たまの日々

2004年08月10日(火) ビューティフル デイズ

今日は地元の花火大会だ。

正確には、
地元だった街の花火大会の日だ。
今はそこから電車で30分ほどの都市に住んでいる。

毎年かならず8月10日にある、
小さな観光街の、夏最大のお祭りだ。
山間を流れる川があって、凛としたお城がある。
堤防沿いにびっしり露店が並び、
ほどよく狭くて雰囲気があるお祭りだ。
こどもの頃から毎年たのしみにしていて、
思い出がわっと逆流してくるような気さえする。

会社帰りの電車の中に、
浴衣の女の子たちが非日常の彩を加える。
うらやましいな、と思う。
黄色い電灯がぶらさがる、
金魚すくいのお店はまだあるのだろうか?

実家に電話をした。
おばあちゃんの体調がすぐれないらしい。
お盆休みに逢いに行こう。
「今日は花火よ」と母がいう。
なま暖かいアスファルトにぺたりと座って
聴いた花火の音を思い出す。

十五くらいから、
どうしても離れたかった街。
今年こそ、最後だと、
切実に見つめた季節。
ほんの少し離れた今、
こんなにもいとしくうつくしく思い出す。

そんなきもちになるなんて、
思ってもみなかった。




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