ToY◎StorY
モクジ|カコ|ミライ
パーマネント野ばらで、菅野美穂が、言う。
「うち、狂ってる?」って。
…あたしも、きっと、そう。
普段普通ぶってるけれど
どこかで 突然 おかしくなっていて。
けれどそれは もう日常で
そこから もう抜け出せない。
そんなあたしを救いたいという。
「みっこちゃん平気じゃないやん!
好きな人助けられへんなんて嫌や。
後悔したくないから、俺はみっこちゃんに全力尽くすよ」って。
ねぇ、トビちゃん。トビちゃんは、
いつまで そんなふうに言ってくれるのかな。
好きだよ、って手をつないで
ほんまに好き、って抱きしめて
トビちゃんは ただそばにいてくれた。
今はその優しさにあまえていたい。
あたしはあなたに恋愛感情をもちつつあるけれど
見捨てられて傷つくのが怖いからか
変に冷静であろうとしている。
やっぱり 面倒くさい女。汗
でも今、あなたの存在に救われています。
トビちゃん、ありがとう。
トビちゃんに会いたいなぁ。
あたしが ワガママを言わなければ
あたしが しっかりしていたなら
あたしが 逃げ出さなかったなら
あたしのもってるものの半分を
彼に譲ることができたのならば
彼は 死なずにすんだのではないだろうか。
だからもう ワガママだって言えないし
しっかりしたいと思うし
すべての事柄から逃げたくないと思う。
そしてあたしは
しあわせにはなってはいけないと
心の底では思っている。
そんなの彼は望まないと言われても
その考えが払拭できない。
トビちゃんは言う。
みっこちゃんを助けてあげたい、って。
でもね、みんなそうだったの。
圭ちゃんも みやくんも
最初はそうだった。
でも結局心が開けきれないあたしに苛立って
「なんでお前はそーなん?」て呆れるんだ。
トビちゃんも、そうなのかな。
ぎゅってして。
そばにいて。
頭なでて。
大丈夫やで、って言って。
強がってるけど
本当は 本当は
誰よりも 救われたいのだと思う。
ワガママでごめんなさい。
「男やから女の子に酒は負けたくない」と
ガチ飲みしたい!といわれて
彼と会った金曜日。
ハイペースで彼は10杯飲んでいて
あたしもなんだかんだで8杯飲んで。
酔っぱらっていく様子がおもしろくて
あたしは変に冷静に彼を見ていた。
『みっこちゃん、めっちゃ好きやで』。
そうこっそり耳打ちしてくる彼は
きっと 本当にあたしのことが好きなのだろう。
でもあたしはこたえてあげられなくて
少し苦笑いを浮かべながら
あはは、とかわしてしまう。
ごめんね。
まだ、恋愛の好きだとは言えないんだ。
ただ、あなたのそばは意外にも心地よい。
そんなことに、気づいてきたよ。
いろんなことがまわりはじめた。
仕事も、恋愛も、生活も
また新たな一歩。
好きだけど 恋愛の好きかわからない。
そう言ったら彼は
好きにさせてみせるから、って。
やさしさを利用しているだけなのかもしれないけれど
彼を失うのはなんだか寂しく感じて
あたしの口からでた言葉は
「よろしくお願いします」だった。
好きって、なんだろう?
付き合うって、なんだろう?
あたしはやっぱり
ずるい女なのかもしれない。
いつの間にか変に大人になってきて
少しずつ 感覚がぶれてゆく。
アキちゃんのことは吹っ切れていたはずだけど
やっぱり結婚のことは動揺した。
彼氏彼女な関係と夫婦の関係とでは全然違う。
もう、踏み込んでは行けない領域なのだと
認めざるを得なかった。
そしてそんなとき
『めっちゃ好きやで。付き合って』と
告白らしい告白をされてしまった。
距離を測り直そうとしていたのに。
あたしは延々と自分の面倒くささ、厄介さについて話し、
彼にやめておいた方がいいと促し続けたけれど
彼は『いいよ』の一点張り。
「好きだけど、恋愛の好きかはわからない。
こんな態度を取り続けていたら失礼やし
今日で会うのをやめようと思っててん。
だから嫌な気持ちにさせるかもしれんし、
振り回すこともいっぱいやろうし
ほんまに面倒やと思うよ」。
そう言ったあたしに 彼は言う。
『みっこちゃんに振り回されても、迷惑かけられても
面倒なこと言われても、そばにいたいって思う。
付き合ってほしい』と。
付き合うことを決めた 24歳と1日。
これから、どうなるのだろうか。
やっぱり約束は果たされなかった。
25になってお互いがフリーだったら、
結婚しよう、って。
バカみたいだけど
信じて疑わなかったんだ。
あたしの誕生日はもうすぐ。
25歳まで、あと1年だったのにな。
アキちゃんが、言った。
結婚する!
だから、二次会きてほしい!って。
アキちゃんのバーカ。
「好きな人以外絶対ふたりで遊びにいかへんよ。
勘違いさせられたらいややし
自分でもせーへん」って 彼は言う。
彼はやっぱり
多少なりともあたしに好意を持ってくれている気がする。
けどね、
そこでも知らんぷりしたの。
なんて言っていいか、わからなかったから。
あたしの行動は 彼を困らせたに違いない。
ごめんね。
あたしはあなたのやさしさに
甘えてるだけかもしれないのに。
自分でも、わからなくって
なんにもいえない。
エンピツさんでお世話になりはじめたのは14歳くらいやったから、
もう10年のお付き合いになるのだと、
この日記を読んでくださった方からメッセージをいただいて、
ふと 思い返した。
10年経って24にはなったけど、未だに恋愛初心者だ。
何度したって、よくわからない。
手をつなぐことすら どきどきする。
「女は男次第でよくも、悪くもなる。
だから、いい人と出会えよ」。
そんなこと言われたって、わからないんです。
びっくりするくらい やさしい彼。
女の子の扱いに慣れてるんだろうな、なんて
やっぱりひねくれているあたし。
それでも彼は
暗闇からあたしを引き上げてくれたんだ。
どうしようもない悲しみでいっぱいになって
もがきくるしんでいたあたしに
手を 差し伸べてくれたの。
近づいちゃ行けない。
わかってるのだけど
やさしさが ここちいい。
好きなのかな。
わかんないや。
好きって何だろう。
あたしは ただ
悲しみから救われたいがために
彼を利用しているだけじゃないのだろうか。
しあわせだなって思ったら
そのしあわせが壊れる理由を
こっそり探しているような気がする。。
しあわせが続いて 失うことが怖いのか
自分でもよくわからないけれど
失うなら 壊してしまえと 声がする。
臆病なんだろうね。
そして今は 彼との距離を
もう一度はかりなおそうといている。
かまってもらえないのがさびしいとか
そんな風に思い出してしまったから。
近づきすぎたから 離れたい。
彼から電話がかかってきて
たわいもない話をする。
「はよみっこちゃんに会いたいわぁ」というつぶやきは
聞こえないふりでやりすごす。
「声ききたかったから電話したんやけど、
やっぱ電話はあかんわ。
直接会って話したくなる」。
そんな真剣な彼の声にびびりながらも、
「あはは〜♪そんな風にゆーてもらえて光栄やわ(笑)」と
冗談めかしてかえすあたし。
きっとこういうところが魔性だと言ってるのだろうな(*_*)
彼もなにを考えているのだろう?
なんとなくだけど、好意を抱いてもらってるのかな??
いつまでたっても恋愛初心者のあたし。
好きって、なんやっけ。
同い年の男の子は、
見た目は草食系なのに、中身は肉食系らしい。
思えば最近のあたしの恋愛傾向は
いつも相手からの好意を感じてはじまる。
アキちゃんは例外だけど。
彼からメールがくるのはうれしいけれど
それが恋愛なのかはわからない。
いい人だと思う。
一緒にいて おいしいものを食べて
ああ、しあわせだねーって言って。
「みっこちゃんって、魔性だよね」と言われた。
なにをもってそんなことをいうのだろう?
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