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2003年06月22日(日) 映画よろず屋週報 Vol55「職人ビリー・ワイルダー」

1906年6月22日、
映画監督のビリー・ワイルダーが生まれました。
生きていれば97歳になっていた彼が、
昨年3月、惜しまれつつ亡くなったのは、
まだ記憶に新しいところでしょう。
そこで本日は、
ワイルダー(私的)ベストセレクションを
お届けします。
主演女優が同一の場合、代表映画を1本に絞っているので、
「どうしてこの映画がないの?」
という御意見もあるかと思いますが、
とりあえず御了承くださいませ。

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失われた週末 The Lost Weekend 1945年
アルコール依存症の男の悩みやもがき冷徹にとらえた
衝撃的な作品。

第十七捕虜収容所 Stalag 17 1953年
ドイツ軍の捕虜収容所を舞台に、
収容兵の脱走計画をリークしている裏切り者は誰かを探る
娯楽サスペンス。

昼下がりの情事 Love in the Afternoon 1957年
「粋」とはこういうこと、と言いたくなるような、
洒脱さと甘美さで酔わせるなラブコメディー。
当時既に20代後半だったヘプバーン
「背伸びして大人ぶる可憐な女子学生」を好演しています。

お熱いのがお好き Some Like It Hot 1958年
ジャック・レモン&トニー・カーティスの女性演技も見物ですが、
「歌うモンロー」のかわいらしさに触れたければ、この映画が一番です。
ベタベタなギャグさえもおしゃれ。

あなただけ今晩は Irma La Douce 1963年
原題になってる
“イルマ・ラ・ドゥース(かわいいイルマ)”とは、
気のいい娼婦を演じたシャーリー・マクレーンのこと。
実直さがアダになって、
警官をくびになるジャック・レモンと併せ、
『アパートの鍵貸します』の主演・監督トリオが再び組んだ、
奇跡のような大成功二匹目のドジョウ映画


2003年06月21日(土) リトル・モー

1969年6月21日、“リトル・モー”の愛称で親しまれた
テニスプレイヤーのモーリン・コノリーが、
34歳の若さで亡くなりました。

リトル・モー Little Mo
1978年アメリカ ダニエル・ホラー監督


1953年、女性で初のグランドスラム(※4大会制覇)を達成し、
自動車事故がきっかけで引退後、
がんのため、長いとはいえない人生を閉じた
モーリン・コノリーの実話に基づく物語です。
もともとはTVムービーでしたが、
日本では劇場公開されました。
全豪/全米/ウィンブルドン(英国)/全仏

美人というよりかわいらしいタイプの
グリニス・オコナーが、
彼女の挫折、栄光、努力、
悲喜こもごもを熱演してみせました。

10歳でテニスを始め、
19歳とごく若くしてグランドスラマーになった彼女が、
戦艦ミズーリの愛称「ビッグ・モー」をもじり、
「リトル・モー」と呼ばれてしまう小柄さで、
厳しいコーチにも耐え、ひたむきに頑張る姿は、
素直な感動を呼び起こします。
若い情熱をありったけかけられる「何か」があって、
しかも愛する人と出会い、結婚し、かわいい子供ももうけた。
短いながらも充実した、喜びの多い
人生だったのではないかと思います。

私自身は、何の予備知識もないままに
14年ほど前、テレビの深夜放送で見たのですが、
レンタルビデオもたまに見かけます。
素直な感動作が見たいときにお勧めします。

ところで、「リトル・モー」の名づけ親になった
スポーツ記者ネルソン・フィッシャーを
あのレスリー・ニールセンが演じたそうです。
といっても、全然覚えていないのですが……


2003年06月20日(金) リトル・プリンセス/小公女

1926年6月20日、
元宮内庁東宮侍従の浜尾実氏のお誕生日だそうです。

この方の著書で1972年のベストセラーでもある
『女の子の躾け方』という本が、
なぜか我が実家にありましたが、
ある程度漢字が読めるようになってから、
書棚にこの本を発見したときは、ちとビビりました。
親の野望というか、無謀というか、
ボロは着ててもナントヤラの
気高い女性に育てたかったのでしょうが、
どっちかというと、「衣食足りて礼節を知る」の
逆もまた真なりのようなオンナになってしまいました。

そんなわけで、好感度バツグンのお嬢様が登場する
こんな映画はどうでしょうか。

リトル・プリンセス/小公女
1995年アメリカ A Little Princess

アルフォンソ・クアロン監督


2004年公開(予定)の
『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』の監督起用や、
近作「天国の口、終りの楽園」の
アカデミー外国語映画賞ノミネートなど、
何かと話題のメキシコ生まれの監督、
アルフォンソ・クアロンが演出しました。

この3年後、『大いなる遺産』を現代的にアレンジした作品を
手がけることになりますが、その主演イーサン・ホークは、
『リトル・〜』を見て、その映像センスに打たれ、
出演を決意したという話もあります。


バーネットによる原作が有名なので、
もう既に読んでいるという方も多いかと思います。
または、「ハウス名作劇場 小公女セーラ」(1985)での
島本須美さんのおっとりした声の演技を思い出す方も
あるいはいらっしゃるかもしれませんね。
ざっとした粗筋は……

ロンドンの寄宿学校ミンチン女学院で勉強していた
セーラ・クルーは、
父クルー大尉がダイヤモンド鉱山を掘りあて損ない、
財産を失って亡くなったため、
学校の小間使いとしてこき使われるようになりますが、
学校の隣に住んでいた大富豪の男性の援助で
再びお嬢様として「復活」する……という感じのお話でした。
セーラは、優しいながらも芯が強く、想像力豊かな少女で、
小間使いの生活の中でも、気高さを失いません。


私も子供の頃読んで、
「う〜ん、こいつ子供のくせに出来過ぎ」と思いつつ、
最後には、その一発逆転の展開に、
胸のすくような爽快感を覚えました。

この映画化作品は、
細かい設定等がちょこちょこと変えられています。
まず、冒頭のインドのシーンの美しさ。
クルー大尉の任地ということで、インドで生活していたことは
確かに原作でもわかりますが、
(インドから来た少女なのに、肌が白いので
女生徒たちがびっくりするというくだりがありました)

下品にならない極彩色で、幻想的に表現されていました。
セーラは創作の名人でもありますが、
学院に入学後、自作を女生徒たちに披露するシーンも、
そんな感じのトーンで、美しく映像化されていました。

また、セーラ(リーセル・マシューズ)が入学する
ミンチン女学院は、
ニューヨークにあるという設定になっています。
父親も戦死したというふうに書き換えられ、
クライマックスの展開もやや違うのですが、
何よりも、セーラという少女のキャラクター設定!
ちょっとお節介で、とにかく元気のいい娘です。
マリア・ミンチン院長(エレノア・ブロン)の妹のために、
恋のキューピッドを買って出たりもします。
それもまあ、
愛情深い父親に伸び伸びと育てられた少女ということで、
物おじしない娘になりました……
というふうにとれないこともありません。

とってつけたようなフォローになりますが、この映画には、
「女の子は誰でも生まれたときからお姫様」
なのだというテーマがあるようです。
個人的には、
滅多にいないからこそのプリンセスなんではないかなあ〜
と思うのですが、
まあ、ハリウッドらしいおめでたい解釈も、
愛すべきものとしておきましょう。
……くらいの気持ちで見れば、期待もし過ぎず楽しめましょう。
繰り返しますが、映像美は十分、目の保養になります。


2003年06月19日(木) ビューティフル

1954年6月19日、キャスリーン・ターナーが生まれました。

ビューティフル Beautiful
2000年アメリカ サリー・フィールド監督


女優サリー・フィールドが監督した、
ミスコンに情熱を捧げた女性を軸とした
ヒューマン・コメディです。

12歳のモナ(コリーン・レニソン)は、
母親(サリー・フィールド)と、
彼女とけんかばかりの父親きどりの恋人が同居という
劣悪な家庭環境の中で、
大きくなったらミスコンで優勝することを夢見ていました。
ヴァーナ(K.ターナー)という女性が主宰する
ミスコン出場者養成所にも通っていて、
他の美少女たちと張り合い、けんかが絶えません。

モナの親友ルビー(ジャクリーン・ステイガー)は、
地味ないじめられっこでしたが、
おばあちゃん譲りの洋裁の腕は抜群で、
ティーン向けのコンテストに出場するモナのために
自慢の腕をふるってドレスを縫うこともありました。

数年後、美しく成長したモナ(ミニー・ドライバー)は、
ミス・アメリカに照準を合わせて大会出場を重ねる中、
父親の定かでない子供を宿してしまいます。
「母親」はもちろん、子供の保護者というだけでも、
ミスコンの出場資格を失ってしまいます。
モナを全面的にサポートしているルビー
ジョーイ・ローレン・アダムス)は、
生まれてくる子供は自分が面倒を見ると申し出ました。

生まれた子供は
ヴァネッサ(ハリー・ケイト・アイゼンバーグ)と名づけられ、
老人ホームで介護の仕事をするルビーママと、
同居人である「モナおばさん」と暮らします。
自分の顔が
なぜママではなくモナに似ているのかと疑問を抱きつつ、
わがままで、ママを困らせることばかりするモナとは
しょっちゅう衝突するのでした。

ミス・イリノイに選ばれ、
全米大会に出場できることになったモナでしたが、
そんな矢先、ルビーは勤め先の老人ホームで
入所者を殺害した疑いをかけられ、刑務所に入れられます。
今まで何でもかんでもルビーに頼っていたモナは、
彼女の身を案じるどころか、
あんたがいないと困ると喚くばかり。
一方、ルビーは、
「身に覚えのないことで収監されているが、
いつかきっと潔白が証明されて、ここを出られる。
あなたももっと大人になれ」と、
そんな状況の中でも、モナを勇気づけるのでした。

かつてモナの妨害で、コンテストの最中にケガをし、
彼女に恨みを持っているTVレポーター
レスリー・ステファンソン)が、
弱みを握って陥れようと手ぐすね引いている中、 
モナは、子持ちだと思われるリスクを負いながら、
ヴァネッサを連れて本選に出場する決意をします。

この映画で最も「なんだかな…」だとされるのは、
ミニー・ドライバーが「あの顔」でミスコン入賞ってのはアリか、
という点ですが、
私は彼女、十分美人だと思います。
(エラの張り方はすごいけど)
愚かなばかりにミスコンにこだわるわがままヒロインが、
娘ヴァネッサとの本音の触れ合いの中で、
本来自分があるべき姿を取り戻していくという転向ぶりは、
彼女ぐらいの表現力がないと、きつい役でしょう。
最初から「ただの美人」では、説得力がいまいちだと思います。

少女時代いじめられっこだった自分をかばってくれたモナに
無条件に奉仕しているように見えたルビーが、
大人になり、相変わらずモナのパシリみたいな
ポジションではあるけれど、
しっかりとした自分を確立し、
時には彼女を叱責もする姿もすてきです。

クライマックスの本選シーンでは、
金髪美女のブリジット・ウィルソンがミス・テキサス、
『ビバリーヒルズ青春白書』のお嬢様クレア役で知られる
キャスリーンロバートソンがミス・テネシー役で、
モナ=ドライバーと美を競います
……やっぱり、ちょっと無理があったかな……。


2003年06月17日(火) ビッグ・ダディ

先日6月15日、父の日だったというのに
別なところに気をとられてしまい、
「お父ちゃん映画」の特集をし忘れてしまいました。

そこで、振り替えといってはなんですが、
本日はこちらの作品をどうぞ。

ビッグ・ダディ Big Daddy
1999年アメリカ デニス・デューガン監督


何しろ、ひいきのアダム・サンドラー作品ですので、
どうしても点が甘くなりがちです。
その点をお含みおきの上、読んでいただけば幸いです。

大学では法律の勉強をしながら勤労意欲ゼロで、
事故の賠償金を株に投資して得た利益で食べている
お気楽男ソニー(A.サンドラー)は、あまりの将来展望のなさに、
恋人ヴァネッサ(クリスティ・スワンソン)にも
愛想を尽かされます。

そんな中、親友でルームメイトの
弁護士ケヴィン(ジョー・スチュワート)が出張中、
彼の隠し子だと称する5歳の少年ジュリアンがやってきました。
ほかに身寄りのない彼を
最初は福祉事務所に引き渡そうとするソニーでしたが、
もしも自分が父親になったら、
ヴァネッサも自分を見直すのでは?とのスケベ根性から、
ケヴィンの名を騙り、ジュリアンの面倒を見ることにします。

ソニー式子育ては、よく言えば子供に寛容、
悪く言えばただのやらせ放題の甘やかしで、
非常に問題のあるものでした。
ジュリアンは、入った小学校でも次々問題を起こし、
あ、これはいけないとさすがに思ったソニーは、
ケヴィンの婚約者コリーン(レスリー・マン)の姉で
弁護士のライラ(ジョーイ・ローレンス・アダムス)の手も借り、
ジュリアンをよい子に育てようと努力するのですが、
ある日、福祉事務所の職員がソニーを訪れたことから、
身分詐称がばれ、ジュリアンを誘拐したと誤解され、
裁判ざたになるのでした……。

先日御紹介した『Mr.ディーズ』は、
フランク・キャプラの名作『オペラハット』のリメイクでしたが、
実は、先んじてつくられたこの作品も、
かなりキャプラタッチな展開を見せます。

きれいで優しいオネエちゃんが大好きで、
友達づき合いする相手は、
社会的地位よりも、自分とノリが合うかどうかが肝心。
ジャンクフードが大好きで、ちょっとオバカ。
これらはみんな、愛すべき“お子ちゃま”の特性ですね。
A.サンドラーは、いつもこの手のキャラを楽しげに演じているので、
どうにも一本調子な印象を与えがちで、
どの映画を見てもお安いのは確かに否めません。
が、一旦ファンになってしまえば、
「だからいいんですよ〜」となることでしょう。

一方、これはプラス要素だと思うのですが、
自らも音楽活動をしているサンドラーの映画は、
音楽の使い方がいい感じなのも特徴です。
その映画では、シェリル・クロウがカバーした
“スウィート・チャイルド・オブ・マイン”が聞かれました。
欲を言えば、サンドラー自身にももっと歌ってほしいのですが…

もう1つ、さきの『Mr.ディーズ』にも出演していた
スティーブ・ブシェミロブ・シュナイダーは、
本作にもしっかり出演しています。
バディ・ムービー路線も、ここまで行くと立派です。


2003年06月16日(月) ニューヨーク東8番街の奇跡

アメリカの映画俳優ヒューム・クローニンが、
6月15日(日本時間16日)、91歳で亡くなったそうです。
ノーマン・ロックウェルの絵に登場しそうな
「頑固だけれど優しいおじいちゃん」然としたルックスで、
(IMDbを見たら、おいおい、そんなのアリかという写真が載っていましたが)
晩年は、プライベートでもよきパートナーだった
ジェシカ・タンディとの共演作が印象的です。
1996年にはスーザン・クーパーという女優と再婚したようです。

ニューヨーク東8番街の奇跡
Batteries Not Included

1987年アメリカ マシュー・ロビンス監督

ニューヨークの下町で、
ある古い建物が取り壊しの憂き目に遭います。
そこに入居しているのは、
1階でコーヒーショップを経営する老夫婦
フランクとフェイ(H.クローニン&J.タンディ)
恋人の帰りを待つ妊婦マリア(エリザベス・ペーニャ)、
売れない画家メイソン(デニス・ボウトシカリス)、
そして、元はボクシングのチャンピオンだったけれど、
現在は部屋に引き籠もってテレビばかり見ている
管理人のハリー(フランク・マクレィ)です。

フェイはちょっと痴呆ぎみです。
フランクは老体に鞭打って店を切り盛りしながら、
もう亡くなってしまった息子の思い出に浸り、
地上げ屋のカルロス(マイケル・カーマイン)を
息子と勘違いするような危なっかしい妻の
世話に追われる毎日でした。

地上げ屋の嫌がらせが激化する中、
アパート内で不思議な現象が起こりました。
夜中のうちに、壊れさたガラスやティーカップが
すっかり修理されていたり、
各部屋の金属製品がなくなっていたりするのです。
突きとめると、フェイが屋上で、
鳩に豆を与えるかのようにネジを撒く姿が……
彼女は宇宙からやってきた小さなUFOたちに
「エサ」を与えていたのでした。

もう、かわいいったらない!という映画です。
アパートに新しい住民として受け入れられ、
「出産」したり、
フランクの仕事を手伝ったりするUFOたちの姿は、
見ていて口許が弛むものです。
エンターティンメントとしてのSFの要素はあるものの、
基本は人情コメディーですので、
「詰めが甘い」「お涙頂戴もの」と
片づけられる向きもありますが、
オープニングから多用される古いジャズの感じよさや、
フランク&フェイの共白髪夫婦愛、
地上げ屋との攻防やUFOの出現で育まれる
アパートの住民たちの交流など、
ストレートにある感覚を突いてくる要素にあふれています。

94年、ジェシカ・タンディが亡くなり、クローニンも天に召され、
あの世で、この映画の中のフランクとフェイのように、
「ジンジャーとアステアのように踊りましょ」などと
手を取り合って踊っているのでは?と想像するのが
映画ファンとしては、惜しい人を亡くした心の慰めになることと思います。
そういえばお2人は、『白い犬とワルツを』という共演作もありました。


……御冥福をお祈りいたします。


2003年06月15日(日) 映画よろず屋週報 Vol54「弟くん祭り」

*****映画よろず屋週報 Vol54 2003.6.15********************

1954年6月15日、
俳優のジェームズ・ベルーシが生まれました。
“ブルース・ブラザース”でおなじみの
ジョン・ベルーシの弟ですが、
兄のビッグネームにも負けず(?)
御本人も、コミカル演技で手堅くキャリアを重ねてきました。

そこで本日は、「有名スターを兄に持ち、
自分もそこそこ頑張っている人」を特集しようと思います。

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ジェームズ・ベルーシ(ジム・ベルーシとも)
James Belushi
 
概ね上記のとおり。
『きのうの夜は…』(1986)『カーリー・スー』(1991)
『K−9/友情に輝く星 』(1989)などに出演。
近作は『リーマン・ジョー!』(2001)

クリス・ペン(クリストファー・ペン) 
Christopher Penn
 1962年6月10日生まれ
 
『フットルース』(1984)でおとぼけダンスを見せた彼は、
実力派ショーン・ペンの弟君です。
『レザボア・ドッグズ』(1991)
『ショート・カッツ』(1993)など、
多彩な作品に出演しています。
それにしても、どうしてあんなに太っちゃったのでしょう。
近作は『キス★キス★バン★バン』(2000)など。

ケーシー・アフレック Casey Affleck
1975年8月12日生まれ

兄はベン・アフレックですが、
『チェイシング・エイミー』
『グッド・ウィル・ハンティング』
『200本のたばこ』など、兄との共演も多数。
大作アクション等の主演を張る兄に比べ、
個性的なインディーズ系作品の出演が多い印象です。

キーラン・カルキン Kieran Culkin
1982年9月30日生まれ

はっきり言って、ここに名前を挙げるのも失礼かと思うほど、
かつての名子役だった兄マコーレー・カルキンを
凌駕する活躍を見せています。
本人も子役出身……というか、
まだ子役の枠を脱しきれていない感じでもありますが、
見ていて安心できる演技力の持ち主です。
『マイ・フレンド・メモリー』『サイダーハウス・ルール』
『ミュージック・オブ・ハート』『イノセント・ボーイズ』など。

ホアキン・フェニックス
Joaquin Phoenix

1974年10月28日生まれ

子役時代から“リーフ・フェニックス”名義で
映画出演をしてきた彼の兄は、
若過ぎる死が余りにも衝撃的だった
故リヴァー・フェニックスです。
1995年の『誘う女』から、
現在のホアキン名義で映画出演を重ね、
2000年『グラディエーター』で
アカデミー助演男優賞にノミネートされるまでになりました。

ジョエル・マーレー Joel Murray
1963年4月17日生まれ

日本では、TV『ダーマ&グレッグ』のピート役として
おなじみの彼の兄は、
『ゴースト・バスターズ』などで知られるコメディアン
ビル・マーレーです。
映画『ワン・クレイジー・サマー』(1986)
『オンリー・ユー』(1991)などに出演しているとのことですが、
取り上げている私本人からして、
「あ、そうなの?」という感想は否めません。
ちなみに『ワン〜』は、日本では劇場未公開のコメディで、
ジョン・キューザックとデミー・ムーアの若い頃の姿も拝めます。
ビデオショップでどうぞ。


2003年06月14日(土) メラニーは行く!

祝・俳優イーサン・エンブリー25歳!(1978年6月13日生まれ)も兼ね、
本日公開の、彼の出演作を御紹介します。

メラニーは行く! Sweet Home Alabama
2002年アメリカ アンディ・テナント監督


若くて魅力的な新進デザイナー、メラニー・カーマイケル
リーズ・ウィザースプーン)の恋人は、
ニューヨーク市長ケイト
キャンディス・バーゲン)を母に持つ
ハンサムで優しいなお坊っちゃま
アンドリュー(パトリック・デンプシー)です。
夜の“ティファニー”店舗を借り切った気障なプロポーズに
OKした彼女でしたが、
実は故郷アラバマの町に、離婚の成立していない夫
ジェイク(ジョッシュ・ルーカス)を残し、
単身ニューヨークに出てきたという身でした。
過去を切り捨て、必死にはい上がった彼女は、
経歴をかなり虚飾で固めていて、
カーマイケルという姓も、実は地元の名家のものを
“拝借”したというのが本当のところでした。
メラニーは、何とか離婚の書類にサインをもらうため、
7年ぶりに帰郷します。

地元では有名な爆弾娘だったメラニーは、
久々の帰郷で都会風を吹かせ、顰蹙を買ったりもしますが、
なぜか不思議な心の安らぎを覚え、
見限ったはずの夫の意外な一面を見るところとなります。

一方アンドリューは、メラニーに不意打ちで会いにいき、
彼女の嘘で固めた経歴を知り、失望しますが、
やはり彼女への思いを捨て難く、改めてプロポーズします。
また、メラニーの希望を入れて、
結婚式を田舎で行うことになります。
もともとメラニーを気に入っていなかったケイトも
しぶしぶ承諾し、
着々と結婚の準備は進められるのですが……。

何というかまあ、“いいとこどり女”の物語です。
ファッション界でのし上がるため、
努力も惜しまなかったのでしょうが、
なぜにこの娘ばかり、こんなイケメンたちに愛されるの?と
嫉妬さえ覚えるほどに、
フィアンセも夫(元夫、というべきか)も、
すこぶるつきのいい男です。
その元夫、ジェイクを演じたジョッシュ・ルーカスは、
『ビューティフル・マインド』
ラッセル・クロウの嫌みなライバルを演じていましたが、
この作品では、南部訛りバリバリで、
おおらかで気のいい男を好演していました。
(なぜそんな人を捨ててNYに出たのか、
その理由は、作品を見てのお楽しみです)


ジェイクとメラニーは幼なじみで、お互いが初恋の相手です。
冒頭で、短いながら
2人の幼少時代のシークエンスが見られますが、
メラニーの少女時代を演じたのは、
『I am Sam』の天才子役ダコタ・ファニングです。
これがまた、ぞっとするほど色っぽいのでした。

本日のトピックスであるイーサン・エンブリーは、
彼女が偽名として使う“カーマイケル家”のお坊っちゃまで、
メラニーとは気の合う幼なじみという設定でした。
ケイトのさしがねで、田舎に取材に来たNYポストの記者が、
カーマイケルの屋敷をメラニーの実家と勘違いしたとき、
とっさの機転で難を救うという一幕もありました。

粗や難点はないではありませんが、
温かくでラブリーな映画でした。
御当地ソングとして多用される“Sweet Home Alabama”は、
映画の原題でもありますが、聞き物です。


2003年06月13日(金) 番外編/追悼 グレゴリー・ペック

昨日6月12日、俳優のグレゴリー・ペックが亡くなりました。
1916年4月5日生まれ、享年87歳でした。
演技というより、見るからに誠実そうな雰囲気で
世界中に愛された名優でした……

と、私は、いかにも借り物的な言葉で語れるくらいにしか
氏の映画を見ておりません。
が、映画ファンの端くれとしては、
「惜しい人を亡くした」という言葉をやはり使いたいと思います。

手抜きが見え見えではありますが、
本日は、ここDailymovieで過去取り上げたことのある
グレゴリー・ペック主演3作の紹介分にリンクを張りました。
お時間よければ、見てみてくださいませ。

紳士協定

ローマの休日

アラバマ物語

※実は、本日6月13日に25歳になるイーサン・エンブリーの誕生日に因み、
明日から公開の彼の出演作
「メラニーは行く!」を取り上げる予定だったのですが、
明日に譲らせていただきます。


2003年06月12日(木) Mr.ディーズ

1929年6月12日、アンネ・フランクが生まれました。
彼女の「アンネの日記」に因み、
6月12日は日記の日だそうです。

そんなわけで、日記が1つの鍵となる作品を。

Mr.ディーズ Mr.Deeds
2002年アメリカ スティーヴン・ブリル監督

『リトル・ニッキー』など)

1936年の映画『オペラ・ハット』のリメイクです。
どんな作品も、公開前からゴールデン・ラズベリー賞候補
……といっても過言ではないくらいの常連、
アダム・サンドラーが製作総指揮と主演ということで、
オリジナル版の評判の高さ、質のよさが
吉と出るか凶と出るかといったところでしたが、
びっくりするくらい忠実なリメイクになっていながらも、
「落とし方」や登場人物の設定は、いかにもサンドラーチックで、
それが受け入れられるかどうか、
一にかかって、ここんところがポイントです。

小さなラジオ局から成り上がり、大事業家兼冒険野郎となった
(う〜ん、どうしたって
この人を連想する設定だ…)
プレストン・ブレイクが、突如雪山で死亡したことから、
400億ドルは下らない遺産の行方をめぐって、騒然となります。
調査の結果、ニューハンプシャーの田舎町に住む
ロングフェロー・ディーズ(アダム・サンドラー)という
唯一の遠縁がいたことが判明。
ピザ屋を経営しながら、
自作の詩がギフトカードに採用されることを夢見る、
町中の人間に好かれる好人物です。
会ったこともない親戚の死に胸を痛めながら、
莫大な遺産の方には余り興味を示しません。

書類にサインをするために、
迎えにきたセダー(ピーター・ギャラガー)たちに連れられ、
ニューヨークへと赴いたディーズは、
退屈極まりないしばしの大富豪暮らしの中、
ミス・ドーソン(ウィノーナ・ライダー)なる
学校勤めの看護婦がひったくりに遭うのを助け、
優しく魅力的な彼女とデートする仲になりますが、
実はドーソンの正体は、
野心的なTVレポーター、ベイブ・ベネットでした。
大遺産の相続人ということで、
マスコミの格好のえじきとなったディーズは、
ベネットの“密着”取材のおかげで、
たまたまうまが合ったテニス選手ジョン・マッケンロー(自身役)
ツルんで羽目を外したり、
火事現場から猫と女性を助けたことすら
悪意でねじ曲げて報道されるのでした。

そんな心ないことをしながらも、
徐々にディーズの人柄に惹かれていくベネットは、
彼に事実をすべて打ち明けようとしますが、
同じように彼女を愛したディーズがプロポーズしようとしたその日、
正体を暴露されてしまいました。

その後、相続を放棄し、
失意のまま田舎に帰ったディーズを追って、
体を張って愛を打ち明けようとするベネットでしたが、
「君が誰なのかも知らない」とディーズに拒絶されます。

が、自分が相続を放棄したことで、
企業グループ内で大々的なリストラが行われることを知ったディーズは、
再びニューヨークに戻り、計画をとめようとするのでした。
またベネットも、独自の調査によって援護射撃をし……。

オリジナルよりもむしろ「いいなあ」と思った箇所は、
ディーズが、ブレイクの残した日記を読むことで、
一度も会ったことのない大伯父に親近感を持つというくだりでした。
またこの日記は、後々非常に重要な働きをするので、
ぜひとも御注目を。

DVDの日本語吹替えとして、大阪弁バージョンも収録されていますが、
ディーズを担当したのは、漫才コンビ“中川家”の弟・礼二さんです。
なかなか歯切れのよいしゃべくりで聞きやすく、好演していました。
一方、兄・剛さんはというと、例のおどおど口調で、
ブレイク家の執事エミリオ・ロペス(ジョン・タートゥーロ)を
担当していました。
そつなくこなしている礼二さんに比べ、危なっかしい感じではありますが、
その役どころや、タートゥーロのルックスには合っていたと思います。
ちなみに、大阪弁で話していたのはこの2人だけで、
ほかは標準(語)バージョンと同じのようです。

アダム・サンドラー映画の常連、
スティーブ・ブシェミアレン・コヴァート
ロブ・シュナイダー(役名クレジットなし)らの出演も、
映画に妙な安定感を与えている……気がしたのは、
私が単にサンドラーびいきだからでしょうか。


2003年06月11日(水) 青春スケッチ(韓国)

青春スケッチ
1987年韓国 イー・ギュヒョン監督


タイトルこそ地味なAMラジオの番組風ですが、
元祖「猟奇的な彼女」見つけたり!という風情のある
80年代の韓国の若者事情が窺い知れる、
ちょっといい映画です。

えーかげんな大学生チョルス(パク・チュンフン)は、
かわいくて鼻っ柱の強いミミ(カン・スヨン)という
女子学生に一目惚れし、
バスの中で、物売りの口上をまねして
彼女に「自分」を売り込みます。
口が悪く、かっとするとすぐ手が出るようなタイプのミミに、
チョルスは振り回されっ放しでした。

そんな中チョルスは、“宝島”という名の青年
キム・セジョン)と知り合います。
“宝島”は、極めて成績優秀でありながら、
勉強を中断して、何か仕事をしているらしいこと、
怪しげな精力剤を服用していること、
なまっちょろく見えて、実はけんかが強かったりすることなど、
興味の尽きない男で、
ミミともうまが合い、3人で遊びに繰り出すこともありました。

ところで、ミミはチョルスに好意を持っていながらも、
計算高いところがあり、
将来を考えて、猫をかぶって医大生と見合いをしたりします。
それを偶然知ったものの、チョルスに何も言えない“宝島”。
が、後にあっさり発覚し、チョルスは“宝島”が
何も教えてくれなかったことに腹を立てて責めたてますが、
突然、状況が全く一変するようなアクシデントがあり……。

最初は、アホ大学生のアホな日常生活が
毒にも薬にもならない雰囲気で描かれ、
「見ても見なくても変わらんなあ」と思わせるような展開なのですが、
20分目くらいで登場する“宝島”が
不思議な存在感で引っ張ってくれます。
ここ数年注目されている韓国映画やドラマにも通ずる、
ベタとも言えるほどの“人情”の表現には、
やっぱり憎めないものがありますしね。

アホ大学生といえば、この数年前に、
同じく韓国映画で「鯨とり コレサニヤン」という映画もあり、
やはりトホホな授業風景が登場しますが、
あの、超学歴社会と言われる韓国で、
必死に勉強し、大学に入り、成れの果てがアレなんでしょうか。
ちょっと寒い気もします。
ちなみに計算してみると、いわゆる386(サム・パル・ユク)世代ですね。


2003年06月08日(日) 映画よろず屋週報 Vol53「フルーツはいかが?」

*****映画よろず屋週報 Vol53 2003.6.8********************

本日は6月8日ですが、
毎月8日は「果物の日」だそうです。
そこで、果物が(そこそこ)印象的に登場した映画を
思いつくまま集めてみましょう。
本日は6月8日ですが、
毎月8日は「果物の日」だそうです。
そこで、果物が(そこそこ)印象的に登場した映画を
思いつくまま集めてみましょう。

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アメリ Le fabuleux destin d'Amelie Poulain
2001年フランス ジャン・ピエール・ジュネ監督

世界中で愛された、温かでラブリーで、
おしゃれとエキセントリックが紙一重の物語。
6歳のアメリ(フローラ・ギエ)が、
1本1本の指にラズベリーをくっつけて食べる冒頭のシーン、
はしたないのに、たまらない愛らしさがありました。

ゴースト ニューヨークの幻 Ghost
1990年アメリカ ジェリー・ザッカー監督

暴漢に襲われて死亡したサム(パトリック・スウェイジ)は、
どうしても完全に天に召されることができず、
ゴーストとなって
恋人モリー(デミー・ムーア)を守ろうとします。
サムの死後、親友カール(トニー・ゴールドウィン)が
モリーのもとを訪れる際、「日本の梨」を手土産に
携えるシーンがありました。
英語では“Applepear”というのですね!なるほど。

ノッティングヒルの恋人 Notting Hill
1999年アメリカ ロジャー・ミッチェル監督

ロンドンの書店主ウィリアム(ヒュー・グラント)と
世界的女優アナ(ジュリア・ロバーツ)の恋の行方は?
あるきっかけから、アナを諦めようとして、
友人に紹介された女性たちと次々見合いをするウィルでしたが、
その女性たちの中に、
「自然に落ちてきたリンゴの実くらいしか食べない」という
ベジタリアンの上行く“フルーティリアン”という人がいました。

光の旅人 K-PAX
2001年アメリカ/ドイツ イアン・ソフトリー監督

自称“K-PAX”からやってきたエイリアン
プロート(ケビン・スペイシー)と、
彼の精神鑑定を担当した医師(ジェフ・ブリッジズ)の
友情を軸とした、優しい物語。
TVCM、予告編などで有名になった、
プロートの「バナナ皮ごとペロリ」シーンにはびっくりしますが、
彼は、リンゴ皮ごとなのはもちろん、
ベリー類のヘタすら取らずにバクバクやっていました。
……なぜだか、野趣あふれる魅力があります。

チェブラーシカ Cheburashka
1969年(ほか) ロシア(旧ソ連)
ロマン・カチャーノフ監督

3本のエピソードから成る作品の第1話
「こんにちはチェブラーシカ」で、
チェブがアフリカのジャングルから
ロシアにやってくるきっかけとなったのは、
ずばり……オレンジでした。
また、
「おともだちの家」建設に精を出すチェブラーシカたちに
いたずら好きのシャパクリャクばあさんが、
スイカの皮を投げつけ、滑って転ばせるシーンがありました。
滑って転ぶといえばバナナの皮でしょうが、と思いますが、
このアニメがつくられた背景に、
「スイカの方がバナナより安い」という事情があったそうです。
お国柄と時代と、両方でしょうかね。

おもひでぽろぽろ 
Memories of Teardrops

1991年日本 高畑勲監督

1980年代、20代後半のOLタエ子が、
1966年、小学5年生だった自分を振り返る物語。
父親が奮発して銀座千疋屋で買ったパイナップルを、
やっとやっと食べ方を調べて切ってはみたものの、
食べてみると、缶詰の(甘ったるい)パインとは
まるで別物で……というエピソードが、切なくも笑えます。
果物の王様はバナナと言われた時代のお話でした。


2003年06月01日(日) 映画よろず屋週報 Vol52「ウォレスとグルミット」シリーズ

本日は月の最初の日ということもあり、
その覚えやすさからか、実に多くの記念日に指定されています。
そのうちの1つがチーズの日だそうです。

そこで、チーズと聞くと思い出すストップモーションアニメと、
同シリーズ作品(計3本)を、まとめて御紹介いたします。
1本30分の短さながら、その完成度は抜群ですよ。

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陽気な発明家のウォレスと、
無口で(全く吠えない)手先が器用な忠犬グルミットの
日常の暮らしぶりや大冒険を描いたクレイアニメは、
現在まで3作が日本で公開されていて、
どれもこれも、抱きしめたくなるようなキュートさと、
驚きのスペクタクルと、
気持ちのよい笑いに満ちています。
……とはいえ、そこはそれ、何しろイギリス製ですから、
よく考えるとブラックな味わいもあったりして、
3本とも、手元に置いて何度でも見たくなるような
そんな癖になる作品です。


ウォレスとグルミット チーズホリデー
A Grand Day Out

1989年イギリス ニック・パーク監督

ある日のティータイム、
休暇旅行はどこに行こう?と悩むウォレス。
クラッカーにつきもののチーズがないことに気づき、
じゃ、チーズの名産地にしようと照準を定めますが、
そんな彼の頭に浮かんだ、究極のチーズの名産地とは?
目的地までの「足」からつくってしまうウォレスと、
思い立ったら行動!で、イマイチ慎重さに欠ける彼を
しっかりとサポートするグルミット、
彼らと一緒に大いなる「チーズホリデー」を、
この映画で擬似体験してみませんか?

ウォレスとグルミット ペンギンに気をつけろ!
The Wrong Trousers

1993年イギリス ニック・パーク監督

グルミットへのバースデープレゼントに
怪しげな電動ズボンをつくり、
金欠になってしまったウォレス。
空き部屋に下宿人を受け入れて金を得ようとしますが、
そこにやってきた下宿人のペンギン、マッグロウは、
ウォレスに抜け目なく取り入り、
グルミットの居心地を悪くした上に、
とんでもない悪巧みに2人を巻き込みます。
オープニングシーンからヒッチコックばりの、
はらはらさせるサスペンススリラーに仕上がっています。

ウォレスとグルミット 危機一髪!
A Close Shave

1995年イギリス ニック・パーク監督

前作に続き、これもサスペンスタッチですが、
のみならず、今度のウォレスは恋する男でもあります。
お相手は、ウォレスがカツラ被ったようなルックスだけど、
一応「美人」ってことにしておいてほしい
シリーズ唯一の女っ気、毛糸屋さんを経営するウェンドレン。
彼女の店のガラス拭きの仕事に行き、
一目惚れするウォレスでしたが、
実は彼女は、折しも世間を騒がせていた事件に絡み、
とんでもない秘密を抱えていたのでした。

3作品とも、こどもに安心して見せられる…というよりも、
その良質の娯楽性から、
ぜひともこども「にも」積極的に見せたいと思わせる、
そんなところが魅力だと思います。

声の出演(カッコ内は日本語版)
ウォレス…ピーター・サリス(萩本欽一)
ウェンドレン…アン・レイド(小原乃梨子)
……なんと!シリーズ3本中、台詞をしゃべるのは
このキャラクターだけでした。


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