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■ いつだってマルチプル・アウト
何かっつーと、SEEDコンプリート・ベストに収められた歌の歌詞カード読んでて思ったこと。
戦争は誰がどんな御託を並べようがいついかなるときも「悪」です。勝者も敗者も正義も真理も存在しません、全てが「悪」です。そんなこた過去現在の人類の体たらくを見れば自明の理でしょう。 そして悩める若者たちがたどり着くのは必ず「嫉妬と憎しみではなく、赦し認め愛し合うこと」です。こちらは疑問の余地がありません。
物語の中で戦争を語るのは非常に難しいし、それを年少の視聴者に理解させようと思ったら実際に戦争するより困難な気がします。 そのためこの種のドラマには「キミは当たり前に享受できる生活を理不尽に粉砕されて、どこまで我慢できるか?」という別のテーマが必要になります。要するに「戦争になっちゃうと恋も友情もアイドルもケータイも自由に扱えないし、時々痛くて下手すると死んじゃうかもしれないけど、それでもいい?」と耐久性の方に訴えるのです。
以上を踏まえた上で歌詞カードを読めば、それがなにもSEED世界専用ではなく、普段身の回りに起こるあらゆる事象に適用可能な内容だと分かります。 しかも使用されている言葉は実に曖昧で論理の決定権を持ちません。これは読む人によってどうとでも取れる「マルチプル・アウト」だからです。
あたしは自分の趣味や贔屓で「SEEDは長々50話かけたキラの初恋成就物語」と結論付けました。やはり何らかの形を与えないと気分悪いですし。 とはいえ、平和だ未来だ人類の希望だなんて教科書的感想は御免こうむりたいです。いつだってガンダムで語られるのは「自分の明日はどっちだ?」という生きる上での普遍性であって、戦争は舞台効果にすぎないのですから。
2003年09月30日(火)
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