山ちゃんの仕方がねえさ闘病記
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2009年05月06日(水) |
土曜ドラマ「遥かなる絆」 |
最近はまっているのが、NHK土曜ドラマ「遥かなる絆」、連続6回シリーズで放映中だ。いわゆる中国残留孤児という言葉もまだなかったころ、自力で日本の家族を探し出し永住帰国する。その後主人公の娘が成長して中国に留学し父の人生を辿ってみるという物語だ。
原作は「あの戦争から遠く離れて」というドキュメンタリーで著者は城戸久枝、主人公は原作者の父城戸幹(中国名:孫玉福)である。
先に原作を読んでいたが、ドラマはその原作に忠実でなかなかおもしろい。いかにあの主人公が苦労したか、また努力したか、切々と伝わってくる。イデオロギーを抜きにしてとても感動する。
以前にも山崎豊子原作の「大地の子」という、これも中国の残留孤児を題材としたドラマがあった。あれも毎回涙を流しながら見ていたのを記憶している。
似たような話に、なかにし礼原作の「赤い月」がある。終戦直後満州からの引き揚げの脱出劇をドラマ化したものだ。(先日同じくなかにし礼原作の「兄弟」のドラマを見て思い出した。)これも先に原作を読んでいたのでストーリーに付いて行けた。なかにし礼の作品はとても臨場感がある。
そして昨日読んだのは藤原てい著「流れる星は生きている」である。(著者藤原ていは人気作家新田次郎の妻。)これも終戦後の引き揚げの凄まじさを克明に綴ったドキュメントである。昭和二十年代にベストセラーになったというほどで、これまでも文庫本になり読み継がれているのが当然と言うほどに衝撃的だ。当時の引揚者がどれだけ苦労をしたかわかる。筆舌に尽くしがたいとはこのことを言うのだろう。
今日はその藤原ていが引き揚げるときに背中のリュックに入れて連れ帰った生後一ヶ月だった娘咲子が書いた「母への詫び状」という本を読んでいる。彼女は十代のころ母が買いた「流れる星は生きている」を読んで、当時自分は厄介者だったのではと思いこれまで母に辛く当たってしまったのだそうだ。しかし今読み直してみて母への気持ちが変わり、「母への詫び状」という著作を著わしたそうだ。
戦争は人々にいろんな心の歪みや葛藤をもたらした。このような物語は延々と語り継がれていくのだろう。
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