2005年10月13日(木) |
鯉住総理と私8 〜天皇宅訪問〜 |
国会では、女系一統の天皇家に女子が生まれないため、 男性天皇を可にするかどうか、審議しています。
総理はオフレコで天皇に意見を聞くため、今日は皇居に来ました。
うわあ。 私、皇居見るの初めてなんですよ。 東京都の一等地。広大な敷地。 緑の芝生はホームレス1000人収容可能。 ハトバスや修学旅行生がたかっております。 パトカーがいるのを見ると殺人事件でも起きたのかもしれません。
とりあえず私は、 シムシティーで真っ先につぶして高級住宅街にしたことを謝っておきました。
「秘書!来たわよ!」
おー!殺人事件ではありませんでした。 生の天皇が車に乗って、手を振っております。 すかさずチョキを出します。 天皇に勝ちました。
…え?あれ?
総理!天皇行っちゃいますよ?! まさかまたアポなし訪問を――!!?
「アポはお前がとるのよ。行きなさい!!」
がしっ。
!!
襟首つかまれ、私は天皇の車のまん前に放り出されます。
「貴様!何奴!!」
車は急停車、警備員に取り押さえられる私。 その隙に総理は運転手を引きずり出し、急発進。
うわあ…あの人天皇拉致っちゃったよ…
さすが…
総理だもんな…
あの…
私は?
大阪の選挙会場に着きました。
あの、総理、応援演説にあたって一応言っときますが、 候補者の名前は「鈴木太郎」さんですよ。
「わかっていますわ。」
いいですね、「すずきたろう」ですよ! くれぐれもお約束のボケはやめてくださいよ!
「秘書!しつこいですよ!」
ズガッ
や、やめてください斧とか持ち出さないで下さいすみません
「そうね、もうすぐ出番だし服が汚れるといけないわ。」
車の隅で動けない私。 そして渡されるマイク。
「――総理です。 今日は、消費税50%推進派で靖国神社参拝賛成派、 国民年金未払いで私の二十三番目の忠実な下僕、 伊集院権三郎くんの応援に参りました!!」
…なんと言って謝ったらよいのか。
次は大阪の選挙応援に行きます。 新幹線のぞみグリーン席。総理なのでタダです。
「着いたらたこやき買いましょう。」
庶民の心を忘れないってやつですね。
「違うわ。『あの日のあやまちを忘れない・湘南シーサイド』よ」
たこやきに何があったんですか。
総理、次は朝日新聞の取材です。
「追い返して。」
新聞代も滞納してるんですか?
「“総理の一日”に裏新宿のゲイバーで不倫相手の金正日と 裸でよさこい踊って無銭飲食したこと書かれたのよ。」
私はどこにつっこんだらいいですか?
総理、次はテレビ局の取材ですが。
「ああ、NHKだけは入れないでね」
なぜですか?
「受信料払ってないから」
金あるんだから払ってください…
本会議が終わりました。
公営化、可決されたんですか?
「ええ。だって議員の過半数は元カレですもの」
えっ?!
そして国会議事堂に向け全速力で走り出す高級車。
あ、あのすみません、なぜ総理自らが運転を?
「運転手が逃げたのよ。」
に…逃げたって?
「でも大丈夫、マイクロチップ埋め込んであるからすぐ見つかるわ」
そういう問題ではなくて…ていうかマイクロチップって。
「ふふ…今日こそ郵政公営化を可決させるわよ」
公営化?民営化ではなく?
「もっと簡単に言えば私営化ね。 JAバンクにおける“ちょきんぎょ”のように 郵便局は“純ちゃんグッズ”を配布するのよ」
そういうの公私混同って言うんですよ。
「肖像使用料が入ったらお前にも消しゴムくらい買ってやるわ」
安すぎます、総理。
そんなわけで、総理大臣秘書になりました。 服装一式借りてみたんですけど、本当に大丈夫なんですか?
「あの人に限って平気です。 足の手配は済んでるので、とにかくどこでもついて回って、 予定を聞かれたら、そのメモどおり答えたらいいんです。 ただし口答えは絶対しないこと!! わーいやったー仕事ができるー」
バタン。 締め出されてしまいました。無責任だなあ。
えーと、今日の予定は… 会議、テレビ局の取材、新聞のインタビュー、 大阪市長選挙の応援、接待、それから…
と、
キキ――ッ
いきなり目の前に停まった黒塗りの高級車。
「秘書!乗りなさい!」
黒髪美人のこの女性。 すなわち、逆日本内閣総理大臣・鯉住純子である!!
どうやら貧乏アパートの逆で、 こっちの私はこの豪華マンションに住んでいるらしい。
立派な門の前のインターホンを、押す。
――いんたーほーん♪
…。普通「ぴんぽーん♪」とかじゃねえのかな…ま、私だからな…
「はーい」
ドアの向こうから、私の声が聞こえた。そして、
かちゃ。
「あなたは?」
現れたのは、いかにも仕事のできる賢そうな好青年である。 にもかかわらず顔だけ同じで気持ちわるい。
「ええと、アポイントメントは?」
私のくせに横文字使うとは生意気である。ないよそんなもの。
「申し訳ありませんが、ちょうど出勤するところだったんです。 会議、その後テレビ局の取材、さらに新聞のインタビュー、 大阪市長選挙の応援、夜は接待と続いておりまして」
な、何者なんだこいつ。
「そっちから訪ねてきてそれはないでしょう。 私、こういう者です」
差し出された名刺、『総理大臣私設秘書』って書いてある… げっ、総理の秘書だって?!
「しかしそっくりだなあ。親父の隠し子かなんかですか」
話せば長くなるから。
「ふ…ふふ この展開でいけば、 読者が次に何を求めているか、わかりますね」
へっ?!
なっ、こ、こいつ…まさか、
「私もブログ書いてんですよね! おもしろいから入れ替わってみましょう!」
やっぱ私だ――――!!!
。るてっなに逆たま。たいてれ忘、わう 。うろだるけ行かとんないらく家の分自。いいあま
。だ号信っあ ?なだめ進が赤。ぞるかわいらくのそ。んふふ
。る渡を路道、つつけつを気に車の行通側右 。たしまきてれ慣ぶいだ
――がトーパアロボのし愛がわ、ばれ渡を点差交のこ、うそ
?!
?!はンョシンマ華豪のこだ何、な
あっ 字が戻った。
そうか一日経つと逆になるのか。 なら今日中にこの世界を脱出しないと、また逆さになるわけだ。
しかし…脱出と言ったって、どうすればいいのだろう。
私は考えた。
思いつかなかった。当然だ。私の頭だ。
ん?
そういえばこの世界には、愚友のすっぽんぽんがいたように、 私のすっぽんぽんもいるのではなかろうか。
私は、私のすっぽんぽんに会いに行くことにした。
。すで私るいて来に界世のまさ逆けわういうそ 、がすでのたっなにんぽんぽっすてて慌 。んせまき着ち落もうどりはや
。るてっなに逆でま字!?れあ 。かんらなかとんな。うそい酔。ないくにみ読
。しんぶんし
。うろやとっも。くつち落とっょち、あ
。たけやぶやけた。とまと。きつつき
「ぞうまちっま始画映?よだんてっ言何」
?幕字れそ、えね…
「?かたしかうど。んう」
。らかいなきで動感いたっぜ。わくとめや俺ぱっや、んめご
「なあゃじ。なだ奴な変」
。いならかわかってっ言何ゃじれこ。たっ困しかし ?ねらかすでいなゃじけ化字文れこ、様皆の者読っああ
2005年10月01日(土) |
ホワイトホールの先には |
かくしてブラックホールに吸われた私は、 5ヶ月先の未来に出現したのである。 (久々に来たからなんのこっちゃという人は2005年04月30日!)
しかし――私は気づいた。
たしかにこの世界、私が元いた世界にそっくりだ。 単純なタイムスリップに思える。 だが、さっきから感じている、この違和感。 まさか私は、また例のごとく ろくでもないパラレルワールドに迷い込んだのではなかろうか。
この違和感。
「おい、何やってんだ!」
後ろから声をかけてきた、その男は私の愚友である。 この声、この顔、間違いない。 しかしその姿は――
おおおお前が何やってんだすっぽんぽんで!!
「す…なんて? いいからお前、自分の格好見てみろ!アホにも程があるぞ! 風呂じゃねえんだ、ちゃんと服脱げよ!!」
ふ、風呂?!
そういえば行き過ぎる裸体の人々は、顔を赤らめて私を見ている。 これでは逆ではないか。まるで私が裸で歩いているかのような…
――え?!そういうこと?!
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