my lifetime



my lifetime
2005年02月28日(月)オシマイの瞬間

この大理石に囲まれた温度のない空間
目の前でドス黒い液体を飲み干す彼等

老けすぎた男は私を美しいと評しているが
美しいのは男の頭だけで
私は枯れた色して立ち尽くすだけ

若い輩は知らないフリをして
手先の器用さを自慢しあう
絶頂のタイミングを競いあう
被害者が一人でないことがせめてもの救い

血の乾いた色が手に付いて剥がれない
冷たい石に擦りつけても渦を巻いた瓶に擦り付けても変わらない
寧ろ色は輝きを得てきている

目の前でドス黒い液体は溢れる

手先が最も器用なのは私

美しいのは頭の中だけ

それだけ

いい加減気付け


2005年02月26日(土)芳しい人

あの人を見た
似てるだけ?ほんとは違うか

長い髪や黒目がちな瞳は
わたしの記憶に息を吹き込む

胸のあたりがうずく

目を背けられずにいるわたしの近くをあの人は
歩み過ぎるゆっくりと
歌いながら
その声は高らかで芳しい
それを捕えて口に含みたかったけれども
悲しくもわたしは果実が嫌いだったし
あの人はいつの間にか消えていた

仕方なしに手近なものを
捜してはいつの間に
独りぼっちで
眠りに堕ちた

夢であればいいのに

わたしの胸は未だにうずく


2005年02月06日(日)the flower to be reborn

この花は枯れてるか
全身ベージュに染めちゃって
所々に黒が差す
首を垂れて伏目がち
捜す
新たなる土壌を
なのに希望ゼロ
どうしてなのか
お前に聞きたかった筈なのに
結局風当たりも日照りもない空間で
息を切らし
力を出して
終わる
枯れることに勤しんでどうするバカ
でも未だ
行き渡っているドロドロの液体
吐き出したくても出来ない
これ以上枯れるのを拒んでる
もう少し
再生するのを
育つのを
待ってみようか


2005年02月04日(金)hang over feeling

夜明け前
寂しさ埋めて線路に飛込む
散々の欠片になって
下弦過ぎた月に降りかざしてよ
耳元で囁く声がやけに気だるくて嫌気刺す
河の流れが感じ取れない
静止した水面?
光かざす掌?
まだ歌えない
聞く耳誰かが持つまでは
待ち合わせた
勝手に待ち合わせた
線路沿い
どこまでも回る
酔いはまだ覚めぬ
心の目は醒めたのに



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