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2009年10月03日(土) 2016年五輪はリオで、南米初 東京は落選 

2016年五輪はリオで、南米初 東京は2回目投票で落選   
2009年10月3日アサヒ・コム



【コペンハーゲン=稲垣康介】国際オリンピック委員会(IOC)は2日(日本時間3日未明)、当地で開いた第121次総会で16年夏季五輪の開催地にリオデジャネイロ(ブラジル)を選んだ。南米大陸で五輪が開かれるのは夏冬の大会を通じて初めて。04、12年大会への立候補では1次選考で敗れたリオは3度目の挑戦で悲願をかなえた。

 1964年以来2度目の開催を狙った東京は2回目の投票で落選した。コンパクトな会場配置、環境対策、安定した都市インフラなどを強調したが、支持は集まらなかった。日本は88年大会で名古屋がソウルに、08年大会では大阪が北京に敗れており、夏季五輪招致で3連敗となった。

 立候補4都市はシカゴ(米)、東京、リオ、マドリード(スペイン)の順にプレゼンテーション(招致演説)に臨み、開催意義を訴えた。投票は日本時間3日未明に開始。過半数を獲得する都市が出るまで最下位の都市を振り落とす方式で無記名の電子投票が行われた。1回目はマドリード28票、リオ26票、東京22票、シカゴ18票でシカゴが落選。2回目はリオ46票、マドリード29票、東京20票で東京が落選。決選投票となった3回目はリオ66票、マドリード32票だった。

 16年五輪には当初7都市が立候補。昨年6月の1次選考でリオは絞り込まれた4都市の中で最下位の評価を受けたが、07年に開いた総合スポーツ大会「パンアメリカン大会」の運営実績や手堅い経済成長を訴え、今年9月に公表されたIOC評価報告書では一転、高い評価を得た。ルラ大統領やサッカーの王様ペレ氏らが情熱的に「南米初」の理念を訴えた。ブラジルはサッカーの14年W杯も開催し、リオではわずか2年の間に二つの国際的なスポーツの祭典が開かれる。

 東京は鳩山由紀夫首相、シカゴはオバマ大統領夫妻がプレゼンで登壇したが、結果に結びつけられなかった。


●五輪決定のリオ、14年にはW杯…治安維持が課題に.殺人事件5717件   

   南米初の五輪開催という歴史に名を残すことになったリオデジャネイロだが、課題は少なくない。サッカーの14年W杯も控える中、最大のハードルは治安維持だろう。

 犯罪の温床であるスラム街「ファベーラ」は市内各地に点在し、その数は1千程度。競技会場は海に近い場所、内陸部など主に四つの地域に分かれているが、会場の近くにもファベーラがある。リオ市の人口の6分の1に当たる100万人がその住人だ。

 そのため躍起になって治安回復に取り組んでいる。リオ当局は昨年11月から日本をモデルにしたリオ風の交番を設置。犯罪の多いファベーラでギャングを一掃し、24時間体制で警察官が常駐している。日本で1カ月、交番の研修を受けた者もいるという。

 警察官は住民と人間関係を築き、子供にサッカーなどのスポーツも指導。この試みは犯罪発生の抑制に一定の成果をあげ、IOCの評価報告書でも評価された。しかし08年にリオデジャネイロ州で起きた殺人事件は5717件、警察とギャングの撃ち合いの巻き添えなどで1137人が死亡するなど、治安がどこまで保障されるのか不透明だ。

 もう一つの宿泊施設の不足は、大型のホテルを三つ新設し、二つを拡張するなどして補うという。リオの招致委は「IOCから必要とされた4万部屋を30%上回る5万2800部屋が確保できる見通しになった」としている。交通アクセスも懸念され、開催期間中に学校を休校し、一般車両を制限、地下鉄の延長などで対応するという。インフラ整備も欠かせない。(リオデジャネイロ=平山亜理)


カルメンチャキ |MAIL

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