enpitu



アイ ナンカ イラナイ。
夏野 空の日記

2003年03月19日(水) 日は暮れて灯は点る

先々週あたりから色々な人と顔を合わせている。
久々の場所であり、行きつけの場所であり、初めての場所であり。
懐かしい人もおり、いつもの人もおり、お初の人もおり。

色々なことがあったような気がする。
色々な話をしたような気がする。
彼女の笑顔を見たような。
気もするのは、実はそうでないのかもしれないような気もする。

果たして、しっかりと生きているのはほんの一握り。


しようがないのでふらふらと歩いてみた。


今日は仕事の定休日。
知っている人は知っている。
そして知らない人は知らないのだが、アタシは土日の他に水曜日も
「定休日」と称して休みをもらっている。
というか、ぶん取っている。

昨晩、夜遅くに知り合いとメッセで話していて、
少し離れたところに住んでいる彼女が久しぶりに新宿まで
出てくると言うので「じゃぁお茶でも」ということになった。

昼過ぎまで寝る寝る眠る、まるで泥のように。
そして彼女からの「予定の時間より早く用事が片付いたー」の
メールで起こされる。
約束の時間まで後1時間。
おっけー、ダッシュだ。
30分とちょっとでメルチェックと着替えとメイクを済ませる。
この冬、アタシの目元はパステルカラーだった。

ふと、春からは何色にしよう、と思いを飛ばす。
再び覗き込む鏡の中、曲がらないように眉を引いて思いを引き戻す。

日が照っていたせいか、あまり寒さは感じなかった。
角の八百屋のオッサンに挨拶「いってきます」。
低いヒールなので歩きやすい。
が、細いヒールなので溝にハマりやすい。

そういえば最近、ヤバいものにハマっていないなぁ、と思いを飛ばす。
実際に道に敷いてあるブロックの間にヒールが挟まって、思いを引き戻す。

新宿に会社があるクセに、アタシは新宿が分からない。
オロオロする間もなく、彼女のほうから迎えに来てくれた。
さんくす。
こうなると、お上りさん状態ですよね。

せっかく迎えに来てくれたのに、元彼女がいた方へ向かって歩き出す。
頭がね。
最近回らないのは「トシ」のせいですね。

「モウロク」してます。

化粧品売り場で頼んでおいた品物を受け取った後お茶する。
というより食事をした。

考えてみたら、昨日はあまりきちんと食べていなかったので
夜中、すでにお腹が空いていたのだった。
なのでお茶というにはそれはあまりにも重く。
アタシが頼んだのは「アフタヌーン・ティー・セット」というものだというのに
ガツガツとまるで久しぶりの食事を摂るかのような勢いで食べてしまった。

あとで。

煙草を吸いに、別のお店へ移動。
話し込む色々なこと。

彼女は明るい。
人を楽しませることを知っているのだなぁ、と。
相手を大事にするということを知っているのだなぁ、と。
そして知っているだけではなくそれができる人なのだなぁ、と。

それができるということはどういうことなのか。

考えながら、「アタシにはできないなぁ」と笑って心の中で白旗を振った。


彼女は家にカエルを持っている。
パペットのカエルを2匹持っている。
そして今日、ひさしぶりに彼女にカエルをねだってみたのだが案の定。
2匹とも手放す気はない、と突っぱねられた。

いつか、いつか、と思う。

いつか
いつか


けれどアタシが本当に欲しいのはカエルじゃぁない。
笑いながらカエルと戯れている「彼女」が欲しいのだな、と。

気がついたら何だかとても可笑しくなった。





   ↑押すと続きが読める投票ボタン。



2003年03月16日(日) 踊り明かした夜は音に埋もれて

週末のディスコナイト。
近所のクラブで3ヶ月に一度のイベント。

店に入る早々、昔の顔に挨拶、次から次から。
流れる曲は80〜90。

そう言えば。
金曜日は会社を休んで、下北の街をうろついた。


まだ切らしてはいないのに、お香を買う。
雑貨や洋服をあれこれ見て歩く。
用もないのに立ち寄る店、店、店。
ふらりと入ったCDショップで、今流れているこの曲のCDはないのかと尋ね、
何も迷うことなく即買い。

気になっていたギャラリーにも立ち寄る。
以前から目をつけていた壁掛けの時計は売れてしまっていた。
薬が仕込んであった。
注射器が仕込んであった。
赤く血液色の針が時を指し示していたそれが無かったので、
買い替え時であろう財布を買い求める。
見る角度によって柄が違って見えるそれは少しエロチックな。
少しヤバい絵も刷り込まれていたり。
誰が最初に気づくのか。

けれど見つからないショップが一つ。
気に入っていたのに。
歩き回る下北。
明るく人通りの多かったはずが、いつの間にかあちらこちらで
シャッターは閉まり明かりが消える。

帰路に着く。


クラブは人だらけだった。
終電で幾分人が減って踊りやすくなるだろう頃を目指していったのに
目論見は外れて当たりまくっているのは音から音へ、
繰り広げられるステップ、クラップ、ステップ、クラップ。

彼も彼女も一見さんもお馴染みさんも一緒くた。
まるで昔からの知り合いのように交わす笑顔に飛び交うジョーク。
踊る踊る回る回る。

進むお酒
刻むリズム
光るライト
煙るスモーク
アナタはドコ?

吐く息は熱く(これは踊っているから?)
吐く息は熱く(これは生きているから?)

汗はどこへ行った?



忘れて踊った夜。

「何か」を。





   ↑押すと続きが読める投票ボタン。



2003年03月12日(水) 5年目の真実

今日は会社休み。
病院に行くのは午前中か夕方からか、どちらにしようか迷って、
午後ゆっくりまで眠ることにする。

寒そうなのか暖かそうなのか、曇りガラス越しには分からないけれど晴れ。
ゆっくりと起き出して来てコーヒーを飲む。
余裕があったら春物の服でも見たかったのだけれど、お給料日前なので
病院に直行。

どうやら前の順番の人が何人も席を外していたらしく、待合室の椅子に
座ったとたんに名前を呼ばれた。
こんなことは初めて。
らっきー。

近況報告あれこれ。
生活の様子あれこれ。

「解離性障害の兆候が出ていますね。」

ストレスの溜めすぎだろうということになったのだが。

「ストレスの発散の仕方が分からないんです。」
「原因はそこですね。本を読んだり、音楽を聴いたり、・・・・・」

よく分からないまま病院を出てくる。

駅ビルの中をぐるりと回って、雑貨を見るでもなく、服を物色するでもなく。
一体どういうことなんだろう。
カイリセイショウガイって何だ?
アタシにとってのストレス解消って何だ?

何も買うことなく駅ビルを出て、切符を買い、電車に乗り込む。

ワカラナイ
ワカラナイ

電車が浅草橋の駅に着く頃、「あー、もーいいや。」と無理やり思った。

ワカラナイ
ワカラナイ

下北の雑貨屋でウロウロする。
何も見てはいない。
何もする気もない。

どこをどう歩いたか分からないで帰ってきた。

ウィルキンソンのジンジャーエールを2本、買って帰る。
家に入ってPCを立ち上げ、何かをしていた。
けれど違うことを考えている。

某フェティッシュバーから「ご相談」メールが入った。
どうしてこんな時に、と苦笑いがこぼれる。
一緒に、何か違うものもこぼれた。

あらいざらい。
ぶちまけてしまいたかった。
誰かに。
聞いて欲しかった。
タイムリー過ぎた。

その彼の「カン」を恨めしいとさえ。





   ↑押すと続きが読める投票ボタン。



2003年03月06日(木) アナタの生き方を教えてください。

昨日は正規の定休日。
そして今日はズル休み。
天気が悪かったのでまぁいいやー、と。
昨晩眠れなかったので軽い頭痛を抱えてまぁいいやー、と。

明日のほうが天気悪いらしいですね。
いいです。
今日サボってしまったので明日は出勤します。

日本国憲法なんて大嫌いだーー!<勤労の義務


昨日は昼過ぎに起きて髪の毛を切りに行った。というより染めに行った。
ら、切られた。
まぁしょうがないだろう。
半年も放っておけば、どうにもまとまりのつかない髪形になってしまうものだ。

以前より少し明るい色に染めてみた。
オレンジ色で染めてみた。
綺麗に色が出たので安心して店を出てくる。

下北に戻り、町田ひらく氏の新刊を探し求めて、
いつも行く本屋兼雑貨屋に行く。
が、町田氏の他の本は置いてあるのに、広く雑多な店内をいくら探しても
新刊が見当たらず、そのうち焦点がボケてきた。
少しグラつく頭。
しようがないので、メールで聞いてみる。

「いっぱいあるんだけど新刊がどれだか分からないよ。何てタイトルなの?」
「アンネ フレンズ。でもエロ本なので一般の本屋では難しいかも。」

じゃー目の前に一杯ある町田さんのコノ本は一体何なのだ?

納得が行かないまま、次に、はに〜が欲しがっていた
携帯のストラップを探し始める。

見つからない。
確かこの辺。確かこの棚の裏。確か、確か、確か。

諦めかけた本の次に探し始めた携帯のストラップも諦めかけた頃、
知り合いのM女さんから電話。

「一緒にご飯でも食べよう。」
「オッケー。もう少ししたら店出るから駅前で待ち合わせね。」

と、電話を切って間もなく、ストラップを見つけた。
らっきー。
レジの前で山積みにして1枚500円で売っていたCDの中から
見たような名前のを一枚引っ張り出して、それも一緒に袋に入れてもらう。

いい時間。

駅前で待ち合わせて、彼女の知っているお店へ行く。
引っ越してきてもう1年以上も経つのに。
アタシはまだ下北の街がよく分かっていない。
というよりも。
偏りすぎているのだ。

生き方と同じだな、と少し可笑しくなる。

どういうワケだか、このM女さんとは普段あまり連絡を取らないのに、
お互い、何かで相談をしたい時や、話がしたい時は、
必ずうまいこと連絡がつき、都合よく会うことができる。
「そういう運命なんだよね。」と笑いあいながら、
久しぶりのアマレット・ジンジャーを頂く。


「アナタは葦のように生きればいい。ワタシは欅のように生きてやる。」

葦のように「しなやか」に「たおやか」に。
吹く風に身を任せ、流れのままに流れていくのが
ラクな生き方ではあるのだろう。
それは明らかに先人の経験に基づく教えであり、間違いないのだろう。
けれど、「人は皆それぞれ違う。」というのなら、
当然、生き方も人それぞれでいいはずだ。

強い風が吹けば欅の太い枝は、葦のように己の体を曲げてやり過ごすことが
できずに折れてしまう。
もしかしたら幹から折れてしまうかもしれない。
折れてしまった枝は葦のように短時間では元に戻らない。

けれどそれでもよいのだ。
折れても時間をかけて元に戻せればそれでよいのだ。
元に戻らなくても、そこから新しい枝を生やせばそれでよいのだ。
回り道をして時間がかかっても、流されることなく大地にしっかりと根を張り、
空に向けて精一杯枝を広げ、葉を茂らせていく欅の方が
アタシの性には合っているのだ。

不器用にしか生きられない人間はどこにでもいる。
それは正しくもなく。
それは誤りでもなく。

自然とあるがままに。
そこにあるがままに。





   ↑押すと続きが読める投票ボタン。



2003年03月02日(日) 新宿がイケナイのか、哀しみと憤りがイケナイのか

色々なことがあったりなかったり。
それは当然のことであったりなかったり。

仕事は少しだけ谷間。
なので他のプロジェクトのサポートに回る。
ああでもない、こうでもない。
でもね。

「できない人はクビなんですよ。」

今いる会社はそのあたり、随分ストイックだ。
仕事ができればヨロシ。
最低限のお約束さえ守れば、遅刻云々服装云々とやかく言われることはない。
が、仕事ができなければとっとと切り捨てられていく。
ある意味「自分は仕事がデキているのか?」が明確になる。
当然。
薄々自分で気づくだけでなく、周囲にも顕わになる。
薄々すら自分で気づかない者もいるのだがそれでも、
彼らは可愛そうなことに最後には「言い渡され」ることになり、
気づくかどうかはともかく、「欠落者」の印が白日の下に晒されることになる。


週末は同じ部署の男のコの退職祝いであった。
アラビアンナイトだか何だかを模したお店で呑んだのだが、
その店の暗いこと暗いこと。

「この料理は何ですか?」
「そうですねぇ。何に見えますか?」
「このツブツブはキャビアじゃぁないんですか?」
「あるいは紫蘇の実かもしれませんよ?」
「こう暗くっちゃぁ何を食べさせられても分かりませんね。」

鍋の中では何の肉だか分からない物体の焼ける音がしている。
が、暗すぎて火が通っているのかどうかすら分からず。
コワイデスコワイデスコワイデス。

用がある時は個室内のブザーを押せ、と言う。
「召使い」が来るのだ、と。
が、折角呼んでも、この召使い使えない。
注文を最後まで聞かずに消えてしまう。
なんだ?
願い事は3分以内にしろ、とでもいうことなのか?


帰り。
大崎のフェティッシュバーへ遊びに行こうと思っていたのだが、
窮屈な暗い穴倉の中に押し込められていたのでかなり疲れてしまっていた。
もういい。
帰ろう。
新宿の街も疲れる。
慣れない通りに慣れない人込み。
予定は狂って、元通りにならないままアタシを下北へと運ぶ。

車中で酔ったオッサンが携帯でメールを打っている女のコに、いちゃもんをつけていた。
アタシの斜め後ろだった。
かなぁりイライラした。
どーすっかな。
とりあえず怒鳴っとく?
が、かなり酔ってるこのオッサンに理性を求めるのはある意味残酷かも知れなかった。
しかも車内は満員。
じゃぁどうする。
結構距離も近いことだし、近寄ってって顔面肘鉄で行くか?
車内の雰囲気が重くなってきた頃、アタシの前に立っていた
ビジュアル系ガラの悪いニーチャン二人組みに視線を投げてみた。
やっぱりこういう時はキミ達みたいなのが頑張らなきゃぁイカンよ。
と。
まるで合図でもしたかのように、目のあった次の瞬間、二人揃ってこちらに背を向けた。

テメ。
このやろ。
カッコだけかよ!

結局オッサンは、近くにいた真面目そうな会社員に一言二言浴びせられて
大人しくなったのだが、ちょっとツマラなかった。


いかん。
また暴走し始めている。

破壊行動に。
破滅行動に。

コロス。
キミもコロス。

なので。

コロシテクダサイ。





   ↑押すと続きが読める投票ボタン。



〜*〜〜*〜〜*〜〜*〜〜*〜〜*〜〜*〜〜*〜〜*〜
愛してくれる?

んで、気に入ったらヨロシク→My追加

 < 過去  INDEX  未来 >
麗香@夏野空 [MAIL] [MILK PITCHER]
 
エンピツ

/FONT