a・phá・si・ac ...かな

 

 

ぱたぱたぱた - 2002年02月28日(木)

ちいさいかなちゃんが 
おひるねから めがさめると
ふるくて おおきい おうちのなかは 
ひっそりとしていて

とおくで せんたくきの まわるおとがしています
ちいさいかなちゃんはおめめを こすって 
もそもそと おきだしました


ぱたぱたぱた


あしおとが きこえます


だれかな?



おくなんどで ねていた かなちゃんは 
ふすまをあけておくざしきをのぞきました
そこは うすぐらくて 
おじいちゃんおばあちゃんのこれまた 
おじいちゃんおばあちゃんのしゃしんや 
ちいさいかなちゃんはしらないひとたちの 
しゃしんが かもいに ずらりと ならんでいます

ぶつだんのあるふすまのむこうで かたかた 
とちいさい ものおとがしました

だれかな?

すこぉし しずかに あけてみます
だって おひるねしてたら おどろかしちゃだめでしょう? 

なかは まっくらで なにもみえません

そろそろと もうすこし あけてみます


ちゅっ


おとなのげんこつくらいの 
ねずみいろのねずみが とびだしてきました
ちいさいかなちゃんは あんまりびっくりしすぎて 
こえもでません

ああ おどろいた

ほんとに ねずみらしいねずみいろのねずみ 
どこかへはしっていっちゃった


うんしょ と たちあがって きょろきょろすると


ぱたぱたぱた


また さっきのあしおとです

だれかな?


おくざしきは くらくて すこしこわくなりました
とことこあるいて また ふすまをあけて 
こんどは ざしきにはいります
ひんやりしたくうき つめたいたたみ
ごろごろしたってぶつかるものもなくて へいちゃらです

でんぐりがえりをしたり いやいやのばたばた
をしてみたり たたみにぴったりみみをくっつくて 
しずかにしずかに していると
おうちが いきをしている おとがします

ときどき ぴしっ とするどいおとがして 
ちいさいかなちゃんをびっくりさせます


ぱたぱたぱた


そしたら また あしおと


だぁれ? 


こんどは なかのまへのふすまをあけます
やっぱりだれもいません


すこし さみしくなってきました
おおきくて ふるい おうち
とおくでせんたくきのおとがしているだけ
おじいちゃんおばあちゃんの とこのまの
ふすまをあけてのぞいてみてもだれもいません

おおきくて ふるい おうち
とおくでせんたくきのおとがしているだけ
だれもいないのかな?

とっても さみしくなってきました

みせのまのふすまは くろくておおきくて 
なかなかあきません

うんしょ うんしょ

いっしょうけんめいひっぱります
ほそく すきまがあきました

ちいさいおててを すきまにいれて

うんしょ うんしょ

みせのまにもだあれもいないようです



ぱたぱたぱた


また あしおとです


だぁれ?
どこ?


おにかいにあがるかいだんのほうからきこえます
ちいさいかなちゃんは あわててひきかえして
かいだんを ぺたぺた のぼります

にかいはほこりのにおい
うすぐらいおへやには ふるいきょうだいとはなよめだんす
いろのあせた ふらんすにんぎょうと めがあって
かおだけのぞかせていた ちいさいかなちゃんは 
またまた あわてて そのまま ぺたぺた あともどり


こんどはかなしくなってきました
おかあさーん
おばーちゃーん
おじーちゃーん

ぱぱは?
ぱぱはおつとめ

みあげると たかいてんじょうの しみが こわくなったり
かもいにかけてある におうさんの おこりがおのおめんは
にらめっこなんかできないくらい ぷんぷん していて

こわくて こわくて こわくて こわくて ぶるぶるのぶる


おくなんどからおくざしきざしきとこまみせのま

とて ててて 
さっきほそくあけた くろくておもいふすまを 
うんしょっ とひっぱると
ちいさいかなちゃんがとおれるすきまができました

いまにも だれもいません

いたのまからはだしで どまへとびおりて
あかりのついていないしょくどうへとびこみます


かなちゃん おいてきぼりかなぁ

だいどころもひっそりしています


とってもかなしくなってきました


ぱたぱたぱた


あの あしおとです
だぁれ?
ちゃんとおかおをみせて

ぱたぱたぱた

とことことこ

ぱたぱたぱた

とっとことっとこ

ぱたぱたぱた

ととととと

ぱたぱたぱた




おいつかないよ
どこにいるの


きがついたら おおつぶのなみだが ぽろぽろぽろ

ぱたぱた

ぽろぽろ

ぱたぱた

ぽろぽろ



んっ

おおきくいきをすいこんで おおきなこえで



おかぁさぁんっ




そうしたら いまのすりガラス戸があいて 
おにわのほうから ひかりいっぱいさしこんで 
にこにこの おかあさんが あら おきたの? 
とかおをのぞかせてくれました




りょうていっぱいひろげて なきべそのちいさいかなちゃんは
おかあさんに とすんと とびつきました
おひさまと おかあさんのにおい いっぱいいっぱいすいこんだら
さっきの べそは どこへやら ほっぺが にこにこにかわります



おひるねのあとの おやつを むくむくたべながら
ちいさいかなちゃんは おもいます

あの ぱたぱたは おかあさんだったのかな?
それともしらないおともだち?

どちらでもいいや

きてほしかったひとがきてくれたから

もっと はやくに よべばよかった

そしたら もっと はやくに あえたのにね


-

正しい感覚 - 2002年02月22日(金)

正しい感情で

正しく怒られた




忘れてたこの感覚



常識って良いなぁ


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結婚するわけ - 2002年02月19日(火)

この年になって 一人でいると

変におりこうさんになってしまう


自分というものについて
他人というものについて
自分と他人というもについて


変に色々考えてしまっているものだから


考えなくても良い事や
考えすぎてしまう事が

あまりにも多くて

一人でする思考はぐるぐるで
出口がなくて ネガティブにしかならなくて




だから 大人は 早く結婚しろと


言うんだなぁ





-

準備中 - 2002年02月18日(月)

その人は 妊婦で
哀しい経験を持っていて
これが最後のチャンスになるかもしれない と

ようやく宿った小さくて儚げな炎を必至で守っている

不安と 焦燥と 色んな風がふくなかで



そんな彼女が あたしの 書いたものに 一喜一憂してくれる

それは

とても 嬉しくて くすぐったくて 嬉しくて

なきたくなるほど 暖かい




けれど

あたしは やめられない

こうして 負の感情を吐き出すことを



彼女のせいではないのに

あたしを救えない彼女は 自分を責める



だから あたしは また 笑うしかなくなった



そして


笑えなくなった ある日  あたしを 消してしまった



こんな 電子データの世界でも 世界は世界で

それは 現実世界で言う所の 自殺に等しく

その行動が

結局 彼女を 傷つける


彼女だけじゃなく

あたしと 深く関わろうとしてくれた
本名さえ知らない人たちをも



だから 辛うじて 


準備中



暫く時間をちょうだいね




-

自消 - 2002年02月17日(日)

責める

自分以外の人間を責める



そして

問う

自分はどうなんだ




そして 結局 何も言う資格など

あたしにはないのだと


そして あたしは あたしを消したくなる



他人を認めないものは
自分も認められない


-

帰ってくるよ - 2002年02月16日(土)

あたしの 行動を 僅差で 先回りして 指示する

もう やめて

あたしは あたしの 意思で動いているのに
あなたの 意思で動いてるみたいな錯角に陥る

これじゃ まるで あなたの 操り人形でしょう



あなたは 子供たちに 言葉ではなくて 行動で 示してきたという


なら どうして あたしにも そうしてくれないの?



あなたのせいだと 言ってしまえば 楽だけれど
それはしたくないの したくてもできないの
そう言った瞬間 あたしの 負けだから

言葉が通じないあなたに
あたしの深層を見ようとしないあなたに

どうしたの? いったい
 
と聞かれても あたしは ただ ただ 途方に暮れて
言葉を無くす



投げつけられない気持が 澱のように 溜まっていく

そろそろ限界

臨界になる前に

でかけよう



今日は まだ この場所に 
あなたの いる この家に
帰ってくるよ



-

澱 - 2002年02月08日(金)


言葉にならない 想いが 溜まって行く

それは ゆっくりと 澱になって

硬く 固く かたまって行く



そして 心も いつしか かたくなって




そうして 傷つかないように 図太くなるかわりに

大切なものまで かたくなってしまった気がする



考えなくちゃ
ゆっくりと でも 少し 急いで

手遅れにならないように


-

淫らな欲求 - 2002年02月06日(水)


ゆりのおしべを切り取る

そうすると 花が長持ちするそうだ


こんなに 花粉を湛えた おしべの葯を 切り取るのか

なんとも残酷な気分になった



数日後

おしべを求めて

めしべは 綺麗な 透明の 液体を 湛えていた



濡らしているのは 涙なのか それとも 





-

なんのために? - 2002年02月01日(金)


四肢不自由のコメディアンが 一人暮らしをしている

毎朝 実弟が 起こしに来て 本人をトイレに座らせて 仕事にでかける

入れ替わりに母親が来て 身の回りのことをする

月に1度は 友達が来て 身の回りの世話をしてくれる



すごいでしょう と母が言う

一人暮らしの意味ないじゃん とあたしが言う

でも すごい と母が言う

なんのために? とあたしが問う


自由を得るために と 母が言う


その言葉 春まで おぼえとけ




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