー・レビンソン監督 狡賢い自動車ディーラー、チャーリーは、 断絶状態にあった父親の訃報を受け、 遺産はどのくらいもらえるのかと駆けつけますが、 大半の相続人は、存在すら知らなかった「兄」レイでした。 レイが、自閉症というなじみのない精神病で 施設に入っていることを突きとめると、 うまいこと言って連れ出してしまうのですが、 日常生活のリズムが狂うとパニックを起こす彼との道中は トラブル続きです。 「テレビ裁判」が見たいと言うレイのために、 視聴率調査員を装って 民家に上がり込もうとするチャーリーの姿は 笑いを誘いました。
|