夕べは、久しぶりに大腸癌から癌が再発した知人の病室を見舞いました。 大腸癌そのものは切除して人工肛門に切り替え…1年後の最近、リンパと肝臓に移転しているのが発見されたのです。
癌細胞そのものは肉眼ではわかりにくい部位にあるとお手上げで、仮にメスをいれてもキリがないらしいです。かなりシンドイ点滴の抗癌治療をしているようでなかなか見舞うタイミングがはかれませんでした。
普段はウサギさんにおびえる彼ですが、今は、プロレスラーにでもキレるので、もうちょっと待って下さい。と、本人からメールが来ていたからでした。
彼は、本来なら今月退院する予定でした。
週に1回の抗ガン剤治療がもう「1クルー」伸びるから、退院予定も延びました。
「吐いてでも、自分のクチで喰う!」と点滴の栄養を拒否している彼です。 たこ焼きのリクエストがあったので退社後に買って持っていったところ…病室に本人の姿が見えませんでした。 しばらく待ってみたものの…戻ってくる気配がないので、スグ隣にある談話室に行ってしばらくテレビをみていました。ゼンマイ仕掛けのようなユルリとした動作が可愛い入院患者ジィちゃんが2人居ただけでした。 談話室から外の気配はみえるのですが、そのうち、若いお姉ちゃんが彼の病室に入って行きました。わりと血相を変えていたので『もしかしたら彼女かも?』と想像したんです。
ただでさえナーバスな病気にナーバスになっている彼女でしょう。 刺激しないで帰ろうと、同じ病室に入ろうとするジィ様患者さんにたこ焼きを託して帰ろうと、エレベーターで階下についた途端、携帯電話がなりました。
彼が階下まで降りてくるというので、あわてて「私があがります。」と制して戻りました。どうやら彼女ではなかったようです。交友関係がひろく若いお姉ちゃんが大好きな彼の元へは、女の子の見舞いが多くて、どれが本命の彼女か判別しにくくブッキングしないように非常に気を遣います。 彼がいうには『別に本命はおらんけれど、一人だけ、気持ち的に近寄ってきてる女の子がいる。』らしいんです。 いきさつ等聞いていると「なるほど、その気にさせちゃうね。」というような手段で籠絡しています。じつに、ズルイ男です。(笑)
それだけ一緒に居てお話ししていたい気分にさせてしまう引き出しのとても多い男でもあります。
さて、大の男が意識朦朧とし、自ら命を絶ちたくなるほどの抗癌治療をつぶさに聞いて、恐ろしさに身震いしました。 私ならきっと耐えきれないでしょう。
つづく…
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