雨に佇んだからといって、すべてが洗い流されるわけもなく。知ってか知らずか、傘をさし。当然のように、傘をさし。雨ふる道に、傘をさし。雨に濡れたからといって、すべてが洗い流されるわけもなく。知ってか知らずか、傘をさし。当然のように、傘をさし。雨ふる道に、傘をさし。なんて、余計な想いと傘もって。雨ふる道に、傘もって。
冷夏の夜アスファルトに鳴く鈴虫の行方は知らず明日も居りなむ