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■ 青と白のチューブ
ぶにゅっとチューブをひねり、歯ブラシを口に入れたとたん、おえっ、と 吐き出してしまった。なんだ、この不味さは、と、左手ににぎられた 青と白のチューブを見る。あああ、これは洗顔フォームさまじゃないですか。 口の中の不快感と情けなさで、涙がでそうになった。
で、ふと思い出したこと。
むかし、仲間うちである男の子の部屋に泊まったときのこと。 「顔、洗わせて」とひとりの男の子がユニットバスに入ってゆく。 さっぱりとした顔で戻ってきて、みんなでしばしの団欒。 次に家主の子が「ちょっとトイレ」とユニットバスに消え、次の瞬間飛び出してきた。
「おまえさ、もしかしてコレで顔洗った?」と手に握られていたもの。 それは白いボトル。「コレさ、お風呂洗いの洗剤なんだけど」という。 賑わいでいた部屋の中がしんと静まりかえる。(ゲネラル・パウゼ)
「あ、でも、オレの顔、なんともないよー。つっぱってもないし」 と例の男の子は声色ひとつ変えずに返事する。「・・・あ、それならいいけど」 と家主の子は再びトイレに消えていった。わたし、抱腹絶倒しましたさ。 なんというナチュラルな生き方よ。君のツラの皮はさぞ厚いことでしょうに。
それを思い出したら、歯磨き粉のチューブと洗顔フォームのチューブを 許してあげることにしました。別に奴らに罪はないのだけれど、ただ、なんとなく。
2002年01月31日(木)
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