友とは何か。愛とは何か。

MAD TIGERの
のも ...
〜〜  ヲ タ ク の 魂 1 0 0 ま で  〜〜


2006年02月23日(木) ゲルマン魂 〜ジャーマンパワー〜<2>

細切れにしながらダラダラ続くドイツ旅行記。
一気に書きたいんだが、なんか書きたいこといっぱいすぎるのでダラダラ続けたいと思う。

2006年2月3日(金) 日本・晴れ→ドイツへのフライト
さて、飛行機に乗り込んだ自分。ヒースローまで12時間のフライトだ。
機内食は2回出た。
座席の前にモニターがあって、そこで映画などが見られるんだが、
自分は行き帰りで【レジェンドオブゾロ】【インハーシューズ】【Mr&Msスミス】【コープスブライド】【グーニーズ】←古
を見た。ちなみに、【SHINOBI】【ブラザーズグリム】は見ようとして冒頭15分くらいみたが、
魅力的ではなかったので見るのをやめた。
いきなり評価をしたい。
【レジェンドオブゾロ】家庭内不和(笑)。前作に引き続きおもしろかった。
シリアスとギャグがいい感じ。これぞ痛快娯楽映画。★★★★☆
【インハーシューズ】中々深い。キャメロンディアスの役が初めはちょっとムカついたが、
おばあちゃんのところに行ってしばらくしてから彼女の良さが解った。
姉ちゃん、別にブスやないやん・・・。モテてるし。良い映画だと思う。★★★★☆
【Mr&Msスミス】エロい!本当のエロかっこいいは、アンジェリーナ・ジョリーのためにある言葉だと思うわ。
互いがスパイだと判明してからの愛憎はたまらんもんがある。暴力と愛がスレスレなのは大好物♥
ただし、生命に関わるいろんな部分が曖昧にされすぎ。スパイ映画やのにそれはなかろうもん。★★★☆☆
【コープスブライド】初めてちゃんとティム・バートンのアニメ見た。何気に主人公が萌える(笑)。
まぁ、なんつーか、あれだ。映像とか展開とかには驚かされたりしたけど、なんか煮え切らない、サッパリしない感じがある。
すべては主人公の煮え切らなさが原因。意外にも両花嫁がいい子で感動した。★★★☆☆
【グーニーズ】でたー!グーニーズでたー(笑)!シンディー・ロ−パーきたー!マイキーきたー!!
攻撃がヨーヨー→パチンコに変わるんですよ。←何の話だ
ファミコンでグーニーズやると、セーブデータが合言葉で毎度紙に書き写すのが大変だった。
「てかかごかまめれをすたしぞめじふふ」とか、ボスのおばちゃん(敵)に言われた気がするなぁ。
そのセーブの度に、怖い思いをしていたなぁ。
あのファミコンのゲーム、アイテムに「喘息用吸引器」とかあったほうが良かったな。(主人公マイキーは喘息もち。)
ちなみに、昔兄貴と二人暮しだったとき、彼が喘息になり(病弱なんだが)病院に行ったら、まるでマイキーな吸引機を貰ってきて
「マイキーみたいで羨ましいだろ!(シューッ)」とやっていた。アホか。
んで、話がそれたが映画の感想。
てっきり、マイキーと兄貴がデキてんだとばかり思っていた。
兄貴と女の子のキスシーンなんか、マイキーと女の子の服の色が同じだったもんで、
「え・・・えぇぇぇええ!?」と画面にかぶりつき。い、いかんいかん。長旅で頭がおかしくなったようだ。
マイキー吹き替えの声がエロいし。あの声は、ETの主人公と同じかな??
8割がた、エロ妄想で見た。←最低
2割は感動と冒険モノ。あっはっは!最低だなぁ!
グーニーズのメンバーの、インディジョーンズにも出ていたあの中国人(?)の男の子だが、ウチでは「中田くん」と呼ばれています。
理由:兄貴の同級生だった、近所の中田君にそっくりだから。
・・・・なんか酷い観想だな。★★★★☆
【SHINOBI】CGがいやらしい。始まって初っ端、いきなり敵同士が恋愛関係みたいなんキモい。
そこから説明で過去に飛ぶのもイヤ。何よりもヒーロー・ヒロインともに役に合ってない。
【ブラザーズ・グリム】なんか魅力的ではなかった。
初っ端から説明不足のため、バカバカしい展開でもしばらく真剣に見ていないといけない。

来たぞ!ロシア上空!!!
そんなこんなでロシア上空にきました。
うおー!!待ってろ小熊のミーシャ!©エロイカより愛をこめて
この空に、グダグダ言う伯爵がミーシャに突き落とされそうになったわけですよ。この空に。©エロイカ(略)
注意)今後もこんな感じで随所にエロイカとの倒錯が盛り込まれていく予定ですので、興味を持った方はエロイカ自体をご覧になると意味が非常によく解るかと思われます。

機内トイレを使用しに座席を立って、帰りに座席後部からこの風景が見えて(非常出口のところ)見ていたら、
おじさん(50代?)に「景色が綺麗ですよねー」と声をかけられ、意気投合。
「同じツアーですかね?」ということで、しばらく話をしていたらなにやら違うツアーの団体さんだったようで・・・・
おじさんはフランス9日間の旅だとのこと。自分はドイツだと言ったら、マニアックだのなんだとの笑われ、
でもたくさんビールが飲めて、美味しいだろうからいいなぁと羨ましがっていた。
でもヒースロー空港を経由するのは流石に遠回りだから、すごくご不満のようだった。
自分はむしろ嬉しいけどなぁ(笑)。

伯爵VS少佐
バッカでーす★伯爵のお住まいLondonと、少佐のホームkoln(実際はBonn)が同じ画面に!!
Londonから、せっせと少佐に会いに(嫌がらせをしに)伯爵が飛行機で行っていると思うと、もうニヤけますわい。
かわええなぁ〜。←それかよ


イギリスの玄関口、ヒースロー空港到着!



ドイツ機は・・・ドイツの空を飛びたいんだ――!!!

っつーことで、ドイツの航空機Lufthansa。
少佐は「ルフトハンザのめしは美味いんだ。」とコメントしていたため、リアルで軽食に期待。
ちなみに、エロイカの話に、少佐が乗ったヒースロー発、ドイツのケルン・ボン空港行きの飛行機がハイジャックされ、事件に巻き込まれていく話がある。名作。ドイツの空云々は、その時のセリフ。

ちなみに、今のルフトハンザ機の一部はお鼻がサッカーボール柄になっていてキャワイイ。
ヒースロー空港では入国審査はなかったが、(入国しないし。)また持ち物検査がある。
すっごい長い列に15分くらい並んで、検査を待つ。ようやく自分の番になって、なんなくクリア。
日本でのあのトラブルが嘘みたいにスムーズだった。これでも現在の検査はかなり厳しいのだそうだ。
で、登場時間まで自由時間があったため、とりあえず空港内をウロつく。
初海外で、一人で、英語で、お買い物だ。
ただし、イギリスポンドを持っていない。空港内は$・¥・ユーロ・ポンドが使用可だったため、日本円で買うことを決意。
しかしイギリスポンドのレートがわからないから、なんとなく買うしかない。←コラ
「これだったら千円でおつりがきそう」というのを見積もり、ミネラルウォーター・ヒマワリの種・バナナチップをレジへ持っていく。
「Japanese YEN OK?」
と聞いたら、「ハ?」と聞き返されたため、ちょっと「ウッ・・・」とする。
それでも懲りずに繰り返すと、「OK」と答えてくれた。なんとなく意味は通じたっぽい。
ここまで来て、日本って凄いなぁと痛感。
だってあの小さな島国なのに、そのお金が遠いロンドンで使えるんですよ。
まだドルとかユーロなら、近いし言葉も似てるから解るけど、いきなり円ですよ。
どれだけ日本人が世界を徘徊しているかというのがよく解る現象だなぁと思った。
店員はかったるそうに商品を袋に入れ、おつりをくれた。
そのおつりが合ってるのかどうかも全然解らん。あっはっは。
こんなところで、イギリスに対する勉強不足が出るとはなぁ。
その店を出ると、同じく空港内のCDショップへ行く。
さすがにブリティッシュロックが多い!!しかもメタルもちゃんとある。バンドも豊富。
空港内の小さいCDショップにしては素晴らしい!!
なんか、仏像の写真が載ったCDとかも売ってた。あれなんだよ(笑)。
Mr.ビーンは買おうかどうか悩んだ。本場で買ったビーンのDVDって、濃そうだよなぁ。あくまでもイメージですけど。
あとは、違う店で、かわいいポストカードを購入。
ここでは完全に金の意味がわからず、支払い時にモタモタしてたらお店のオバチャンが
「あ、それ。それとこれ出して。」みたいな感じで勝手にMADの財布に口を出してきてくれて、助かった。
最後には笑顔で「良い旅を!」みたいなのを言ってくれて、ようやく店員の優しさに触れた(笑)。

そして、集合時間がきて、搭乗ゲートへ向かい、念願のLufthansaに搭乗。
隣はドイツ人のお姉さん。かなり美人。
新聞を広げて読んで、デキる女風。
すっごいドキドキしながら、Gを感じ、遠ざかるヒースロー空港を眺める。
しばらくするとキャビンアテンダントが軽食のサンドイッチを配り、各自にドリンクを聞いてまわってきた。
自分は「オーレンジジュース プリーズ」とまるで知ったような口をきいてみた。
・・・・ら、すごく普通に通じてびっくり。
オレンジジュースも美味しかった。サンドイッチも、胚芽パンで(素朴で)美味しかった。
そして飛行機は、フランクフルト空港へ到着。
ドイツは冷え込んでいたが、そこまで寒いというわけでもない。
だいたいマイナス4度くらいかな?最高は10度くらいの日もあったと思う。
ツアー団体でツアーのバス(ドイツ人運転手操縦)に乗り込み、そのままホテルへ。

雪が溶けきらずに残るホテルの庭。
ツインルームを一人で謳歌する。夕食はない。
バス・トイレにベッドルームの、日本にもよくあるビジネスホテルっぽい。
日本よりかは少し広いかな。
トイレは「流すボタン」と「止めるボタン」を完備。これは基本的にどこのトイレもそうだった。
ムダが嫌いなのかなぁ。
あと100%の確率で(スーパーもレストランもホテルもサービスエリアも)、各トイレの脇にトイレブラシが置いてあった。
ドイツ人は、そこまで便器が気になるのかなぁ。すごいな。


ホテルでゆっくりすごしていても、一人で買い物が出来た嬉しさで、なんとなく浮き足立つ自分。
モジモジして、折角の自由行動をムダにするのなんてもったいない。
じっとしてたって始まらないからな。

こうして、このアクティブさで4泊6日を、一人で突っ走り続けることになるのである。

<サラバ日本、コニチワドイツ 終>

>>>>>>続く


話は変わるがCDを買った。
JUKE BOX / BENT FABRIC
最高!!ずっとほしくて、やっと買った。買ってよかった!!
多くは語ることができないが、いやぁ、すべてが好みですわい。ファンキーバンザイ!
星5個中、星★★★★★★★★★つ。
MADE IN USA / SEC MACHINEGUNS
結構好き。特にJUNK FOODはメタリカっぽくて良い。
ただ、シングルにするにはマニアックすぎるような気がするけど。
愛人29号ってあんなに格好いい曲だったっけ!?とすげぇ驚き。格好良い!!いやいや、これはいいよ。
あとは、曲調もハモりもSAMURAI No.7が好みです。オフスプリングっぽくて。←何
なんでサムライナンバー7なのか意味がわからないけど、意味の解らなさは今まで通りだからあんまり突っ込まんとこう。
いつも歌詞を見ないままなんとなくかけて、気になれば歌詞を見るんだが、
今回唯一ただ聞いただけで吹いたのは「ZERO」でした。
なにあの重い感じの曲(真面目な歌い方)にあの歌詞。びっくり。本当ビビった。自分の耳を疑った。
結構好きだなぁ。「パンダちゃん」だのがいきなり入っているよりかは良い。
全体的に、イメージが初期に戻った感じがする。(ジャンクフードとかはアレだけど。)
★★★★★

GREATEST HITS / Shania Twain
♪シャナイア シャナイア ヘイヘヘイヘヘイ シャナイアー♪
で有名なシャナイア トゥエイン。買ってしもた。
「UP」の音源がほしかったばかりに・・。なんでかグレイティストヒッツ。
ちなみに「UP」は坂口親子出演の車のCMの曲です。爽やかな感じの。
良い。
でも全体的に気持ちが安定しているときじゃないと聞きたくないと思った。
★★★★☆



2006年02月12日(日) ゲルマン魂 −ジャーマンパワー−

「これはどこのドイツんだ!」「オラんだ!」
・・・という日本語的世界ギャグを広めたことで世界的にも有名なMAD TIGERですがいかがお過ごしでしょうか。

2月3日〜2月8日まで、4泊6日のドイツ旅行をしてまいりました。
思い出がてら、その感想を述べていきたい。

 ●何故ドイツなのか?
ANS, 【ジャーマンメタルの生まれ故郷だから。ジャーマンメタルのRAGEが大好きだから。漫画「エロイカより愛をこめて」のドイツ人少佐が好きだから。国旗がイカしてるから。なんかすごいから。コックリさんで「ど・い・つ」と言われたから。ピンときたから。前世がドイツ人だから。】


 ●旅の形式
添乗員同行ツアー。総勢30人。一人参加6人(自分含む)。
自由行動はあるが無いに等しい。現地は殆どバス移動。
ロマンチック街道やノイシュバンシュタイン城をめぐる旧西ドイツめぐり。




2006年2月3日(金) 日本・晴れ
朝5時に起きて、用意をして成田に向かう。
成田着は午前8時過ぎ。
なんだかすっごい混んでいる空港内。
観光で来日したらしい外国人が多数いたが、
出国する日本人の数はそれを凌ぐ勢いだった。
ウィークデーやのに驚いた。
ツアーの集合時間は10時30分ごろ。それまでスタバでのんだりして、成田をブラつく。
乗るのはANA。
イギリスのヒースロー空港で
ルフトハンザドイツ航空に乗り換え、ドイツのフランクフルト空港へ行く。
〆て14時間の空の旅だ。

ツアーの確認場所で、添乗員さんと初対面。あとは旅行期間をともにする人々がいるが、
もちろん話はしない。飛行機のチケットを受け取り、荷物をカウンターへ預けに行って、ボディチェックをうけに行く。
そのボディチェックでバカな係員によってトラブル発生。
空港では国内でも国外でも、手荷物の中身を赤外線でチェックし、体は金属探知機でチェックされる。
自分は進み出た時、鉄のクリップが付いたパスポートケースを荷物用のトレーに乗せ忘れたため、
「鉄くっついてるんで、これも乗せさせてください」と差し出したら、「大丈夫ですからそのままどうぞ」と言われたため、通った。
ピーと鳴った。
「あ、多分これです。」とパスポートケースを差し出したMADに対して、いきなり「靴脱いでください」と言ってきた。
え?違くね?鉄だって初めから申告してたんだから、だったら先にトレーにケースを乗せさせてまた探知機に潜らせるべきじゃね?
しかも、手持ちの探知機での捜査一切なしでいきなり脱げってなに?
怪しい部分が靴だとわかってからなら、自分だって納得するよ。
でもベルトかもしれんやん。自分ごっついベルトしてるかもしれんやん。
でもまぁ、自分はごっついブーツをはいていたから、しぶしぶ脱ぐ。
その間、自分の荷物(全財産)は見えないところまで流されていく。
お前よー、荷物くらい取らせろよ。盗まれたらどうすんの?
取らせるのがまずいなら、どっか避けておけよ。
で、荷物を放置されたまま自分は再度検査機をくぐり、靴は赤外線のトンネルへと入っていった。
「問題ありませんね。履いてください。」そう言って係員の女は靴をただ放置しやがった。
てめぇ、だから荷物がパクられんだろうが!!という怒りで「荷物があまりにも遠くにあるみたいで、もう見えないすけど。」
と言ったら嫌そうに取りに行った。しかし、帰りながら手荷物(ビニール袋)の中身を見たようで
「ペットボトルの中身確認させていただきます」と勝手に抜き出してどこかに行った。
自分は靴を履きながらポカンとするしかない。
怠慢な捜査で靴を脱がされ、気づいたからといって普段はしない
(持ち込みのペットボトルを指摘されたのは、約10分間で自分ひとりだった。買い物に同じように入れている人は多数いた。)
ような厳しい検査をされ、
荷物は放置され、もう怒りよりも呆れてしまい、行きから気分が悪くなる。
係員は戻ってくると「内容物は問題ないですね」と言ってきた。
それまだ空いてないのにどういう検査したんだよあんた。

で、気分がわるいまま出国審査。難なく通過。
そして時間がくると、自分は飛行機へ乗り込んだ。




【第一話 さらばニッポン  終】
>>>>続く



PS.現在バレンタイン企画で「コバルト文庫的なもの」をしっかり書いてみようという目標のもと、
日記下部でオリジナル小説がバカな展開を見せている。
【もうキミなんて愛せないッ】というこれまたベタな題名が付いた、ありきたり展開を目標としている。
頑張ってありきたりな話にしたい。
ちなみに、2月11日(土曜)の日記に、すべてをまとめていく予定。
おたのしみにネッ★←たのしくない



2006年02月11日(土) 2006バレンタイン特別チャンレンジ「典型的なコバノレト文庫的な小説」

【もうキミなんて愛せないッ】


最終話


あたしは学校から帰るなり、
用意していたチョコレートでバレンタインチョコの製作に取り掛かった。
先輩と話せた勢いで、作る手がとまらない。しかも上手にいってるみたい!
CDでaikoをかけて、鼻歌も歌うと、明日への自信が湧いてきていた。
ハート型にチョコを流し込んで、先輩へのメッセージカードも添えて。
「よしっ、できたぁ!」
その時、ケイタイがなった。液晶にはさーくんと書いてある。
「もしもし?」
「あ、みどり?オレですけど!」
「どうしたの?」
「お前の家からすげーいい匂いしてんだけど!」
「あ、本当?今チョコ作ってるんだよ。」
「マジ?ちょうど良かった!俺まだメシ食ってないんだよ!」
「・・・何がちょうどいいんだか・・・。」
あたしは喋りながら、玄関の鍵を開けた。
ドアが開くとさーくんがいて、ピッとケイタイを切ったところだった。
にっこり笑いながら、どかどかと家に上がりこんでくる。
「お前チョコ作ってるってぇ?」
「そうよ。」
あたしはさーくんを追い越して、キッチンに行った。
変にされたら困っちゃうもん。さーくんってば、デリカシーがないんだから!
後からキッチンに入って、さっそくさーくんがチョコに目をつけた。
「あっ、すげぇ、これいいなぁ!」
「だ、だめっ!!!」
先輩へのチョコは、人一倍大きかった。だからさーくんが目をつけたのも仕方が無い。
でもその中には、先輩へのカードも入っているわけで・・・・。
さーくんに見せるわけにはいかないよッッ!
あたしの顔が、焦りと恥ずかしさで真っ赤になってるのが自分でわかる。
さーくんがどんな顔してるのか見るのが怖いよ・・・。
「それ、明日オレにくれるんだろ?」
さーくんは真剣な表情で言ってる。
あたしは、首を振った。
「・・・・ちがうよ。」
「なーんだ」
さーくんは、あっけらかんと笑って、残っていたチョコを勝手に摘んで口に入れた。
「さーくん、ごめんね、あのね、これはね・・・」
「オレ帰るわ。」
あたしの言葉を遮って、さーくんは背を向け、少し歩いてから、振り向いて笑った。
「うん、美味いよ。チョコ。」
あたしの心臓がぎゅってした。


2月14日火曜日。バレンタインデー。晴れ。
あたしは用意していた先輩専用のチョコを大事にカバンに入れた。
家を出ると、家の前にはさーくんが自転車に乗って待っていた。
「おはよう。」
「はよっ」
ぎこちない挨拶をすると、さーくんはあたしの荷物をいつものように持とうとして、躊躇した。
きっと、中に何が入っているのか解っているからだと思う。
さーくんってば、いつの間にそんな気を使う男の子になったんだろう・・・・。
結局荷物はあたしがもったまま、ゆっくりと二人で歩き出した。
さーくんは自転車を押している。空を見上げながら、さーくんが言った。
「今日は、なんかいやな日だなぁ。」
「どうして?」
「嫌な予感がするからだよ。」
「そうかなぁ?あたしは、女の子がワクワクと不安で一杯になる日だと思うよ。」
「女の子はそうだろうけど。」
その言葉に、あたしは笑っちゃった。
さーくんらしいというか。きっと、男の子もワクワクと不安で一杯なんだろうな。
学校の門を過ぎたところで、さーくんが自転車を止めた。
「みどり。」
「ん?」
さーくんの顔を見ると、目を細めてあたしを見てる。
「みどり、がんばれよ。」
「・・・・うん。」
あたしは思わず笑顔になった。
そしてさーくんに「またね」と言おうとした時、人影が通った。
「あのっ、あのっ、佐久間先輩いいですかっ」
「へ?」
1年生の女の子だった。髪の毛をポニーテールにして、快活そうな子。
顔をまっかにして、俯いて、言葉を搾り出している。
――そういうことか。今日はバレンタインだもの。
あたしはさーくんに微笑むと、サッと身を翻した。女の子の決心を邪魔しちゃいけないもんね。
校舎に近づくあたしの背後で、二人は話をしているようだった。
「あのっ、アタシ、佐久間先輩のこと、ずっと・・・・」

ズキンッ

あれっ?あれれ?
おかしいよ。あたしの心臓、なんか痛いよ・・・・。


アタシは足早に教室に駆け込んだ。
はぁっ、はぁっ、はぁっ。
心臓がどくどく言っている。のどがからから。
「みーどーりっ!オッハヨー!」
「きゃぁ!」
またその登場!?
香奈がアタシの肩に手を回して笑っている。
「ちょっと、ちょっと、みどりちゃん、きちんと持ってきたかしら?」
「何を?」
「バレンタインチョコよ!」
早めに投稿していた、クラスメートがこっちを見る。
「か、香奈・・・大きいよ。声。」
「あー、ゴメン!」
あたしはカバンから、バレンタインチョコを取り出した。
「はいっ、香奈!」
「え?」
「バレンタインチョコよ。いつもありがとう!」
「んもぉ〜ッ!もうあたしみどりの事大好きぃ!」
香奈はあたしのほっぺに無理矢理キスをしてくる。もぉっ!香奈ってば、喜びの表現も、声も、大きすぎるよ!
でも、あたしは香奈のおかげで、さっきの出来事も、告白への不安も、忘れることができた。
「香奈、あたしも大好きだよ。」
あたしの言葉に、香奈は目をウルウルさせて喜んでる。
あたしは本当に素敵なお友達に恵まれたって、本当に思った。


放課後、あたしは勝岡先輩を呼び出した。
校庭の隅で、って言って。きっとその方が、先輩は来やすいから。
あたしは、下校の仕度をして、先輩へのチョコが入ったカバンも持って教室を出た。
校庭の隅。そこがあたしの人生を左右するちっぽけな場所。
先輩に言った時間よりちょっと早いけど、あたしは靴を履いて校庭へ出ようとした。
その時だった。
「勝岡くん、ちょっと時間いい?」
「横田さん?どうしたの?」
あたしは咄嗟に下駄箱に身を隠した。
勝岡先輩と同級生の、横田さんだ・・・・。
横田さんは容姿端麗で、新体操部の綺麗どころで大人気の人。
腰まであるサラサラのストレートロングヘアーを風になびかせていた。
勝岡先輩はサッカー部の部室に行く途中だったのか、まだ制服を着ている。
「勝岡くんさ、今日何人からコクられた?」
「君には関係ないよ。」
「あるわよ。」
「・・・・オレ、部活行かないと行けないから。」
「アタシあんたの事好きなんだけど。」
「え?」
「あんたの事チョー好きなの。」
――無言。無音。
あたしは緊張で、体が震えている。
先輩・・・先輩は、何て答えるの??
あたしは、どうしたらいいの??

「ごめん。」
先輩の言葉が空気を揺らした。
少し遅れて、横田さんの苦笑する声が聞こえる。
「は?なんで謝ってんの?」
「いや、だって・・・。」
「それって何?女に興味ないから?それとも好きな子でもいるの?」
「なんだよその質問。」
「答えなさいよ。」
「・・・・好きな子がいるんだよ。」
どきん!!
あたしは逃げ出したくなった。体の震えが止まらない。
でも、ココを動いたら、今あたしがいるのがバレてしまう!
横田さんが、鼻で笑った。
「あー、噂になってるあの子ね。」
「そんな噂聞いたことないね。じゃオレ行くから。」
「その子から、まだチョコももらえてないんじゃない?」
「・・・・。」
「情けないわね、どんな女子からも人気の勝岡史博が、
あの子に男として見られてないんじゃ、どうしようもないわ。」
「横田さん、振られた腹いせにオレの事バカにしてるの?」
「哀れんであげてるのよ。彼女が応援してるのは、
勝岡君じゃなくて、『勝岡君を応援する女の子』だもんね。」

えっ・・・。
それって。

「中等部の中澤香奈みたいな子供程度、
簡単に手に入れられるくらいの男になりなさいよ。」
「うるさいな。君に言われる筋合いはないね。」

ドサッ!!

あたしの手から力が抜けてしまい、荷物をすべて落としてしまった。
続いて全身の力が抜けて、ストンと座り込んでしまう。
もう体が言うこときかない・・・。
「だれ?」
横田さんが回りこんできて、あたしの姿を見るなり、口に手を当てて「しまった」と呟いた。
続いて勝岡先輩が現れる。
「大原さん・・・!」
二人は、あたしがさっきの話を聞いた事に気づいている。
じゃないとあたしがこんな動揺してるハズがないから。
勝岡先輩が慌てて駆け寄ってきて、あたしの顔を覗き込んだ。
「大丈夫?」
「だ・・・・」
大丈夫、じゃない・・・。
だって、だって、こんなに貴方を好きだったのに。
告白しようと思って、一生懸命チョコを作ってきたのに。
カードだって書いたのに。
気合だって入れたのに。
さーくんに、がんばれって言われたのに。
告白する前に、振られちゃうなんて・・・・。
ぼろぼろっ。
あたしの目から、涙がぼろぼろ落ちた。
放心状態で俯いたままで、心臓がバクバクいっている。
「お、大原さん?どこか痛い?」
「心臓が痛い・・・・。」
あたしは言うと、ぎゅう、と拳を握った。
「痛いよ・・・痛いよぉ」
痛すぎて、もう涙が止まらない。

「みどり!!」

駆け寄る足音があって、あたしは強烈な力でぐいっと身体を起こされた。
「みどり、大丈夫か!?痛いって、どこが!?」
「・・・・。」
ぼやけた視界に映るのは、さーくん。
ぼんやりとした姿でも、まぎれもなくさーくんだった。
そしてその言葉も、すべてさーくんらしいものだった。
「ちょっと、みどりに何やったんですかあんたら!」
「な、何にもしてないわよ!」
「君は大原さんのお友達?」
「幼馴染ですけど、あんたは?」
「大原さんとは知り合いだよ。」
「はっはぁ・・・。」
さーくんは言うなり、ジロジロと勝岡先輩を見た。
「あんたが、みどりの・・・」
「さーくん!!」
あたしは声を荒げた。
「いいの。もういいの。」
相変わらず胸はズキズキと痛んでいた。
たくさんのツギハギが必要なくらい痛んでしまった。
「さーくん、もういいの。」
あたしの言葉に、さーくんは溜息をついた。
このままじゃいけない。
先輩だって、横田さんだって、何も悪くないんだもの。
あたしが勝手に泣いて、一番おかしな子だよ。
あたしは涙をぬぐって顔を上げると、精一杯微笑んだ。
「さようなら、先輩。」
「大原さ・・・・」
「ほら、勝岡くん、いくよ!」
「でも・・・。」
「いいから!」
勝岡先輩は、横田さんに引きずられるようにして正面玄関からいなくなった。
残されたのは、あたしとさーくんだけだった。
「みどり、ちょっと座ろうか。」
「うん。」
さーくんはあたしをまたゆっくり降ろすと、隣に座った。
「オレにチョコはないの?」
「・・・・あるよ。」
あたしはカバンの中から、小さな袋を取り出した。
さーくんが呆れたように溜息をついて、いきなりカバンを奪った。
「違うよ、オレはもっとデカいのがいいっつっただろ!」
「さ、さ−くん?」
さーくんはカバンをあさり、先輩へあげるはずだったチョコを取り出した。
だ、だめだよ!それは、先輩へのチョコだよ・・・・っ!
あたしが慌てて奪おうと手を伸ばすと、その手をあっさり押さえて
さーくんが言った。
「こんなのオレが食ってやる。」
「でもっ、それカードとか付いてるし・・・・。」
「それくらい自分で処理しろよ。オレはチョコを残さず食ってやるから。」
「さーくん・・・・。」
さーくんはバリバリと包みをやぶると、
表に書いてあった「勝岡先輩へ」のチョコ文字も無視していきなり食らい付いた。
みるみるうちに、それが小さくなっていく。
「みどり。バレンタインデーも、捨てたもんじゃないぞ。」
さーくんが言って笑った。

あたしは、先輩に振られてしまったけど。
告白ができなかったのもとても辛いけど。
香奈は本当にいい子だし。先輩と香奈にも幸せになってもらいたい。
そして、さーくんにも・・・・。

さーくんは、先輩へのチョコをたいらげると、また笑ってあたしを抱き寄せた。

<<終わり>>



2006年02月10日(金) 2006バレンタイン特別企画【コバノレト的な小説】チャレンジ1

はじめまして、あたし大原みどり。今日も元気な中学2年生。
平凡な毎日を送っていたあたしだけど、今年のバレンタインで運命変えちゃうっていう気合は人一倍!
でもそんなあたしに、いろんなことが起こるのでした・・・。


2月10日。 晴れ。 今日はとってもいい天気。
晴れわたった空みたいに、あたしの気持ちも、とっても澄んでいた。
だって、見て!今日は目覚まし時計がなる前に起きたんだもの!
うーん、あたしってテンサイ!?
そんなことを考えながら、身支度を整える。
セーラー服を着て、スカートもパンパンッと叩いて気合を入れて。
ニュースでも見ようかな、なんていう気まぐれで、あたしはテレビをつけた。
なんだか、番組がいつもと違う。お昼前の番組を放送してるみたい。
そんなことってアリなのっ??・・・・だって今はまだ朝の7時20分・・・って、なんでッ!?
こんなの信じらんないよ!

あたしの顔は、もうまっ青。
そのテレビの画面に映る時間は、あと数分で10時になるところだった。
うそっ!どーしてぇ!?
わけもわからずに、あたしは食パンをくわえて、カバンを持つと、家を飛び出した。
ママとパパと、きちんと話もしてないよ!!なんでこうなっちゃったのォ!?
自分で考えても、理由がわからない。あたしの目覚まし時計が遅れてたのかもしれない。
それにしても走ってたら、パンも食べられないし、息苦しいよ!もう、これってジゴウジトク!?

そのとき、だった。

ちりんっと自転車のベルが後ろから鳴らされた。
あたしは、その音に聞き覚えがある。
「さーくん!」
振り返りながら、その名前をよんだ。
さーくんは本名『佐久間啓介』。あたしの幼馴染で、同じ学校の同級生。
しかもクラスも同じっていう腐れ縁。
さーくんは、自転車でいつも登校してる。
この地域の自転車通学は本当は禁止されてるんだけど、さーくんは全然バレてない。
それを、いつもあたしは不思議に思ってた。
「お前、こんな時間に何してんだよ。」
「さーくんだって同じじゃない!何してるのよ。」
あたしは早足で、パンを齧りながら言った。後ろからさーくんが付いてくる。
「だって俺遅刻してんだもん。」
「あのねぇ、キミと一緒にしないでくれる?」
あたしは振り向いて、さーくんの鼻に人差し指を突きつけて言ってやった。
学年問題児のキミと、遅刻っていうひとくくりにされたら参っちゃう!
さーくんは自転車を止めて目を白黒させてたけど、口を大きく開けて笑った。
「ほら、遅刻した同士、仲良く行こうぜ。」
さーくんがあたしの右手を取って、引き寄せた。

ドキッ!

あたしはびっくりして、さーくんを見た。
「な、なによ!びっくりするじゃない!」
「後ろ乗ってけよ!」
さーくんは言うと、あたしの鞄を奪って自転車のカゴに入れた。
あたしの返事も聞かずに、なんて強引っ!
あたしは抵抗する気力もなく、しぶしぶ自転車の後ろに座った。
さーくんがあたしの顔を見て笑って、自転車をこぎ始める。
「どうせだから、遠回りしていくか!」
「もおっ、さーくんのバカっ!」
ばしばしっ!
あたしが叩くと、さーくんはまた笑った。
お昼の風が、とってもあたたかくあたしたちを通り過ぎていった。


第二話

2月13日。月曜日、晴れ。
あたしは学校の帰りに、サッカー部の練習をコッソリ見にいった。
そこにはお目当ての高等部2年の勝岡先輩がいる。
かっこいい、サッカー部だけの特権ともいえるオリジナルのジャージをユニフォームにして、
彼は白い息を吐きながら走り回っていた。
茶色い髪の毛が、夕日を受けて輝いてる。笑顔になると、歯がキラッと光るの。
キューンってあたしのハートが痛くなった。
もぉ、かっこいいよぉっ!!!
あたしはフェンスにもたれかかるようにして、勝岡先輩の姿をぼんやりと眺めていた。

「みーどーりっ!」

「きゃっ!」

いきなり呼ばれて、あたしは飛び上がる程びっくりした。
どれだけボーッと見とれてたんだろう。
振り返るとそこに親友の香奈が微笑んでいた。
長身に、ショートカットが似合う香奈は
とてもかっこいい女の子で、学校でも注目される人物。
おまけにテニス部で大活躍して、先生からも評判がいいの。
素敵なお友達だな、っていつもあたしは思う。
香奈はテニスラケットを振り回しながら、あたしに抱きついてきた。
きゃっ、なに、なにっ!?
あたしはびっくりして、じたばたする。
「ちょっとみどりちゃん、アンタまた覗きにきてるのね。」
「そ、そーだよっ!すっごい・・・楽しみにしてて、見に来たよ。」
「見りゃわかるわよ、目がハートだもん。」
香奈は微笑むと、困ったような顔をして、あたしを見てる。
そして何度かまばたきをすると、打って変わって子供のような表情で、ニンマリと笑った。
「よっしゃ、私に任せて!」
香奈はいきなりフェンスに飛びついて、30センチくらいよじ登った。
ひゃーっ、何するのよぉっ!!
やめてよ、サッカー部の部員が見てるよ!!
止めさせようと口を開けた瞬間、香奈は叫んだ。
「勝岡せんぱ――――い!!」
「ちょっ・・・・香奈!」
「勝岡せんぱーい!こっちこっちー!」
やめてぇぇえっ!
やだやだ、先輩がこっちを見てるよ!
見て、笑ってるよっ!!
近づいてきちゃったよおおぉぉっ!!!
「どうしたの?」
勝岡先輩が、あたしたちのフェンス越し、目の前に立っている。
走ってきたから荒く息を吐いていて、その息が空気に何度か白く溶けた。
俯いて視線をそらすあたしは、勝岡先輩の吐息と、ジャージしか見えなかった。
「頑張ってんなーって思って声かけたんですよ!」
香奈が笑って答えながら、あたしの肩を後ろからぐいぐい押す。
お、押されたって、顔も見られないのに、無理だよぉっ!
あたしの無言の抵抗に気づいてくれたのか、香奈が、あきらめたように力を抜いた。
「ほら、先輩っていっつも全力ってカンジだから。」
「きみは、テニスの練習のサボり?」
「今の先輩と一緒でサボッてるんですぅっ。」
「きみも?」
「・・・・・」
「ちょっと、みどり!!」
「えっ?」
あ、あたし!?
えっ、なんて?なんて聞かれたの?なんて答えればいいの!?
神様、助けて〜!
「え、えっと・・・・」
困るあたしに、香奈が耳打ちをしてくれる。
「みどりも、部活サボってるの?ってさ。」
「えっ、あっ、ち、違います!」
あたしは思わず顔を上げた。サボッてるような子だと思われたくないもんっ。
きっと顔は真っ赤になってたと思う。
目の前に、憧れの勝岡先輩がいるんだもの。
真っ白な歯が、本当に光って見える。先輩の笑ったままの口形が動いた。
「帰宅部なんだ?」
「は、はい・・・。」
「ちょっと先輩、みどりは帰宅部だけど、家の喫茶店を手伝うアイドル店員なんだもんね!」
「もぉ、香奈・・・っ」
「へぇ!凄いね!家の仕事を手伝ってるんだ!」
「はい・・・・。」
あたしは、先輩の顔に見とれるばっかりで。
こんなに話せていること自体が夢みたい!!
緊張しているのが、本当にもったいないのに、あたしは勇気が出ないの。
「オレ、紅茶には目がないんだ!今度いくよ。」
「先輩、その時のみどりはメイド服だから楽しみにしててねっ!」
勝手に香奈が言った言葉を聞いて、先輩はみるみるうちに顔を赤くしていく。

あ、あれっ?

先輩??

「お、おまえ、そういう事言うなよ!大原さんに失礼だろ!」
「あ、あたしの名前・・・知ってるんですか?」
あたしは思わず聞いてしまった。
いきなり喋りだしたあたしに驚いた様子で、でも先輩はニッコリと笑ってくれる。
「ごめん、本当は知ってたんだ。」
「あっ・・・そうなんですか・・・。あたしも、先輩のこと、知ってます。」
「オレのどんなこと知ってるの?」
「オムライスが好きとか、妹さんがいるとか、調理実習でフライパンを燃やしたとか、女の子にモテるとか。」
「うーん、最後のは違うなぁ。」
先輩は恥ずかしそうに頭をかく。
「女の子は結構オレのこと怖がってるみたいだからさ。」
「そ、そんなことないですっ!先輩は優しいし、かっこいいですっ!」
思わず乗り出して言ってしまったあたしを、香奈が驚いた顔で見てる。
ああっ、いっちゃったよ!!!
「そう言ってもらえると、オレも助かる。」
先輩は言いながらあっはっはって笑った。
「じゃあ、オレ戻るから。気をつけて帰りなよ。」
「はぁーい!」
「はい。」
先輩がまたフェンスから離れて、サッカー部の輪の中に入っていく。

「ちょっとおぉ〜!!みどり〜!」

香奈があたしのあたまを、グリグリとグーで攻めてきた。
きゃぁっ、いたいよ!
「きゃー!なに、なに??」
「みどり、やるじゃん、ちょっと!あれイケるよ!!」
香奈は嬉しそうにあたしに抱きつく。
「今年こそ、がんばるんだよ!キッカケはもう今日、出来たんだからね!」
「香奈・・・・。」
香奈の優しさに、涙が出そうになる。
あたしはいつも逃げてばっかりだったもの。
今年は、先輩と一緒にいられるのも最後・・・・。言ってしまおう!


あたしは香奈の温かい優しさの中で、決心をした。



>>続く(2006/02/11へ)



2006年02月08日(水) I'm home!

帰ってきました。ヤーパンに。とうとうヤーパンに帰ってきてしまいました。


すげぇ楽しかった。また、きちんとまとめる。絶対。

自分がドイツに行っている間、職場の上司がインフルにかかってダウンしたそうだ。
自分のチームの子は今日から復帰しているはず。
いろんな意味で、明日からは地獄の仕事が待っておる・・・。

覚悟しておこう。
そして、ドイツは永遠に自分のハートを掴んで離さないと思われる。
MADさんようやくわかった。

「てめぇのきたねぇ目は今、貪欲なくらいに世界を見てんだぜ!!」・・ってな!←アメリカ風



2006年02月03日(金) Ich gehe nach Deutschland.

↑あってんのかな?辞書をひきひき書いてみたけど。

っつーことで、ドイツ行ってきます!!
6日間不在ですが、皆様お体にお気をつけて。

ちなみに会社では自分のチームの子がインフルで休み、
そして自分が発ち、もうチーム内がどうしようもない状態に陥っている。

・・・まぁいいか。←いくない



いってきま――す!!

HEAVY METAL YEHY!!

Ich gehe nach Deutschland!!!




MAD TIGER地味作品集

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MAD TIGER へ就職口斡旋を催促する手紙を出す

MAD TIGER へ先生の遺書を出す



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