夕方は強い風が吹いていました。 まだ芽吹いたばかりの小さなプラタナスの葉が、 びりびりと音を立てるように震えていました。
今日もとてつもなく仕事がひまで、 なんとなくそわそわと一日をすごしました。
これから、 新しい生活をはじめるんだ、 と想うのはとても気持ちよいです。 数日前まで、考えたこともなかったのに。 不思議にわくわくするのです。 それは、春のせいでしょうか?
そこかしこで、 明るいつつじの花が派手な垣根をつくっています。
今日も日中は暑いくらいの陽気でした。 私は朝が早いので、 厚手のトレーナーにジーンズといういでたちで出勤。 なのに退勤時にすれ違う大学生たちは、 半袖や肩全開のノースリーブの子までいる。
私の大好きな季節がやってくる。 空も、緑も、花も。 すべて少しうっとうしい程濃くなっていく。
そういうのがちゃんとみれるようになった。 さわれるようになった。
ありがとう。
桜のつぼみがふくらんで、 誇らしげに咲いて、美しく散りました。 今は街中の木々が、 桜よりもずっと鮮やかに若緑を広げている。 今日は気温もぐんぐんあがり、 今年初の夏日を記録しました。
その間ずっと、 私は言葉を失った。
苦しい。
私が私を見失っていた。
でも、 もうこれ以上は耐えられないから、 私は言葉を取り戻したい。
私の言葉は、 私のぎりぎりに追い詰められて自分を裏切ろうとするこころは、 人傷つけてしまう。 傷つけまいとして自分を裏切ろうとする私のこころは、 人を傷つけてしまう。
美人でもない、 頭も良くない、 かわいい訳でもない私が、 誰かに大切に想われるためにはやさしくなるしかない。 ただもうやさしくなるしかない。 何ものぞまないで、 ただただやさしくなるしかない。
私のこころは、 どこかだれもいない野原にひっそりとある涸井戸のなかで、 遠くてちいさい空を見上げ続けるでしょう。
そして私は言葉を取り戻す。 それでも私はあなたに繋がる言葉を取り戻したい。 私はあなたに繋がっていたい。
私からみた真実は、 みんなにとっての真実とはかぎらない。
私がもっと公平で、正確だったら。 誰も傷つけないし、私も傷つかないだろう。
けれど、やっぱり。
私には、 自分の日記を正しいルポタージュにできない。
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