奇跡を信じて〜あれから〜
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 黒い服

黒い服ばかり着て過ごしてきた

特別な意味はないが
自分が安心していられるから

無意識の内に
自分の心の中が見えない様に
覆い隠すために
黒い服を着てきたのだろうか

多くの美しい色がある事はわかってる

あまりにも多くの色に囲まれていると
色音痴にに陥りそうになる事もある

色のない世界にいるとして
たった1色だけ色のない世界に持ち込めるとしたら
私は何色を求めるだろう

平和の色であるブルーかもしれない

2003年03月31日(月)



 花見弁当

今日の仕事は午前中で終わり
母と昼食を一緒に食べる約束をしてあった
和食処へ向っている途中
「桜の道を通ってね」と母が言った
私は「嫌だ」と答えた後
「お花見ランチで我慢してよ」と付け加えた
それでも母は
「通ってくれるだけで良いのよ〜桜好きだから」と
母が言った
「嫌だ 私は好きじゃない 見たくない」と
言いながら泣きそうになっていた
そんな事ぐらいで感情的な物の言い方をしなくても
良いのにと自分でも十分わかっていた
そして
母は何故なのかを気付いた様子で
「そうよね 見たくないわよね」とポツリと言った

その後は二人して無言であったが
そこは親子なので
和食処に付く頃は何でもなくなっていた

限定ランチの花見弁当は
とても美味しく
先程までの感情は何処かへ行ってしまい
すっかり至福を感じていた
私は
もしかして
お腹が減ると感情的になるのかな(^^;

2003年03月30日(日)



 桜餅

お昼休みに桜餅を買いに行った
「外の桜も咲き始めましたから
もう少し咲く頃に又いらして下さいね」と
三角巾したおばちゃんに言われ
「そうですね 桜の散る前には是非」と
言いながら
6個入りの箱が3つあったので全て購入

私がそれを口にしたのは夕食後に2つ
美味〜

古い街並みにある老舗の一つ
今度は違う所へ行ってみよう
桜餅を求めて

昨年は早くに咲いた桜も
今年は例年通り
昨年、何をそんなに急いで桜は咲いたのだろう

2003年03月28日(金)



 花より団子に走れば良いわけね

この季節、桜を見たくないなどと言っていないで
花より団子に走ればいいわけね

花より桜餅

老舗の和菓子屋さんの歴史を聞いていると
何だかかっこいい
創業天保元年とか天保七年と言われてるけど
160年以上前
六代目御主人と呼ばれる方々

和菓子作りってアーティストの才能が必要なのかも

あぁ
桜餅食べたい


2003年03月27日(木)



 願わくは 花の下にて

西行法師は桜の下で
春の最中に死んでいく事を望んだと言われています
桜の季節、満月の夜にそれは叶えられたそうです

私にも
月夜の下で桜を美しいと感じた時もありました
桜の咲く季節
いつか美しいと思える様になるまで
少しだけ目を背けさせて下さい




2003年03月26日(水)



 春の雨

春の雨は穏やかで平和
いつもの夜より静かな気がしてくる
静かに目を閉じ
深く息を吸い静かにゆっくり息を吐いてみる
呼吸を整えながら
今まで理解できなかった事を改めて考えてみる
雨の降る日の夜は
少し寂しいけれど
とても良い時間なのかもしれない


昨年の今頃は桜は咲いていたのだろうか

オフィスの入口にある桜は今年も咲きそうな気配はない


2003年03月24日(月)



 逢うは別れの始めよ

突然の訃報を聞き今日はお通夜に出掛けた

そこは
あの日と同じ場所

巡り合った人の数と同じだけ別れはやってくる

今日、すれ違った人とは二度と会わないかもしれないし
また会うかもしれない
何処かですれ違っていた事も知らないまま
「始めまして」と言うかもしれない

逢うは別れの始めよ

「私達いつまで会ってるんだろうね」
アイツに聞いてみた
「死ぬまで」アイツが答える

2003年03月13日(木)



 魂の成長

シュタイナーは言った

病気になるのは非常に魂が進化を遂げる時
そして病気で亡くなる人は
その分、魂が成長しているのだと

春はそこまでやって来てると思われたのですが
また冬に逆戻り
それでも着々と春は進んでいる

季節の変化を私は嗅覚で感じます
春はそこまでやって来てる

今年も桜の咲く季節が恐い


2003年03月05日(水)



 桜が咲いたら別れの時

昨年は
「桜なんて咲かなければ良いのに」
そう思っていた
「桜の咲く季節までは」
医師から宣告された時の気持ちは
今、思い出しても胸が詰まる

会社の入口にある桜の樹に向って
「咲かないで」と何度言った事でしょう
その一方では
「春になって会社の桜が咲いたら写真を写しましょうね」
そうHに言っていた

「桜が咲いたら別れの時なの」そう桜の樹に言った

私の会社の桜は咲かなかった

今年の春も咲かないかもしれない
ごめんね
「今年は咲いて良いよ」だなんて私の勝手だね

2003年03月03日(月)



 夜空に星がない日

医師から告知があった時点で
そんなにも長くは生きられない事を
私は承知していたが
私が思っているよりも
ずっと早くHは逝ってしまった

最近、私の母は
「さっきHちゃんそこにいた気がするの」と
言う事もある
もし他人が同じ様な事を言おうものなら
「何を馬鹿な事言ってるのよ」と言いそうな母が
「本当に魂って残っているのねぇ」などと言う

昨年の今頃
Hは携帯からメールを送信して来ていた
それは
まだ古い機種の方に保存したままである
忘れない様に時々充電している限り消える事はない

今日も夜空に星は見えない
さみしいね

2003年03月02日(日)



 まだ呼ばないでね

特別に急ぐ用事でもないのに
やっておきたい事が目の前にあると
最近とても焦ります(^^;
時には強迫感さえ感じます

どうして
そんなに急がなければならない理由があるのだろう
そのペースは自分で決めれば良いのに
誰も何も言わないのに
「早く早く」と
どうしてそこまで自分を追い込んでいくのでしょう
なぜ自分で自分にプレッシャーを与えるのでしょう

もっと
ゆったりと穏やかなペースが好きなはずなのに

早いもので
来月はHの一周忌

Hへ
「まだ私を呼んではダメですよ
私にはやるべき事があります
私が会いたいとか話したいとか言っているからと言って
勘違いしないでね
そちらの世界に行きたい事を言っているわけではないです
それをしてしまったら私はとても無責任な人になってしまう
死ぬに死ねない状態である事を把握しておいて下さいね」


2003年03月01日(土)
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