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アイ ナンカ イラナイ。
夏野 空の日記

2003年01月30日(木) 何か不安ですか?(ちょっと本音)

「ご主人様も戻って来たことだし、元の麗香に戻ります。」と公言したら
「良かったねぇ」の言葉と一緒に、あちらこちらからメールが舞い込んだ。

「サイト閉じちゃうんですか?」
「日記やめちゃうんですか?」
「今後、どう活動するんですか?」

いや。
サイトは閉じないし日記も時間があれば書くだろうし、
それどころか更新していなかったessayだってまた書き始めるかもしれない。
ん。
メンドくさくなったら全部やめる可能性もアリなんですが。

が、どう活動するんですか、って。
あーた。

アタシはフツーの女です。
今までもフツーだったし、これからもフツーです。

の、つもりです。
断定はできませんが。

まぁ元々、他人の考える「フツーの定義」など知ったこっちゃない、って節もあるんですけどね。


薄々予想はしていたのだけれど、ご主人様との関係が再開するということが
知らないところで知らない方面に多少の波紋を投げかけているようで。

やはり。

けれど何も変わりません。

アタシはアタシのまま。


以前、行きつけにしていたBARでアイツと語ったことがある。
「どんなに頑張っても、所詮、他人の人生の責任なんて取れないんだよねぇ。」
もちろん、だからといって無責任は論外。
他人と関わりあわないで生きていこうとも思わないし、
そんなことができるとも思っていない。

そうではなく。
そういうことなのではなく。
切り捨てようとか、断ち切ろう、とか言うことではなく。

アナタはアナタらしく。
アタシはアタシらしく。

いつもそうあればよいのだと。
これからもそうあればよいのだと。
そう思うのですが。

ただそれだけのことなのですが。





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2003年01月28日(火) 何も伝わらない

久しぶりにちょっと考えさせられた話。

メッセの彼とやりとりしていたら「権利主張の前に義務を果たせ」というところで
お互い同意した。
当たり前のように権利を振りかざす輩の多いことよ。
その前に自分は果たして何をしているのか。
出来得ることをしているのか。
ベストを尽くしているのか。
それらをクリアした上で権利を主張しているのか。

振り返ってみたまえ。
己の姿を見てみたまえ。
そこにあるのは権利に塗れた「自己中心的な人間」ではないのかね。


どうやら彼は、とある女のコから当然のように荷物持ちを要請されて一言モノ申したらしい。
女のコが自主的に荷物を持っていて、それがツラそうだったら
「重たそうだね。持ってあげようか。」と、さらりと言う気にもなったのだろう。
そもそも、彼は言われずとも持ってくれるような人物なのだが。
が、その女のコは「荷物は男が持って『アタリマエ』。」という考えの人だったらしい。

それはどうかな。

「アタリマエ」。

世の中に「アタリマエ」などというものはないと思っていた方が生きやすいことは確かだ。
しかもコミュニケーションを図る上で、この「アタリマエ」という考えは
自らを貶めることになるのではないのだろうか。
人はそれぞれ、皆違うのである。


会社帰り、下北駅前のドトールで一服する。
頭の中で文章を組み立てている。


アイシテイル、アイシテイル、アイシテイル。
けれど。
「アイシテイル」を100万回言っても。
それで「アリガトウ」は伝わらない。


コミュニケーションの基本を忘れてはいないだろうか。
伝えること。
分かってもらうこと。
相手に伝える努力をすること。
相手に分かってもらう努力をすること。
相手から伝えてもらおうとすること。
相手の考えを理解しようとすること。
相手に伝えさせる努力をすること。
相手に理解させよう、という気を起こさせる努力をすること。

そして相手を大事にすること。
粗末にしないこと。


親しき仲にも礼儀あり、と言う言葉もある。
「言わなくてもいいや。」
あるいは「言わなくても分かってくれるだろう。」
は、驕りである。
自分の勝手な解釈である。
甘えである。
怠慢である。

「アイシテイル」と「アリガトウ」は違うのだ。


先日、ご主人様と2年7ヶ月ぶりに会った。
まるでそこには時間の隔たりがないように呑み歩き、語り明かし。
酔うほどに昔に戻り。
それでも。
1年で帰国するというはずだったものをとうに過ぎて2年以上待ったアタシに。
「すまん。申し訳なかった。」と。
最後の最後に頭を下げて、ポツリ、と。

やはり言葉にしなければ。
そして大事なことならなおさら。
言葉にしなければ。
そして相手を大事にしなければ。

心など。
伝わるワケがないのだ。

愛など。
伝わるワケがないのだ。


帰りのタクシーの中で昔のように、ご主人様の肩に頭をもたせかけていた。


きちんと。
きちんと。

伝わりますように。

きちんと。
きちんと。

伝えられますように。





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2003年01月18日(土) 宴の途中

今日はアタシの知り合いの中で主にSM愛好家仲間が
溜まり場にしていた居酒屋の閉店パーティー1回目。
「第一回 サヨナラ溜まり場@渋谷」

美味しいお酒に美味しいお料理、楽しいお喋りは終わることなく。
終わらせるのが忍びなく。
早く呑み始めたはずなのに時計の針はいつもより早く進む。
酔いが回るのは遅い。
もう少し、もう少し。
SALONで呑むのとはまた違う、「アタシ達の店」だった。

仮装して呑みに行ったこともあった。
ボンテージ姿で呑みに行ったこともあった。
一緒に楽しんでくれる女将やスタッフがいて、
「イイトシこいて、しょーがねぇなぁ、もぅ・・・」と笑ってくれるマスターがいて。
あの店ではSMだろうがフェチだろうが、そんなものは関係なかった。
ただの居酒屋なのに、である。

18日はちんまりと集まるはずだったのだが、やはり最後ともなるとそうはいかない。
やんややんやの大騒ぎ。
料理を一つ頼む毎に、料理を一口食べる毎に、
「あぁ、これもう食べられないのかぁ・・・。」
溜息の、ひとつふたつそこかしこ。
酔いが回って、泣き笑い。

と、その店の座敷席の奥に、アタシの定位置がある。
最後はあの席で、と思う。
けれど男山はもうないので仕方なくいつもとは違う酒を頼むのであろう。
来週25日が最終日。
泣いても笑っても、もうお終い。

ご主人様が渡米してからこっち2年半、アタシの面倒を見てくれていた、
そしてアタシが眺めていた景色がそこから消える。

アタシの場所が消える。
アタシ達の場所が消える。
行く先はまだ決まっていない。


アタシの行く先も当分、決まらない。


東京は今夜雪になるらしい。
「雪が降ったからおっくうになっちゃってぇ。移転するのやめちゃったぁ。」

なんて。


来週もっ回呑みに行こーーう、っと。





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2003年01月16日(木) 夢は夢でなく

昨夜、夢を見た。

昔住んでいた家。
広いリビングに大きなダイニングテーブル。
どっしりとした家具の類。
私の目の前でベランダへの窓にかけてあるカーテンが揺れている。
誰もいない。
音もしない。

何かを探して視線を移す。

左側にはリビングとカウンターで仕切られたキッチン。
奥には食器洗い洗浄機が置いてある。
正面に冷蔵庫。
床には何もない。

まだ何かを探している。
探して視線を移している。
不思議なことに、そこに体はないような感覚なのに、左回りに体の向きを変える。
視線もぐるりと回る。

台所が右手に来る。
左手に和室、リビングは後ろ。
目の前には玄関へ続く薄暗い廊下が見える。

廊下を少し行った右手にトイレ。
ドアを開けてみる。
中には誰もいない。
何の変哲もないトイレ。
誰かが呼んでいたはずなのに。
呼んでいた気がしたのに。

ドアを閉めた。
何かを忘れている。
何かがあったはず。
トイレとは別にもう一つ何か。

もう一つ別の場所。
バスルーム。
脱衣所と一緒になった洗面所の入り口があった。
トイレの手前だ。

脱衣所のアコーディオンカーテンを開ける。
奥に洗濯機、右手に洗面所。
明るい。
薄暗いイメージの中で何故かここだけ明るかった。
一段高くなっている。
上がって左手。
バスルーム。
アルミサッシのガラス戸は閉まっている。
暗い。
また暗い。
ガラス戸越しに見るバスルームの電気は消えていて、中は明らかに暗い。


ガラス戸を開けると、白で統一されているはずのバスルームの
タイル張りの床が濃い色で主張している。
そいつらが主張するので。
ふと下を見た。

血。

次の瞬間、昼より明るく照らし出されたバスルームは床と言わずバスタブと言わず、
あたり一面、血の色を溢れ出させていた。

真っ赤なバスルーム。


あの日。
あの血の海の中に漂っていたのは。


アタシだった。





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2003年01月14日(火) 低く緩く撓む彼方。

年明けから忙しいのでペースダウン。
少しだけ緩く跳ねる風に撒かれるので押し黙ってみた。

みる。
停まった掌を見下ろすようなことをするタチではないので
掬いきれない散り散りが置き去りにされてゆく。
置き去りにしてゆくので彼らが蟠る。のです。

どこかで悲鳴をあげている。
もちろん聞こえている。
けれど差し伸べる手はなく、痛み放題にされているそれら。

愛しいですか。
けれど愛されていますか。

それはアタシではないので。

イタイ。


どうやら4月上旬の頃の陽気だった陽射しは、
気がついたらすでに斜めを向いていた。

アタシの仕事はいつも夕方から忙しくなるのだが、
珍しく今日はそれが夜早めに止まった。
が、パート契約なので。
1日7時間拘束なので。
ちょっと粘ってみる。と、湧いてくるのだな。仕事というのは。

少し残業をしていたら、内勤兼務で働いているインタビュアーの彼女が
「ねぇ、ねぇ、一緒に帰ろうよぉ。」と纏わり付いてきた。

何かあるなぁ。
ぜーーーーーーーーったい何かある。

アソコの喫茶店で時々お茶するんだよぉ。
ムコウにも何軒かお茶できるところあるんだよねぇ。
今日、早く仕事終われたよねぇ。
ねぇねぇ、晩御飯は何にするの?

「ねぇねぇねぇ。」

ハイハイハイ、お茶して行こうね(笑)。

インタビュアーの彼女とコントローラーのアタシとは立場が違う。
いろいろあれこれ話し込む。
情報交換少しといっぱい。
とどのつまり。

働きやすくなるといいね。
するからね。
も少し待ってね。

新人のアタシは新人のクセに、と帰り道、またどこかで撓む。歪む。


小田急の車窓はそろそろ見飽きた。
仕方なく、そろそろ読み終わるであろう文庫本の頁を捲る。
揺れるのはアタシと、昔見た瑶子の目。


いくつかの事柄が、だから置き去りにされている。
けれど、どうにもならない。


だから「また」のような。
そして「やはり」。
のような。


お願いだから。


早く。殺して。


あるいは早く。




迎えに、来て。





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2003年01月08日(水) 少しずつ変わってゆく

最近、上司は機嫌がいい。
冗談交じりにコトを進められる。
いきなりプレゼンをやれと言い出すクライアント。なんざ怖くない。
タッグ組みましょ、おーるおっけー。

やっぱりね。
仕事は和やかにしたいよね。

時々キレるけど。


昨晩はいつもの溜まり場@渋谷から電話があった。
昔の名刺しか渡していなかったので古巣の新参秘書が電話をとったらしい。
たまたまいた知り合いが携帯の番号を教えてあげてくれたそうで、
そしてアタシにかかってきた電話の声はおろおろしていた。

なによ?
どしたのよ?
なんでアタシよ?

「何でもいいから。とりあえず来てよ。今日来られない?」
「あー。いいよ。明日休みだからこれから行くねぇ。」

呑んだ後はその足を大崎まで伸ばしてみようかとも算段する。
あれこれ考えながら走って息せききって飛び込んだ馴染みのお店。

マスターと普通に挨拶。
女将とも普通に挨拶。
にーちゃんは相変らず口数少なく、動きにはムダがない。

渋谷の某店は閉めるそうな。
次のことはまだ何も決まっていないという。
マスターはいつも通り笑っている。
女将は少し寂しそうにしている。
アタシはいつもの男山を1合しか頼めずに行き詰まる。

「落ち着いたらね。ちゃんとね。連絡するからね。」
「会社は変わっちゃうかもしれないから。携帯の番号教えておくね。」

男山の代わりに呑んだ黒龍も美味しかったのだけれど。
アタシはやっぱり男山が呑みたい。
けれどけれどけれど。
と。
駄々をこねられず、タクシーに飛び乗る。

「大崎へ。」

どうもね。
このお店には何かひっかかることがあると来てしまう。
ここも以前、渋谷にあったBAR。

あけまして。おめでとう。
久しぶりの顔と新しい顔と優しい顔と気まずい顔と昔の顔と今の顔。
ごちゃごちゃ。
アレコレ考えながらごちゃごちゃ。

ごちゃごちゃだけれど、いつも思うことがある。
動かない蠍を見ながら思うことがある。


私の愛したものは必ず私から遠ざかってゆく。

例外なく。
おそらく。
これまでも。
これからも。

そしておそらく。
それは私のせいなのだろう。
これまでも。
これからも。

けれどおそらく。
何も変わらないのだろう。
これまでも。
これからも。


床にうずくまった黒い犬を眺めながらふとこんなことにも思いを巡らせてみた。


そう言えばご主人様はどうしているだろう、と。
その行方をアタシは誰に聞いたらいいのだろう、と。

けれど。
教えてもらったところで何かが変わるのだろうか。

と。





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2003年01月01日(水) さよなら、こんにちわ

年末はいつものように忙しく。
そして雪崩れ込む忘年会の嵐。
けれど不思議なことに会いたい人には会えない。
まぁ例年のこと。
どこかで拗ねて蹴散らす木の葉のないことを恨む。

新しい顔と交わす杯。

某SM雑誌関係からの忘年会のお誘い。
なんでアタシよ?
オモシロイから?
オカシイから?
間違っても脱がないのでアシカラズです。

当日までお返事を待ってもらったのだけれど、思うところあって辞退。

後日顛末を知って「先生、そりゃーないんじゃありませんか?」
撫で下ろしたのかそれとも軽い後悔なのか。
これがアタシの性癖。
だからしようがない。

アタシとアナタは違います。

それでも「人は皆どこかでリンクしている。」

かならず。

行きつけの居酒屋で女ばかりの呑み会を開く。
近い年齢の女ばかり。
近い性癖の女ばかり。
言うことがリアルです。
言うことが過激です。
だからオンナは面白い。

帰りがけ、女将に「年内もう一度来てくれない?」と持ちかけられる。
不況のせいなのだろう、予約が一件も入っていないから、という。

おっけー。
ママとマスターのいる時間に顔出すね。

と、会社の納会でウダウダした帰り、コーヒーでも一杯、と寄り道していたら、
「SMの納会やるんだろ?もうお店に着いちゃったぞ。」の電話。
SALONの常連。
はえぇー。
早すぎ。
でも渋谷までぶっ飛んでいく。

一年前の顔が一堂に揃うことはもうないのだろうな、とどこかで思いながら
「今年はイロイロお世話になりました。」。

一人増え。二人増え。もう一人増え。
もう一杯なので穴倉に移動。

懐かしい顔に出会う。
けれど「今年はさよなら。」。
来年のことなんかワカラナイ。

ワカラナイことがいっぱい。
ワカラなくても構わない。
そんなものには振り回されない。
アタシはアタシ。

いじょー、オワリ。


大晦日。
ぱらぱらと人が集まってくる。
そしていつものようにだらだらと呑み続ける夜。
気がついたら除夜の鐘が鳴り始める。
慌しく年越しそばの準備。

間に合わなかったのはだぁれ?

目が覚めたら元日の昼3時過ぎ。
いいお天気。
何人かはもう帰った。
残った我々のために、急いでおせち料理の支度をしてちゃぶ台を囲む。

「あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い致します。」

妙に改まって頭を下げる。
下げる意味が違っているような。
向かっているところが違うような。
喉の奥と胸の入り口の間で詰まったような。

そんな気がしたような。
しないような。

ねぇ。愛してる?





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〜*〜〜*〜〜*〜〜*〜〜*〜〜*〜〜*〜〜*〜〜*〜
愛してくれる?

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