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アイ ナンカ イラナイ。
夏野 空の日記

2002年11月20日(水) 病気療養中につきウンタラカンタラ

「レイカフチョウ スグキタレ」

先週あたりから体調が崩れていた。
もともとアタシはお腹が弱い。
冷え込んできたからか、それが風邪の前触れであったのかは掴もうとしても掴めず。
するりするりと逃すうちに週末はついに寝込んだ。

金曜日から動けず。
会社をパスるのはいつものようにいつものごとく。
深い眠りは果たして安らかではなかった。
市販の風邪薬を飲んで夕方から起き出してはみたものの、所詮人間の作るものなんてそんなモノ。

勝てず。
重くなる体。

眠りのどこかでMASTERはどこかへ出かけた。
ので。
SALONに明かりは灯らず。

ごめんして。


薬を飲み続けているのでどうやら治ってはいないのだろう。
気がつくと鼻が苦しい。
けれど薬で抑えているからなのかどうなのか
乾燥する喉の感覚と咳だけで後はいつものアタシ。

風邪。治らず。
仕事。終わらず。


近くからメールが届いた。

さらに動きアリ。
どこへ行くのか分からないけれどついて行く。

掴んだ手を放さなかったので放されなかった手。
繋がっていると信じていた形の無いものの存在。

今そこにそれは確かな形で有るので。


アタシに見えるのはまっすぐな道。





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2002年11月10日(日) 愛しいので離れているのです。

毎年、この季節になるとどういうワケだか人間関係がガタガタと。

まぁね。
アナタのせいだけじゃぁないんですけどね。
アタシのせいだけでもないんですけどね。
アナタにはどうすることもできないんですけどね。
アタシにだってどうすることもできないんですけどね。

あなた。
愛してるのに。

何も気がついていないのか、少しは通じているのか、
感じるところはあってもそぶりすら見せないのか。
冷たいので小石を蹴る。
風は首から頬にかけて逆撫でてゆく。

相変らずヒールは行く先を知らず、赤いコートは去年と違う街を流れる。
久しぶりに飛ばしたメール。
答えることを忘れたのか拒否されているのか。

ベビー、ベビー、ベビー。

最後に一緒に食事をしたのは何時だったか。
何を食べたのだったか。

泣いていた。

あれはいつ。


メッセンジャーの彼は凹んでいる。
遠いので何も伝わらない。
けれど近かったことは一度もない。
耳の奥で空回りする音楽を「好きだ」と言ったのは誰。

日の暮れるのが早いので、夕方から少し駄々をこねてみた。
昨晩のSALONの後片付けをした後、暗くなってから下北散策に出る。
お香を買いにいつもの店へ。
新しいものを求めて違う店へ。
欲しいものいくつか。
失くし物を忘れさせた路地は時間も人も暗闇も飲み込む。

珍しく紅茶を飲んだ。
下北のラ・パレット。
シナモンミルクティー。
「ケーキが美味しい」「紅茶が美味しい」と評判らしいがそんなもの知ったこっちゃない。

ここのケーキは嫌い。


一通り買い物をして昨日と同じシュークリームの匂いをつけて帰路につく。




部屋の明かりを灯けてから気がついた。



アタシのオブジェは、


もう、


ない。





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2002年11月04日(月) アナタが見えないのでイラナイ。

先週末から今週末にかけての連休は久しぶりに充実。

充実しすぎて疲れた金曜日はそのまま帰宅したので頭が切り替わらず。
呑みに行けばよかった。
と、思いながら帰宅してSALONに迎えられる。
軽口を叩きながらいつか深夜になり、翌日からの悪巧みの算段。

久しぶりに早く起きた土曜日は少し怪しげな天気。
けれど傘は持たない。
デートに出かけてアチコチ目的もなくウィンドウショッピング。
ウィンドウショッピングなのでお金は使わない。
けれど欲しかったもの。
マッサージ器具。
「ばーさん」ですか。
「ばーさん」ですよ。
今や年齢関係なく猫も杓子もマッサージ器具に群がっている。
目指していたのは首の付け根のツボを押す部分が歯車になっているもの。
探していた探していた探していた。
「ひっし」と抱いてもう一つ欲しい。
会社用に、小さめのツボ押し棒を買う。

と、らぶりーはに〜から電話。
一緒にご飯を食べよう。
けれど間に合わないので一緒にお酒を呑もう。

「いつもの穴倉で待て。」

呼吸の馴染んだ穴倉はいつもの週末より静かで落ち着けた。
女だらけで語る。
女ばかりで酌み交わす。

彼女達の瞳が語るのです。
泣くのです。
訴えるのです。
陽炎めくのです。
おそらく彼女達の求めているであろう何かに目を瞑っているのは誰なのか。
アタシはどうしたらよいのか分からずに見詰めるばかりで、ふと思い出したこれは誰の目?

抱えたまま深夜の道をいつものようにタクシーで飛ばす。
運ちゃんはあまり喋らず、はに〜の齧るプリッツの香りが篭る。

時間は遅すぎて。
なので待てない。

誰か殺してくれませんか。


ぐらり と揺れるまま日曜日にSALONを開けた。

鍋は楽しいのでよろしい。
日本酒の美味しいこと。
久しぶりの顔の嬉しいこと。
愛しいので、いっそこのままとも思う。

今週末もまた鍋。
また色々と画策。


連休最後の日はぽかぽかで、みんなと下北散策に繰り出す。
あっちへふらふらこっちへふらふら。
拘って我侭を言って地団太を踏んでオープンカフェで遅めの昼ご飯。

休日の昼間、太陽にあたったせいか夕方から具合が悪くなる。
慣れないことはするもんじゃぁありませんね。
朧げに残る記憶の中、カレーを食べている彼女達を見た。

それは話し声だけだったような。
二言三言言葉を交わしたような。
あの時のキミは、誰?


風邪をひいて熱を出した。





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〜*〜〜*〜〜*〜〜*〜〜*〜〜*〜〜*〜〜*〜〜*〜
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麗香@夏野空 [MAIL] [MILK PITCHER]
 
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