2004年06月16日(水) |
ロリヰタ。/嶽本野ばら |
++ ゆるされぬ僕達の想いをつないでくれるのは携帯メールだけだった。(帯より抜粋) ++ これぞ野ばらさま。 イメージどおりと言うとおこがましいですが、私のもつ野ばらさまのイメージどおりの小説でした。 でも、この小説の「僕」が野ばらさまご本人だとは、決して思ってはいません。そこまでドリーマーではありませんので。 「君」が「僕」を「王子たま」と呼びます。私もひっそりと野ばらさまを「王子たま」と呼ばせていただきます。 もうひとつ収録されている書下ろしの「ハネ」。 これ、いままで読んだ野ばらさまの小説の中で、私としてはベスト。 metamorphose temps de filleのお洋服に真っ白い羽を背負った「私」が表参道に露店を出していたら、私も足を止めてしまうかもしれません。
「(略)気持ちって、言葉なんかじゃ、半分も伝わらないの。(略)何かを伝える為に言葉はあるけど、でも言葉だけじゃ気持ちは少ししか伝えられなくて、だから好きになると、手を絡いだり、抱き締めあったり、キスしたりしたくなるんだと、思う」
嶽本野ばら:ロリヰタ。,p.156-158,新潮社.
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2004年06月14日(月) |
パッチワーク/嶽本野ばら |
++ ロリータから淑女まで全ての乙女の為のデパートメントストアへようこそ(帯より抜粋) ++ BABYのお洋服(?)をお召しになった野ばらさまのお写真、三十路後半とは思えません。すてきです。オーラがあります。 いつの日か立派な乙女になって、野ばらさまの前に、と思ってからもう○年。少しは乙女に近づけているでしょうか。
乙女は自分自身の感性や美学だけを信じて生きるものです。だって、一番大切なことって他人にどう思われるかより自分がどうありたいかでしょ。(略)乙女とは学習してなるものではなく、自分の中から見付け出す、貴方だけの流儀なのです。貴方が素敵な乙女になったなら是非、お逢いいたしませう。その時、僕達は固い握手を交わせる筈です。
嶽本野ばら:パッチワーク,p.57-58,扶桑社.
![](http://www.bk1.co.jp/bookimages/02/25/45/98/022545980000.jpg)
2004年06月11日(金) |
妄想炸裂/三浦しをん |
爆笑エッセイ。 こんなことを日々考えてる方が、あんな小説書いちゃうんだ…と変なかんじ。でも近いものを感じてしまったりも。
でも、盆栽ってすごいんだよ。『皇室の盆栽』という大判の豪華本があるのだが、それに載っている盆栽はどれも、ため息が出るようなものばかり。樹齢も三百年とかで、盆栽と言っても一メートル以上あるのだ。三百年ですよ!代々、その盆栽の手入れをしてきた家があるにちがいない。 「父上!将軍様の黒松が松食い虫にやられ申した!」 「なにぃ!かくなる上は、死んでお詫びを……杉乃進、介錯いたせ!」 「ち、父上ぇぇぇ」 こんな悲劇もあったであろうよ。くうう。
三浦しをん:妄想炸裂,p.154,新書館.
![](http://www.bk1.co.jp/bookimages/02/38/16/26/023816260000.jpg)
2004年06月07日(月) |
それいぬ 正しい乙女になるために/嶽本野ばら |
++ 九十年代、乙女の聖書として語り継がれし、伝説のエッセイ(帯より抜粋) ++ 以前、この文庫版を読みましたが、絶版になったハードカヴァ版を目にし、即購入しました。 このエッセイを連載していた頃から、もう10年以上も経っていますが、やはり野ばらさま。今も昔も変わらず野ばらさま。 野ばらさまの本を読むと、こんな乙女にはなれないと思う半面、なってみたいとも思うのが不思議。 正しい乙女を目指して、自分を鎧って日々精進いたします。
貴方は悲しいくらいに変わりません。そんな貴方だから貴方は僕を好きになり、僕は貴方を愛しいと思ったのです。僕達がまだ出逢っておらず、この先数十年して、互いに今の面影なぞ全く失くしてしまってから初めて挨拶をかわすことになったとしても、きっと僕は貴方を好きになるだろうし、貴方だって僕を好きになるに相違ありません。左様なら、同じ国に棲む人よ。僕のことは忘れても、貴方はずっと貴方が愛した貴方でしかないことだけは覚えておいて下さい。
嶽本野ばら:それいぬ 正しい乙女になるために,p.121-122,国書刊行会.
2004年06月03日(木) |
カフェー小品集/嶽本野ばら |
12のカフェーで紡がれる12のお話。 実際にあるカフェーですから、野ばらさまも主人公のように、読書をしたり店内のアンティークに目を向けたりしながら時間をすごしたのかしら、とときめきます。
ここに取り上げたカフェーの殆どは、僕が実際に普段、行き付けているカフェーばかりです。これらのカフェーで貴方に遭遇することも、従ってあるやもしれませんね。その時は、静かに黙礼を交わし合いませう。
嶽本野ばら:カフェー小品集,p.190,青山出版社.
![](http://www.bk1.co.jp/bookimages/02/05/41/47/020541470000.jpg)
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