1ヶ月ぶりでメンタルクリニック通院。だいぶ具合は良いように感じるけれど、完璧に治ったわけじゃない。そう自覚もしている。でもって、まだ投薬は継続なのだった。だましだまし、ゆるゆると。そう言い聞かせながら毎日を過ごす。油断は禁物。それでも難所は通りぬけたと思いたいし、異動後の一ヶ月を乗り切って、なにかを楽しむ余裕も出てきた。冬場は休日どこへも出かけることをせず、テレビも見ず本も読まず、マンガだって4コマくらいしか読む気にならなかったのだ。
調剤薬局でコルゲンコーワのストラップをもらう。色はブルー。ラッキー。ただきちさんに電話して、池袋に向かう。気になっていたベトナム料理店で鶏スープのうどん(フォー・ガー)、レモングラス風味の炒めもの、生春巻など食べる。異国の香り。
ビックカメラでPHSの新しい機種をチェックして、お茶とドーナツを買って、レイトショー割引とレディースデイでだいぶ割安になった映画館で、『呪怨』を見ることに。神経を逆撫でする、見たくないと思う映像ばかり次々に見せられる、スタイリッシュで新しい(今後ひとつの定型になるだろう、SF映画における『ブレードランナー』みたいな存在になり得る)ホラームービー。オムニバス形式で謎が多く、とことん救われない展開。ラストの余韻もいい。 予告編を見たときの、総毛立つような気味の悪さ、あんなのを1時間半も見せられたら「もう勘弁してくれ」って泣きそうになっちゃうのではないか、とすら思った恐怖、それは本編においては奇妙なことに希釈されていた。濃縮されている分、予告の方が高密度でおっかなかったのだ。いくぶん複雑な思いで映画館を後にした。
なにがイヤだったかと言えば、「惨劇の舞台となる『家』が練馬にある」という設定。いかにも練馬や板橋にありそうな住宅街に、異界へつながる場所がひっそりと存在するなど、虚構と言えど、いや虚構だから余計にか、ぞっとする。そういう後味の悪さ、精神の片隅にそっと根を降ろす狂喜の種子。みたいなものも含めて、稀有な映画ではあった。続編とハリウッドでのリメイクも気になる。
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