詩-生人-

2002年04月24日(水) 夜長の夏ですから

夏の夜は 長いですこと
夏の夜は お月様が綺麗ですこと

わたしごときが 哀れみ乞いても

何処に 貴方様はいっらしゃるの?

見当たれど 見つめれど

貴方様は おりません

天気のいい 夏の夜長に
貴方様は

遠くから いらっしゃるのですね・・・



2002年04月23日(火) てふてふ よちよち

てふてふ お空を飛び廻る

てふてふ 優雅に飛び廻る

綺麗な花から 蜜を
吸い上げ

酷ですことね

春は近く 春 遠く

てふてふ お空をとびまはる

てふてふ お空をとびまはる

よちよち 蜜を吸いたがる

よちよち 蜜を吸いたげる



2002年04月22日(月) 肉体解剖

素肌に 着飾る
理不尽さ

心に 見栄張る
鈍感さ

身体の中で 疼いてる

気づいてる?

身体は 嘘を告かないらしい

弄ばれるだけが 能じゃないでしょ

早く お部屋に入って
早く 重ねましょ

早くして

ずっと ずっと

夜が明けてしまうわよ

此処も そうは 長く ないみたい



2002年04月21日(日) 犠牲者

何を間違えて 何を間違えて
ここに在るんだろうか

私の 身 心

突風は吹く風を晒す

暴れ馬は哀しみを打ち殺す

出来事は出来事は

締め付けられる

首を 身体を 心を



2002年04月20日(土) 生易しい言葉

生易しい言葉を 連ねて
何を見出すと言うの?

変わりもしない
世の風を 受けて

迸る脈動 静かなる解析
眠らぬ心 止まらぬ時間

生易しい言葉。

今 この世に 蔓延る 邪気
今 この手に 慢性す 憂鬱

言葉が飛び交う 生交。



2002年04月19日(金)

幼い私は 貴方と言ふ
大きな木に 掴まり 離れたくないのです。

貴方と言ふ 心なき木に
私は住み

幼き私を 包んで頂けるんですか?

心もとないお陽射しの中
私は 仕方なき 夜を待つ

芽を食べ
私は
貴方に飼われるの

小さな砦の中で



2002年04月18日(木) 人間道化

汚れた 思春期 春をこよなく愛すれど

見世物としての生き筋を
見間違えたと致しましても

私の身心 私の精神

汚れた 思春期 春をこよなく愛すれど

飛び交う てふてふ
交じり合う と言ふ

春なき 世は

心を静めるには 尊すぎる



2002年04月17日(水) 肉体人形

お前の身体は 俺の物。
お前の欲は 俺の手中

お前自身のコントロールは
俺の施す術が全て

お前は存在している
俺は存在している

お前の身体は 俺の物。
お前で遊ぶのは 俺一人

お前は存在していう
俺はお前を 逃がしはしない

俺は存在している
お前も俺を 離しはしない

お前は俺の下部と 成れ
俺の為に
お前は俺の為に 生きろ
俺は俺の為に 生きる



2002年04月16日(火) 無形肖像

君を透写する
君を写生する

君を掴む
君を抱く

君を愛する

カタチの 無い行為
カタチの 無い現象

君を見つける
君と出逢う

君を知る
君と居る

君と生きる

カタチの 無い時間
カタチの 無い実感

君を愛する
君に愛される



2002年04月15日(月) 春を愛する人

温かい風が吹く

暑い日差しが射す

生温い空気が包む

肌寒い日々が続く

こよなく 愛する季節は

貴方が 居た 季節

こよなく 愛する季節は

貴方と 過ごした 季節

あったかい ヌクモリを 辺りに
感じながら

僕は 春を過ごす



2002年04月14日(日) 被処女

夕焼けが 温かい
吐く息が 白くなっていく

おかぁさんに 言わなくちゃ
今日は お父さんも 夢中で
私に向いてくれるわ

お赤飯を 焚って。

芽も出ていない 小鳥達より
お先に失礼しちゃったわ

生き恥さらして 今日も
お天道様に照らされるんだわ

夜風が首に 気持ちいい
君の口吻で 埋まった唇も
夜風に巻かれ 私を包むわ

心地よい 時間は 少ないけれど
君と居る 時間は 宝物。

私を包む 君の腕が
私を包む 君の手が
私を包む 君の唇が

私を此処から 離しはしないわ

だから さぁ
退屈な詮索ごっこはやめて

私の中で 君よ 根づいて



2002年04月13日(土) 激情(本能の叫び)

俺はさ 生きる事に 疲れたんだよ
俺はさ 辛い?苦しい?

そんな そんな生優しい言葉に
支配されたくはないんだよ

伝えるってなんだ?
無理無謀な事 繰り返して 楽しいか?

俺はさ 楽して死にたい
俺はさ 楽して暮らしたい

お前らみたいに 価値?意味?意義?
うんなものには支配されたくないんだよ

そう その筈なのによ
俺はさ お前らと一緒さ
同じものに支配されてりゃ〜

自分だけは特別だと
そりゃ〜思ってたしよ 思ってるんだよ
今もな

でも すぐに 糸も簡単に
限界なんてきっちまってよ

俺は 淋しいぜ
俺は 悲しいぜ

何が 楽しいんだよ
何が いいんだよ

生きにくいんだよ

あぁ〜言葉なんて
本当は無力な筈なのに
あぁ〜なんでこんなにも
重いんだよ

言葉ごときが
存在も 価値も

関係ない 無関係な
俺が欲しい
俺に成りたい



2002年04月12日(金) 真っ黒な太陽

あぁ〜 なんで 誰も照らしてくれないの?
あぁ〜 なんで 誰も見てはくれないの?

あぁ〜ここには 咲く花も無く
あぁ〜ここには 散る花も無い

美しいだとか 醜いだとか
憎いだとか 愛しいだとか

みんなみんな まっさらに
出来るならいいのにさ

あぁ〜僕は ここに居て
こんなにも 汚れた太陽に照らされて

真っ黒な太陽が お空を包む
汚れた空気も 乱された感情も

僕はみな 受け止める用意などない
僕は唯 ひとり。
そこに居る貴方も ひとり。

空に在る 太陽も ひとり。

黒く染まった太陽が 今日も
赤く燃える。



2002年04月11日(木)

どこをどう さがしても
どこをどう まよっても

いきば なんて みあたらなくて
いきば なんて たどりつけなくて

ただ ひたすら はしって はしって はしって
もがいて もがいて もがいて もがいても

何にも ありゃしない。

どこをどう あるいたのだろうか
どこをどう めぐったのだろうか

おれはいま どこにいるのだろうか
おれはいま どこをさまよっているのだろうか

おれは ただ いきてる

その”存在”を

誰でもいい 受けとめて 欲しい



2002年04月10日(水) 音感

僕は 音を 感じて
息をして 生きて

生きるという事に 此れ程までの
リズムが必要だとは 思わなかった

僕は 音が 支配する
世界に 触れて

生きるという事の 素晴らしさを感じ
そのものへ 近づけない自分自身の不甲斐なさを感じた

息を吸い 息を吐いて
その繰り返しで

太陽は 昇り 沈み
その繰り返しで

僕は 音が 鳴り響く
世界に 居て

僕は 気づかぬうちに
音を 刻み続けている



2002年04月09日(火) 錆びれた翼

お前の持つ エンジンは
もう かかりはしないさ

お前も 自由を 手放したのさ

こんな 世界に お別れ告げて
さぁ 広い大地から 飛立とうぜぇ

お前の持つ 翼は
もう 広がらないのさ

お前も もう わかっているだろ?

こんな 世界で 居心地の良さを
観じてしまっている己に

あぁ あぁ 錆びれた翼は
いずれ 退化して 不道徳な世界に身を沈めるのさ

あぁ あぁ 一人で居れれば
いずれ 気づかなくとも そのままの自分を保てるのさ

だけどね 、坊や。 っと大人は言うのさ

人は一人で生きてはいけない って

一人で生きていけないのなら なぜ 強くならないといけないの
強くならないといけないのなら なぜ 一人で生きてはいけないの

孤独を知る程に あぁ あぁ
翼は 錆びれていくのさ
孤独を感じる程に あぁ あぁ
翼は 腐り果てていくのさ

この終わりなき 空の下
錆びれた翼を 仕舞わなければならないのか・・・





2002年04月08日(月) 毒血

俺は 涙を 流す
その 涙は 汚れていく

汚れた心から 生まれる涙は
どす黒い 血液よりも
汚れていて 醜い 憎い おぞましい

お前が 流す 涙も
同じさ

みんな 汚れた血を吹き出していて
その血に感染し 息をして
今を生きてる

やがて 果てる
毒素を含む血を
皆 体に含ませ

汚れた体を 浄化する術も知らず
生きていく事もいとわない

さぁ 両手を広げ 飛び込むがいい
この死へ繋がる 谷底に

さぁ 君なら 飛立てられる
此の毒を 浴びながら

飛立てば 毒はやむ
毒は 朽ち果てる

君の体に流れる毒も
やがて 流れを止めてくれるよ

俺、一人でいかせる気かい?



2002年04月07日(日) 自己防衛

お前がお前である為に
お前がお前を維持する為に

俺が俺である為に
俺が俺を維持する為に

お前を抱いて
俺を抱いて

毎日が過ぎて

自分自身を一時的な安定に
甘んじて

俺は俺である為に
生きる事に 執着し

お前はお前である為に
生きる行為を 続ける

何も無いのだよ
そこには 生きるという事意外

何も無いのだよ
息をしてさえいれば

俺もお前も
生きていく事は出来る。

俺は まだ 甘えていたい
ふっ 馬鹿な俺。



2002年04月06日(土) 空洞

俺の胸の中に在る
俺の頭の中に在る

ちっぽけな 穴

俺はそんな 空洞に
身も心も 奪われて

唯、堕落していく
時間を過ごす

俺は今日も
今を

此の空洞に 支配を受けながら
息をしていく



2002年04月05日(金) 「血路」

ふぅ〜 深呼吸一つ 旨くない
ふぅ〜 呼吸もろくに できやしない

なんで こんなに苦しいんだよ
なんで こんなに悲しいんだよ

お前ら なんで そんなに
笑えるんだ?

お前ら 何が そんなに
楽しいんだ?

そうだよな
楽しい事なんて
笑える事なんて

何一つ 無いんだよな

過ぎていく時間を
楽しむ事も出来なくてさ

唯過ぎていく時間を
指をくわえて 見逃してりゃ〜

俺は 怖いんだよ
俺は 弱虫なんだよ
俺は 意気地無しなんだよ

ほらほら 俺は 此れ程までに
醜いんだ ・・・

ほらほら また 一日が
終わっていった



2002年04月04日(木) 星座的空想演義。

星は 貴殿 そなたの物。
星は 移り気な 乙女の物。

心なしか 待ちわびた 遊戯は
私の手ほどき無しには 進められません

星が 綺麗な 暗闇が支配する
星は 優し気な 瞬きをする

きらめく輝き
私は 心を支配された
盲目者。

唯、美しい星に
空想に更けるほかありませんでした

唯、私は遊戯を止めて
美しさに魅せられていたんです

星は 貴殿の 心さえ
奪えるのでしょうか ・・・?



2002年04月03日(水) お前の得る物。

お前の得る物。

俺の美学
俺の愛
俺との時間
俺との共有
俺への愛

愛そのもの

俺の時間
俺からの影響
俺の思想
俺の思考
俺と言う”物“

お前の得る物。

数知れず。

お前の得る物。
俺の物。

俺が得る物。
お前が得る物。

お前は俺の物。
俺は俺の物。



2002年04月02日(火) 太陽喪失

なぜ、俺にあたらぬのか
あの輝きは あの燃え尽きる程の
想いは。

なぜ、俺は此れ程までに
此の時間を 過ごせない

唯、葬儀へ向かう
時間だけが 近づいてくる

なぜ、俺は此の場所で
寝起きするのか
なぜ、俺は此れ程までに
未熟なのだろう

俺は 此の場所で
息をして 生を授け

照らさぬ光に向かい
成長続け

やがて 知るとでも言うのかい?

この頭上に
太陽が無いとでも言うのかい?

俺は、此の孤独に耐えなきゃ
ならんのかい?

俺の太陽を 探し続け
俺自身が 燃えてやる

やがて閉じる 命なら
喪失するまで



2002年04月01日(月) 咲き乱れる

君が 咲き乱れる

美しくも
華々しくも
より可憐に
より綺麗に

君が 咲き乱れる

何も意識などせずに
何も知る事は無しに
より忠実に
より豊かに

君は 咲き乱れる

心のままに
わがままに
より自由に
より強く

君が 咲き乱れる

そう 信じるままに
そう あるがままに

カタチはカタチをなしていて
なしていないで

意識して 出来るものなど
何も無い

唯、 そう 唯、

咲き乱れて ・・・

君が咲き乱れる


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沢野生人

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