2004年02月26日(木) |
すべての不幸は異なり、すべての幸福は似通っている |
幸福な家庭はすべて似通っているが、不幸な家庭のその不幸のあり方はそれぞれ異なっている。byトルストイ
今日、ふと開いたアンナ・カレーニナの出だしである。私はこの有名な一文がトルストイのこの小説の一節であることを今日まで知らなかった。以前にこの文をどこかで読んだとき、なるほどうまく言ったものだと思ったが、アンナ・カレーニナの冒頭文だったとは。やはり名作はそう呼ばれるだけの普遍性を持っているなあ。
この文章は家庭という主語が入っているが、私は家庭にとどまらず幸福という状態はどこかしらに通っていて、不幸と言うのはいつも極めて個性的なものであると思う。
それは当たり前のことだ。なぜなら、人は社会の価値観から独立して生きているわけではないから、ひどく貧乏で病気を持っていて、孤独な人間が自分でいくら幸福だと感じても、多くの人がその状態を見て「不幸だ」といえば、そこから完全に自由になることは難しく、自分自身もその社会的基準の中で自分の状況を判断し、「私は幸せなんだ」とか「不幸なのかな」と思ってしまうであろうから。
しかし、大体において、他人の幸せな話が退屈で、不幸な話が面白いのは不幸話のほうがバラエティーに富んでいるというのは事実だと思う。 たとえば、最近彼氏とどう?と聞かれて、不満や喧嘩の種があったなら、それを面白おかしく話すこともできるが、完全に満たされていて、なんの問題もなければ、「うん、うまくいってるよ」で終わってしまう。 ノロケを延々と聞かされて喜ぶ人も少ないだろう。
だから「だめんず」の話は面白いのだろう。
私の祖母が月曜の夜に亡くなった。 都内にある私の実家で自宅介護をしていたので、祖母のことはこの9ヶ月間我が家最大の懸案事項だった。
完全に寝たきりになって、完全介護を必要とする状態が8ヶ月続き、何度も根をあげそうになった母は結局最期まで祖母のそばにいて彼女を看取った。それを姉も支え続けた。そしておばあちゃんは逝ってしまった。
棺の中で干からびて小さくなって、祖母の顔からは苦痛が去り、世にも美しい死に顔だった。清廉な感じさえ漂っていた。その小さくなった祖母の体の回りをみんなで何十種類もの花々で埋め尽くした。色鮮やかな花々に囲まれた彼女は決して淋しそうには見えなかった。
私と祖母はあまり相性が良くなく、祖母はいつも姉の方を可愛がっていた。私は祖母から多くのことを学んだ。孫だからといって平等に可愛られるということはないこと。でも、私はそのことに気づきながらも祖母を恨んだことはなかった。人には相性というものがある。それは仕方ない。 それでも、祖母は私にとってのたった一人の祖母だったし、(父方の祖母は私が生まれる前に亡くなっていたので)、私の中で「おばあちゃん」といえばその言葉が指すのは彼女しかいなかった。
小さい頃、祖母から突然届く小包を開けるときはいつもわくわくした。 そこには、家の近所では目にしないお菓子や、食べ物、そして祖母の家の匂いがした。 夏休みに大阪の祖母に家に行くのが我が家でいうところの「帰省」だった。 子供のころ、うちにはエアコンがなかったので、祖母の家でお風呂あがりに姉と裸でエアコンの涼しい風にあたるのがとても物珍しく、その前で冷風を奪い合った。 そして夜はエアコンでしくなったその6畳間で私と姉、母、祖母の四人でふとんをびっしりと敷き詰めて一緒に寝た。
納棺された祖母にお線香をたてて手を合わせながら祈った。
今日まで私には「おばあちゃん」がいたけど、今日から私は「おばあちゃん」無しで生きていくんだね。辛いこともいっぱいあったと思うけど、今はすべての苦痛から開放されて、ただ安らかに眠ってください。 おばあちゃんがしてくれたこと、忘れずにいたいと思います。
そんなに特別仲が良かったわけでもなく、可愛がられたわけでもない。でも、あなたはまぎれもなく私の母の母で、私はあなたの影響を、血をこの体に強く感じています。私たちはつながっていたんだなと思う。そして、あなたは今遠くに行ってしまった。 ほとんど何もしてあげられなかったけど、あなたの存在は、私の人生に「おばあちゃん」としてとても大きな存在でした。
いろいろありがとう。お疲れさま。 そして、さようなら。
2004年02月14日(土) |
Love Actually ラブ・アクチュアリー |
を六本木ヒルズで観てきました。 良かった。泣きました。わかりやすいけど、ちゃんとデリケートな部分や笑える部分が計算されていて、充実した俳優陣の演技ととコミカルな脚本をたっぷりたのしめた。
イギリスが懐かしい。そして、昔の恋も。 ああ、昔こんなふうに好きな人のことで胸を痛めたなあと実感して、現実の自分が恋愛の気持ちから遠ざかっていたことに気がつかされる。
本当に好きな人と両思いになって一緒に暮らしたりできるのって奇跡みたいなことなんだなあと思った。
2004年02月08日(日) |
彼女を見ればわかること-女の成功とは? |
というタイトルの映画を見た。すごくいい映画だった。 見終わったあとの感じがまるでレイモンド・カーヴァーの短編集を読み終わった時のような感じだなと思って、しかも映画の中に「まるで百年の孤独ね」というようなセリフがあったりしたので、文学好きの監督かなと思ったら、脚本・監督がガルシア・マルケスの息子と知って納得が言った。 いい映画っていうのはそのときはガーンとこなくてもふとしたときに自分の記憶となって思い出したりするもの。この映画はそういう映画になると思う。しばらくしたら、もう一度見たいくらい。
私がそのスタイルの良さ以外に魅力を感じない女優キャメロン・ディアスのモノローグのシーンさえ胸にジーンと来る出来栄え。 監督・脚本が同じ人というだけあって、映画の雰囲気と脚本がぴったり合っていて素晴らしい。 映画の中身も、30代のシングル女性なら共感できる細かいエピソードがいっぱい。全く同じ経験がなくても、辛かったときにつっぱって一人で歩き始めて周りに誰一人知る人のいない路上で、突然泣き出してしまうあの感じ。 私には痛いほどわかる気がした。
リリーフランキーが「まむしのアンアン」の中で成功している女というのはどういうことをいうのか。。。と書いていた。男だったら仕事で成功して、豪邸を建て、美女をはべらせて。。って成功者のイメージを描けるけれど、成功している女性というのは、周囲の人々と愛し愛されてなければ、豪邸に一人住んでいても幸せそうに見えないというようなことを言っていた。 差別だと言われようが、それは真実かもと思った。 淋しそうな女性は収入が高くても幸せそうには見えない。女性というのは男性以上に愛情の対象を必要とするものなのかも知れない。 愛情を何かに注ぐ欲求が満たされてはじめて本当の意味で幸せになれるのが女性の性(サガ)のように感じる。他の存在無しでは幸福になれないというところが女の悲しい性だなとつくづく思う。でも、母なる性が愛情欲求を持てなくなったらそれこそ種としての衰退だと思う。(近頃そんなケースも多々見られるが)。他の生命に愛を注がずにいられない女性の存在のあり方は、淋しさと同時にすべての創造の元となっているように思う。
2004年02月06日(金) |
エロスを養え!(エースを狙え!) |
今週は新しい仕事をいくつか覚えなくちゃいけなかったり、先週から引きずっていた仕事を終わらせなきゃいけなかったりで、週の前半からスパートかけて働いていたので、今日の夜が来たときにはもう電池切れ寸前。 長い一週間だった。よく働いたね→私。
久々に帰りに実家によっておばあちゃんの顔を見てきた。穏やかだったけど、だいぶ痩せていた。母がオムツを替えるのを手伝ったとき、持ち上げたときの軽さがなんだかせつなかった。 おばあちゃんの年になるまであと50年。長いような、短いような。
焦らずに、でも充実した毎日を過ごしたい。 あと、今日買ったクレアの占いめちゃ当たってたよ。特に数秘術占いがドンピシャ。男性気質の強い私は、読書や映画で女性としてのエロスを養うといいらしい。うーむ、私が恋愛映画を必要とするのはやっぱり足りないものを自然と補っていたのか?!
睡眠不足も、もう、限界。今日こそ早く寝る(ってもう12時だけど)! オヤスミ!
2004年02月05日(木) |
蜂蜜みたいにとろりと・・ |
今日、今イギリスにいるアルベルトからプレゼントが届いた。中身は、以前メールで彼が最近一番好きだと言っていた曲がはいったCDだった。 美しく、どこか残酷でドラマッチックなメロディー。 彼がメールで送ってくれた歌詞をここに掲載したいと思う。
Slow Like Honey” (By Fiona Apple, album “Tidal”)
You moved like honey in my dream last night 昨夜夢で見た君はまるで蜂蜜みたいにとろりと動いてた Yeah, some old fires were burning 太古の火が燃えていた You came near to me and you endeared to me 君は僕のそばにきて 僕をとりこにした But you couldn't quite discern me でも君には僕がよくわからない
Does that scare you? I'll let you run away 怖いのかい? 僕が君を追い払うとでも But your heart will not oblige you でも君の気持ちは抑えられない
You'll remember me like a melody 君は僕をメロディのように思い出すだろう
Yeah, I'll haunt the world inside you 僕は君の心の中に棲みつくのさ
And my big secret - Gonna win you over 僕の秘密は君を負かす Slow like honey, heavy with mood 蜂蜜みたいにゆったりと、重いムードで
I'll let you see me, I'll covet your regard 僕を見つめてよ 君の好意を貪るのさ I'll invade your demeanor 君の持つ世界を侵すのさ
And you'll yield to me like a scent in the breeze 君はそよ風に乗るかぐわしい香りのように僕をうちのめす And you'll wonder what it is about me そして君は不思議がる
It's my big secret - Keeping you coming それが秘密-君を惹きつけるための Slow like honey, heavy with mood 蜂蜜みたいにゆったりと、重いムードで
Though dreams can be deceiving Like faces are to hearts They serve for sweet relieving When fantasy and reality lie too far apart
So I stretch myself across, like a bridge And I pull you to the edge And stand the re waiting Trying to attain The end to satisfy the story Shall I release you? Must I release you? As I rise to meet my glory
But my big secret Gonna hover over your life Gonna keep you reaching When I'm gone like yesterday When I'm high like heaven When I'm strong like music 'Cuz I'm slow like honey, and Heavy with mood
途中まで訳したけど眠いので。。。オヤスミナサイ
某誌を読んでいたら秋元康が 「いつまでも待つわ」なんて男性に言った人はいつまでも待たされることになります。期限のない宿題なんてだれもやろうとしないから。
と書いていた。昨日書いていたこととダブって、やっぱりそうじゃん!と思った。すぐに女は白黒つけたがる!っていうけど、はっきりさせようとあえてしなければその状態に甘えてズルズルいってしまうのが人間というもの。 女の人生は選択の連続だからそれに慣れているけれど、男は意外と女に付き合わなければ選択をつきつけられることもなく過ごせるのかも。 だからこそ、余計選択することが大変なわけで、でもそこから逃げようとしてしまうかどうかが、いい男かどうかの別れ道な気がする。 どんなにハンサム(綺麗)でも、おしゃれでも、センスが良くても、きちんと決断して、何かを採るために何かを諦めたりできるような人でなかったらいい男(女)とはいえない気がする。 すごく優柔不断でぜんぜん決断力がなくて、いい加減だけどいい男って想像できる?私にはできないよ。
今日は「ニコニコ日記」という漫画を読んだ。私はこの話がとても好き。私がイギリスにいる間にTVドラマ化されたらしい。。。どんなキャストだったんだろう? この漫画の主人公10歳の少女、ニコの話す博多弁がとてもかわいい。私が20歳で子供を生んでいたら。。。こんな年の子がいたんだなと思う。 うーん、こんな娘が欲しいなあ。また今晩もお弁当を作りながらそんなことを夢見る30歳女の夜でした。
2004年02月03日(火) |
10000人目の方に豪華(とはいかないが)!プレゼント差し上げます。 |
我こそは一万人目だという方は、自己申告でメールください。
2004年02月02日(月) |
ごきげんいかが?雑誌ダイアリーと今後の目標 |
ごきげんいかがでしょうか? 私はとても楽しかったのだけれど、週末をカップル二組とそれぞれ遊んでもらって。。。やっぱりカップルっていいなとつくづく思いました。
でも、私には本当に今だれもいなーんですよね。 もうすぐバレンタインだけど。。。まあ、面倒くさがりなのでちょうどいいか。
先週まで翻訳スクールの課題や残業、TOEICの勉強や本番でで本当にほっとする時間もなかったので今週は自分を甘やかすことにしました。 帰りに本屋に寄って漫画や軽読書を買って、チョコを買って帰ってきたよ。 今日もお弁当つくりました。卵焼きと鳥のからあげ、ほうれん草のおひたしこのメニューは一番出番が多いので飽きてるんだけど、好物だしバランスがいいので作ってしまうのよね。 晩御飯は中華三昧の塩味にえびとねぎと青梗菜をいためたのを乗っけたもの。 寒い日はラーメンたべたくなるよね?
月曜日はアエラ 火曜日はSPA! 水曜日はアンアン 木曜日はヴォーグ 金曜日は日経アソシエ
というのが先週の私の雑誌購買記録です。 あとは週末に読んだ、リリフランキーのまむしのアンアンが良かったよ。 私はこの連載すごく好きだったから今見てもほとんど読んだ覚えがあるのだけれど、読み返す価値あり! 最初の方は笑えるんだけど、中盤から後半のエッセイはすごーく深い。 第一印象とか、匂いとかキスとか触覚、孤独、寂しさ、幸福、などなどとても共感してしまった。 彼は女性のことわかっている。 女というものは基本的に「のんびりする」とか「落ち着いて物事を思慮する」ことは本能的にプログラムされていない。 というのは自分のことを言われているようだ。女は待てないのだ! 君のことは考えてるよ。。。と言われても、考えてるって何を考えているのか言ってくれないとわからないわよ。。。というような情緒のない女である(だった?)私であり、もう少し相手を待てばいろいろなことが上手くいっていたのかもしれないな。と思うのだが、やはり待てないのである。 女の人生は駆け足なのだ。男と違うのだ。 子供比較的安全に生めるのは40歳くらいまでだし、生理だってあがってしまうし。 生き急ぐ女に選択を突きつけられたとき、逃げるような男じゃやっぱり駄目なんだ。だって、命短し恋せよ乙女。花の命ははかないものなんだもの!
でも、最近私は行き急いでバタバタしているばかりで逆に遠回りしているような気がしてきた。急いでいると大事なものを見落としてあとで取り返しのつかないことに!やっぱり、これからの課題は「落ち着いて物事を思慮する」女になることだ。
でも、「落ち着いて物事を思慮」なんてしてたら恋愛なんかできなくて、やっぱりずっと一人かも!?
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