木陰の本棚<書庫>
絵本と読み物のあれこれ

2004年09月26日(日) 「影ぼっこ」

影というのは、時にとてもこわい印象を与えます。
昨日の夜、車から降りたとき、
娘が外灯の光によって作り出された私と自分の影を
「わ! お母さん、影ぼっこだ! こわっ」
と、指差しました。
そして、
「どうして、影がこわいと思うのかな…」と。

昼間に見る影には、夜に見る影のようなこわさはありません。
けれど、夜になると、自分の影さえ、ちょっと不気味になります…。
そこに何かがひそんでいる…そんなふうに思えるからでしょうか。。。

表紙の絵の黒い人物の表情が何ともこわい。
きっと娘がもう少し幼かったら、
「この絵本はこわいから、どこかにしまっておいて!」
と言われたかもしれません。
(そう言って、封印された本が我が家には何冊かあります…笑。)
今年になってから、
娘は多少、こわいものに対して弾力性のようなものが出てきたようです。
(あれほど拒否していた「ハリーポッター」の映画も見たいと言うようになった…)

「この本、こわっ!」
と言いながらも、影ぼっこの不気味さを楽しむ…
そんな余裕が彼女の中に出てきた様です。


火と光、それによって生じる影の世界、
それは恐ろしく不気味なものであるとともに、
私たちに寄り添って存在するもの…。
だから語り手たちは、影に命を吹き込んでいったのでしょうね。

影ぼっこ」 ほるぷ出版

ブレーズ・サンドラール/文 マーシャ・ブラウン/絵 おのえ たかこ/訳



2004年09月25日(土) 「野の白鳥」

小学館からアンデルセンの絵本シリーズが新しく刊行され、
気になっていたのですが、
先日、この本が図書館に入ったので、借りてきました。

エリサが白鳥になってしまった兄たちのために
イラクサを摘み、上着を編むお話は、
自分が子どもの頃に読んだアンデルセンのお話の中でも
特に印象的に残っているお話です。
読みながら、ああ、そうだ、こんなお話だったな…と
懐かしくなりました。
海を越える途中に夜になってしまったとき、
夜中に墓地へイラクサを摘みに行くとき、
そして、火あぶりの刑にされようと荷馬車で運ばれていくとき…
とてもドキドキしながら読んでいた…
そんな子どもの頃の思いがよみがえってきます。

ワッツの絵が、おだやかで暖かです。

このシリーズは、他にもこみねゆらさんやささめやゆきさん、
市川里美さん、スズキコージさんなど、
我が家の好きな絵本作家さんが名を連ねているので、
どれも見てみたいなぁ〜と思っているのですが、
特に楽しみにしているのは、ツヴェルガーの「人魚ひめ」。
刊行されるのが待ち遠しい1冊です♪

野の白鳥 アンデルセンの絵本」小学館
H.C.アンデルセン/原作 角野栄子/訳 バーナデット・ワッツ/文・絵



2004年09月19日(日) 「ねんね」

表紙のリスの寝顔に思わず手に取った絵本です。
中を見ると、ワラビー、キツネ、ライオン、ゴリラ、キリン、カバ、ヤマネ…etc
さまざまな動物たちの寝顔の写真。
見ているだけで、こちらもほわほわとして
幸せな気分で満たされていきます。

ちなみにシロクマとアザラシの写真は、
星野道夫さんの撮られた写真で、
それも嬉しい発見でした。

今夜も寝る前に、この本を開いて
気持ちよく眠る事にしましょう♪

それでは、ねんね ねんね
おやすみなさい…♪


ねんね
さえぐさ ひろこ  アリス館



2004年09月15日(水) 「海のおばけ オーリー」

この間から(夏休みから)、
ずっと「ピーター・パンとウェンディ」(福音館文庫)を読んでいるのですが、
読み出してしばらくすると娘が寝てしまうので(笑)、
遅々として進みません。(やっと半分読んだところ。)
そのあまりの進み具合の遅さに、一旦休憩したくなって、
8月に配本で来ていたのに、まだ開けていなかったオーリーを
読んでみました。

赤と黒と白のコントラストが美しい表紙、
オーリーの瞳に、思わず吸い寄せられてしまいます。
ページを開くと、娘が好きなコマ割り。
エッツらしいまなざしで描かれたアザラシの親子…。

水兵さんに連れ去られてしまった、アザラシの赤ちゃんのオーリーの
人生(ん? アザラシ生か…笑)に、
娘は「どうなるんだろう」と、ハラハラドキドキしていたようです。
最後のページで、「ああ、よかった♪」と娘。

そして、「この本は、お家の本?」と確認。
「だって、何度も見たいから。」なんだそう。
あなたの大切な本がまた1冊仲間入りして、よかったね。

おぉ、それにしてもオーリーのたどった道(川)のり、
すごいですねー。
娘と地図を見入ってしまいました。


海のおばけオーリー
M.H.エッツ/作 石井桃子/訳 岩波書店




2004年09月13日(月) 赤いカヌーにのって

かあさんとおばさんとサムとあたし、
4人で3日間、カヌーで川下りの旅をするお話です。

まず最初に、カヌーにのせる荷物の多さにびっくり!
こんなにいっぱいの荷物が、ちゃんとコンパクトにまとまって
カヌーに載るものなのですねぇ。
(4人の人間が乗るだけでも、すごいなぁとおもうのですけれど。)

川下りの一日目のページになると、
娘もすっかりカヌーにのる一員となって、
川下りを楽しんでいました。
いやはや、すごいね〜、このおかあさんとおばさんは!
(私には、女二人で子どもをアウトドアに連れて行く、こんな度胸はない。。。)

その昔、カナダに行ったときにカヌーにのったことがあります。
たったの1時間でしたが、
川のまわりの変化するいろんな景色を楽しんだり、
この本のように、
水の中で涼んでいるお腹の大きな鹿に出会ったりしました。
この本を読んでいたら、そのときのことが無性に懐かしくなって、
娘を連れてカナダに行きたくなってきました。
(いつか行けるかなぁ…)

娘はすっかりこの本が気に入って、
今夜もこの本を読んで、川下りの旅に出たいようです。(^-^)



赤いカヌーにのって
ベラ・B・ウィリアムズ/作 斉藤倫子/訳
あすなろ書房



2004年09月12日(日) リサとガスパール絵本原画展

リサとガスパールの絵本原画展に娘と行ってきました。
原画からは、絵具の質感を感じられてよかったです。
色合いも、絵本よりはっきりしていた気がします。
最新作(?)の絵に、リサとガスパールが、
ハレンスレーベンのアトリエを訪れたというのがあったのですが、
彼らが帰った後の、ハレンスレーベンのコメントに
思わず吹き出してしまいました。
ふふっ、こういうユーモアのセンスが、
リサとガスパールのお話を楽しくさせているんでしょうね♪

あと、「おうちにあるものどんなもの リサとガスパールのことばえほん」の絵を久しぶりに見て(家に本もあるのですが…)、
さすがフランス、ざるがおしゃれだったりするなぁ…と、
急にそれが欲しくなったりして、笑。

原画展では、新シリーズのペネロペの原画も。
ペネロペの仕掛け絵本「ペネロペようちえんへいく」がとてもかわいくて、
娘がまだ幼稚園児だったら、まちがいなく1冊、お土産に買って帰ったと思います。
今回、それは思いとどまって(笑)、
娘が選んだ「リサれっしゃにのる」を、お持ち帰り。
こうして見てしまうと、また全冊そろえたい病が…。
(あ、おさえているんですよ、一応。。。(^^;)


かわいかったので、リサのハンドパペットをお土産に。
(ガズパールは予算の都合上、置いてきました。ごめんよ〜、ガスパール。)
ゆうちゃん、ときどき幼稚園の絵本の会のときに、
ママに貸してね〜。




2004年09月11日(土) 「ノンビリすいぞくかん」

最近、一足先にお風呂からあがった娘が、
私を待つ間に、お布団の上でゴロゴロと本を読んでいるのですが、
まだ私が脱衣場で、髪の毛を乾かしていたら、
娘のケラケラと笑う声が聞こえてきました。

「一体、何にうけているの?」と聞くと、
「これ、おかしい〜。ママ、あとで続きを読んで〜。」と
この本を持ってきました。

そこでその日は「イカのはなし」と「タイのはなし」を読んだのですが、
そのお話はなんじゃこりゃ〜!?の連続。
さすが、「ナンジャコリャ童話館」と銘打ってあるだけありますね、ぐふふっ。


ノンビリすいぞくかん
長新太/作 理論社


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スズ [木陰でひと休み]

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