昨夜目一杯有酸素運動を行ったため、かなり回復したコージ苑。 久しぶりにきちんと料理でもしようかと、台所に立つ。 するとそこには、
1.先週水曜日の夕食用にとっておいた、かびたご飯 2.先週水曜日の夕食用にとっておいた、ちょっと粘つくベーコン 3.先週水曜日の夕食用にとっておいた、ひからびきったお茶の葉 4.先週水曜日の夕食用にとっておいた、色の変わったキュウリ
が鎮座ましましていた。
病院代がただだったので喜んでいたのだが、ツケはこんなところに。 味わったのは脱力系の悲しさ。
※※※※※
午後、2件の約束が入る。 ひとつはエンジェル先生(男性)との、週1恒例の勉強会。 このおじいちゃんは完璧な甘党だが、本日のおみやげはピーナッツあられ。 革命的である。
もうひとつは小学校先生(女性)との、突然発生夕食会。 お目当てのバーがつぶれたか改装中だかで閉まっていたため、 近くにある韓国料理のお店でチゲ鍋と卵チャーハン。 最近旅行に出かけてきたという先生のお土産話を聞く。
通常、同年代の友人と会う事が多いので、こういう取り合わせは結構新鮮だ。
2003年03月30日(日) |
パーティー・パーティー |
病み上がりなのにパーティー2連発。
まずはクリスティのお誕生日会。 お父さんの車に乗ってさあ出発。 …お父さん!お父さん飛ばしすぎだよ!ベンツあおってるよ!! (ちなみに彼の車はマツダである) 着いた時にはコージ苑、顔が青ざめていたに違いない。
気を取り直してドアを開ける。 「こんにちは」とご挨拶。 …クリスティ!クリスティその服大変だよ!黒くて透けてるよ!! きっと20歳の誕生日だし〜、大人だし〜、と気合を入れたのだろう。 にしてもあれはすごい。 ちなみに後程、七味屋さんにこのお話をしたら、 「僕の娘には絶対そんな格好させません」と涙目になっていた。
彼女の従兄も交えて食事をした後、彼女ご幼少のみぎりのビデオを観る。 写真では何度か見たが、かわいい。かわいすぎ。 特にうつらうつらしている彼女は、まるっきりトトロのメイちゃんだった。 そりゃあ、お父さんも娘好き好き人間になるわな。
※※※※※
次は、韓国への出発が早まって泡をくっているローラの送別会。 Y先生宅で、彼女の友人知人を交えて遊ぶ。 これ、文字通り「遊ぶ」パーティーだった。 日本でいわゆる送別会というと、酒を飲んで語らう以外のアクティブな部分は、 せいぜい歌を歌うとか、座ったままできるゲームとか、まあその程度。 しかし当地の人間は、パーティーとなると何かせずにはいられないようだ。 大体が歌と踊り大好き〜、というお国柄。 今日も机や椅子を最大限に片付けて、フォークダンスをひとしきり踊った。 日本でこれをやろうものなら、一日でご近所関係最悪になること請け合い。
これに加え、坊主頭少女スシのお姉さんがいたために、 話は一層ややこしい、とはいわないが騒がしいことに。 目隠し鬼、ジェスチャーゲーム、フルーツバスケット(らしきもの)などなど、 彼女の頭の中にストックされているゲームが後から後から出てくる。 さすがにガールスカウト仕込み、 指示も的確で思わず「イエッサー」と言いたくなる。 そしてさすがにガールスカウトのゲーム、 どれもこれも体動かしまくりの走りまくり。
虚弱な新兵コージ苑、途中まではがんばっていたけれど。
すみません軍曹殿、自分はもうだめであります…(泣)
ずっと部屋の中にいたコージ苑を気遣って、 看護士七味屋氏が海に連れて行ってくれた。
秋にも訪れたそこは、冬の間に凍ってしまっていた。 波打ち際数メートルにわたって厚い氷がはり、上を歩くことができる。 何がどうなったか、一番手前にはミニ氷山ができている。 すごいぞ、この風景はとてもすごい気がする。 すっかり嬉しくなって、小さい氷を手にとって投げるコージ苑、 まるで猿山のサルである。
そしてそれを写真に収めていた七味屋君。 君は後で私を強請るつもりか?
※※※※※
宮部みゆき『かまいたち』 初期短編集。 サスペンス仕様の時代物はどれも楽しかった。 この中の一作品をベースにしたのがこちら。
宮部みゆき『震える岩』 人に見えないものが「見える」主人公お初が出会った不思議な事件。 色合いとしては『模倣犯』よりも『龍は眠る』に近いかな。 縦糸のオカルトに対して、横糸には忠臣蔵をもってきており、 ちょうど良いリアリティが生まれていると思う。
起き上がってみた。 かなり回復。 リハビリだと思って、お礼がわりに掃除をしてみる。
実はコージ苑、倒れてからの2日間、七味屋氏宅にお世話になっていた。 「一人じゃつらいだろうし、大体コージ苑ちはベッドが劣悪」 という周りのありがたいお見立てをいただいたのだ。 そうなの、ベッド寝心地最悪なの…もう買い換えちゃおうかな(ぼそり)。
かくて彼はにわか看護士になった、というかさせられた。 何で自分が、という疑問は確実に彼につきまとったであろうが、 それでも「よくがんばった、感動した」程度にがんばった彼である。 彼はコージ苑のごはんも作ってくれた。 「ご飯作ってあげるんです」と言ったら、それを聞いた人全員が、 「…できるの?」と限りない不信の眼差しで見たといって憤慨していた。 自分だってお料理できますよー、と主張した後で、 「何か食べたいものありますか?」と言うので、「ズッキーニ」と答えた。 張り切って買物に行く彼を見て俄かに不安を覚えたコージ苑、 ふらふらしながらついていった。
その選択、正解。 彼はにこにこしながらキュウリを手にとった。 残念だね、似てるけどそれをカレーに入れたら多分まずいよ。
※※※※※
夜はY先生とバレエを観に行く。 前々から約束していたし、初演でバカ高いチケットが他に売れなかったのだ。 演目は「海賊」。 ストーリーというほどのものもない。 一幕。 惚れた女が町の金持ちに買われたので、海賊の首領がむかついて奪った。 二幕。 女が原因で首領とケンカをしたナンバー2が、女をさらって金持ちに売った。 三幕。 女を取り返した途端、嵐にあって皆死に、首領と女だけが辛くも生き残った。 …ということで、華やかな衣装と雰囲気を楽しんだ。 今日の「Y先生の王子様」は、海賊の首領役。要は主役ですな。 期待で胸いっぱいのY先生の前に、ひらりと登場した王子様。 …ヒゲ描いとる。 5分間というもの、コージ苑は笑いをこらえて肩を震わせ、Y先生は虚脱状態。 しかもこいつ、ひらひら踊って見るからに弱そうだ。 手下のやつらはこんな奴によくついてくるもんだ。 (だからバレエだってば)
休憩中にY先生がぽつりとつぶやいた。 「やっぱり彼は王子様じゃないとあかんわ」 うん、コージ苑もそう思う。
朝起きて、ごはんを食べさせてもらって、 寝て、
昼起きて、ごはんを食べさせてもらって、 寝て、
夜起きて、ごはんを食べさせてもらって、 寝た。
コージ苑、救急車初体験。 しかもL国で。
最近、なんだか体が重いなあ、という気がしていた。 それでも、特に熱があるとか咳が出るとかいう症状がないので、 何となくそのままにやりすごしていた。
が、今日の授業が終わった途端、目の前から景色が消えた。 …と思ったら、次の瞬間には倒れていた、らしい。 周りで人がばたばたしているのを意識の外から眺めていたら、 いつのまにやら救急車が呼ばれ、医者が顔を覗き込んでいた。
コージ苑の返答がないと見るや、医者のオバちゃんはいきなり何かを嗅がせた。 …!殺す気か医者!! 何かは知らんが、強烈な石油系の臭いがした。 クロロフォルムは…ありゃ意識を失わせる方だっけ。 じゃああれって何。っていうか違う意味で意識喪失しかけたけど。
さらに、弱っている病人に向かって失礼極まりない質問を連発する彼女。 「お通じは正常ですか」 L国人の基準は知りませんが、日本人からみて大体正常です。 「妊娠していますか」 してません。してたら私は立派なマリアさまで、生まれてくる子はキリストです。 「麻薬やってますか」 してません。できるほどの財力もございません。
診察前よりもぐったりしているコージ苑を見下ろし、医者は言った。 「救急車で病院へ行きましょう」 そしてコージ苑は運ばれた。 素面だったら恥かしい事この上ない(いや、酔っ払ってるわけじゃないけど)。 しかも、他の日本人がいないと思ってまた聞く医者。 「麻薬やってるでしょ?」 …だからやってねーっつの。私そんなにヤク中に見えますか。
着いたのは、古〜い建物を改装して病院ぽくしてみました、って感じの建物。 あちこち体を調べられて、巨人サイズの注射を2・3本ブッスリやられて、 挙句の果てに「寝違えたんでしょう」という診断をいただいた。 それを聞いた日本人一同、頭の中に「絶対嘘」という言葉が点滅したらしい。 朦朧としていたコージ苑でさえも。
さて、救急車使ったし血液検査もしたし、痛い出費だなあと思っていたら、 これが何と無料だという。 何故?と問うと、「救急車で来たから」という答。 意味不明。自分でがんばって来ると金とられて、 人使って車使って交通止めて運ばれたら無料なのか。ふーん。 だったら皆救急車呼ぶに決まってるじゃない。 コージ苑の体もこの国の医療制度も、何もかも謎だらけの一日でした。
2003年03月25日(火) |
my favorite things |
JR東海。 じゃなくて、sound of musicの中の有名な歌。 「南太平洋」のhappy talkと共に、その愛らしさが好きな曲。
元気がないときには好きなものを思い出すの、と映画の中で主人公が言う。 これ、軽いオチコミには効果がありそうだ。 しかし、現代のお悩みは中々複雑。 ストレスの三大解消法、即ち飲酒ヤケ食いカラオケなんか、 思い出すどころでは収まらず、どれも実際「やっちゃってる」のだ。 確かに、ジョッキと餃子の絵を思い浮かべるだけで消えうせる悩みなら、 最初からあれこれ考えずにただ飲んどけってなもんである。 酒はおいしく飲もうよ。
…なんか論点がずれた。 そういうことが言いたいんではなくて、 要するにコージ苑、各人の「元気の素」はなんだろうと思い、 数人の知り合いに聞いてみたのだ。
某氏にとって、それはギターだった。 某嬢にとって、それは彼氏だった。 某氏にとって、それは大音量で聞く音楽だった。 某嬢にとって、それは長電話だった。 コージ苑はなんだろう。
月並みで申し訳ないが、それはやっぱり読書。 登場人物に自分を重ねる、とまではいかないけれど、 その時代その人物、その世界にぐぐっと入り込む自分を感じるのは楽しい。 ネタはなんでもいい。 何せ自他ともに認める乱読女である。 『剣客商売』で老剣士に惚れ惚れした直後に『ソフィーの世界』に出かけ、 帰ってくるなり林望の本を見ながら料理を始め、 それを食いつつハインラインかアシモフあたりで未来へ飛んじゃう。 そんな無差別級書籍漁色女にとっては、 五感の全てを駆使して活字を追う、そんな作業ができる本が良い。 一冊の本は一個の世界、とすれば、 コージ苑は一生のうちに、どれだけの世界を覗けるだろう。 某ゲーム機に倣って、とりあえず目指せ100万、とでも言っとこっかな。
※※※※※
椎名誠『シベリア追跡』 大黒屋光太夫の足跡を辿るシベリアの旅。 この人の本は、いつでも元気をくれる。 旧ソ連を扱った作品は、大体二系統に分けられそうだ。 一つは、背筋凍る系、もう一つはしょうがないから笑っちゃえ系。 椎名誠のこの本の場合は後者。 随所に感じるニュートラルな視線は、そのままこの人の大きさなのかもしれない。
黒岩重吾『天の踊り』 バレエ業界を舞台に繰り広げられる殺人事件のオハナシ。 先日読んだ米原万里にもあったが、 バレエの世界ってば、表の華やかさからは想像もつかない泥沼があるようだ。 ところで、松本清張全盛のこの時代、推理小説はイコール社会派。 作品の主眼は明らかに推理にではなく、 陳腐な言葉で表すと、事件をとりまく人間模様に置かれている。 いいんだよ、別に。これはこれで面白い。 しかし、「本格推理小説」と銘打った本を手にとる時、 いわゆる新本格に慣れきった人間が期待する内容ではなかったと、 そういうことだ。
雲ひとつない絶好の天気の中、市場へ行った。 体育館のような建物の中に入っている店はいつものとおり。 しかし、外に並んでいる屋台の品揃えが明らかに変化していた。 冬の間は、茶色くてしなびた感じのリンゴや根菜が、 「こんなのですみません」とばかりにしょんぼりと売られていたのが、 今は青空の下、赤や黄色や緑の色彩が「どうよどうよ」とアピールしてくる。
Kさんが洋ナシを一つ買った。 そばにいたコージ苑の鼻にも、いい匂いが届いた。
ちょっと考えられないことは続いて、 今日はゲストの方々とサーカス鑑賞。
ここではサーカスは常設なので、会場もテントではない。 こじんまりしているとはいえ、駅前にドンと建てられたコンクリート建築である。 中に入るとかすかに動物のにおい。
サーカスなんて、小学生の頃に国産のものを見たっきりだ。 イメージとしては動物の芸があり、ピエロがおどけ、 ハラハラ空中ブランコやモーター音爆裂曲芸バイクや、 とにかく派手な光と音楽の中のエンタテイメント、といったところ。 こんな小さい国のサーカスもそんなだろうか。
そんなもんでした。 大規模サーカスと違って、洗練されたハデさはなかったものの、 会場がまとまって盛り上がるという、小規模ならではの楽しさがあった。 一つだけ、小さい頃と違って素直に喜べなかったのは動物の曲芸。 別に動物愛護団体に入っているわけではないが、 自転車をこぎ、縄跳びをするクマの、赤くて虚ろな目が妙に悲しかった。
エサを保障される代わりに、体の構造からはどう考えても無理な動きを教えられ、 毎週末に、観客の前で芸を披露し驚きの声と賞賛の拍手をもらう。 (しかし、彼らに拍手の意味がわかっているか、 また分っていたとしても、その賞賛は嬉しいのだろうか)
あなたは今幸せですかと、そう聞きたくなるのは人間の勝手な感傷だろうか。
さる高名な詩人が一人、自作の詩を朗読しにやって来る。 コージ苑と同年代の日本人なら、必ず一つはこの人の詩を読んでいるはず。 だって教科書に出ているんだもの。 「あるいはネリリし、キルルし、ハララしているか」 このフレーズに聞き覚えがあるでしょう。その人です。
昔の金持ちの家だという、旧市街の瀟洒なお屋敷でそれは行われた。 出演は詩人とピアニストであるその息子、トロンボーン奏者の三人。 清々しい詩もナンセンスなものも、楽しいのも哀しいのも色々あったが、 学生たちに人気だったのは、メロディーつきの「かぼちゃ」の詩。
一昨年は女に子供をうませたりしたが、 今では女に食われてばかり。
このフレーズに彼らはいたく感激したらしい。
※※※※※
さて、朗読会の後は麿君の送別会。 お客様と夕食の大使館メンツより一足お先に買物をして、 七味屋さんちで飲み始めていた。 と、部屋の主から電話がかかる。
「今終わりました。で、彼らも来るって言ってます」
おっと。 何だそれ。
どうすりゃいいんだろうとぼんやりしてしまったコージ苑を尻目に、 Y先生は落ち着き払って学生たちに召集をかける。 結果、とんでもない人数で飲み会が行われた。 本日主役であるはずの麿君は、人の群れから離れて静かに飲み食いしていた。
コージ苑は3時過ぎにドロップアウトしたが、 ほとんどの参加者は5時6時までがんばったんだそうだ。 最後まで元気だったのは、一番疲れているはずのゲストの彼ら。 そしてその後、哀れなり部屋の主は、全員を自宅までピストン輸送した由。
こんな「ちょっと考えられないこと」が起こってしまう。 これだから小さい国はおもしろい。
ちょっとしたことなんだけどね。
朝一の授業の出席人数が相変わらず最低だったとか、 コピー機がぐずって中々動いてくれなかったとか、 予想外の来客で何となく落ち着かなかったとか、 料理の手際がうまくいかなかったとか、 読書中ちょうどいい所で電話が鳴って、しかもそれが間違いだったとか。
ちょっとしたことなんだけどさ。 ね。
管理人のおばちゃんが、コージ苑を見るなりこう叫んだ。 「★φ†Θ∞!」 さっぱり分らない。 通じないと見て取るや、彼女はあたふたと自室へ入り、来い来いと手招きをする。 そして突如、こいつには英語しか通じないのだと思い出したらしく、 「来てるのよ、ここにあるのよ」と繰り返す。 …何が?
正解は、親からの小包でした。 どうやら数日前にやってきた郵便配達人が、 届け先不在のこれらの荷物を持ち帰るのをいさぎよしとしなかったらしく、 (というより単に面倒だったという可能性の方が高い) そのまま気前よくポーンと放っていったらしい。
管理人室の前に。
…おのれ郵政省(正式名は知らんけど)… 遠い日本からやってきた両親のあふれんばかりの愛がつまった小包を、 ポーンと放るとは何事だポーンと。 中身は米やらカイロやらお菓子やら、涙というより涎が垂れそうなものばかり。 勿論、恒例の両親文庫もね。ありがとうお父さんお母さん!
と、アタタかいココロになったコージ苑は、後ほど彼らからメールを受け取る。 「コージ苑ちゃんへ。小包届きましたか。ところでF県の家のことですが…」 (この後延々と彼らの「家」の改造っぷりが描写される)
負けた。無機物に。1対10ぐらい(文章量比)で。
郵政省。 もうポーンと放っちゃって、ポーンと。
先日行われたスピーチコンテストの優勝者、ローラちゃん。 彼女は興奮冷めやらぬ週前半を送ったらしく、 そのテンションときたら、『マークスの山』のいわゆる「明るい山」。 (註:作中の犯人が躁状態の時、そのノリを指して言う。) しかも、明るい山の頂上からさらにハシゴをかけて、 太陽にまで登ろうとせんばかりの様子はまさにイカロス。
そんな彼女、配布したプリントに突然がばっと覆い被さり、 蛍光ペンで何かを書きつけ始めた。 マークしているにしては上下左右に勢いよく動いているその手が気になり、 問題を解かせている時にそーっと覗いてみた。
そこにはページ一杯に、 「肉が食べたい」 とあった。
あんたって奴は…(涙) (しかし日本語で書くあたりはいじらしい)
中途半端な時間に朝昼ご飯を食べた。 当然のように、中途半端な時間におなかが減った。 もう夕ご飯にしちゃおうかな、と思いたくなるほど胃は空っぽであるが、 夜中に再び空腹になる事態だけは避けたい。 だって太るじゃん。
耐えるなら今現在の空腹か、数時間後の空腹か、 そんなことで割と真剣に悩んでしまう自分は、情けなくも幸せ者なのだ。
※※※※※
米原万里『オリガ・モリゾヴナの反語法』 エッセイ、ではなくて長編小説。 主人公の名前をそのまま筆者に置き換えられるんじゃないかって程、 ノンフィクション的フィクションである。 や、本当にフィクションだよな…?←読み終わっても懐疑的 題材はお馴染みソ連体制の中で生きた人々のこと。 しかし、読後あれこれと考える余地もなく、 ただ単純に「面白い!」という言葉が出てくるような、そんな本。
3月17日 ここにいるうちに 数日前の不安をよそに、冬はここから遠ざかる気になってくれたようだ。 暖かくなると穴から出てくる虫のように、 人間も多かれ少なかれ行動的になり、そして町に活気が戻る。
コージ苑達も例外ではない。 冬の間は(仕事も含めて)極力外出したくなかったというのに、 気温の上昇と共に旅行熱もあがってくる。 ここL国は、各種ガイド等には辛うじて「欧州」に分類されてはいるが、 地図から得られる視覚的位置はむしろ「ユーラシア」。 必然的に、在留日本人の興味もそちらに向かう。 (というよりも、そっちに興味のある人間が集まっているケースが多い) こちらにいるうちに行きたいね、という場所は例えば、
サンクトペテルブルグ モスクワ カリーニングラード ミンスク キエフ ザグレブ ベオグラード プラチスラヴァ
さあ、あなたは頭の中の地図にこれらの都市を配置できるか。 (コージ苑はできません)
※※※※※
米原万里『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』 こちらも、ロシアにとりつかれた女性。 この人の体験は疑い様もなく珍しく、貴重でしかもいちいちドラマティック。 国籍も事情も三人三様の学友各々が送った半生は、 どれも(ある意味で)旧ソ連に翻弄されまくったものであったと思う。 体制の存続中も、崩壊した今も、それは頑として人々に影響している。 自分は何一つ知らない人間だけど、ここにいてそんな風に感じる。
ベルンハルト・シュリンク『朗読者』 惹句には「16歳の少年と、35歳の女性との切ない恋」とあるが、 こいつはそんな生易しいものではない。 過去の出来事(例えば戦争)を我が物のように実感するということ、 他人の心情(例えば恋人の)を真にわかろうとすること、 つまり「自分の身に置き換える」という作業がいかに困難であるか、 そして時にはいかにそれが空しい作業であるか、 作者はそれを「恋物語」にのせて訴える。
ケンタロウ氏の自宅改造計画は止まらない。
本日のメインターゲットは勉強机である。 驚くべき事に、彼は学生なのである。←失礼なコージ苑 目星をつけているという店を数件まわり、 結局一番安値の組み立て式机を購入。
本日第2のターゲットは電気のスイッチカバーである。 驚くべき事に、彼は細かい所にこだわるのである。←失礼極まりないコージ苑 木目がいいか、色つきのがいいかと散々悩んだ挙句、 結局一番安値の白いスイッチを購入。
で、これらを「使えるようにする」と。
コージ苑は所詮役立たずなので、大人しく夕食を作る。 その間、ケンタロウ氏と七味屋氏はドライバー片手に日曜大工。 このネジはどこだ、それが先だと騒ぎながらも、 机スイッチともに、約3時間で完成。ついでに料理も完成。 仕事の後のビールはね、おいしいよね。
ご満悦のケンタロウ氏、「後は壁と床だけやね」と言う。 壁と床って…「後は〜だけ」でくくれるレベルのものじゃないような…
君の行く道は果てしなく遠いのだ。(最近歌ネタ多いよな)
昨夜は打ち上げと称した飲み会をやり、 どろどろに疲れていたコージ苑は見事につぶれてしまったため、 (しかも記憶なし。こわい。) 結局自宅に帰れなかった。
で、帰宅は夕方近く。 久しぶりにお湯をためておふろに入ると、 疲労物質がじわっと溶け出すようだった。 酒の後のことで当然水が飲みたくなるし、 今日のコージ苑にはクラゲ並みに水分が必要だ。
そういえば、クラゲにも疲れはあるんだろうか。
※※※※※
時間ができたぞう!とばかりに、読みかけを片付け。 眠いくせに。
グレアム・スウィフト『ウォーターランド』 舞台となるイングランド東部の湿地帯は、コージ苑が99年に留学していた地方。 親近感がわいたので、やけに分厚いこの本を借りてきたのだが、 物語全編が水のようにゆらゆらとゆれながら「おとぎ話」を形作っている、 その書きようにすっかり浸水、じゃなくて心酔。 随所に使われる「子ども達よ」という呼びかけが後に残る。
年が明けてからのコージ苑は、この日のために生きてきたようなものだ。 去年の資料を読むところから始まって、 スポンサー探しに参加者募集、大使館への協力要請、学生の指導などなどなど。 この一週間はろくに寝られず、(曲がりきっているとはいえ)お肌が荒れ、 しまいには自分でもわけのわからないことを口走るという、 まさに疲労度レベルE。
というわけで、スピーチコンテストである。 L国のそれは今年で第2回。 まだまだ試行錯誤の段階で、従って規模は小さい。 しかし今年は、幸運にもスポンサーがつき、 優勝者には何と、日本への往復航空券と滞在費が送られる。 …いっそ自分が出たかった。そして日本へ行くのさ。
会場は大使館。 コージ苑とY先生は準備があったので、開場1時間前に出動した。 ここ最近着る機会が減ったスーツのせいで、ちょっと動きにくい。 ありゃ人間の行動を制限するための服だな、本当に。 何だかんだで時間は過ぎ、あっという間に開始時間。 聴衆は約40人、報道も来ていたので学生は緊張しまくり。 コージ苑は司会だったので、彼らと向き合う形になっていたのだが、 時々すがるような目をしてこちらを見ている。 声をかけてあげられないのがつらいところ。
今回の共通テーマは「私が学んだ日本」(すいませんねベタで)。 後の講評で言われたように、かなり抽象的なテーマであったが、 学生達は(ぎりぎりだったけど)良く頑張って自分なりのスピーチを作った。 それぞれのタイトルは以下のとおり。 ・日本の二つの顔 ・文化理解の二つの方法 ・日本料理 ・自然に関わる行事〜お花見とリーグォ(夏至祭)〜 ・幻の日本 ・日本の独自性はどこからきたか ・アジアを知らない外国人 ・日本を理解するということ
発表者の持ち時間は、5分プラス質疑応答約2分。 やってみるとわかるが、5分喋るというのは結構大変なことだ。 ましてや彼らにとって、日本語は外国語。 暗記するのはさぞかし大変だったと思う。 ほぼ完璧に出来た学生もいれば、途中でつまってしまった子もいた。 それでも皆、顔を真っ赤にしてよくやっていた。 と思うのは、親バカならぬ教師バカ?
優勝者は、あの「女優」ローラちゃん。 表彰の時も閉会後のレセプションでも、 信じられないといった顔で呆然としていた。 彼女は来月からの韓国短期留学も決定しているので、 この半年はアジア漬けの生活ということになりそうだ。
ローラちゃん、あのね、先生お願いしたい事があるんだけど。
キムチと柿の種と「ごはんですよ」買って来てほしいなんて言っちゃだめ?
学生に借りたCDを聴いてみた。 ジャズというかフュージョンというか、中々良い感じの音楽である。
ただ、1曲目の歌詞でコージ苑空耳アワー。 どうしてもどうしてもどうしても、
「まったーり、まったーり、まったーり」
と連呼しているように聞こえるんですが。
仕事大詰めの日に聞くにはちょっとばかりつらい。
ちなみに、ドイツのDE|PHAZZというバンドです。 興味が湧いたらどうぞ、これを聞いてまったりするとよろしいです。
この数日は本当に暖かかった。 春はすぐそこだと思っていた。 春のうららの隅田川に、つくしの子が恥かしげに顔を出すんだと思っていた。←古
しかしコージ苑は甘かった。 いきなり冬が戻ってきたかのようなこの寒さ、この暗さ。 寒いだけでなく、風も強いから始末に終えない。
もしかして、L国にも春一番っていうのがあるのかもしれない。 この風が止んだら空の色が変わる、そんなものであってほしい。
そうじゃなかった場合の事は…考えたくない。
毎週火曜日、R市内某所で民族ダンスの集いが行われているそうだ。 過日、学生に教わってすっかりその気になった男性陣が今日、それに臨む。
しかし彼ら、「一杯やらないと踊ってられない」と主張し、 戦場に赴く直前、夕食がてらビールをひっかけていった。
ま、一杯じゃなくて二杯半はあったかな。
彼らに良きパートナーが見つからんことを。 (実際は相当女性があまっているそうで、そんな状態で男性があぶれていたら、 それこそ悲劇を通り越して喜劇である)
ホラー、と銘打たれた本を読んだ。 途中、怖くなる暇もなく眠気がおそってきた。 結局、「ぎゃっ」とか「ひぃ!」とか「けけけ」とか、 活字で見ても臨場感ないのね。 やっぱり効果音って大切だよな。
ということで、その本はこちら。 長坂秀佳『弟切草』 当時かなり人気のあった同名ゲームの小説化。 パソコンに落としてやったことがあるけど、夜に一人でって怖かった記憶が。 (しかもそれが留学中の大切な時期であったということは秘密である) やっぱり息抜きって大切だよな。
どうやら話が確定したようなので、日記で公開。
コージ苑は結婚します。
すみません、嘘です。 ちょっとやってみたかっただけさ。 本当はこちら。
コージ苑ちは、来年から九州O県を離れてF県に引っ越します。
これも、一部友人以外には「…だから?」レベルのお話。 申し訳ない。 正確に言うと、両親がF県に土地家屋を買ったのだ。 しかも、普通なら見向きもされないような物件である。 何て言ったって神社の鳥居のすぐ手前。 要は、神社の脇によくある、いわゆる「茶店」。
話は、年末にまで遡る。 数年前から、退職後には土地を買ってのんびりしようと思っていた母は、 ことあるごとに不動産を巡っていたらしいのだが、 パソコン導入とコージ苑帰省をきっかけに、 本格的に探そうという気になったらしい。 何故なら、彼女は「ネットで検索」という魔法が使えないからである。 コージ苑もそういうのは嫌いではない方なので、 O県F県の不動産情報をあれこれと探していた。
そして運命の出会い。 コージ苑は、それを見てゲラゲラ笑った。 「ねえねえ、これ見て〜、こんなのも出てるよ」 それは「A神社、茶店」と銘打たれた物件であった。 昭和初期の木造建築。土地は急勾配の丘の上。しかも茶店。 誰が買うんだこんなもん、というニュアンスでコージ苑はその時笑ったのだ。 それを見て、両親は異口同音にこう言った。 「あ、これいいじゃない」 あまりにも予想外の彼らのリアクションに、コージ苑は石化した。
その後の話は早かった。 正月だというのに物件を見にF県に出かけ、 コージ苑の出発を見送るという口実を設けてまた出かけ、 遂に今週、売買を正式に契約したらしい。 かくしてコージ苑の「実家」は神社の前の茶店になった。
そして娘をのけぞらせた両親の行動がもう一つ。 彼ら、契約金をその場で全額、
現金(当然ウン千万円)
で払ったらしい。 自宅からJRに乗ってF県まで、手持ちで行ったのか… 小心者の娘は、それを聞いただけで三杉君の心臓だった。 不動産屋の主人は、 「いやあ、こういうのは久しぶりに見ましたねえ」と言ったらしい。 そうだろうとも。 んなもん、日常的に見てる人間なんて絶対まともじゃない。 さらに父、その数十センチの札束を、写真に撮ったんだそうだ。
…… …見せろ。←所詮こいつは小市民
言葉の使い方間違ってるしね(タイトルのことです)。
苦節半年、コージ苑ちの「改良」が一段落した。 苦節というには半年は微妙に短い気もするが、 その間の精神的苦痛を考えると、イスカンダルより遠かったこの道のり。 (しかし、半ば面白がってたコージ苑ってばちょっとM)
昼前にやって来たのは、毎度お馴染みクリスティとクリスティパパ。 彼らは1本ずつカーネーションを持っていた。 「女の子の日おめでとう」 …コージ苑、生理始まって相当経ちますが。 あ、違うんですかすみません。 「女の子の日」という、ロシア系にとってかなり大きなイベントの日らしい。 日本だと「国際婦人デー」とかいうのにあたるんだそうだ。 コージ苑はそんなこと全然知らなかったので、 クリスティにあげるお花を用意していなかった。ごめんね。
先日やり残した風呂場の壁を塗っていたかと思えば、 台所でガンガンやり始めたパパ。 何だ何だと思っていたら、驚いた事に水道の蛇口が新しくなっている。 すげー。どっちからお湯が出るかちゃんとわかるよ。 しかも排水溝まで付け替えてくれたので、もう流しは徹底的にピッカピカ。 他にも、玄関脇にコートをかけるための釘を打ち込んでくれたり、 鎖ごと外れていたバスタブの栓をネジでつけてくれたり、 コージ苑の快適生活のために、彼はこまごまとやってくれたのだ。 風呂場ももちろん、まるで別の部屋のように明るく、きれいになった。
自分は彼の娘をたまたま教えているだけで、彼に何をしてあげたわけでもない。 それなのに、たまの休日をつぶして来て、ここまでやってくれるのだ。 日本にいたら、多分こういう事は滅多にないだろう。少なくとも都会では。 都会の、あの「孤独であることの自由」を謳歌する生活も心地がいいが、 こういうのも悪くないなあ、と、コージ苑はつくづく思うのだ。
まあね、単に入居当時のコージ苑ちが、 人として放っておけない位ボロかったって可能性もあるけど。
※※※※※
森博嗣『今夜はパラシュート博物館へ』 短編集。 好みのそうでないのと色々あったが、とにかくどれも「気の利いた」話。 コージ苑、個人的には「ゲームの国」があほくさくて面白かった。 時々出てくるアナグラムの元の言葉を考えて、読むのに時間を食ったけど。
双方の都合があわず、今日が今年初めてのマルティン氏の日本語レッスン。 マルちゃんは年が変わっても、相変わらずのスローテンポ。
↓こんな感じ
「冬休みの勉強はどうでしたか?」(一応英語) 「ン――――-ン、ソ―――――ゥソ――――――――――――――――ゥ」 「宿題は?」 「オ――――――ゥアイフォガ――――――――――ット、フフフ―――ン」
初めて聞いたときには、こいつやばいんじゃ…と思ったものだが、 今ではすっかり慣れてしまったコージ苑である。
今日の文型は「これ/それ/あれ は A の Bです」。 練習文。「これは、○○さんの机/傘/手帳です。」 コージ苑、○○を与える。「ディディエさん」 マルちゃん、答える。「これはディディエさん、フフ−ン、の机」 「『です』は?」 「ア――――――ン、机です、フフン」 (註:彼は彼なりに真剣なのである、念のため) 「じゃあ、麿君」 「これは、麿君の傘です」 「Aさん」 「これはAさんの手帳です」 「うーん、じゃあ、七味屋さん」 「これは、七味屋の机です」
…なぜ、彼だけ呼び捨て…?
スピーチコンテストが来週に迫っている。 本来ならばとっくに原稿書きあげて、暗記の練習に入っておくべきところ。 しーかーしー、まだ出していやがらない…おっと先生口がすべっちゃった、 出していない学生が数名いるのだ。 今年は奇跡的に豪華な賞品が揃えられているというのに、 そのありがたみを彼らはちっともわかっちゃいない、のかもしれない。 今日は昼までで授業が終りなんだけれど、コージ苑は仕方なくこう言った。
「今日は5時まで大学にいますから、書いて持ってきなさい」
彼らはこう答えた。
「はい」(この返事覚えておくように)
そしてコージ苑は待った。 待った。 待った。 あたかもメロスを待つかのように。
そしてメロスは誰一人として来なかった。 おいおい、この場合自分死刑?もしかして死刑?
………コージ苑の青春を返せ――――――――――――!(号泣)
ま、ね、自分の学生時代を思い出すと正直怒れないんだけどね。
※※※※※
何せ時間がたっぷりあったから本1冊読んじゃってさあ、 って、声が震えてるのわかる゛?
灰谷健次郎『わたしの出会った子どもたち』 いい子ばっかりだよう、これに出てくるの(泣)。 どこかの誰かも見習いやがれ…おっといけない、先生また口がすべっちゃた、 どこかの誰かさまも見習われるとよろしくってよ。 とにかく、この人の作品に共通する特徴として、 悲しさの中から生まれる透明な優しさが心にじぃんとくるのだ。 うんそうだよね、だったら今のコージ苑、 限りなく透明に近い(でもブルー)のね。 あー疲れた。
Aさん宅で夕食をごちそうになる。 カレーとサラダ、焼きキノコに赤ワイン。 何てまっとうなメニューなんだ。
彼女の家には、ノルウェーだったかスウェーデンだったかの猫がいる。 名前はフレイヤ。 これは彼の地の言葉で「愛の女神」というんだそうだ。
…なるほど七味屋氏の方にばっかり行くわけだよ。 女性陣が構おうとすると「いやん」て感じで逃げるというのに。
ということは、この場合の「愛」は、少なくとも「博愛」に非ずってこと? ああ女神様。
朝、割と早起き。 朝ご飯を食べて、食料品の買出し。 疲れ気味なので野菜をたくさん、魚と肉もちょっとだけ。 一休みして掃除。 一休みして料理。 合間に仕事。
こんな一日もいいじゃない?
偶然、R市を旅行中の学生3人と知り合った。 せっかくだからということで、夕食を一緒にとることに。 場所は市内中心からちょっと離れた所にある、チェーンレストラン。 実はコージ苑も本店に行くのは初めてなのだが、 着いてびっくり、まるでディズニーランドのような電飾である。 その瞬間、「It’s a small world」が頭をぐるぐる。
しかし結局、本店だろうが支店だろうが、選ぶものは大してかわらない。 唯一目新しかったのは、はちみつのビール。 …けど、ちーっと甘すぎなのよ辛党には。 しまいには、唇がぺたぺたしてきて、我慢できず普通のビールを追加した。
旅行中の彼らは、某都内キリスト教系大学の学生さん。 卒業を間近に控え、今回は中欧を半月ほどまわる予定だとか。 ダッカさんの怒涛のギャグ攻勢にもついてこられるなんて、若いっていいわあ。 (ちなみに、このセリフが頻繁に出てくると過ぎてしまった時間を感じる) 上階で夕食を食べ、地下でビールを飲み、 それでも飽き足らず(何しろ彼らのバスは夜中の3時出発なのだ)、 明日仕事の七味屋さん宅で二次会の話がまとまった。
コージ苑はここでドロップアウト。 ごめんね、最近本気で体調がつらいのよ… (人生で、酒を比較的長期に渡って飲みたくないと思うのは初めてだ)
大掛かりな買物に出かけるたびに、某大手デパートの歌を歌ってしまうコージ苑。
本日は、ケンタロウ氏のお引越し。 春に来る愛妻を迎えるために、 彼が選んだのは中心街にある2部屋のアパートだった。 交通便利、買物至便。愛だねえ。 まあそりゃどうでもいいが、とにかく引越しにはそれなりの買物が必要。 とりあえずシーツがなきゃ眠れない、ということで郊外のモールへゴーゴー。
巨大なショッピングセンターの中でも比較的安い店に絞り、 お目当てのシーツ一式と掛け布団を探すケンタロウ氏。 ところが悲しい男のお買物、どれが枕でどれが敷布団シーツなのやら分らない。 仕方がないので、コージ苑とY先生が「これはそこ、あれはどこ」と指示を出す。 ケンタロウ氏個人は、安けりゃどうでもいいという、 男らしく、かつ微妙に投げ遣りな態度で選択に臨んでいたのだが、 枕と掛け布団のシーツセットを選ぶに至って、はたと困った顔をした。
彼の奥様は、どうやらピンクが好きらしい。 彼女が来れば、恐らく部屋中ピンクに染まるであろうというのが彼の見解。 そして、安くはないシーツセットを買うのに、 一応彼女の好みは考慮せねばならない、んだそうだ。 (なぜなら、下手なもん買っておいたら怒られる事間違いないからである) 既婚者はたいへんだのう。 彼の目の前には今、オフホワイトと草色の地に、 バラの蕾の柄がついたシーツがある。 ケンタロウ氏は溜息をついてこう言った。 「なんで俺がこんなもんで寝らなあかんねん」
はい、お気の毒。
2003年03月01日(土) |
as you like |
2003年も6分の1(←中途半端)過ぎたというのに、 今頃新年会と銘打って学生を呼び、餅を食べる会を催した。 とはいえ、それだけでは場がもたないので、お好み焼きもメニューに追加。
買出し部隊が揃って寝坊という体たらくにも関わらず、 フードプロセッサーの大活躍により、準備は何とか間に合った。 (もっとも途中、キャベツの千切り派とみじん切り派の攻防があったのだが) 学生の顔ぶれを見て、自分のお気に入りの女の子が来ないとわかると、 明らかにがっくりするケンタロウ氏。 この人不純というか単純というか、それとも純情というか…
出てきた物体を最初は遠巻きにしていた学生達だったが、 勇気ある一人が箸をつけると、他の者もおそるおそる口にし始めた。 一旦わかってしまえば後は早い。 今度はこれ、次はあれと、食べ方がどんどん加速する彼女達。 一人がこう聞いてきた。 「お好み焼きはどういう意味ですか。」 日本人の誰かが答える。 「うーん、自分の好きなものを焼いて食べる料理だからかなあ。」 「じゃあ、すき焼きの『すき』も同じですか。」
それは違うはずなんだけど…じゃあすき焼きの「すき」ってなんなんだ… (確か漢字は「鋤」だよな)
|