もう日記なんかつけないでおこうと何度も思った。
今日こそは日記を書こうって毎日思った。
朝、駅から会社に向かう道で、 会社で、郵便物を取りに行く瞬間に、 キーボードを叩く手をふと止めた刹那、 帰り道、がたんごとんとゆられるからっぽの頭で、 夕風にわんこと夏草といっしょに吹かれるとろけた時間に、 こう表現しよう、 こう伝えようっていくつものフレーズが、 考えて考えて、かんがえてかんがえて、 家に帰るとまったく消えている。 その虚しさ。
決して、 時間がないわけじゃない。 空腹じゃない。 だけど、 十分過ぎるほど時間があるわけじゃない。 幸せがおなかいっぱいというわけじゃない。
そして私はやめることもできず、 続けることもできず、 ぎりぎりの爪先立ちで進退窮まってしまった。
自分で自分の首を絞めているのかもしれない。 いや、きっとそう思われてる。 でもそう思ったからってこの手を緩められない。 ゆるめてしまったら、 きっと私はどっかにいってしまう。 きちんとつなぎとめておいてくれるひとがいないから、 自分がどこにも行ってしまわないように、 息も絶え絶えになりながら、 私はここにいる。
だれかにたすけてもらいたいなんて、 そんな考えそのものが間違いだったから、 ひとりなのはあたりまえだとおもわなきゃ。
ああ、くだらないくるしみ。
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