女の世紀を旅する
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2009年09月05日(土) |
海外メディアの鳩山由紀夫評 |
世界の鳩山評は, 政界宇宙人・和製オバマ... 2009年9月1日
総選挙で大勝した民主党の鳩山代表をめぐり、海外メディアが様々な「人物評」を展開している。「日本のケネディ」などと評する一方、自民党と間違って報じるメディアもあり、関心の度合いはまちまちだ。
「愛と美と尊厳訴える政界宇宙人」(ソウル新聞)「次期総理確実な鳩山って、どんな人?」(東亜日報)。韓国主要紙は31日付で鳩山氏本人のほか、家族についても詳しく伝えた。
中央日報など多くのメディアが衆院議長を務めた曽祖父の鳩山和夫の代からの家系図を紹介し、「政治名門一家の出身」「母方の祖父はブリヂストン創業者」などと伝えた。
熱烈な韓流ファンといわれる夫人や母親も写真入りで報じられた。鳩山氏は6月に李明博(イ・ミョンバク)大統領と会談した際に「妻はイ・ビョンホンさんやパク・ヨンハさんらが好き。母は韓流スターのポスターを張っている」と語ったことや、母親が「韓流スターに会うため」として、韓国語の勉強を始めたことなども紹介された。
中国・新華社系の国際先駆導報も「鳩山解剖、日本のオバマ」と題した特集記事を掲載。人民日報系の京華時報は「宇宙人・鳩山の夢が現実に」と題した記事で、風変わりな振る舞いや冷淡な性格から政界で「宇宙人」のあだ名がついた人となりのほか、02年6月の訪中で当時の江沢民国家主席と会談した際「過去の侵略戦争を反省する」と語ったことなど鳩山氏の歴史認識を詳しく伝えた。
台湾の「中国時報」は鳩山氏よりも幸夫人に多くのスペースを割き、鳩山代表の髪形や服装をすべてチェックし、健康管理まで行っていることを指摘。「鳩山夫人はすべてを仕切る自称・生活設計師(ライフコーディネーター)」と見出しに掲げた。
フランスのカトリック系ラクロワ紙は鳩山氏について「最も裕福な国会議員の一人」と紹介、「『日本のケネディ』と名付けるに値する」。パリジャン紙も「名高い政治家の家系で膨大な遺産も相続し、しばしばケネディと比較される」と紹介した。
ロシアの有力紙コメルサントはイタル・タス通信の東京特派員による「鳩山」評を掲載した。祖父が1956年の日ソ共同宣言に署名した鳩山一郎元首相であり、一人息子の紀一郎氏がモスクワで研究生活を送っているほか、大統領府長官やモスクワ市長ら要人との人脈もあるなどロシアと縁が深いことを紹介した。
一方、仏テレビ「TF1」は30日夜のニュースで、選挙結果を短信として伝えただけで、順番も「ガボン大統領選の投票」の後。鳩山氏にはほとんど触れず、関心の低さをうかがわせた。タイでは、バンコク・ポストが31日朝、携帯電話へのニュース配信で「鳩山由紀夫氏率いる自民党が圧勝」と間違って報じる一幕もあった。
● ロシアでもう一人の「ハトヤマ」が脚光を浴びている。モスクワ大学で研究活動をしている、民主党の鳩山由紀夫代表の一人息子、紀一郎さん(33)。総選挙での民主圧勝後、地元メディアから取材の申し込みが殺到している。鳩山代表の祖父、故・一郎氏は1956年の日ソ国交回復時の首相。孫の鳩山代表が次期首相を確実とし、ひ孫もモスクワ在住という因縁に、ロシア側は日ロ関係好転への期待も高めているようだ。
「あなたの帰りをたくさんのメディアが待っています」。一時帰国して今月7日まで東京にいた紀一郎さんは、こんなメールをモスクワ大の同僚から受け取った。大学にテレビや新聞などから取材の申し込みが殺到していた。
妻(33)、長女(2)と3人でロシアに渡って約1年半。モスクワ大ビジネススクールでインフラ整備と維持管理を教えながら、モスクワのひどい交通渋滞の改善に取り組む研究生活を送っていた。
8月30日の総選挙の開票日を境に静かな生活が一変した。翌日、ロシア主要紙「ガゼータ」が鳩山代表の記者会見の様子を報じた記事で、「日本の新しいリーダーの息子がモスクワの渋滞を研究」と取り上げ、「日ロ関係を良好にするため、鳩山代表に役立つのは祖父だけでなく息子もしかり。実は彼は今、モスクワに住んでおり、モスクワ大の教壇に立っているのだ」と紹介した。
取材依頼が相次ぎ、東京滞在中にはロシア国営のイタル・タス通信の記者からインタビュー取材を受けた。今後、ラジオと新聞計4社の取材を受ける予定だ。
もともと、ロシアは「遠い存在」だった。米国・カリフォルニア州生まれで、「英語圏、特にアメリカに親近感を持っていた」と話す。
ロシア行きのきっかけは2年前だった。日ソ共同宣言と日ソ国交回復50周年を記念し、ロシア側から鳩山家の邸宅だった鳩山会館(東京都文京区)に一郎氏の銅像が贈られた。除幕式には当時のロシア首相らが出席。紀一郎さんも列席し、初めて「鳩山家とロシアとの運命的なかかわりを意識した」と言う。
当時、東大大学院で博士号を取得し、進路について悩んでいた。専攻は社会基盤学で、研究テーマは交通問題。「ロシアの交通ってのも面白いんじゃないか」とひらめいたという。
モスクワでは、インターネット電話で父と連絡を取り合う。「故人献金」問題が発覚した際は特に心配したが、「画面に映し出された父親の表情が思ったほど暗くなかったのでほっとしました」。
父は物静かで、食後は皿洗いを手伝い、桂三枝の落語のCDを楽しんだり、本を読むなどして勉強したり。独特の言動や振る舞いから、「宇宙人」と言われることもあるが、「僕から見るとダジャレも自虐ネタも言う普通のオヤジなんですけどね」。ある時、「おいしいから」と言って買ってきた土産の菓子が、紀一郎さんも母親も全く口に合わなかった。それ以来、「僕が買ってきたものはどうせ食べないんだろう」とすねているという。
父と同じ研究者から政治家への転身について、「今のところその気はない」としながら、「オヤジのように自分がやりたいと思ったことをやれる自信がついて、広く国民のために働きたいっていう思いが芽生えれば、そのときは考えます」と含みも持たせる。
モスクワの住まいは、大学寮の一室。建物は古く、エレベーターもよく故障するが、「首相の息子」になっても同じ場所に暮らすつもりだ。(アサヒ・ドットコム)
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