過日、練炭自殺をした人がＢＢＳに書き込んだ言葉、というのが
ここ数日の間、私の中でウロウロとしてどうにも収まりがつかないでいる。

「楽しくないのに生きている意味があるの」

はて。
楽しかったら、生きている意味があると言えるのだろうか。

楽しくないけれど生きている意味がある人もいるし、
楽しいけれど生きている意味のない人もいる。
ついでに、生きていても楽しくないのだろうけれど
死んだからと言って楽しくなるワケでもないと思う。
楽しくなければ生きている意味がない、と言うのであれば、
楽しくなるかどうかなんて分からないのに死ぬ意味はあったのだろうか。

生きている意味とか。
死ぬ意味とか。
そもそもそういうものはそこにあるものではないと思う。

無論、だから生きていろとは言わないけれど。


「生きるべき理由が見つからない」

はて。
死ぬべき理由は見つかったのだろうか。

「生きるべき理由が見つからないから」というのが
死ぬ『べき』理由だったのだろうか。

「○※▼で美味しいご飯が食べたい」とか
「■×ちゃんと仲良くデートしたい」とか
「＆☆ちゃんと楽しくお喋りしたい」とか
「今日テレビでやるドラマが見たい」とか
「ベッドの中でヌクヌクしていたい」とか
「◆◎△ちゃんとチョットＨなことしたい」とか。

「過分にＨなこと」でも構わないが。

生きる『べき』理由ではなくても
生きる『に足りる』理由は、死ぬ『べき』理由より
その数は圧倒的に多く、いとも簡単に手に入ると思うのだけれど。
生きる『べき』理由が、生きていくのに必要だったのなら、
死ぬ『べき』理由も、死ぬためには必要だったのではないのか。
必要であったそれは何だったのか。


アタシは
自殺は悪いことだとは思わないし
単に無責任なことだとも思わない。
他の死と比べて特に他人に迷惑をかけることだとも思っていない。
むしろ生きている方が迷惑だと思われる人に遭遇したりもしているので
「自分が死ぬ時は計画的に」などと考えていたりもする。

なので、自殺は悪いことだと考えている（普通の神経だと思われる）人に
「オメェーは〜〜！」と説教されても
全くちっともこれっぽっちも理解できない節がある。
「アンタはどーしてそーなのよ」って言うのの理由は
また別の機会に語ることがあるかもしれないし無いかもしれない。

今は置いといて。

そんなアタシでも今回の「生きている意味があるの発言」には
「死ぬことを許可する！」とハンコを押してあげる気にはなれない。
三途の川を渡る前にアタシの疑問に答えて行ってくれと思う。



過日。
知り合いの写真家さんの個展を観に行ってきた。
どこにも告知を出していないのに加え、
折からの台風に見舞われてひっそりとした個展だったらしいのだが、
最終日は、週末で雨の上がった後ということもあってか
アタシが入った時には静かだった画廊の中が
気がつけばそこそこのお客さんで賑わっていた。

柱の影に自販機が置いてあった。
写真家さん手作りの缶バッチを売っている。
所謂「ガチャガチャ」である。
１個２００円。

お財布の中を覗いてみたら生憎と小銭を切らしていた。
あろうことか、写真家さん本人にお願いして千円札を崩してもらう。

自販機の前に座り込んで「チャリン、チャリン」と１００円玉を２枚入れ、
「ガチャガチャ」と取っ手を回す。

チャリンチャリン
ガチャガチャ。

チャリンチャリン
ガチャガチャ。

止まらなくなってくる。
そのうちに「まだやるのか」と呆れられる。

チャリンチャリン
ガチャガチャ。

プラスチックでできた丸いカラフルなケースを「ぱくっ」と開けたら
中に俯いた天使が一人入っていた。

唐突ですが。
知り合いの写真家さんが個展を開いていますので宣伝宣伝。

豊浦正明氏

「静かな残像：Quiet Reminiscences」
銀座ヴァニラ画廊にて10月16日（土）まで
　平日　午前11：00〜午後7：00　
　土曜　午前11：00〜午後5：00
　　注：10日（日）は休廊、9日＆16日（土）は17時まで


私は今週か来週、週末を目途に遊びに行く予定ですが、
ご一緒できる方はご連絡ください。
どこぞで待ち合わせして行きましょ。



私はとりあえず。
元気にしてます。

おそらく。


けれど

ほんの少しだけ声が聞きたいな　と思ったり。
ほんの少しだけ笑顔が見たいな　と思ったり。
ほんの少しだけ近くにいたいな　と思ったり。
ほんの少しだけ触れてみたいな　と思ったり。
ほんの少しだけ手を繋ぎたいな　と思ったり。


それはそんなに難しいことなのだろうか。

私はそんなに大変なことを望んでいるのだろうか。

無論、それが愚問であることを知ってもいるのだけれど。
そして問うことさえ我侭なのではないかと自責したりもするのだけれど。


雨が酷かったので続けて会社を休んでいた。
明けて晴れ。
窓を開け放って部屋中のあれもこれも洗濯する。


秋、ひたすら秋。