みなさんお元気ですか。 数日前のことなのだが、姉と一緒に歌舞伎を観にいった。国立劇場で見たことはあるが、歌舞伎座に行くのは初めてだ。
さて、歌舞伎だが、これが面白かった。 メインの演目は、歌舞伎らしく荒唐無稽な話(でも江戸時代にあった実際の殺人事件に基づいている)だったが、主人公を演ずる三津五郎の鼻筋の通ったきりっとした横顔、男っぷりのいい立ち姿、遊女を演ずる福助のたおやかぶり、勘三郎の老獪な演技に引き込まれ、あっという間に2時間近い舞台が終わった。
二つ目の演目は舞踊だったのだが、TVに出ているときは演技が鼻につくし、顔も、喋り方も嫌い!と思っていた染五郎が、舞台の上では浮世絵の中から抜け出してきたように美しく、その舞い姿に不覚にもうっとりしてしまう。 花のある役者というのは恐ろしいものだ。役者狂いで人生を踏み外してしまう、江戸の町屋のおかみさんの気分がわかる気がした。
しかし、歌舞伎がこんなに面白いとは思わなかった。 美しく、高い技量を必要としながら、滑稽で、俗っぽい。 魅力ある大衆芸術だと思った。
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