A Will
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2011年06月04日(土) |
思い出は素敵すぎる。 |
昔、高円寺を良く歩いた。
ひとりでじゃなくて、ふたりで。時々ふたり以上で。
どうしてかな。思い出の高円寺は幸せそのものだ。
夏の夜。 酔って、目に見えるものが面白くて楽しくて。そんなありきたりな感想が、本当にしっくりくる。
わたしが吐いた、数々の嘘を、 保身と、ほんの少しの思いやりの、嘘。
ずっと笑っていたいと願って吐いた、嘘。
わたしにとって、その人は神様みたいだった。ほんとうに。
今でも忘れない、途方に暮れて地元の駅に立ったあの日。 高円寺着終電ギリギリの時間に、わたしは神様に電話をした。
今から行っても平気?って。
にべにもなく神様は言う。当たり前だろって。
出会って2日しか経ってなかった。 断られる覚悟で、ありったけの勇気を込めて聞いたことを、理由も聞かずに快諾してくれた。
思うの。 あの日、わたしはきっと友達を頼れなかった。 言えば迎えに来てくれる人だっていたのに、そうもしなかった。
会いたかったのだと思う。神様に。
神様のことを思い出すと、幸せと感謝と、罪悪感ばっかり。
会いたいな、とは時々思う。 思うけど、それはきっと碌でもないことなんだろうとも思う。
謝りたいとか、感謝したいとか、わたしは未だに自分の気持ちを押し付けるつもりだから。
神様と会わなくなってからは高円寺へは二度と行ってない。
今度、行こうかな。 ひとりで純情商店街を歩いてみようかな。
ひとりは寂しいから、お友達と歩こうかな。
神様は今でも住んでいるのかな。
悩まなくなった。
簡潔に言えばそういうこと。
わたしは、悩んで立ち止まって時間を持て余す能力を、たぶんどっかに落っことして、気付いていたのに拾わずにきたんだ。
すこし正直になったのかもしれない。 悩んだ瞬間に、思う。 わたしの、今いちばんしたいこと。頭に浮かぶもの。大切に思う譲れないもの。
きっと、色んな人を傷つけた。傷つけて嫌がられて、そのたびに、そうじゃないんだよって言い訳したくて堪らなくて、でも出来なくて悲しかった。
嫌われるなら、それで良いと思うことにする。 きっと、縁が切れたわけじゃなくて、その縁の役目がそのときは終わったんだと思うことにする。 きっとまた繋がる縁もあるはずだと信じることにする。
わたしは、だってまだ大好きだよ、と伝えられる日を願うことにする。
好きな男の子を想ってた日々を、幸せだったなと思う。
好きな男の子を未練がましく想い続けてたくせに、別の好きな男にほだされたりして、わたしは本当に恵まれてた。
人生にモテ期ってものが存在するなら(そして誤解を恐れずに言うなら)わたしのモテ期は、あの頃だったんだろうなって。そんな風に思う。
数年前に、変わらないねって言われた。
わたしは、そのときに笑ったんだ。可笑しくて。 変わらないわけないじゃないって。
変わらないわけにはいかなくて、わたしはきっとずっと大人になって、 そして、変えようもないくらい染み付いたものが、たまたま君の目に映っただけだよって。 そんなことが解っちゃうくらいには、変わったんだよわたし。
ねぇ。あなたナシで大人になったよ。
今度はなにを話せば良いかな?
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