A Will
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2007年11月20日(火) 心淫。

あれだけ罵倒し、馬鹿にし、脅し、そして、わたしを軽蔑したであろう、
その男は、いともたやすくわたしを抱いた。

嬌声。

ねぇ、この声が聞きたかったの?


何度も何度も、しつこいくらい、何度も。
懇願も厭いも、均しく扱われるなら、もう手放してしまったほうが楽だと思った。



いつもより早く果てた、その男を、わたしは煙草の煙の向こう側で見つめる。
あの憤りは一体何なのだろう、と思うほど、締り悪い笑顔を向けられた。



抱きたかったのか。

ふと、そう思って、多分そんなこと男自身気づいてやしねぇだろ、と胸中で呟いて笑った。



どんなに怒ってたって、どんなに軽蔑したって、一度抱いてしまえば一緒だね。
征服欲か何かを満たすのに丁度良いのかもしれない。


あぁ。わたしが、あの嬌声の合間合間に、そんな分析をしてるって少しでも気付いたら、今度こそ本当に男はわたしの首を掴んで離さないかもしれない。




それは、それで、結構どうでも良いことだ。


煙草1本分。
わたしの男への愛情なんて、たかが知れてる。



せいぜいお互い、バレないように楽しもう。


まつり |MAIL

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