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アイ ナンカ イラナイ。
夏野 空の日記

2002年07月30日(火) マジックミラーの向こう側

昨晩は。
いえ今朝は。

就寝が朝の6時頃でしたかね。

朝、です。
フツーの会社勤めしてる人が伸びをしながら起き出してきてもイイ時間です。
誰も止めたりはしません。
でも翌日が休みでもないのにそんな時間まで起きてる会社勤めの人は
フツーだったら止められますし、フツーはそういうのって「徹夜」って言います。
オイラだって週末しかやりません。
怒られます。
すんません。

履歴書書いてました(笑)。

で。行って来ました。バイトの面接。


知った駅 知った電車 知った路地 知った陸橋

渡って。

地下への階段はどこにある?

知ったビルにある知らない会社

総務のオネイサンは優しげで。
担当のオッサンは事務的で。
スーツを着ていったら思いっきり目立ってしまった。

「ヨソの会社の営業じゃぁありません。」

とりあえず服装は自由らしい。
自由ねぇ。
ちょっと浮くかもしれないけれど、まぁいいか、と。
習うより慣れろ、って言いますしね。
オイラは習いませんし、習えとも言いませんが慣れてください。

「アタシの“自由”はこんなんです。」

一通り。通り一遍。
話を聞いて出て来る。

通りを飛び越えていつものドトールで一服。
あれこれグルグルする。

が。

いつものようにいつものごとく。

オイラの「グルグル」はあれこれ考えているようであまり考えていない。
二つの会社を上手く天秤にかけられない。
でも渋谷がスキ。
色々な作業があるのもスキ。
あんぱんまん先生の病院もすぐそこ。
マダムのいるギャラリーだって射程圏内。
何よりドア・ツー・ドアで30分。

あ。そう言えば。
フェティッシュバーに顔を出していないことに、ふと気がついた。

あー。
ごめんなさい、ごめんなさい。

でもSALONなら美味しいご飯も食べられるし。
自分のスキなお酒が作れるし。
だらだらしてても誰も怒らないので(笑)。

ごめんして渋谷。





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2002年07月28日(日) 性癖とも性格とも習性とも言うそれら

「久しぶりにのんびりできるぅ〜〜」と思っていた週末。
ある意味、逆に意気込んでいた週末。

アレもやろう
コレもやろう
夜はのんびり酒でも呑もう
興が乗ったらあのバーにも顔を出そう

金曜日の夜遅くに帰宅して、気合を入れてチャットをしていたら
あっという間に土曜の朝になった。

白々と明けてくる空。
あー。
病院に行かなきゃいけなかったんですよ。
起きられるワケがないじゃぁないですか。

ぱす。
センセーゴメン。

よい天気だったので午後から起き出して少し表に出る。
壊れたサンダルの修理をしに行ったらカッコイイお兄ちゃんがいた。

負けてもらって出て来る。
らっきぃ
またね
よろしくね

傘も直してくれたらいいのに。

帰ってきてから酒の仕度
肴は枝豆 冷奴 ししゃもにもずくに衣かつぎ

おもろいアイツとメッセで話す
粋なねーちゃんチャットでゲット
ネット三昧な夜は更けて

「今度コーヒー飲んでるところを襲撃しますよ。」


そしていつしか眠りに就き、目が覚めたら日曜の夜。

アタシは何をやっているんだ。

ムダになった週末
ムダにした休日
なんででしょうね
どうしてでしょうね
やはり

サガでしょうか

ああ。
空しくも過ぎて行った時間


嫌でも自覚しなければいけない日曜の夜

嫌でも自覚しなければいけない

再来週は誕生日





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2002年07月26日(金) 総務のオネイサン。

いやぁ 日記から遠ざかっていた

忙しいですね

転職活動ってヤツは(笑)


ええ。そうです。そゆことです。
渋谷を目指すのです!!

というワケで。
いつものように思い立ったが吉日。
ふと何気なく目にとまった求人広告にあまり考えることもなく応募。

渋谷だったし。
東口だったし。
駅から近いし。
ギャラリーにも近いし。
水曜日にはアジアンキッチンの屋台がすぐ側に出るし。
そして何気にコンサル系だし。

深夜にネットからアクセス。
おかげで翌日は起きられず。
「ゴメンなさい。今起きました。」
総務のオネイサンは優しいので。
「台風の前だし。首が痛かったことにしておきましょう。」

ああ。
アナタは女神だ。
でも他の人の視線は刃だ。

ヤル気ナシ、と思われているのか
あるいは
この人も辞めちゃうのかなぁ、と思われているのか

まぁ、ね。

木曜の夜中に応募メールを出したばかりだというのに、
金曜日の朝一番で電話がかかってきた。
数時間前にメール出したばっかりだろーーーー!!!

だからね。
寝てましたって(笑)。
留守電に「ご応募有難うございましたぁ。ご連絡くださいぃ。」って
吹き込んでるの聞こえてたけど、そのままうつらうつら。

西新宿の総務のオネイサンも。
渋谷東口の採用担当のオネイサンも。
みんなアタシの女神になるに違いない。

なので皆様。
転職いたしましょう(違)。

来週のんびり面接に行こうと思って昼前にコールバックしたら、
すぐにでも来てくれ、と言う。

「今日はムリですか?」(どっかで聞いたな。)

「来週ではどうですか?」(ついこの間だったな。)

今のバイトもあまりおろそかにはしたくないので。
というか、他に管理できる人がいないので。
しょーがなく、火曜の午後まで待ってもらう。


久しぶりに早く帰宅して、久しぶりに自分のために酒の肴を作る。
美味しいはずのお酒はなんだか「あれぇ?」な味がして。

西新宿の高層ビルは暗い
暗い空に赤い光を放つ
足元にはいくつかの人間が蠢く
そこはあくまで暗く

人ごみの中に出る
空気が悪い
発散の仕方の分らないオトナがうろついている路上

いくあてのないオイラが一匹


深夜ネットに繋いでみる
知り合いが一人

いくあてを失って佇んでいた。





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2002年07月22日(月) 下北沢ゲリラ花火大会。うずくまる言葉たちの夕べ。朝は明けない。

週末のSALONは「下北沢ゲリラ花火大会」。
まずは店が閉まるのを待ってから。

次々と空けられる酒瓶
全国津々浦々の日本酒はちゃぶ台を軸に回る

飲み干される杯
男たちの影薄く
灯る明かりに女の笑みばかりが浮かぶ

一人増え二人増え
「こんばんわ。はじめまして。」

男たちが饒舌になった頃
時を迎えて家は静まり街は賑わう

「表におまわりさん立ってますよ。」
携帯の向こう側は果たして心配しているのか楽しんでいるのか

出陣。

水入りペットボトルに小さなバケツ
買った花火は中国製

まずはコインパーキング
閉鎖されるそこはまるで「ヤってください」と言っているような。
月極の駐車場
花火の煙は居酒屋の煙と混じり合う。
もう一つのコインパーキングを経由して路地裏を入り、知ったバーの前
表で休憩していたマスターを引き擦り込む。
下北沢駅南口前
たむろしている人、人、人。
小田急線のホームを見下ろす陸橋上
最後の線香花火は彼女が持っていた。

帰り道に食べたアイスキャンデーの練乳が脳裏にこびりついている

暑さのせいか
疲れのせいか
たびたび押し寄せる眠りという名の刻

明け方のUNOはテキーラのお約束をバーボンに変えジンジャーエールに変え
「アタシはショットガンが好きです。」
ジェンガは手元を狂わせ思考回路を掻き回す

始発が動く頃に「明日は詩のリーディングがあるんですよ。」
滑らかに緩やかに流れるように留まるように
吐く息が言葉を吐き出させるので
言葉に息を持たせるのです

同じ詩を繰り返す時計が壊れ
同じ詩を繰り返し聞く耳が慣れ
同じ寝息は二度とないことを知った時に
それは違うものとなったので戦士たちの休息

休息 休息
束の間の休息は高いテンションを保ち続ける
それは緊張感であり疲労であり記憶という名の癖になり得ないもの

人は言葉を生み操り
人は言葉により繋がり
繋がることによって愛しあうことができるので

なので言葉を欲するのです
なので言葉を発するのです

踊る言葉たち
つまづく言葉たち
どれもこれも言葉に違いなく
拾い集めた中に欠片を見つけたので拾ってみました。

短歌を詠む青年でした。

明けて今日、月曜日。
動かない分らないどうしようもない上司を引き摺りまわして追い立てて。
帰りの電車の車窓から暗い街を見るとはなしに見ていたら。


疲れたので愛されてもいいですか
愛していたのに忘れてもいいですか

あるいは。

あなたは忘れてもいいので
わたしは忘れなくてもいいですか





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2002年07月16日(火) ズレている首の骨。彼女の声は猫階段を登る。

先週末のSALONはまったりと。

語る 女のコと。
語る 女のコと。
男が語っているのを見る。

暗がりを通る声、詩の向こう側で変わる。
顔が違う。

ダレ?

気を遣わないでダラダラと。
ゴメン、今週はのんびりさせて。

お好み焼きはリベンジ。


台風が近づいていた月曜日。
首が痛かったので会社帰りに病院へ寄る。

渋谷が好き。

少しラクになって帰宅する。
けれど体というのは正直で。
誤魔化しはきかないらしい。

夜半から再び痛み出す骨。



首の骨

「ズレているのだ。」

ベッドの上でのた打ち回り、眠れないまま台風を迎える。
私の眠りを返してくれ。

降り始める雨。(音だけでなぜ分る。)
白んでくる空。(曇りガラスで色は見えない。)

水しぶきの音か車の音かバイクの音か吹く風の音か。

キミの声か。幻か。

やはり。

再び、起き上がれない朝が来る。
会社に電話。
もう一度電話。
病院に行ってきます。

昼過ぎに雨は上がり、青くなる窓。
1〜2時間後に軽くなる症状。
なんて正直なんだ。
なんて素直なんだ。
体の持ち主は意地っ張りだ。

仕度をして病院へ急ぐ。
途中、ギャラリーに寄ってフリーペーパーをゲット。
写真家T氏のポストカードも一緒に。

また一人増えた。


「今日、やっぱり起き上がれませんでした。」
「ああ、やっぱり。」
「どうしたらいいんでしょうね。」
「当分の間、できるだけ顎を引いていてください。」

お茶をしてから帰宅。
つまらない一日。
くだらない一日。


猫階段がいつもの瞳を輝かせていたので背中を丸めて降りた。





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2002年07月14日(日) 彼女が甘い吐息をついた

なんだか先週一週間がとても長く感じた。
金曜日は会社帰りに病院へ行こうと思っていたのだけれど、
今週のSALONには予定が入っていないことを思い出し、
じゃぁ病院は土曜日に行けばいいじゃぁないか、と。
夫と待ち合わせして久しぶりに渋谷の行きつけのお店へ。

ママ久しぶり。
マスターご無沙汰。
ここの料理から遠ざかっていたせいで痩せちゃったよ。

お腹一杯ほろ酔いで帰宅。

土曜日は朝からちょっとバタバタ。
9時前に携帯が「本能」を奏でる。
ネボケた頭で出たら、彼女が切羽詰った声で「今から行ってもいい?」。
どうやらすぐ近くにいる模様。
女のコはね。
いつでもオールカモン。
24時間コンビニ状態。

けれどゴメン。
朝は弱いんだ。
時間の感覚まるでナシ。
「いいよぉ〜」と答えてまた眠る。

ブーーーッ!

我が家のドアブザーは結構な音量で鳴る。
叩き起こされて彼女をお出迎え。

おはよう。
すげー荷物じゃん。
大丈夫?

アイスコーヒーを啜りながら女二人でアレコレ話す。

男ってさ。
彼ってさ。
じゃぁ女ってさ。
貴女はさ。

アタシはね。

二人で眠る。

いいなぁ。
恋人たち。
近くにいればいたで色々面倒なこともあるんだろうけれど。
手の届かないアタシにはちょっとイタイ。

焦げ付いた愛情を少し分けてもらう。

夜は再び彼女達と待ち合わせて、久しぶりにフェティッシュバーに顔を出す。
少し居心地が悪い。
隅っこで。
一人で呑ませて。
いつものテキーラバックだけは変わりなく。

テキーラ
テキーラ
テキーラ

重ねるグラス。
蠍は1匹減っている。
おそらく。

「じゃぁね。」

深夜、SALONに客人アリの連絡。
店を出てタクシーに乗る。

拾ってくれ。
攫ってくれ。
どこかへ。
運んでくれ。

一体どこに、行けるんだ。





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2002年07月11日(木) フェラできないのは新宿のせい(?)

起きたら。
というより目が覚めたら。

起き上がれない。
首の骨が痛いのだ。
どうにもならずにお休み。
おそらく気圧のせいだろう、と踏んで。

気分が悪かったので夫を送り出してから再び眠る。
というより起き上がれない。

のでそのまんま。
ベッドの上で「ぼーーっ・・・」。

午後になってからようやく痛みが薄くなり、気持ち悪いのも少しラクになってきた。
ヤバいね。
病院行こう。

歩いているとクラクラする。
どーしよう。
でも絶対、行ったほうがいい。

ふぁいとぉ。

久しぶりの渋谷。
あー。
ただいま。
先生、ただいま。

「顎の骨がストレスの溜めすぎでズレてますよ。何やってるんですか?」

押さえつけられて顎の骨をガンガンやられる。

わー。
壊れるぅぅ。

ああ。
これではね。
フェラできませんよ。
ごめんなさい。
それよりね。
フェラしてる最中に顎ハズれたらもっとごめんなさい。
もしそうなったら驚いてもイイですが、救急車呼んでください。
アタシゃ顎がハズれてて喋れないでしょうから。


ドトールでお茶でもしていこうかと思ったのだけれど、
それよりもお腹が空いていたので皿うどんに変更。
久しぶり。
お腹一杯で帰宅。

新しいバイト先に同期で入った男のコは2日しか出社しないで辞めた。
早ぇーよ。
もうちっと辛抱しようぜ。
せめてオイラが辞めるまで待ってて欲しかったね。

くっそ。

それもこれも新宿の水が合わないせいだ。





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2002年07月08日(月) アナタ「裏」の人でしたか。

今日から新しいバイトにれっつごー。
西新宿へれっつごー。

夫と一緒に家を出る。
新宿まで一緒。
アタシはそこから一駅乗る。

「西新宿」

いやぁな病院の前に出る。
けれど大好きな美容院の前に出る。
予定より30分ほど早く着いたので、すぐ前のドトールでモーニング。
明日は少し遅めに出よう。

きっと日本全国どこのドトールで食べても同じ味なんだろうけど、
にぃさん、今日はマスタードが多すぎませんか。
それともこの店は他のとこより多めにしてるんですか。
それはナンですか?
「新宿ナメんなよ?」ってーことですか?

歩いている人も街並みも何だかみ〜んな歪んで見える。
嫌いだ嫌いだ嫌いだ。

何でだろう。
おそらくね。
考えるまでもなくね。
辞めちゃうね(笑)。

新宿はアタシにとっては「靴」と「化粧品」を買いに行くしか用のない街だ。


新しいバイト先は新薬のリサーチをしている。
日に数度、覆面座談会がある。
日に数度、医者がコッソリ“タレコミ”に来る。
皆お金を貰って帰っていく。

マジックミラーのコッチ側で製薬会社の人らが息を潜めて聞いている。

「この薬をEDの患者に投与すると、こういう副作用が・・・・・」

やっぱね。
SMと性は切っても切り離せない縁にある。

ってーこと?





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2002年07月07日(日) SEXを語るコドモ達

恐るべし生理。
始まった途端に心理状態クリア。
気分が重いままSALON開けることになったらどうしよう、という危惧は雲の彼方へ。
ああ、そしてよい具合の天気。

風、気持ちよく。

週末のSALONは大賑わい。
写真家T氏の公式サイトオープン&バースデー&サイト構築者の労をねぎらうパーティー。
知ってる人も知らない人もあっちこっちでリンク発見。
同じ趣味だったり同じ業界だったり知ってる会社だったり知り合いの知り合いだったり。
なんだぁ、世間って狭いなぁ。
つか、何でただのマンションの一室で知らない同士がこんなに繋がってるんだ(笑)。

名前もろくすっぽ分らないままでどんどん話が弾む。
そしてどうやらアタシは「悪い人」らしい。
写真家T氏のお墨付き。
ウッサイ、アタシは我侭なんだ。

「精液には甘い・苦い、濃い・薄いがある」
「自ら好んで顔射をしてくれという女はいるのか」
「“入れてくれて有難う”というSEXをして欲しい」
「根っこが曲がっているのでアクロバティックな体位ができる」

大笑いしながら真面目にSEXを語る。
へんてこりんなオトナ達。
あるいはコドモ達。

おそらくみーーんな童心。


さて。
月曜日からバイト再開。
目指すは西新宿。
あまりスキじゃない街・新宿。

どーするかな。
どーなるかな。

自分がヤるんだ。





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2002年07月03日(水) どうしたらいいのか分らないんです

疲れたので。

誰か支えてくれませんか。

泣きたいので。

誰か泣ける場所を提供してくれませんか。

随分と待ち続けたので。

誰か待つのを止めさせてくれませんか。



少し早目に目が覚める。
強めの眠剤を飲んでいるのに6時間も眠らないで目が覚めてしまう。

すっきり。
はっきり。

何が目的なのか分らないままネットを立ち上げ、某チャットに顔を出す。
何が目的なのか分らないまま世間話をして、ふと、
ああ、今日は薬をもらいに行く日だ、と思い出す。

顔を洗って着替えて化粧をして。出かける支度。
何も考えていなかったのだろう。
気がついたらもう病院の前に着いていた。
アタシの頭は40分近く思考を停止していたらしい。
が、早く来すぎたらしく、閉まったシャッターの前で男のコが一人立っていた。

「今日何時からでしたっけ?」

耳が不自由なコだった。
身振り手振りで会話する。
どうやら1時間も早く着いてしまったらしい。

することもなくボンヤリと待つ。
シャッターが開き、待合室に入ってからもボンヤリし続ける。
かろうじて呼ばれたことには気付いて診察室に入る。

「変わったことはないですか?」
「ええ」

にこり。
にこり。
にこり。

診察の帰りにアチコチのお店を覗いて買い物をしていくのが習慣になっている。
新しい職場の雰囲気に合うよう、スカートとブラウスを買うつもりだったのだが、
何故か下着を買ってしまった。

何やってんだ。ばか。

夫にメールをしたら、帰りが遅くなるそうだったので、何か食べて帰ることにする。
けんたっきーふらいどちきん。
大好きなんだけれど。
いつもは美味しいんだけれど。
何故か今日は「もそもそ」と。
味もよく分らない。
昨日も「もそもそ」だった。
そして今日も昨日も「うっくん」と飲み込んだ。

泣きたくなってきて。
けれど帰りたくなくて。
けれどどうしようもなくて。
こんなところで泣きたくはなかったので電車に乗った。
けれど。けれど。
泣きたい気分はそのまま治まってはくれず、いつものように歯を食いしばっていた。

電車の中でなぁ。
近くにいる人が突然泣き出したらヒクだろう。誰だって。

そんな状態だったので、アタシはろくすっぽ焦点が合わないまま下北についた。

「寂しい時はお酒呑んじゃダメだよ。余計寂しくなるからね。」

昨日、メッセンジャーで知り合いに言われたばかりだったので、
ちょっと踏みとどまる。
でもね。
呑まなくてもね。
やっぱり泣きたい気分は治まらないし、やっぱり寂しいままだ。

ネットを立ち上げてメールチェック。
「オイラが崩壊した日」を読んでくれた人からメールが入っていた。
そのメールについてしばらく考えてから、日記のチェックをしていたら
小夜ちゃんがアタシの日記をMy登録しているのを見つけた。
彼女のサイトのBBSにある書き込みを見て再び考える。
彼女達に話したい「たくさんのこと」を飲み込む。
文字でやりとりするよりも、実際に顔をあわせて話をした方が通じるのだ。
こういうことは。

夜、昨晩のアタシの様子を心配してくれたメッセンジャーの知り合いが
電話をかけてきてくれた。
話しているアタシの声は自分でも分るくらい明らかに普段と違ったトーンで。
口調も「もったり」としてしまっていた。
ダメだ。コントロールできない。
お好み焼き食べに行こうね、と言って切る。

何やってんだ。ばか。

以前、フェティッシュバーのボスに言われた言葉を再び思い出す。
「麗香さん。自分を癒してあげることも必要ですよ。」

ごめんなさい。
ごめんなさい。
ごめんなさい。


だから言ってるじゃないか。

アタシは自分の癒し方なんて知らない。





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2002年07月02日(火) ヤラカシちゃったら後戻りできないか・・・・・

深夜までチャット。
最近出入りしている某サイトのチャットでカワイイ女のコと知り合いになった。
というか、オイラが勝手に懐いている。

そのコは明け方にならないと出てこない。
オイラとしてはね。
これはイっとかないと。
しかも住んでるの近所だし!
というワケで、明け方まで粘っている。

何だよ?
ネットストーカーの始まり?(笑)

だからさ。
ビアンじゃないから。
バイでもないから。
お願い。怖がらないで。

今朝もそのコとちょこっと話してからベッドに入る。

昼前に携帯が林檎の「本能」をけたたましく奏でる。
すぐに切れる。
ナニ?ワンギリ?

「感じわるぅ〜〜。せっかく眠ってたのにぃ〜。」と思ったらまたすぐかかってきた。
ボケボケ頭のオイラは相手が誰なのか確認もせずに出た。

「○○さんですか?昨日面接に来て頂いた株式会社○○の者ですが。」


あ゛ーーーーーーーーーーー!!!


ヤな予感見事に的中。
即採用。
昨晩、仮に採用の通知が来たらどうやって断ろうか考えておいたのに、
ボケボケ頭のオイラは間髪入れずに営業トークをしていた。

「有難うございます!よろしくお願いします!」



・・・・・・・・・・・・・・・・・ばかちん。


つーかさ。
結果はメールで知らせてくれるっていう話だったろ。
アタシゃ丁重にお断りしようと。
じっくり時間をかけてメールに返事を書こうと。

これってアレですかね。
「先手必勝!」ってヤツ?

頭に血が巡り始めてきたところで、入社日を先延ばしにして、その間に他にも
何社かアタってみようと画策したのだが、読まれていたのかいなかったのか。
「明日から出社して頂きたいんですが。ムリですか?」

泣きたかったっす。
すがりついて、来週の月曜日からの勤務にしてもらいました。

電話を切ってしばし呆然。
とりあえず夫にメールで報告。
そして再び呆然。

頭からっぽのままパソを立ち上げる。
こういう時はね。
こう、何か楽しいことをね。するのがイイっすね。

メッセンジャー友達に愚痴をタレまくる。
いやぁー、悪かったね。
串揚げ食いに行ったらエビあげるから。ユルせ。
あ、アスパラはちょーだいね。
就職祝いだっちゅーのっ!(←妙に八つ当たりモード)


夕方、陽が暮れてきて表が暗くなってきたら急に哀しくなってきた。
何でだか分らない。
とんでもなく寂しい。
オイラの知り合いは殆んどのヤツらが勤めに出ているので、
電話で誰かを呼び出すワケにも行かず、再びネットを立ち上げる。

「今いい?」

メッセンジャーで知り合いに声をかける。
仕事中なのにゴメン。
忙しいの分ってたけどゴメン。
メッセンジャーでやりとりをしながらワンワン泣く。

一体全体どーしたっていうんだ。

オイラが聞きたい。

多分生理の前だからだ。
生理がいけない。
生理がいけない。
生理がいけない。

アイスコーヒーを飲んでちょっと落ち着いた。

と思ったらまた涙が出てきた。
膝を抱えてガンガン泣く。

夫から「遅くなるから晩御飯食べててぇ〜〜」のメールが入る。
一人分の料理を作る気は起こらないので。
というか気力がなかったので、この間むっちゃん達が置いていってくれた
パンを食べることにした。
そういやぁ、あの時ふらわ〜ちゃんに「パン好きなの?」と聞いたら
「うん!好き!」と言ってニコニコしながら食べていたなぁ。
オイラもスキだけどな。
ドトールでよく食べるし。

もくもく。
うっくん。

飲み込むのが苦しかった。
なんだか無性に悲しくなってまた泣いた。
泣きながら食べた。


パンなんか嫌いだ。





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2002年07月01日(月) 「バイアグラのモニター試験結果はですね・・・」

充電したのかしなかったのか。
バタバタと忙しい1ヶ月を過ごしたが、今日バイト1件目の面接。

滑り出しイイカンジ。
会社概要にも興味持てたし。
面接官は二人とも気さくで人当たりが良さそう。
何より、以前使っていたソフトを開発したのがそこの会社であることが判明。
社長まで出て来た。

いいんじゃん?
もしかしてオッケー?

が、この後、試験官が一人抜け、社長も抜け、雑談モードになったところで
イヤンな事柄がいくつか見えてきた。
今回採用のバイトがやる仕事は企画・開発ではなく、医療関係のリサーチ業務。
新薬開発に関わるものが主らしい。

時間があるなら見て行って、と言われて案内されたオフィス。
会議室は裏から見られるようにマジックミラーになっている。
覆面インタビュー用の部屋だそうな。
インタビュアーと医者のやりとり、あるいはナースを集めた座談会などを
製薬会社の人やら医療器具開発メーカーの人が裏で聞く、という。
時には新薬を処方された患者に対するインタビューもするらしい。
会議室を見せてもらった後、更に別室に通される。
「例えばこれがバイアグラに関するリサーチ結果、こっちが糖尿病・・・」

これは・・・・・コワくありませんか?
病院にかかるのコワくなりませんか?
具合悪くなった時、病院で処方された薬が、
仮に自分が調査を担当した薬だったりしたら・・・。
知り合いが使っている薬には実はウラがあるんだったりしたら・・・。
知らない方がよいのか、知っておいた方がよいのか。

しかもパソコンは殆んどできなくてもいいらしい。
アタシゃパソコンのスキルを生かしたいんですわ。

むーーーーーん。

面接で一緒になった女のコと駅までトボトボ歩く。
どうやら今回の募集はチンマリと出したものらしく、応募してきたのは
アタシ達二人だけらしい。

「どーする?」
「怖いですよねぇ?」
「だよねぇ?どーしよう・・・・・」
「でも時間の自由利きそうだし。服装も自由だし・・・でもそれくらい?」
「守秘義務とか厳しそうだよねぇ。」
「事務所も狭かったですね。息苦しそう・・・。」
「・・・・・」
「・・・・・」
「あの仕事。やってて辛くないのかなぁ。」

トボトボ。
トボトボ。

他も何件か受けてみたいのに、明日、合否通知をくれるという。
急がなくていいから。
頼むから。

もっと後にしてくれ。
せめて後3社くらいは面接受けさせてくれ。
もーちょっとジタバタさせてくれ。

もしかしたらちょっとコワイ業界の人になっちゃうかもしれないオイラ。
ノーテンキがいいんだけどなぁ。
あれこれ抱え込むのはキライなんだけどなぁ。

いっそのこと落としてくれ(爆)。

こーさぁ。
一日中パソコンに向かってワードやエクセルバリバリの資料作成、って
仕事ないんかねぇ?
トイレに行くヒマなんかなくったっていいよ。もう。
昼飯食う時間もなくたっていいや。


風邪薬しっかり飲んで臨んだ面接だったってーのに。
くっそ。
鼻声だったよ。

どーする?
薬飲む?





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〜*〜〜*〜〜*〜〜*〜〜*〜〜*〜〜*〜〜*〜〜*〜
愛してくれる?

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麗香@夏野空 [MAIL] [MILK PITCHER]
 
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