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2007年11月22日(木) ■ |
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Vol.705 ばちあたりな俺ができること |
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おはようございます。りょうちんです。
俺のルーツを探るシリーズ・その6。 以前にも記したことはあるが。俺の実家では、父が床屋を営んでいる。父は3代目で、俺の曽祖父にあたる人が俺が生まれ育ったあの場所で理容業を始めたらしい。俺がちびっこだった時にはまだあった、「明治40年」と記された大きな鏡。それは店が開業した時に作られたものと聞かされてきた。その話が事実ならば、俺の曽祖父が床屋を始めてから今年がまさに100年目という節目になる計算だ。 市内には今やたくさんの理容店があって、競合もかなり激しいのだが。100年も代々続いている歴史ある床屋は、ほんの数軒しかないだろうと父は言う。でもそれは本当なのだろうか? 実家のあの店が開業したのは、本当に100年も前なのだろうか? そんな疑問をどうしても明らかにしたくて、いろんなことを調べる日々が俺にはもう1ヶ月も続いている。 図書館や市役所に行って資料を手に入れたり、昔の店のことや曽祖父のことを少しでも知っている人に話を聞いたり。それでも決定的な確証はつかめないどころか、調べれば調べるほど父さえ知らなかった事実が徐々に明らかになっていく上、次々と新たな謎が浮上してきて想像以上に簡単には解けない難題なのだと感じずにはいられないのだ。なぜ俺が今、こんなにも躍起になって先祖のことを調べる気になっているのか、正直自分でもわからない。でも何かに憑りつかれたように、この謎を解明したいという衝動に駆られてどうしようもないのだ。 俺は父の跡を継がなかった。父の代までずっと続いていた、長男が家業を継ぎ店を守っていくという流れを、俺は自分の意志で断ち切ってしまった。今になって、父にも祖父にも曽祖父にも申し訳ない気持ちでいっぱいだ。先祖のためにこんなばちあたりな俺ができることと言えば、唯一この謎を解いて店の歴史を明らかにすることくらいなのかもしれない。謎が解けるまでもう少し努力が必要だが、そんな償いの気持ちを込めて奔走している毎日なのだ。
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