diary of radio pollution
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2013年03月31日(日) 桜の見た夢

弥生末日。

仕事への往路、いつも通る道の民家に立派な桜があった。まったく気付かなかったことに驚いたが、それは樹齢何十年も経つであろう大木だった。今宵、夜桜見物と決め、出勤。

どうやら強い雨は免れたよう。

帰路、疲労困憊の身体で自転車を漕いでいても、無意識のうちにいつもの道を通っているもの。しかし、しっかりと疲労している頭は今どこか理解できず、一瞬、桜の大木を見落とし通り過ぎた錯覚に陥る。大丈夫、まだ手前だった。

ひっそりとした路地を通り、いよいよご対面。遠くからでも、存在感が伝わってくる。街灯のない裏道の、大きな家の広い庭の真ん中に堂々と立っている桜は、暗闇の中でも、その白さが浮かび上がってくる。日付も変わった頃だった。

その後、家の前まで帰ってきたが、明日は休日だと今さら思い出し、夜桜見物に行くことにする。

自転車を低速で漕ぎながら、見上げる。昼間なら危ないが、誰もいないし、車も通らない。場所を移動し、桜がたくさん咲いているところへ。

本当に誰にも会わず、ひっそりとしている。静かに眠る桜。もう何本見たかもわからないほど、桜の下を見上げながら進む。次第に、ぼんやりとしてきたようで、色々なことを思い出す。

夜桜に別れを告げ、帰宅。

koji


2013年03月29日(金) 栄枯盛衰

散り際の潔さ。

帰路、霧雨の中、桜を眺めつつ、遠回り。明日の天気予報は雨。もしかすると、これで今年も見納めか、と考えると、一抹の寂しさがある。

昨夜、路上を風に揺られ運ばれた花びらも、今宵、変色し吹き溜まりに山積する。

儚く永遠ではないことを、改めて知る。

koji


2013年03月28日(木) 桜花爛漫

春の夜の夢の中。

帰路は、遠回りをしている。春の夜の、水気を含んだ重い大気、桜は水中を漂うように咲いている。

昨日から、随分と花は散り始めた。桜舞う中へ飛び込む瞬間は、白昼夢のようである。

見事な桜を眺めていると、これこそ天蓋なのではないかと。

これから、刻一刻と移り変わる桜を愛でることは、とても幸せなこと。

koji


2013年03月26日(火) 隅田川

見事な春の光景。

東京へ来てから三回目の春を迎えたが、一度目は震災後の世の混乱の中、仕事が多忙だったのと花見気分にもなれなかったので、あまり桜の記憶はない。

昨年は、ようやく桜を眺める余裕があった。都心の桜を友人と見て回ったのは、とても良い時間だった。

そして、今年は以前から下町の桜を見たい、と考えていたので、ちょうど昨年に読んだ浅草が題材の小説の縁の地を回ってみることにした。

やや肌寒いが天気は素晴らしく、少し離れた駅から浅草方面へと歩く。偶然に頼りながら近所の人しか知らないような小さな桜を探したが、上手く出会わず。あっさりと浅草に着いてしまう。

さすがに観光客でごった返す浅草寺。仲見世の脇を通り抜け、二天門へ。道の先へと目をやると、桜が見える。隅田川へと歩く。

言問橋の欄干から川を眺めていると頭の中では、春のうららの、と滝廉太郎の「花」が流れてくる。しかし、今となっては、櫂も見当たらないエンジン音。

ふらふらと歩いて、紙洗橋へ。この辺りの桜は近所の人の憩いの場といった趣。眺めていても心が和む。

その後、また浅草寺方面へと戻り、旧象潟署、旧尋常小学校を通り抜け、花やしき裏手を通り、目的地の老舗喫茶へ。

最後に、ある古い建物を探していたが、どうもその場所には新しいビルが建っている。残念ながら、一番触れてみたかった昔の息吹を感じることは叶わなかった。

koji


2013年03月21日(木) 帰路

寄り道。

道すがら、見上げると桜。これだけで、ただ幸せ。

年中、先々で桜を意識しているが、この季節になると、どこにあったか忘れてしまう。まぁしかし、狙って見に行く桜より、ふと出会う桜の面影に心を奪われる。

さすがに憶えている桜並木。いつもより少し遠回りになるが、毎晩立ち寄るのが楽しみだ。

koji


2013年03月20日(水) 開花

満開の桜の前で。

起床後、窓を開けると、桜が咲いていた。確実に、昨日は蕾の姿だった。今日は咲いた日ということ。

それからも、幾度と窓の外を見てみると、先程から比べると少し色彩が鮮やかで、華やかさが異なる。今、刻一刻と咲いているということ。

桜の開花を待ち侘び、いざ咲いてみると、もう、気持ちは散ることを知る。今日から、儚さの中を漂うかのように過す。

桜の見頃は人それぞれかと。今、最も好きな桜は、散った桜。年を重ねるごとに好みも変化している。

koji


2013年03月08日(金) 外套

ネイビー色。

ここ数日、冬は遠ざかり、外套の出番がほぼない。今冬は、偶然見つけ購入した一品が大活躍だった。

米国製ワークウェアの外套。インナーはシャツ一枚でも十分に過せるほどの暖かさ、しかし、ワークウェアによく見る外見の荒々しさ、化繊生地などではなく、どことなく落ち着いた雰囲気の姿。これで値段が高ければ当然だが、手頃な価格で購入できたのも好印象。

とにかく、手持ちの服と合わせやすく、気に入って頻繁に着ていた。来年に備えて、クリーニングに出してやらないと。

koji


2013年03月01日(金) 春一番

椿も見頃か。

昨日から昼間はとても暖かい。自転車を漕いでいると冬用の上着もいらないほどだ。

職場の近くで事件があった。警察、マスコミ関係者で近隣は溢れ、騒々しい雰囲気が平穏な日常の裏に潜む部分を露呈する。

春一番が通り抜ける。冬の終わりも近い。

koji


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