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■ 墨汁の匂い
長野の山あいに住む叔父からメールが届いた。 「初めてのメールです」と書かれた電子文字に、叔父の達筆な書が重なる。 たっぷりと墨を吸った筆で勢いよく、丁寧に書かれた文字。 うっとりするほど美しく、私は叔父からいただいた封書の宛名をときどき眺める。
叔父のメールは手紙のときと同様、四季の移ろいがつぶさにしたためられ、 簡潔で勢いよく、そしてちょうど良い体温を感じる。ぬくもりのある言葉。 感じることや想うことが似ているのは、どういう因果なのだろう。
初夏に訪ねたときに嗅いだ新鮮な土の匂いや、薄緑色の山々を思い出す。 ああ、ほんとうにメールって便利なこと。 ぐにゃぐにゃした私のイマジネーションは、 自由自在に世界を見せてくれるようだ。
2001年08月27日(月)
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