四行散歩
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桜の隙間に見つけた月 まるくてぷよぷよやわらかい ピンクに染まる白い月 ウサギのもちはさくらもち
土の栄養 太陽 ほいっ たくさん食べな
飛行機のくせに ちっちゃいしっぽ 夕飯の時間だね うしろすがたが明るいよ
三日月の影につまづいて 四辻を蒼い外套が よこぎった おゝ そなたはタルホかサクタロウか リアルな月夜がふりむいた どきん
ただいま! アパートの門のど真ん中 ふわふわまるまるみしらぬ顔 座蒲団のように でかい猫
お気に入りの古本屋へ ちょっと遠出 うれしい本を 5冊 えらんだ かえりのみかづきにピントがあって 楽しい宴がいま はじまる
きびしい寒さが去ってしまうと 心もこの身もふよふよ弛み たべてもきっとおいしくないな 春の魚はいかがでしょうか
ガードレール 急カーブ 春をむかえる アスファルトの花
ふっと浮かんだ言葉 つかみそこねた 言葉は笑って消えた 消えた そしてそれを追いかけた
偶然をならべて 奇跡をたしかめて 宇宙になかったあたらしいカタチを 洞窟へ (ていねいに) 壁画しよう
今まさに 消えていく おどけた獏がまたやってきた (ゴオオオオオオオ) 天を流るるアラビアの巨大遺跡
川がながれる アスファルトの川 自然と人との なみだとあせよ 溶けせめぎあって あしたをめざせ
環境破壊 食糧問題 対人関係 社会生活 悩みは ひょいと 屋根の上 ひるねは たいせつ 生きるねこ
とても静かに朝の日曜 遠くにぼやける街の心拍 ひとりじゃないけどひとりになっているような 遠い押入れの中の無人島へ流されようか
詩集に引かれたサイドラインを こうして消しゴムで消していると しらない宇宙が浮きでみたり 消えながらまた 広がったりする
今夜は月の大舞台 ステージたかく麗ゝと 地球も星もおよばない 宇宙でいちばんの スター
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