ロマンティスト・テイスト...jovanna

 

 

めぐる季節の中であなたは 何を見つけるだろう - 2004年02月28日(土)

YOSHII LOVINSONが、地元のラジオ番組に出演して、
THE YELLOW MONKEYの活動休止について
『このまま果たしてずっと続けていいのか?と為った。
みんなバンドやってる人は10年ぐらいた経つと
みんなあるもんなんですよ。
結婚生活と一緒。倦怠期。
離婚するか、別居するか、仲直りするか。
いずれにしても時間が必要なんですよね。
一人間としてどう生きて行けば良いか?
ミュージシャンとしてどう生きて行くか。
いつまでも昔のまま延長やる訳には行かない。
絶対時間が必要なんだと思う。』という風に話していた。

活動休止近くのバンドの状態を「仮面夫婦」と評した
吉井和哉らしい言い回しだ。
ほほう、今は別居生活っていう訳でしょうか。
YOSHII氏は、今回音楽雑誌でのインタヴューは一切受けていなくて、
情報誌やCD店のフリーペーパーなどのみ、本人の言葉が紹介されているのだけれど、
その中で「横浜Walker」では、『バンド「イエローモンキー」は
「SO YOUNG」の頃がピークで、その後は事後処理というか、
ずっとエンドローグが流れているような物だった。』
『イエローモンキーは、冬の時代を迎えている。
それがいつかは終わる時が来ると思っていたけれど、
最近このままずっと冬のままでも良いんじゃないかと思えて来た。』
讀賣新聞では、『バンドとしての活動が煮詰って一旦ゼロにしたかった。
グループで役割に縛られるより、一人で思うままに遣って見たかった。
僕の中で華やかなロックスターはもう終わった。』
そういう風に語っている。
『事後処理、エンドローグ』『華やかなロックスターはもう終わった。』
これらの言葉には、正直言って少なからず動揺して仕舞った。
そこまで曝け出して仕舞うのかと。
でも考えてみれば、この人は昔から音楽に対峙する姿勢が、とても
真摯で誠実な人だった。
自らに過酷な試練を課すストイックな求道者というイメージがある。
煌びやかで官能の色濃い衣を纏っていてもね。
『時間が必要』これは、勿論ただ時間が解決するという問題ではないだろう。
夫婦がそれぞれ自分の結婚生活について、自分自身と相手との存在、
関わり合いを見つめ直し、これからの人生を再構築する。
それと同じ事がバンドのメンバーにも言えるのだろう。
『ミュージシャンとしてどう生きて行くか』
それは、とても大切な事だろう。
じっくりと考えてより良い道を見つけて欲しい。
けれど、別居生活が長くなり過ぎると独りの生活が気楽に思え始めて、
元に戻り難くなるんじゃなかろうか。
通い婚でも良いのでペアリングを再開してみませんか?(笑)




黒の舟歌 - 2004年02月20日(金)

昨日の朝日新聞夕刊に『YOSHII LOVINSONさん 暗闇から生まれたデビュー作』と
題されたインタヴュー記事が載ったそうだ。
WEBサイトにも掲載されていて、明るい笑顔で話すYOSHIIが写っている。
『現在37歳。「今は早くジジイになりたいですね。
中年を飛び越えて。中年はギトギトして嫌なんで」。そういって笑った。』だそうだ。
そりゃあ、脂ぎってギトギトしている中年男は嫌だけど、
脂っ気が無さ過ぎるのも、どうかと思うんだけどなあ。
キャンペーン中のラジオで、『最近すっかりスケベじゃなくなった。』とか
発言してたそうだが、マズイんじゃないでしょうか、それは。
話が飛ぶけれど、私は『at the BLACK HOLE』が出てから、
「黒」とか「闇」とかいう文字に敏感に反応するように為っているのだが、
今朝急に『黒の舟歌』を思い出した。
“男と女の 間には
 深くて暗い 河がある
 誰も渡れぬ 河なれど
 エンヤコラ 今夜も舟を出す

 ローエンドロー ローエンドロー
 ふりかえるな ローロー
 ・・・・・
 たとえば男は あほう鳥
 たとえば女は わすれ貝
 まっかな潮が 満ちるとき
 失くしたものを 想い出す

 ローエンドロー ローエンドロー
 ふりかえるな ローロー”

男と女の深淵を覗くような、愛欲の業を噛み締めさせられるような、
もの凄くエロチックな歌だよね。
YOSHIIには、随分昔にこれを歌った作家野坂昭如のような
老い方をして貰いたい。
『妄想老人日記』でしたっけ?
美女盛りとかバイアグラとか、良いじゃないですか。
スケベ心失くしたら吉井和哉じゃないですよ。
茹でた鶏のササミみたいになっちゃ嫌です。
でも『at the BLACK HOLE』にも吉井流エロティシズム顕在だよね。
「SIDE BY SIDE」の“縫う ゆっくりと縫う 愛の上下”とか
「BLACK COCK'S HORSE」の“でっかい性器をとがらせ・・・解ける静止画”。
“毛並み震わせ黒い穴につっこめ BLACK HOLE IN COCK”
「SPRIT'S COMING」の“固くなったし 太くなったし”もだ。
無理にフェロモン撒き散らせ、とは言いませんから、
自然に滲み出す妖しい気を今後も期待してます!




「Recording Documentary」DVD - 2004年02月12日(木)

「at the BLACK HOLE」特典DVDを観た。
この人の歌う姿を見たいとずっと思い続けて来た。
だからそれがたとえスタジオの中であろうと、マイクに向かってで
あろうと、この人が歌う姿を目にして感無量だった。
ギターを奏でながら歌っていた『スティルアライヴ』・・・
“36年生きて来るとね、色んな事があるよね。”
そう言って後で笑っていたけれど、あの『スティルアライヴ』の一節を歌う
YOSHIIさんの姿に、私も感極まった。
アダム・キャスパーによる『TALI』MIXが完成した時の
歓喜の舞を踊った後に、大きく溜息をついて
“いや良かった!”と呟いたあの表情に涙が溢れた。
『20GO』『TALI』『CALIFORNIAN RIDER』凄腕アダム・キャスパーの
MIXをあれほど喜びながらも、残りの曲を自分の手で世に送り出そうと
決めた作品への愛情の深さ、潔さ、意思の強さは凄まじい。
演奏だってMIXだって他人に任せたらもっと洗練されて一般的に
格好良いと言われる曲になっただろうに。
あえて茨の道を選んで仕舞うのだね。
『Momiji Red leaves』が“この曲はオンエア出来ないから。”と
ボツになった瞬間が収められている事に驚いた。
“太陽を待ちながら Love ? You Love ?全部赤くなった”
BLACK HOLEに行って仕舞ったこの曲が日の目を見る事を祈る。
ミキサー卓の前で『SPIRIT'S COMING』を歌い踊って見せてくれた時、
そしてその後『SWEET CANDY RAIN』を録って作業する
緑色の上着の背中に胸が熱くなった。
じっとコンソールに頭を垂れる姿が愛しくて堪らない。
完成して煙草を燻らせながら心底満足そうな表情が
本当に嬉しかった。
YOSHIIさんが「at the BLACK HOLE」を作り上げていく過程の
その時々の色を映し出して見せて下さった有賀幹夫さん、
どうもありがとうございました。





「at the BLACK HOLE」発売 - 2004年02月11日(水)

誰にも邪魔されず雑音もなしにたった独りで「at the BLACK HOLE」を
感じたくて、朝の4時半起きでレコードを聴いた。
少しでもより良い音を届けたいというYOSHII LOVINSONのこだわりから
全10曲という曲数ながら2枚組みで発表されたアナログレコード。
針を落とし流れ始めた「20GO」の音に衝撃を受けた。
“空に向け 指を立て NOBODY'S O.K? NOBODY'S O.K?”
YOSHII LOVINSONの歌声、歌詞、ギターの音、ベース、ドラム、
全てが全身に沁み込んで来る。
「SWEET CANDY RAIN」PVを見てから私はずっと、サリンジャーの
書物から感じた「無垢あるいは純粋性と成熟」について考えていたのだけれど、
この「20GO」で、大人の階段を一歩登るその境目を迎えた人の
“気の揺らぎ”を感じた。
それは、“風”と言えるものかも知れないと思った。
ともかく、この一曲目から「at the BLACK HOLE」という
アルバム世界に一気に惹き込まれて仕舞った。
「SADE JOPLIN」これは、本当に気持ちいい。
この人のファルセットってエクスタシーだ。
「SIDE BY SIDE」私的には、アルバム中「20GO」と双璧だ。
歌詞もサウンドもとてもツボなのだ。
“まだ平穏じゃ 平穏じゃない
一過性の夢想でもない
無理に笑うのよせ”
鋭利なカミソリでスパッと切り裂かれた気がした。
「FALLIN’FALLIN’」
“セミダブル溺死体”言葉遊びの天才だ。
「BLACK COCK'S HORSE」凄い!
歌詞がとてつもなくてサウンドが格好良い。
黒いしなやかな馬がたてがみを靡かせ疾走しているのが目に浮かぶようだ。
美しいだけじゃない。力強い雄の象徴を際立たせながら。
これを歌えるのは、YOSHII LOVINSONだけだろう。
「SWEET CANDY RAIN」の“ジャンクいい”は、アルバムではちゃんと
“ジャンキー”に為っているんだね。
「AT THE BLACK HOLE」アルバム表題曲になったインストルメンタル曲は
宇宙を思わせるオルガンが響いて不可思議な感覚を覚えた。
こうして全10曲通して聴くと、シングルで出された「TALI」も
「SWEET CANDY RAIN」もあとの曲も皆一つのしっかりした世界を
形作っている事に気づく。

BLACK HOLEという名前から私はもっともっと暗く陰鬱なアルバムなのでは?と少々不安にも感じていた。
けれど、私はこのアルバムにあまり闇を感じなかった。
THE YELLOW MONKEYという大きな存在のバンドのエンジンを12年間力一杯遣り続け、それを停止させて全身に受けた反動の凄まじさ。
満身創痍の状態から3年の月日を掛けて漸く立ち上がろうとするYOSHII LOVINSONという37歳のミュージシャンのパーソナルな集大成なのだ。
私は、全てを飲み込む暗い闇だとは感じない。
このほの暗さは、胎道だろう。新しい世界の光は、胎道を通って産まれ出ようとするのだ。




よりリアル - 2004年02月05日(木)

Yoshii Lovinson氏は今、デビューアルバムプロモーションの為、
全国各地ラジオ出演行脚中なのだけれど、一昨日、昨日は大阪編だった。
公式BBSにラジオレポを載せて下さってる人達がおられて読ませて貰っているが
とても有難い。
私も以前ロビンのオールナイトニッポンのテープ起こしをした事があるけど、
本当ーっに大変だよね。
2本やっただけで挫折したもの(笑)
毎日UPして下さってる方もいらっしゃって、心から感謝です。
特に昨日の「FM大阪Radio on the Street レポ」は、内容も濃かった。
実はちょっとそんな気もしてたんだけど、「Sweet Candy Rain」の
PVのストーリーにロビンは全く関知してなかったんだ!?
『無花果はねぇ、ぜんぜん』
もうーっ、必死に「いちじく」の意味を考えてたのに。
「シーモア-序章-」を読んで、勝手に「吉井さんは、シーモアだ!」とか、
一人で悦にいってたかと思うと恥ずかしい。
でもね『別に答えは見つけようとかは思わなくて・・・雰囲気を、
感じてくれれば良い』って、言って下さってるし、PVでもの凄く
色んな事を考えられたのは、とても良かったと思う。
「ぴあWeekly」のインタヴューで彼は、『ぼくはもう違う。
ぼくは変わった。』と発言している。『リアルに』という言葉を、
何遍も繰り返していた。
上辺だけの言葉じゃない、耳障りの良い曲じゃない、37年の人生を
歩んで来た吉井和哉というひとりのミュージシャンそのものを
映し出した曲たちを殆ど独りで丹精込めて作り上げたアルバムなのだという
事を改めて実感出来た。
何で普通の音楽雑誌のインタヴューを受けてくれずに、地方人にはGET
し辛い大手CDショップのフリーペーパーや情報誌ばかりに出るのかと、
本当は少し不満に思っていたけれど、「ぴあ」の冒頭部分を読んで、
吉井さんの想いが少し判った気がした。
ファンは貪欲です。曲を聴きたいと願い、それが届けられると今度は、
ライブを見たい、もっと姿を現せと。
けれど吉井さん、どうぞ思う存分次回作に時間を掛けて下さい。
そしてライブも「これがYOSHII LOVINSONだ!」というものを
作り上げて下さい。それが貴方が最も愛しているTHE YELLOW MONKEYという
ロックバンドにとっても一番の光と思うからです。
私は、吉井和哉という巨大なBlack Holeに嵌り込んで、一生抜けられないと
観念したので、覚悟を決めました。
お嫌かもしれませんが、ミュージシャン吉井和哉の生き様見届けます。





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