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2007年08月10日(金) |
「オーシャンズ13」 |
世間の評価がどうあれこのシリーズは好きですよ!いいじゃない娯楽映画なんだから!このユルさ加減がオーシャンズの魅力じゃないの!相変わらず内輪で盛り上がってる感じも私は好きだ。それに何よりブラピが好きだ!眺めてるだけで幸せだ!ねえブラピは最低でもこれくらい髪が長い方がいいと思わない?良かったよ今回(の髪型)!常にジュースのコップ片手に出てきてかわいいんだよ!こんな43歳は…反則…!
ブラピだけじゃなくストーリーも前作より良かったと思います。仲間の復讐ってことで、わかりやすい。話の展開上メンバーがそれぞれちゃんと個性を生かした持ち場についてるし、そういう意味では原点回帰というか、最初の「オーシャンズ11」に近いかな。やってることは荒唐無稽ですけどね…まあ映画だから!しかしさすがにあの媚薬のあたりではツッコミ入れたくなりましたけども(笑)。
敵対するアル・パチーノとエレン・バーキンも良かったです。このシリーズの雰囲気にぴったりマッチした微コミカル&肩肘張らない演技はさすがの貫禄。エレン・バーキンがマット・デイモンにメロメロになる姿なんて他の映画ではちょっと見られないと思うぞー。 そんなマット・デイモンも近頃はシリアスでハードボイルドな主演作が続いてますが、私はどっちかというとこういう弟くんキャラの方が好きなんだよねえ。こう、いじられ役が似合うと思いません? それからジュリアン・サンズが出ていて嬉しかったです。びっくりした!いやはや久しぶりだなあ。スクリーンで見たのはマイク・フィギスの「HOTEL」以来か?ずいぶん歳とっちゃったけどこの人は美形ながらなかなかの怪演派なので(笑)、これだけの役じゃ勿体なかったかもしれません。もっとたくさん出番があっても良かったのに! そして意表を突いて登場したヴァンサン・カッセル…!いやヴァンサン・カッセルというよりナイト・フォックス、私はめちゃくちゃお気に入りです。あの奇天烈な衣装といい一人空回りっぷりといい負けず嫌いな性格(でも結局負ける)といい、すべてがツボだよ。ソダーバーグも結構気に入ってるでしょ絶対!いっそオーシャンズとは別に「怪盗ナイト・フォックス」シリーズを撮ってくれ…!
あとはなんだろう。こういう映画だとどうしても内容よりキャストの話に終始してしまうんですが、やっぱブラピはカッコ可愛いかったです(しつこい)。ダニーと一緒にテレビ番組を見ながら涙ぐむシーンのあの目!うるうるの目!たまらんこんな43歳…。デフォルトのシャツ+ジャケ姿もいいけど警備員さんの制服着たりヒッピーみたいな格好したりコスプレ要素も満載だしね。あー眼福眼福。楽しかった!
****** オーシャンズ13 【OCEAN'S THIRTEEN】
2007年 アメリカ / 日本公開 2007年 監督:スティーヴン・ソダーバーグ 出演:ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、マット・デイモン、 アル・パチーノ、エレン・バーキン、等々 (劇場鑑賞)
2007年08月08日(水) |
「ファウンテン 永遠につづく愛」 |
「永遠につづく愛」と副題がついていますがいわゆる一般的なラブストーリーとはちょっと雰囲気が違いました。幻想的というか哲学的というか…いや幻想と哲学って普通は同時に存在しませんけども(笑)、この映画の場合、描かれ方はファンタジー、そして根底に流れるテーマは生と死の哲学、という感じ。 主人公はトミーという医師で、脳腫瘍に冒され余命いくばくもない妻のイジーを救うため新薬の開発に心血を注いでいる。イジーは既に自分の運命を受け入れていて、中世の騎士が女王の命を受け不死の泉を探し出す『ファウンテン』という物語を執筆し、「最後の章はあなたが書いて本を完結させてほしい」とそれをトミーに託します。映画は現実世界とこのイジーが書いた中世の物語、それから未来(あるいは精神世界?)、これら3つの世界を行ったり来たりして相互に関わり合いながら進んでいく仕組み。 イジーは残る時間を少しでも長く夫と過ごしたいと思っているんだけど、トミーは彼女の死にゆく運命をどうしても受け入れることができない。とにかくイジーの身体を治したい一心で研究に没頭してしまうのです。二人とも本当に、心から愛し合ってる夫婦なのに、愛し合ってるが故に死に対する解釈に齟齬がある。イジーが『ファウンテン』を書いたのはそんなトミーに自分の死を理解してもらうためで、逆に言うとこの映画はトミーが3つの世界を行ったり来たりしながらイジーの死を受け入れて永遠の愛を会得する物語、ということができます。
ただこの3つの世界へのシフトがねー、わかりにくいんだ(笑)。特に説明もないままころころ切り替わるし同じシーンを何度も繰り返すし、流れについていくのに結構集中力が必要。あと全体のバランス的に、一番幻想的な未来(精神世界?)の比重が重すぎるというか、そこが要なのはわかるんだけど他の2つの世界に比べてかなり激しく異世界すぎます(笑)。唐突で面食らっちゃうのよ…映像は綺麗なんだけど。 現実世界でなくした指輪が中世の物語で出てきたり、指に入れ墨があったり、それぞれの世界が繋がり合うさまはちょっと萩尾望都あたりのSF風でもありました。しかしもう少しわかりやすいとよかった…(しつこいな)
などと言いつつ内容的にはなかなか考えさせられるものがあり、中世の物語で不死の泉に辿り着いた騎士の最期が私は非常に印象深い。なんかこの場面見てる時、「もののけ姫」でシシ神が出てきたシーンを突然思い出したのね。シシ神が足で触れた地面にはものすごい勢いで花が咲き、そして即座に枯れ果てる。生命は皆、生まれて、死んで、また別の新たな生命が生まれる。生と死のサイクル。頭では理解していても正面から向き合ってそれを受け入れるのはやはり難しい。思えば「もののけ姫」におけるシシ神も、生死を司る神だったですね。
主演のヒュー・ジャックマン(※左利き)は3つの世界の3つの役柄を演じていて、つまり三種類のヒュー・ジャックマンが楽しめるのでヒュー・ジャックマン好きにはオススメでございます。スキンヘッドの彼なんて初めて見たよ(笑)。レイチェル・ワイズも同様に、現実世界のイジーと中世お姫様の二役をこなしてる。二人の演技力と存在感はたいへん素晴らしかったです。
****** ファウンテン 永遠につづく愛 【THE FOUNTAIN】
2006年 アメリカ / 日本公開 2007年 監督:ダーレン・アロノフスキー 出演:ヒュー・ジャックマン、レイチェル・ワイズ (劇場鑑賞)
2007年08月01日(水) |
「レミーのおいしいレストラン」 |
映像がすごい!きれい!ネズミ視点で描かれてるシーンが結構あるので(前半特に)、ネズミ特有の走り方とかスピード感とかそれに伴うものの見え方とかめちゃくちゃリアル…って私ネズミじゃないからリアルかどうか厳密にはわからないんですが、でもとにかく圧巻。見ていて飽きない。水に飲み込まれるシーンはこっちの息が詰まるくらい迫力あった…!あとはパリの夜景!キラキラ輝いて美しい!
映像だけじゃなく内容もなかなかでした。レストランの厨房で最も嫌われるネズミがシェフを夢見るという奇想天外ストーリー。夢見てるだけじゃなくて、ネズミのレミーには本当に料理の才能があるんです。そんなレミーが料理下手のリングイニと出会い、二人は誰にも内緒で協力し合うことになる。人間とネズミだからもちろん言葉は通じないんだけど(でもレミーには人間の言葉がわかる)、二人は助け合って周囲にバレずになんとか上手くやっていく。(助けられてるのは主にリングイニの方ですが・笑) 途中で信頼関係が崩れかけ、お互い「これだから人間は…」「やっぱりネズミは…」となるあたりも興味深い。この映画にはいろんな要素が含まれてるけど、二人の友情物語としても見られるよなー。 レミーはすごく可愛いです。可愛いだけじゃなくて、料理に対する情熱が半端じゃない。料理するための前足が汚れるからって二足歩行をしたり、あとお腹がすいてるのにグストーの霊に「盗むのか?料理人なら料理をするべきだ」と言われて本当に我慢したり、なんとも健気というか、高潔な志に胸を打たれます。映画の中ではこれでもかというようにRatRatと連呼されるんだけど、心意気はそこらの人間よりもよっぽど立派だよ…!
一番印象深かったのは料理評論家のイーゴー。気難しい人物で先代グストーの評価を下げた張本人なんですが、リングイニの評判を聞いて彼の店に食事に来るわけです。そして出されたラタトゥーユに感銘を受けて「シェフと話したい」と言う。すると出てきたのはネズミ。イーゴーは明らかに困惑した顔をするんだけど、リングイニ達の説明を聞いても決してバカにしたり怒り出したりせずに、ただお礼を言って静かに立ち去る。美味しかったものを正当に評価する、誰が作ったかということで評価を変えたりしない。これは評論家として信頼できる、誠実な態度だと思いました。まあネズミが作ったっていうのはいくらなんでも普通ありえませんけども(笑)。 その翌日新聞に載ったイーゴーのレビューがまたいい。「グストーが言った『Anyone can cook.』を自分はやはり否定するが、しかし付け加えるならば、本物のシェフはどこからでも現れる」というようなことを書くんです。見た目ではない。出自も関係ない。グストーと血の繋がっていたリングイニにはまるで才能がなくてRatのレミーが名シェフだったことがその裏付けで、そしてこれは別に料理に限ったことではないんじゃないかな、と思います。
…なんかあんまり褒めすぎな気もしますが。 ネズミがもともと嫌いな方は見ない方がいいかもです(笑)。 (わらわら出てくるから!)
****** レミーのおいしいレストラン 【RATATOUILLE】
2007年 アメリカ / 日本公開 2007年 監督:ブラッド・バード 声の出演:パットン・オズワルト、ブラッド・ギャレット、イアン・ホルム、 ピーター・オトゥール、ルー・ロマノ (劇場鑑賞)
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