2017年02月27日(月) |
クロッカス開花記録(2月20日)と『闇の公子』 |
恒例のクロッカス開花記録ですが、開花を確認してからずっと、日記を書き忘れてました。 たまたま日付を覚えてたので、せっかくだから、遅ればせながら記録。
朝、出勤前に蕾が立ち上がってるのを確認したのがこの日なんですが、クロッカスって日が当たってないと開かないので、咲いてるのは見てません。 でも、あの感じだと、きっと日が差せば開いたはず。 もしかすると幾つかは、もう1〜2日前から咲いてたのかも。 (一度も開いてない蕾と、一度開いたけど夜になって閉じたやつは違うんだけど、出勤前で急いでたので良く確認できなかった)
ちなみに、去年の開花は12日、一昨年は20日、その前は積雪のため不明で、その前は17日だったようです。
今年は平年並みかな。 11月に大雪が降って積もるという番狂わせがあったけど。
ところで、読んだことない本を読む一人キャンペーンの話が、途中になってました(^_^;) 今回のもう一冊は、タニス・リーの『闇の公子』。 ツイッターでの読書談義の中で、そういえば自分がまだこれを読んでいないということを思い出して。 これだけでなく、タニス・リーのファンタジー自体、実は全く読んだことがないのではないかと……。 タニス・リーで読んだのは、SFの『銀色の恋人』だけなのでは?
自分の読書の趣味嗜好(主に女性作家の筆による翻訳もの幻想ファンタジーを長年愛好)から考えて、自分がタニス・リーを読んでいないというのは我ながら信じられないような事態ですが、なぜかぽっかりと穴が開いていたようで……。 ときどきそのことを思い出しては、読もう読もうと思いつつ、そのまま忘れてそれっきり……を繰り返して今に至ってしまいました(^_^;)
で、今度こそ!と思いたって、何度めかの正直で手に取りました。 読めば絶対好きだろうと思っていた予想どおり、読み始めたとたん、やっぱりすごく好みの予感。 訳文も格調高く、とにかく美しい。 今読んでも十分好きでしたが、もっと若い時分に読んでたら、もっと熱病のようにハマって、創作にも影響を受けまくっていたのでは……?
……と思いつつ読みすすめていくと、なんとなく既視感が……。 それで、もしかしてやっぱり読んだことあるのかとも思ったけど、そうじゃないのに気がつきました。 何に既視感があったかというと、機械じかけの小鳥。 魔界のお城の庭で機械じかけの小鳥が遊んでいるシーンで、あれ、このシーン、見たことあるかも、と。
でも、すぐに、読んだことあるのは自分が書いたものだと気が付きました(^_^;) イルファーラン物語で、私、魔王の地下庭園で金属製の小鳥が宝石細工の木々の間を……みたいなシーンを書いてたんです。 ここ、ここ。
あと、この金属の小鳥は、自分で気に入ってたので、『葬送の浜辺』でも出してますね。 ここの下の方。
別に珍しい発想じゃないので、ただの偶然だし、同じようなものを描いてもリーと私とでは描写が月とスッポンなんですが(T_T)、これで私がタニス・リーを読んだことがないとは、両方知ってる人は誰も思うまい……(^_^;)
つまり、やっぱり、それほどいかにも私好みだってことで、うっとりと読み終えました。 これから、いまさらだけどタニス・リーの他の作品も読んでみようっと。
2017年02月12日(日) |
読んだことない本を読む(その2) |
『有名だったり、いかにも自分が好きそうだったりするのに、なぜかまだ読んだことのない本を読む』という一人キャンペーンの話の続きです。
今回のもう一冊は、レイ・ブラッドベリの『火星年代記』。
これも、本当に読んだこと無いのかどうか確信を持てななかったんですが……。 何しろブラッドベリは30年以上前から好きだったんだから、代表作のひとつであるこれを、読んでないわけがない気も。 単に、図書館で借りて読んだから手元に残ってないってだけかも?
……とは思いつつ、なにしろタイトルから内容を思い起こせないので、(まさかとは思うけど、たまたま読んでないのかなあ……)と。
でも、読み始めたら、連作短編集冒頭の『ロケットの夏』が、いきなり、間違いなく知ってる作品でした(^_^;)
でも、これ、1997年に改訂版が出てて、何作か差し替えられてるということで、もし私が読んでるとしたら旧版のはずだし、読んだかどうかわからないほど忘れてるなら読んでないも同じだし、もし覚えてても、好きな作品なら何度読んでもいいし……と、一応、また読んでおくことに。
結果、やっぱり読んだことあるけど、今でも好きだから、もう一回読んで良かったです。
火星年代記って、主に1940年代に書かれた作品で、作中で最初に火星にロケットが行くのが1999年、それから2026年までの火星での出来事が年代順に並んでるんだけど、1997年に出た改訂版では、年代が31年づつ繰り下げられてて、だから最初の火星ロケットは2030年になってるんですね。 読んでる人にとって、そのままでは作中の出来事が過去のことになってしまうので、未来にするための配慮らしいんですが……。
でも、茶色い肌に金色の瞳の火星人が緑の草原にプール付きの別荘を建て、青い水をたたえた運河に小舟を浮かべて火星葡萄酒を楽しんでる火星には、これから火星に行くロケットは、もう絶対にたどり着けないんですよね。 1940年代に見た夢の中でしか行けない、過ぎ去った未来。 もう、どの未来からも行けない場所。過去の中の未来。
そういう、『昔の人が見た未来の夢』みたいな、レトロSFが好きです。
2030年になっても、きっとブラッドベリはまだ読み継がれていて、そうすると、作中での火星に最初の有人ロケットがついた年が、その時点の読み手にとっての『過去』になってしまうかもしれないんだけど、その時はもう、作中の年号を書き換えて無理に時代を未来にする必要はないでしょう。 どうせ、火星年代記の中の『火星』は、もう、地球の外にはないんだから。 みんなの夢の中にしかない場所なんだから。
ブラッドベリの場合、たぶん、1940〜50年代当時にも、すでにノスタルジックだったんだと思います。 それに、当時のSF作家だって、実際に火星がそういうふうだとは想像してなかったのではないかと。 でも、まだ人類が火星の姿を見たことがなかった時代になら、火星にそういう夢を描くことが許されていたんですよね。 今でも、そういう火星を描いたって別にいいんだろうけど、その場合、その作品は、もう、SFではなくファンタジーとして扱われるのではないかと。 昔のSFには、今ならどう考えても異世界召喚ファンタジー扱いだろうってものも多いですしね。
……と、自分が好きなのがレトロ・フューチャーものだということを再確認して、だから、最近では秋山完さんの『懐かしい未来』系の作品が好きだった……と言おうとして、確認したら、秋山さんの『ペリペティアの福音』も、すでに前世紀の作品だったんですね!Σ( ̄ロ ̄lll) つい最近だと思ってたのに……!orz
それでも、今も『懐かしき未来』『レトロ・フューチャー』ものは、一つのジャンルとして生きていて、私は今も昔も、それらが好きみたいです。
今、具現化したレトロ・フューチャーに手っ取り早く出会える場所は、東京ディズニーシーですね(笑) 私が愛したレトロ・フューチャーは、今、ポートディスカバリーに具現化している!(笑)
2017年02月07日(火) |
読んだことない本を読む その1 |
たまに、『いかにも自分が好きそうだったり、好きな作家の作品だったり、有名だったり古典名作だったりするのに、なぜかまだ読んだことがない本』を読んでみるという、一人キャンペーンをやります。
今までやったのは、モーパッサンの『女の一生』とか、村上春樹とか、長野まゆみとか。
長野まゆみは、まだ『月刊カノープス通信』に読書録を書いていた頃だったので、感想を書いた覚えが……。 村上春樹は、ツイッターを始めたばかりの頃で、ツイッターで感想を垂れ流しながら『羊をめぐる冒険』を読んだ覚えが……。
『女の一生』は、夫が、「女の人が、旦那とその浮気相手が中にいる小屋を押して崖から落とす話すだよ」と言うので、(えっ!? 『旦那を』とか『旦那の浮気相手を』ではなく、『小屋を』!? 女の人が!? 手で押して!?Σ(・o・;) どゆこと?)と、思わず興味を持って読んでみたんですが、実際に読んだら、ちょっと違ってて、別に巨大怪獣妻や怪力女の話ではありませんでした(^_^;) 夫の脳内では、女の人が小屋をフンっと手で押してる映像がすっかり出来上がってて、本気でそういう話だと思いこんでいたらしいです(笑)
で、今回の第一弾は、萩尾望都の『トーマの心臓』。 私の年代の女オタクで読んでない人がいるとは思えない定番の名作なのに、どうも私は読んだことがないのではないかと……。 もしかすると読んでるかもしれないんだけど、姉妹編(別バージョン?)の短編『11月のギムナジウム』を確実に読んでるので、それと混同してる気もしたし。 で、念のためあらためて読んどこう、と。
が、結局、読んだことあったのかなかったのか、よく分かりませんでした(^_^;) 『11月のギムナジウム』の記憶が半端にあるせいで、既視感があって。 が、全く色あせていない不朽の名作なので、もう一度読んで良かったです。
長くなったので、続きは後日。
ところで、このあいだ日記で触れたサイト未公開作品『(仮)枝角のルーシェンナ』ですが、もう一回分、Google+にUPしてあります。 こちら
ここまでで導入部が終わり、続きは書けるか書けないか、まだ全く見込みがたちません……。 が、手探りで書き始めてはいます。 もし書けるとしても、とっても時間がかかって、続きをお目にかけられるとしたら、ずっと先のことになると思いますが、マイペースでがんばります。
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